Successfully reported this slideshow.
We use your LinkedIn profile and activity data to personalize ads and to show you more relevant ads. You can change your ad preferences anytime.

周辺視野における知覚的鋭敏化による中心視野への影響の調査

122 views

Published on

HCS2018,5月研究会で使用したスライド(大野直紀)

Published in: Science
  • Be the first to comment

  • Be the first to like this

周辺視野における知覚的鋭敏化による中心視野への影響の調査

  1. 1. 周辺視野における 知覚的鋭敏化による 中心視野への影響の調査 大野 直紀 中村 聡史 明治大学大学院 先端数理科学研究科 修士2年
  2. 2. 周辺視野における 知覚的鋭敏化による 中心視野への影響の調査 大野 直紀 中村 聡史 明治大学大学院 先端数理科学研究科 修士2年
  3. 3. 周辺視野とは?? • 人間の視野のうちの一つ • 中心視野と周辺視野 • 無意識的に情報の処理を行っている • 動き,立体感,空間認知など • 視覚情報をぼんやりとしか認識できない • 文字を読むなど細かい作業は苦手!
  4. 4. 周辺視野における 知覚的鋭敏化による 中心視野への影響の調査 大野 直紀 中村 聡史 明治大学大学院 先端数理科学研究科 修士2年
  5. 5. 周辺視野における 知覚的鋭敏化による 中心視野への影響の調査 大野 直紀 中村 聡史 明治大学大学院 先端数理科学研究科 修士2年
  6. 6. 知覚的鋭敏化とは?? • 自身に価値のある情報に対して過敏に 反応してしまう現象[Postman48] • 自分の趣味,嗜好に関連する事柄など 自身の名前など 例) • 周りがうるさい場所でも自分の名前が 呼ばれると気づく (カクテルパーティ効果)
  7. 7. 本研究のきっかけ 今城
  8. 8. •周辺視野に関する 論文 • 図形知覚における 中心視と周辺視の 機能差 [福田,1978] 関連研究 •知覚的鋭敏化に 関する論文 • Personal values as selective factors in perception. [Postman,1948]
  9. 9. •周辺視野に関する 論文 • 図形知覚における 中心視と周辺視の 機能差 [福田,1978] 関連研究 •知覚的鋭敏化に 関する論文 • Personal values as selective factors in perception. [Postman,1948] 知覚的鋭敏化が起きる文字列ならば 周辺視野に提示されても 認識できるのでは? 文字の認識が苦手 価値があるものに 過敏に反応 周辺視野 知覚的鋭敏化
  10. 10. 過去の研究 • 特定文字列を用いた周辺視野における 知覚的鋭敏化の特性解明[大野,2017] • 周辺視野において特定文字列は 認識可能なのか? • 特定文字列を提示した場合, 人にどのような影響を及ぼす? • 視線の動き • 認知に及ぼす影響
  11. 11. 過去の研究:認識に関する実験 •周辺視野の文字列は認識が可能なのか?
  12. 12. 過去の研究:文字列の削減 •コンテンツの中心視野部分を確保する ために文字の削減を行うことで対応 • 文字の削減をしても反応できる?
  13. 13. 過去の研究:認識実験の結果 •協力者の名前を提示した場合の方が 無関係な名前を提示するよりも 反応速度が有意に早くなる! •文字列が削れている場合も同じく 有意に早くなった!
  14. 14. 過去の研究:影響に関する実験 •周辺視野に特定文字列が出た際に 人にどのような影響を及ぼす?
  15. 15. 過去の研究:結果 • 実験協力者の名前を提示した場合の方が 無関係な名前を提示した場合よりも 視線の動きが速くなる傾向があった!
  16. 16. 過去の研究:問題点 • 認知に対する影響についての 考察ができていない • クイズの難易度についての考慮がなかった • 認知が邪魔されても前後関係で補完できて しまっていた可能性があった • 視線の動きに関しても詳しい内容が 分かっていない • 提示されたどれくらい後に 反応しているのかが不明!
  17. 17. 過去の研究:問題点 • 認知に対する影響についての 考察ができていない • クイズの難易度についての考慮がなかった • 中心視野のタスクが悪かったのでは? • 視線の動きに関しても詳しい内容が 分かっていない • 提示されたどれくらい後に 反応しているのかが不明! 周辺視野に文字列が出た際に 人にどのような影響を及ぼすのか 不明!!
  18. 18. 目的 • 認知に及ぼす影響は? • 視線の動きはどうなる? •色々なコンテンツに応用できるのでは? 周辺視野で知覚的鋭敏化が起きた際, 人にどのような影響を与える?
  19. 19. アプローチ •記憶タスクを使用した実験 •正解率についての分析 •区間ごとの正解率についての分析 •区間ごとの視線の動きについての分析
  20. 20. 実験概要:システム
  21. 21. プレ実験 •記憶タスクの長さを選定したい! ①記憶タスクの長さが4~6の場合 ②記憶タスクの長さが8の場合
  22. 22. •5つの場合
  23. 23. •8つの場合
  24. 24. プレ実験:結果 ①記憶タスクの長さが4~6の場合 • 正解率が100%の協力者が多数 ②記憶タスクの長さが8の場合 • 正解率が0%の協力者が多数 タスクの長さとして7を選定!
  25. 25. 実験概要 •中心視野に記憶タスクを 周辺視野に特定文字列を提示 •実験協力者は8人 •ディスプレイは60cm * 34cm •ディスプレイまでの距離はおよそ50cm •Tobii eyeXで視線を取得
  26. 26. 実験概要:システム
  27. 27. 実験概要:記憶タスク • 記憶タスク • 3行3列のボタンを提示 • 9つのボタンのうち,1つが点灯し,消灯す るのを7回行い,そのパターンを記憶する • キーボードを用いて回答を行う • 試行回数は20回
  28. 28. 実験概要:特定文字列の提示 • 特定文字列 • 右上,右,右下,左上,左,左下の6方向に 文字列を提示 • 6箇所のうちに実験協力者の名前を含む場合 と含まない場合の2パターンを任意に選択 • 文字列はフェードインで提示される
  29. 29. 分析手法 ①正解率に関する分析(完全回答) ②区間ごとの正解率に関する分析 ③区間ごとの視線の動きに関する分析
  30. 30. 正解率に関する分析:完全回答 •周辺視野に特定文字列が出た際に認知に 影響が現れるかを調査 • 自身の名前が出た際はそちらに気を取られ て中心視野での出来事が認識できない? •各実験協力者の完全回答の割合を提示
  31. 31. 正解率に関する分析:完全回答 名前あり 名前なし 実験協力者A 0.143 0.182 実験協力者B 0.000 0.083 実験協力者C 0.000 0.273 実験協力者D 0.750 0.300 実験協力者E 0.615 0.800 実験協力者F 0.111 0.222 実験協力者G 0.643 0.750 実験協力者H 0.153 0.000 平均 0.301 0.326
  32. 32. 正解率に関する分析:完全回答 名前あり 名前なし 実験協力者A 0.143 0.182 実験協力者B 0.000 0.083 実験協力者C 0.000 0.273 実験協力者D 0.750 0.300 実験協力者E 0.615 0.800 実験協力者F 0.111 0.222 実験協力者G 0.643 0.750 実験協力者H 0.153 0.000 平均 0.301 0.326 協力者の名前を提示した際に正答率が 低下する傾向がある
  33. 33. 正解率に関する分析:結果 •実験協力者の名前を提示した場合に 正答率が低下する傾向がある •有意差はなかった
  34. 34. 分析手法 ①正解率に関する分析(完全回答) →協力者の名前を提示した場合の 正解率が低下する傾向 ②区間ごとの正解率に関する分析 ③区間ごとの視線の動きに関する分析
  35. 35. 分析手法 ①正解率に関する分析(完全回答) →協力者の名前を提示した場合の 正解率が低下する傾向 ②区間ごとの正解率に関する分析 ③区間ごとの視線の動きに関する分析
  36. 36. 分析手法:区間分け •記憶タスクが点灯した区間ごとに 分けて分析 区間 1 2 3 4 5 6 7
  37. 37. 分析手法:区間分け •記憶タスクが点灯した区間ごとに 分けて分析 区間 1 2 3 4 5 6 7
  38. 38. 分析手法:区間分け •記憶タスクが点灯した区間ごとに 分けて分析 区間 1 2 3 4 5 6 7
  39. 39. 分析手法:区間分け •記憶タスクが点灯した区間ごとに 分けて分析 区間 1 2 3 4 5 6 7
  40. 40. 分析手法:区間分け •記憶タスクが点灯した区間ごとに 分けて分析 区間 1 2 3 4 5 6 7
  41. 41. 分析手法:区間分け •記憶タスクが点灯した区間ごとに 分けて分析 区間 1 2 3 4 5 6 7
  42. 42. 分析手法:区間分け •周辺視野に提示する文字列は 区間3から提示されはじめ,4で完全に 提示される 区間 1 2 3 4 5 6 7 文字列提示なし 文字列フェード開始 文字列提示あり
  43. 43. 区間ごとの正解率分析:概要 •周辺視野に文字列を提示した際の認知 に対する影響を詳しく調査 • 文字列が提示された直後はその文字列を 意識してしまい正答率が悪くなるのでは? •区間ごとの実験協力者の正解率の平均 を表示
  44. 44. 区間ごとの正解率分析:結果 区間 名前あり 名前なし 差 1 0.850 0.880 -0.031 2 0.840 0.806 0.034 3 0.724 0.748 -0.025 4 0.637 0.704 -0.066 5 0.595 0.620 -0.025 6 0.571 0.566 0.004 7 0.579 0.533 0.045 文字列提示なし 文字列フェード 開始 文字列提示あり
  45. 45. 区間ごとの正解率分析:結果 •全体を通して大きく差は出なかった •4区間目が他の区間よりも差が大きい • 協力者の名前を提示した 直後の部分の正解率が低下する傾向 •有意差はなかった
  46. 46. 結果 ①正解率に関する分析(完全回答) →協力者の名前を提示した場合の 正解率が低下する傾向 ②区間ごとの正解率に関する分析 →協力者の名前を提示した場合の 正解率が低下 ③区間ごとの視線の動きに関する分析
  47. 47. 結果 ①正解率に関する分析(完全回答) →協力者の名前を提示した場合の 正解率が低下する傾向 ②区間ごとの正解率に関する分析 →協力者の名前を提示した 直後の部分の正解率が低下する傾向 ③区間ごとの視線の動きに関する分析
  48. 48. 区間ごとの視線の動き:分析 •周辺視野に文字列が出た際の視線の 動きの詳しい分析を行う • 視線の動きは文字が出た瞬間? 出た直後?出てからずっと? •記憶タスクが点灯した区間ごとに 各実験協力者の視線のX座標の 移動量(ピクセル)を表示
  49. 49. 区間ごとの視線の動き:結果 区間 名前あり 名前なし 差 1 625.895 609.721 16.174 2 393.558 397.159 -3.601 3 338.436 310.841 27.595 4 351.554 340.854 10.700 5 468.481 360.876 107.605 6 335.092 351.508 -16.416 7 319.144 332.514 -13.370 文字列提示なし 文字列フェード 開始 文字列提示あり
  50. 50. 区間ごとの視線の動き:結果 •5区間目の移動量が協力者の名前がない 場合よりも増加 • 提示してから1区間あとの視線移動量が 増加 •5区間目の各実験協力者の 視線の移動量にのみ有意差が見られた (p<.05)
  51. 51. 結果 ①正解率に関する分析(完全回答) →協力者の名前を提示した場合の 正解率が低下する傾向 ②区間ごとの正解率に関する分析 →協力者の名前を提示した 直後の部分の正解率が低下する傾向 ③区間ごとの視線の動きに関する分析
  52. 52. 結果 ①正解率に関する分析(完全回答) →協力者の名前を提示した場合の 正解率が低下する傾向 ②区間ごとの正解率に関する分析 →協力者の名前を提示した 直後の部分の正解率が低下する傾向 ③区間ごとの視線の動きに関する分析 →提示してから1区画後の 視線移動量が増加
  53. 53. 考察 •協力者の名前を提示した場合の正解率が 低下する傾向 • 個人差はあるものの認知に影響はある? •協力者の名前が提示された直後の正解率 が低下する傾向 • 出た直後は自身の名前を優先的に認識して しまい意識が持っていかれるのでは?
  54. 54. 考察 •文字列が提示された直後の正解率が低下 •提示してから1区間後の視線移動量が 増加 • 特定文字列を周辺視野で認識し認知に影響 さらに特定文字列を中心視野でとらえよう としてしまうのでは? 周辺視野領域に注意を向けるよう影響を 与えることができる!
  55. 55. 応用例 •集中を阻害することによる ゲームの難易度上昇 •注意を向けさせることで見落とし防止 •広告に名前を入れることでそちらに 注意を向ける
  56. 56. まとめ • 周辺視野で知覚的鋭敏化が起きた際に 人の認知に及ぼす影響を調査 • 周辺視野に知覚的鋭敏化を引き起こす文字列を 提示した場合,認知が阻害される可能性 • 一時的に周辺視野に注意を向けるよう影響を与 えることが可能! [今後の展望] • 中心視野のタスクを変更した再実験 • 今回の知見を応用したシステムの実装
  57. 57. おまけ
  58. 58. 過去の研究:認識に関する実験 •周辺視野の文字列は認識が可能なのか?
  59. 59. 過去の研究:認識実験の結果 •自分の名前を提示した場合と 無関係な名前を提示した場合の 反応時間の差を比較 •協力者の名前を提示した場合の方が 無関係な名前を提示するよりも 反応速度が有意に早くなる! •文字列が削れている場合も同じく 有意に早くなった!
  60. 60. 1. 文字列における知覚的鋭敏化 • 提示位置:中心視野 • 削減 :なし 0 10 20 30 40 50 60 70 300pt 400pt 500pt 協力者の名前 無関係な名前 [* [ * [ * 反 応 時 間
  61. 61. 2. 周辺視野における知覚的鋭敏化 • 提示位置:周辺視野 • 削減 :なし 0 10 20 30 40 50 60 70 80 300pt 400pt 500pt 協力者の名前 無関係な名前 [* 反 応 時 間
  62. 62. 削減を行った際の知覚的鋭敏化 • 提示位置:周辺視野 • 削減 :あり 0 20 40 60 80 100 300pt 400pt 500pt 協力者の名前 無関係な名前 [ * [ * [ * 反 応 時 間
  63. 63. 分析 •周辺視野に協力者の名前が提示されて いる時と,無関係な名前が提示されて いる時それぞれの視線の動く速さを比 較 •各協力者の速さを表示 • 協力者の名前を提示した際と無関係な名前 を提示した際のうち,5%以上速いものを オレンジで表示
  64. 64. 3. 中心視野に及ぼす影響 実験協力者の名前 無関係な名前 実験協力者A 4.48 3.85 実験協力者B 4.23 4.52 実験協力者C 7.68 7.17 実験協力者D 4.42 4.27 実験協力者E 2.46 2.17 実験協力者F 2.47 2.53 実験協力者G 6.67 6.55 実験協力者H 7.30 4.82 実験協力者I 2.71 2.88 実験協力者J 9.07 7.37 実験協力者K 4.69 4.54 実験協力者L 5.48 5.67 実験協力者M 10.28 10.53 実験協力者N 7.03 5.70 実験協力者O 5.48 5.07 実験協力者P 4.63 5.98 平均 5.57 5.23

×