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ど   こ      い   遠   二   あ   こ   だ   中        中       自        環       で               幡        自        お       お        今 ...
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地場産のヒノキ + 間接照明で、お客様の表情を活き活きと照らし出す。土佐くろしお鉄道 中村駅リノベーション   design, produce, photo and text by   nextstations   copyright:(C) ...
学生、お年寄り、観光客、ビジネス客などそれぞれの時間を、思い思いに過ごせるためにデザインされた家具を配置した。土佐くろしお鉄道 中村駅リノベーション   design, produce, photo and text by   nextstat...
駅前〜待合室〜コンコース〜改札口〜プラットホームの一部まで、床をヒノキ材で統一し、空間の一体感を強調した。土佐くろしお鉄道 中村駅リノベーション   design, produce, photo and text by   nextstatio...
プラットホームの余剰スペースを、新たに待合スペースとした。四万十川の支流・後川沿いの桜並木を眺めることができる。土佐くろしお鉄道 中村駅リノベーション   design, produce, photo and text by   nextsta...
改札口業務を中止したので、誰でも気軽に駅構内に立ち入ることができる。土佐くろしお鉄道 中村駅リノベーション   design, produce, photo and text by   nextstations   copyright:(C) ...
列車の窓際で、出迎えや見送りができる。土佐くろしお鉄道 中村駅リノベーション   design, produce, photo and text by   nextstations   copyright:(C) 2010-2011 all r...
木の塊が挿入されたような駅空間のあかりは、駅前広場〜プラットホームへと境界を越えて広がる。土佐くろしお鉄道 中村駅リノベーション   design, produce, photo and text by   nextstations   cop...
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お客様のお顔を美しく中村駅がいちばん賑わうのは、朝から午前中だ。夕方 18 時を過ぎると、とたんに                                                          そこで、私たちは分かり易いルー...
Nakamura Station Booklet Japanese Edition
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Nakamura Station Booklet Japanese Edition

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Nakamura Station is located in the rural site of the West Japan, Kochi Pref. This is the one of the challenge to the future of local railway station. The direction, architecture and designed by Yasuyuki KAWANISHI, Yoshihiro KURITA, Shintaro YANAGI / nextstations.

Published in: Design
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Nakamura Station Booklet Japanese Edition

  1. 1. ど こ い 遠 二 あ こ だ 中 中 自 環 で 幡 自 お お 今 で そ ま 幡 中 四 幡 来う れ つ 方 十 の の か 村 国 動 境 も 多 家 子 客 日 も れ る 多 村 万 多 ゆぞ か も か 一 頃 街 ら 駅 や 車 問 世 地 用 様 様 、 さ か で に 駅 十 地 うよ ら 人 ら 世 の と こ も 東 産 題 界 域 車 や の 中 す ら 、 初 は 川 域 、ろ も の の 紀 賑 地 そ 、 南 業 を で で で 学 数 村 が 四 生 め 開 や の 新し 、 顔 お に わ 域 今 世 ア が 重 は の の 生 は 駅 に 十 ま て 業 足 拠 !く ず が 客 ふ い の 、 界 ジ 破 視 、 鉄 移 さ 、 の そ 年 れ の 以 摺 点 中。 っ 見 様 さ を 、 高 に ア 綻 す 二 道 動 ん 開 周 ろ 。 た 鉄 来 岬 と 村 と え が わ も 未 知 負 、 し る 十 の が た 業 辺 そ 人 て 道 約 な し 駅 、 る 、 し う 来 県 け 南 た ヨ 一 役 当 ち 当 環 ろ 間 の が 四 ど て 中 、 う い 一 の 西 て 米 ア ー 世 割 た は 時 境 、 で 赤 開 十 へ 、 村 安 ら 、 度 た 部 は で メ ロ 紀 は り ず に や 街 言 ん 通 年 の 駅 心 や 幡 、 め の い も リ ッ は 、 前 い 比 お の う 坊 し 間 観 は で ま 多 と に 拠 ら 、 カ パ 鉄 変 に ぶ べ 客 顔 な を た 、 光 が き し 地 は 生 点 れ 鉄 で で 道 わ な ん て 様 や ら 祝 と 皆 の ん る が 域 申 ま た ま 道 も は の り り と 半 も 玄 ば 福 き さ 玄 ば 駅 る の し れ る せ を 、 各 世 つ 、 減 分 変 関 、 し 、 ん 関 り へ 駅 身 ま 変 中 ん 中 大 国 紀 つ 街 り 以 わ と い て 中 に 口 ま 。 へ の せ わ 村 。 心 統 が だ あ も ま 下 ら 言 ち い 村 ご と す 、 丈 ん り 駅 に 領 競 と る 郊 し 。 れ う ば た 駅 利 し 。 に が ま は し が い 言 の 外 た ま に ん だ は 用 て 合 、 す 、 た 鉄 合 わ か へ 。 し は の け 大 い 、 っ 。 皆 交 道 っ れ も 広 た 傷 働 た 変 た た さ 通 を て て 知 が 。 み き か な だ 駅 ま 体 重 、 い れ り が 盛 の 賑 き へ ひ 系 視 鉄 ま ま ま 目 り よ わ ま 、 と の す 道 す せ し 立 。 う い し る ビ り 整 。 ん た っ に で た 政 ジ ひ 備 。 。 て 。 迎 。 と が 策 ネ き え り 計 に ス ま て 転 を の 画 し い 換 繰 た さ た た め れ を り 。 だ に て 図 広 き っ げ 、 い ま て て ま し す い い た 。 ま ま 。 す す 。 。 駅の利用者に向けて、建築の作り手としての想いをメッセージとしてまとめたポスターを製作、工事期間中に駅構内に掲示した 土佐くろしお鉄道 中村駅リノベーション design, produce, photo and text by nextstations copyright:(C) 2010-2011 all rights reserved. 01
  2. 2. ど こ い 遠 二 あ こ だ 中 中 自 環 で 幡 自 お お 今 で そ ま 幡 中 四 幡 来う れ つ 方 十 の の か 村 国 動 境 も 多 家 子 客 日 も れ る 多 村 万 多 ゆぞ か も か 一 頃 街 ら 駅 や 車 問 世 地 用 様 様 、 さ か で に 駅 十 地 うよ ら 人 ら 世 の と こ も 東 産 題 界 域 車 や の 中 す ら 、 初 は 川 域 、ろ も の の 紀 賑 地 そ 、 南 業 を で で で 学 数 村 が 四 生 め 開 や の 新し 、 顔 お に わ 域 今 世 ア が 重 は の の 生 は 駅 に 十 ま て 業 足 拠 !く ず が 客 ふ い の 、 界 ジ 破 視 、 鉄 移 さ 、 の そ 年 れ の 以 摺 点 中。 っ 見 様 さ を 、 高 に ア 綻 す 二 道 動 ん 開 周 ろ 。 た 鉄 来 岬 と 村 と え が わ も 未 知 負 、 し る 十 の が た 業 辺 そ 人 て 道 約 な し 駅 、 る 、 し う 来 県 け 南 た ヨ 一 役 当 ち 当 環 ろ 間 の が 四 ど て 中 、 う い 一 の 西 て 米 ア ー 世 割 た は 時 境 、 で 赤 開 十 へ 、 村 安 ら 、 度 た 部 は で メ ロ 紀 は り ず に や 街 言 ん 通 年 の 駅 心 や 幡 、 め の い も リ ッ は 、 前 い 比 お の う 坊 し 間 観 は で ま 多 と に 拠 ら 、 カ パ 鉄 変 に ぶ べ 客 顔 な を た 、 光 が き し 地 は 生 点 れ 鉄 で で 道 わ な ん て 様 や ら 祝 と 皆 の ん る が 域 申 ま た ま 道 も は の り り と 半 も 玄 ば 福 き さ 玄 ば 駅 る の し れ る せ を 、 各 世 つ 、 減 分 変 関 、 し 、 ん 関 り へ 駅 身 ま 変 中 ん 中 大 国 紀 つ 街 り 以 わ と い て 中 に 口 ま 。 へ の せ わ 村 。 心 統 が だ あ も ま 下 ら 言 ち い 村 ご と す 、 丈 ん り 駅 に 領 競 と る 郊 し 。 れ う ば た 駅 利 し 。 に が ま は し が い 言 の 外 た ま に ん だ は 用 て 合 、 す 、 た 鉄 合 わ か へ 。 し は の け 大 い 、 っ 。 皆 交 道 っ れ も 広 た 傷 働 た 変 た た さ 通 を て て 知 が 。 み き か な だ 駅 ま 体 重 、 い れ り が 盛 の 賑 き へ ひ 系 視 鉄 ま ま ま 目 り よ わ ま 、 と の す 道 す せ し 立 。 う い し り 整 る ビ 。 ん た っ に で た 政 ジ ひ 備 。 。 て 。 迎 。 策 ネ と が き え り 計 に ス ま て の 画 転 を し い 換 繰 た さ た た を り め れ 。 だ に て 図 広 き 、 い っ げ ま て て ま し い い す た 。 ま ま 。 す す 。 。 駅の利用者に向けて、建築の作り手としての想いをメッセージとしてまとめたポスターを製作、工事期間中に駅構内に掲示した 土佐くろしお鉄道 中村駅リノベーション design, produce, photo and text by nextstations copyright:(C) 2010-2011 all rights reserved. 01
  3. 3. 地場産のヒノキ + 間接照明で、お客様の表情を活き活きと照らし出す。土佐くろしお鉄道 中村駅リノベーション design, produce, photo and text by nextstations copyright:(C) 2010-2011 all rights reserved. 02
  4. 4. 学生、お年寄り、観光客、ビジネス客などそれぞれの時間を、思い思いに過ごせるためにデザインされた家具を配置した。土佐くろしお鉄道 中村駅リノベーション design, produce, photo and text by nextstations copyright:(C) 2010-2011 all rights reserved. 03
  5. 5. 駅前〜待合室〜コンコース〜改札口〜プラットホームの一部まで、床をヒノキ材で統一し、空間の一体感を強調した。土佐くろしお鉄道 中村駅リノベーション design, produce, photo and text by nextstations copyright:(C) 2010-2011 all rights reserved. 04
  6. 6. プラットホームの余剰スペースを、新たに待合スペースとした。四万十川の支流・後川沿いの桜並木を眺めることができる。土佐くろしお鉄道 中村駅リノベーション design, produce, photo and text by nextstations copyright:(C) 2010-2011 all rights reserved. 05
  7. 7. 改札口業務を中止したので、誰でも気軽に駅構内に立ち入ることができる。土佐くろしお鉄道 中村駅リノベーション design, produce, photo and text by nextstations copyright:(C) 2010-2011 all rights reserved. 06
  8. 8. 列車の窓際で、出迎えや見送りができる。土佐くろしお鉄道 中村駅リノベーション design, produce, photo and text by nextstations copyright:(C) 2010-2011 all rights reserved. 07
  9. 9. 木の塊が挿入されたような駅空間のあかりは、駅前広場〜プラットホームへと境界を越えて広がる。土佐くろしお鉄道 中村駅リノベーション design, produce, photo and text by nextstations copyright:(C) 2010-2011 all rights reserved. 08
  10. 10. プラットホーム プラットホーム 外部待合スペース 改札口 売店 きっぷ売り場 きっぷ売り場 駅事務室 駅事務室 トイレ 売店 待合室 トイレ コンコース 待合室 コンコース イベントスペース イベントスペース 竹林 タクシーのりば 駅前広場 駅前広場 タクシーのりば リノベーション前 平面図 scale=1/300(A3) リノベーション後 平面図 scale=1/300(A3) 建築データ 施設名称 土佐くろしお鉄道 中村駅 所在地 高知県四万十市駅前町 7-1 施設用途 鉄道駅 敷地面積 662.50㎡ 延床面積 694.05㎡(対象となる改装面積 420.00㎡) 構造 鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造、一部 2 階建て 事業主 土佐くろしお鉄道株式会社、国土交通省四国運輸局、高知県 基本設計 + 実施設計 + 監理 nextstations 川西康之 + 栗田祥弘 + 柳辰太郎 照明設計 株式会社ファースト ・ デザイン ・ システム 三島立起 施工 佐竹建設 佐竹隆 竣工時期 2010 年(平成 22 年)3 月 受賞歴 財団法人日本産業デザイン振興会 グッドデザイン特別賞 ・ 中小企業庁長官賞 FRAME magazine (NL) The Great Indoors Award 2011 最終選考上位 5 者 日本木材青壮年団体連合会 木材活用コンクール 最優秀賞 林野庁長官賞 国土交通省 日本鉄道賞 特別表彰 地方鉄道駅舎リノベーション賞 財団法人日本商空間設計家協会 JCD アワード 2010 新人賞 NPO キッズデザイン協議会 第 5 回キッズデザイン賞 高知県建築監理協会 高知県建築文化賞審査員特別賞 財団法人サインデザイン協会 SDA 賞 2010 入選 公共の色彩を考える会 公共の色彩賞 10 選入選 社団法人鉄道建築協会 鉄道建築協会賞 社団法人照明学会 照明普及賞 (2011 年 11 月現在) 出版物掲載 日経アーキテクチュア 2010-6-21 号 鉄道ジャーナル 2010 年 8 月号 新建築 2010 年 7 月号        商店建築 2010 年 10 月号 JR ガゼット 2011 年 4 月号      高知新聞、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、日本経済新聞 など多数家具断面図(プラットホーム) scale=1/50(A3) 家具断面図(待合室内)  scale=1/50(A3)土佐くろしお鉄道 中村駅リノベーション design, produce, photo and text by nextstations copyright:(C) 2010-2011 all rights reserved. 09
  11. 11. はじめに四国の西南部、四万十川が太平洋にゆっくり注ぎ込むあたり、かつて土佐の小京 りなかった。旧国鉄が 40 年前に建設したこの駅は、「お客様にゆっくり座って過都と呼ばれた四万十市にある中村駅構内のリノベーションである。 ごしていただく」という思想は全くなかったと言って良い。高知県では行政上 2 番目となる拠点都市だが、鉄道がこの駅まで初めて開通した そこで私たちは、最初に「駅舎内の床面積が少ないので、改札口を撤去または移のは、大阪万博が開催された昭和 45 年 (1970 年 ) のこと。明治時代以来の悲願で 動させ、プラットホームの一部エリアを待合室として拡大しましょう」と施主であった中村駅開業当時、この街は熱狂的に沸いたという。しかし、ご多分に漏れず、 ある土佐くろしお鉄道株式会社に提案した。ルールすれすれの提案であり、施主この 40 年間で人口は減り、若者の流出と高齢化、中心市街地の衰退、郊外への市 はスポンサーである国や監督官庁である国土交通省への説明責任がある。普通の街地拡大、車社会への依存が進み、鉄道の利用者も大きく落ち込んでいた。 田舎の役所ならば「絶対反対」となるところだが、この鉄道会社は土佐人気質に 改修前の待合室内、テレビが垂れ流し 溢れた人たちが多く「面白そうだからやってみよう」ということになった。私た 高知県内各地の材料を探し回ったところが、この駅本体は 40 年前とほとんど変わっていなかった。駅は旧国鉄が建 ちは、こんな素晴らしい人たちに支えられて仕事ができた。設し、JR 四国に引き継がれ、現在では県や自治体が出資する土佐くろしお鉄道が管理している。 実際、列車が発着するプラットホームの空間は余っていた。かつては 8 両編成に 郵便車や荷物車が連なった列車が次々に発着し、駅は活気に溢れていたという。中村駅は、典型的な地方ローカル線の駅である。利用者の多くは地元の学生とお 現在は特急列車が 3 両、普通列車の多くは 1 両のワンマンカーだ。私たちは、こ年寄りだが、新幹線接続の JR 直通特急が発着することからビジネス客も多く、 の閑散とした条件だからこそ実現可能な、都市部の駅では実現不可能なデザイン四万十川や足摺岬へ向かう観光客やお遍路さんの利用も多い。小さな駅の雑然と を目指した。した空間に、様々な目的と時間の過ごし方を持つ人々が混在していた。今回のプロジェクトは国土交通省の補助金事業であり、 「改札口外側の駅構内のリ 公共空間だからこそ、地場の誇りを贅沢にノベーションに限定する」という条件が最初に付けられた。駅事務室はもちろん、プラットホームなどの改札口内部は補助金の対象とはならない、というものだっ 改修前売店 木は傷がつく、腐る、割れる、汚れが目立つという声をよく聞く。当たり前のこ 家具はモックアップを作成して万全を期したた。また、同鉄道の筆頭株主である高知県からも、県産の木材を積極的に活用す とだ。東京や大阪などの大都市にある駅の家具は、ほとんどが強化プラスチックるよう、強い要請があった。 製である。酔っぱらいがベンチで横に寝込まないよう、わざと座面をデコボコに してあるのだ。治安の悪さで有名だったニューヨークの地下鉄は、日本の技術で 簡単に汚れが拭き取れるように加工してある。つまり、あくまで「鉄道会社とい う管理側の都合だけ」でデザインされており、 利用者の視点に立った考えではない。私たちは徹底して、未来のお客様の味方 こんな考え方は、前途が厳しい中村駅では一切通用しないだろう。私たちはまず「徹底してお客様の視点でデザインを進める」ことを施主と関係者に宣言した。それも現在のお客様ではなく、駅が生まれ変わってからの、そのま 私たちは中村駅で、地場のヒノキ材をたくさん使用した。ピンク色になったヒノた先の未来のお客様である。 キ材を集成材にして、家具の座面や間接照明に使用した。駅の利用者が少ないか らこそ、お客様ひとりひとりに対話ができる、そんな駅を目指した。施主である土佐くろしお鉄道、すなわち鉄道運行事業者にとって、一番大切なことは安全である。しかし、安全運行に徹しようという気持ちが大きいあまり、お 改修前の改札口 駅前広場からコンコース、きっぷ売り場、待合室、売店、プラットホームの一部 工事中にお客様へ訴える工夫も欠かさず客様へのサービスという視点が抜け落ち、「お客様を管理しよう」とする傾向が強 に至るまで、床にヒノキを敷き詰めた。鉄道運営サイドの深い理解によって、改い。例えば「危険品を社内に持ち込まないでください」 「お忘れ物のないようご注 札口も解放され、改札の内側と外側という古い概念は、この駅では取り払われた。意ください」を大音量で繰り返したり、注意書きをペタペタと貼りまくることだ。 駅構内に散在した障壁は、どんどん取り払われた。お客様を大きな固まり = マスとしか見ず、お客様とのコミュニケーションをあらかじめ摘み取っておこうという傾向は、東京や大阪などの大都市では必要だろう 良い材料を大胆に使った空間だから、お客様は心地よい緊張感を楽しまれるはずが、わずか乗降客 3000 人 / 日にも満たない駅では通用しないだろう。中村駅のラ だ、と私たちは考えた。高級な調度品や上質なサービスが展開される一流ホテルイバルは、自家用車とロードサイドに広がる都市郊外だ。 のロビーでは、大声を上げることもできないし、落書きもできないだろう。駅は、 お客様 + 空間デザイン + サービスが三位一体となって、未来に向けて育たなけれ ばならない。さもなくば、単なる箱モノ投下になってしまう。私たちは「お客様の待ち時間をどう刷新するか」が駅の競争力向上に欠かせない、と考えた。多様なお客様のそれぞれの過ごし方に応えなければならない。そのためには、多様な家具を配置することが一番なのだが、問題は駅構内の床面積が足 改修前のきっぷ売り場 現役の駅を使用しながらの工事となった 土佐くろしお鉄道 中村駅リノベーション design, produce, photo and text by nextstations copyright:(C) 2010-2011 all rights reserved. 10
  12. 12. お客様のお顔を美しく中村駅がいちばん賑わうのは、朝から午前中だ。夕方 18 時を過ぎると、とたんに そこで、私たちは分かり易いルールを設けた。鉄道運賃や時刻表など大切な情報お客様が少なくなり、お客様が数人程度になってしまう時間帯もある。夜遅くに は床上 1800mm 以下、広告など優先順位の低い情報は床上 1500mm 以下とし、列車で帰宅する女性のお客様もいらっしゃるのだが、彼女らはこれまで駅近くの その上には一切情報を置かない。これは施主側とかなり早い段階で合意し、ずっコンビニで列車待ちの時間をつぶしていた。これではいけない。 と守っていただいている。 人間の目線より上部に情報があると、着席時に落ち着かないものだ。都市部の駅鉄道が安全、駅という公共空間が安心であり続けるためには、お客様ひとりひと ならば、混雑のため情報を上部に設置しなければならないが、中村駅ではその必りのお顔が活き活きと、はっきり見える必要がある。駅が街の顔として君臨し続 要はない。ける前提条件として、人が中心にあり続けること。それを演出するデザインを目 私たちは、掲示されるグラフィックもトータルでデザインするため、サインはも指した。 駅名看板も地場産ヒノキ製 ちろん、時刻表や発車表示サイネージ、広告ポスターまでデザインした。 ベンチ + 間接照明 + 売店商品棚車社会の発達は、地方都市から「公共の精神」を摘み取ってしまったように思う。見ず知らずの人と接することがコミュニケーション能力を鍛え、優しさを生み、 未来のお客様と一緒に育つ安心と安全を作り上げてきた。個室から個室へ個室で移動でき、携帯電話でコミュニケーションが完結することで、人々はコミュニケーション能力が低下し、他人 中村駅で最も多いお客様は高校生だ。彼らは 18 歳になると自動車免許を取得し、に無関心になり、 オシャレにも気を遣わなくなった。地方のコンビニやスーパーに、 もはや鉄道を利用しなくなる、あるいは都会へ出て行く。しかし、彼らが中村駅ジャージ姿で買い物に来る輩がその象徴だ。都会の街路や公共空間が華やかに見 を利用する 3 年間は、鉄道の心地よさや便利さを売り込む絶好の機会ではないか。えるのは、人々が「不特定多数の人々に見られる」という意識に基づいてオシャ 10 代の思い出は、年を取っても忘れないはずだ。レをしているからだ。 中村駅は、高校生のお客様を、もてなさなければならない。私たちがデザインした家具は、ちょうどお客様が着席された顔のあたりに目掛けて、間接照明が当たるよう設計している。この駅にいらっしゃっるお客様は、若 外部ホームと内部待合室との融合性を高めた そこで私たちは、待合室の明るい窓際に勉強用カウンター机と椅子を用意した。 勉強机はお客様から評判が高いく美しく見える。駅の待合室が、文字通りヒノキ舞台のように演出され、駅前広 もちろんヒノキを使用し、パソコンや携帯端末に利用できるコンセントや無線場や駅に進入する列車内からもよく見えることを目指した。 LAN も装備している。思惑通り、駅の待合室が自習室となり、静かに勉強する姿 が当たり前のようになってきた。高校生が勉強していると、公共の場に相応しく今回の照明デザインには、表参道ヒルズなどの照明設計で確かな実績がある株式 ない輩は大声で騒ぐことができない。空間のチカラで、お客様の過ごし方が変わっ会社ファースト ・ デザイン ・ システムの三島氏にお願いしたところ、快く引き受 てきたとき、私たちは本当に嬉しかった。けてくださり、素晴らしい仕事をしていただいた。 自宅ではない、学校や職場でもない、商業施設でもない。 駅は、その中間にある新しい生活空間であること。 失われた公共の精神を駅で取り戻したい。現場の人たちと一緒に当たり前だが、どんな建築物も完成当初は美しい。そのうち、張り紙が壁やガラ 私たちの想いは、多くの方々の協力と理解を得て、少しずつ実現しつつある。ス面に貼り付けられるようになると、空間の緊張感は封を切ったように、途端に 駅構内のサイン、広告もすべて担当した 駅の賑わいが、街へとつながって欲しい崩れ始める。都市部の駅は広告ポスターが多いが、これは利益率の高い広告収入を生み出している。ところが中村駅の広告収入の 1 年分は、東京の渋谷駅の 1 日分にも満たない。にも関わらず、この駅は張り紙が多すぎた。しかし、現場の方々と話していると、 ネクストステーションズ無理もない事情が見えてきた。この鉄道会社は、税金で支えられている。当然、 nextstations地域自治体はもちろん、地域のイベントや活動団体との連携が欠かせず、彼らからポスター掲示の依頼が来ると断ることができないのだ。観光ポスター、花火大 www.nextstations.com会、学校の文化祭、バザールなど、様々な情報が無秩序に張り出されてゆく。結局、 info@nextstations.com大切な時刻表や運賃表も負けじと文字を大きくせざるを得ない。無駄な情報が競い合い、空間としては全く落ち着かない、肝心の大切な情報も伝 すべての著作権は、ネクストステーションズに属します。わらない最悪の状態、これが改修前の中村駅だった。 無断の複製、再配布を禁じます。 売店のロゴタイプ 川西 康之 + 柳 辰太郎 + 栗田 祥弘 土佐くろしお鉄道 中村駅リノベーション design, produce, photo and text by nextstations copyright:(C) 2010-2011 all rights reserved. 11

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