17【熊本】水俣

SCC水俣
放置竹林の邪魔な竹を活用して、竹炭作り!
気候変動防止に貢献する!
熊本県 水俣
杉浦未悠 (2017年プロジェクトリーダー)
水
俣
地
域
・
社
会
の
課
題
労働力不足
少子高齢化
若者流出
放置竹林の増加
人工林や田畑への侵入
地
域
・
社
会
の
課
題
竹の性質
・成長が早い
・成長しきるとCO2を
取り込む率が下がる
枯れた竹
・虫に食べられる
・成長STOP
→CO2を固定して
おけなくなる
地域に対しても、
地球温暖化に対しても
悪影響!
去
年
ま
で
の
活
動
実
績
 1992年~国際ワークキャンプの開催
 2011年~中長期事業開始
今
年
の
活
動
活動期間:2017/7/4~9/25
参加者:11名 (短期含む)
フランス・ドイツ・インドネシア・ロシア・オーストラリア・日本
今
年
の
活
動
放置竹林の管理・邪魔な竹の伐採→竹炭作り
3か月で作った竹炭
516㎏
=1893kg分CO2固定
今
年
の
活
動
こ
れ
か
ら
の
活
動
プ
ラ
ン
①竹炭作り推進+竹炭を再生可能エネルギーとして利用
②中学生への環境学習 ③エコな暮らし
ロ
ー
カ
ル
SDGs
2030年に目指すゴール
少子高齢化・若者流出がますます進む地域
地球温暖化が進む世界
もっと多くのボランティアを呼び込む!
現状KEEP
これ以上放置竹林を増やさない
竹炭作りの活動を推進していく
おわり
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17【熊本】水俣

Editor's Notes

  1. 水俣:小さな市の中に海・山・川全てがある自然豊かな、日本でも珍しい場所。 水俣病の教訓を生かし、環境モデル都市として環境に優しい街づくりを推進している。(ゴミ20タイプ分別など) 現在水俣の海は多くの絶滅危惧種の住処でもあり、水俣病当時の汚染された海は、人々の努力によって、安全できれいな海となった。
  2. しかし、一方で水俣は少子高齢化・若者流出という状況の中で深刻な労働力不足に直面している。 地域の竹林管理に人手が足りない。放置竹林が増加している。 竹の数は増え続け、人工林や田畑へ侵入してくることも。また、管理が行き届かないため枯れた竹が倒れ、竹林にさらに管理しに入りにくくなるという悪循環。
  3. また、地球温暖化への影響という観点から見ると、竹は他の木々に比べて成長の速度が速く、数年で成長しきってしまう。成長しきってからは、二酸化炭素を呼吸で取り込むことが少なくなり、更に、枯れてしまうともう二酸化炭素を固定しておくことができず、更に虫に食べられて虫から二酸化炭素が放出されたり、と竹林を放置しておくことは地球温暖化へもつながる。 そのため、水俣という地域のためだけではなく、地球温暖化防止への貢献の意味もこめて、SCC水俣プロジェクトが開催された。
  4. 共催はNPO法人植物資源の力。国際ワークキャンプは1992年から始まり今年で26年目。埋立地に植物を根付かせる実生の森づくりや、地域の特産であるサラダ玉ねぎ祭りの手伝いなど、地域で必要とされていることをその年に応じてボランティア活動として行ってきた。2011年からは中長期ボランティアも派遣されるようになり、より継続的なボランティアが可能に。竹林の管理や竹炭づくりがここから本格的に始まった。また、援農や子供の環境学習のサポートも、NPOの代表と共にボランティアが行っている。
  5. 今年は、3か月の中期ワークキャンプとして夏に開催。1ヵ月の部分参加者や、2週間の短期参加者も受け入れ、合計11名のボランティアがこのプロジェクトに参加した。 普段は秋冬に3か月ずつ中長期ボランティアを受け入れており、この時期に3か月、は初の取り組み。 夏の厳しい暑さや高い湿度、台風や梅雨の悪天候にも負けずに3か月間活動した。
  6. メインワークは放置竹林から邪魔になっている竹を伐採してきて、竹炭の状態にすること。伐採した竹はかさばるため保管場所に困る。また、そのまま置いておくと結局枯れてしまい、意味をなさない。そのため半永久的に保存でき、場所をとらない竹炭の形にする必要がある。竹炭にすると炭素固定が同時にでき、腐ることがないのでそこから炭素(≒二酸化炭素)が放出される心配もない。竹炭は浄水・調湿効果に優れ、また、現在再生可能エネルギーとして、燃料としての利用法も模索されている。
  7. 他の活動としては、地元の人の草刈りの手伝い、中学校での環境学習サポートや生徒との異文化交流、地域のイベント参加など多岐にわたって行った。 また、インドネシア・インド・カンボジアでもSCC プロジェクトが同時期に進行していたため、情報シェアや交流の時間をもった。 普段の生活では、環境に優しい暮らしを目指し、移動は基本自転車で、ボランティアがおのおの節水節電を心掛けての生活。
  8. 今後水俣でのボランティアでは、今までの竹切りや竹炭作りのワークをより効率的に行っていく。また、今年の冬からあるレストランで竹炭オーブンの実用化が決定しており、今までとこれからの竹炭が有効活用されることとなる。中学生への環境学習もより実践的な活動へとステップアップする時期にきており、NPOの代表と共にボランティアも生徒をサポートしていく機会がふえる。今回のワークキャンプに参加したボランティアメンバーは自分の国、地域に戻ってからも、水俣で学んだエコな暮らし方を実践し続けている。
  9. 現実的に、これから水俣では少子高齢化・若者流出がますます進み、世界では地球温暖化が少しずつ進んでいってしまうことが考えられる。そんな状況と反比例して、水俣に今まで以上にもっとボランティアを呼び込み、水俣での国際ボランティア活動をより活発化させていくことがこれからの目標だ。そうなって初めて、これ以上状況を悪化させないことが可能になる。労働力不足がますます深刻になる中で、これ以上放置竹林を増やさないためには、もっとボランティアが水俣に来ることが必要だ。