知っておきたい漢方の話
薬剤師 唐沢 豪貴
今日のお話は…
漢方ってどんな医学? 中国の医学? どれが漢方?
どんな病気に漢方?
効果は穏やか?
病院でもらえる漢方薬、薬局で買える漢方薬
本当に体質改善? こんな漢方には注意。
漢方医学は、
日本の伝統医学です。
漢方医学は、
日本の伝統医学です。
中国で「漢方」は通じません。
中国から伝わった伝統医学が日
本の風土にあわせて発展したも
のが漢方医学です。
どれが漢方…?
ドクダミを煎じて飲むのは漢方? 
決明子を煎じて飲むのは漢方?
↪これらは一般に「民間療法」と呼ばれるもの。
どれが漢方…?
ドクダミを煎じて飲むのは漢方? 
決明子を煎じて飲むのは漢方?
↪これらは一般に「民間療法」と呼ばれるもの。
漢方の見立て方で、漢方の治療理論に則って使えば、何を使っ
ても漢方かもしれません。
漢方薬を使っても、そこに漢方の治療...
桂 枝 湯
 桂枝4.0g
 芍薬4.0g
 大棗4.0g
 生姜1.0g
 甘草2.0g
桂 枝 湯
 桂枝4.0g
 芍薬4.0g
 大棗4.0g
 生姜1.0g
 甘草2.0g

基本的に、二味以上の薬味を組み合わせて、
ひとつの「漢方処方」ができる。
一味の処方は「甘草湯」「独参湯」のみ。
桂 枝 湯
 桂枝4.0g

基本的に、二味以上の薬味を組み合わせて、
ひとつの「漢方処方」ができる。
一味の処方は「甘草湯」「独参湯」のみ。

 芍薬4.0g
 大棗4.0g

処方には、その処方を使用する目標とな

 生姜1.0g

る「証...
桂 枝 湯
 桂枝4.0g

基本的に、二味以上の薬味を組み合わせて、
ひとつの「漢方処方」ができる。
一味の処方は「甘草湯」「独参湯」のみ。

 芍薬4.0g
 大棗4.0g

処方には、その処方を使用する目標とな

 生姜1.0g

る「証...
ちょっと違えば大違い。

桂 枝 湯
 桂枝4.0g
 芍薬4.0g
 大棗4.0g
 生姜1.0g
 甘草2.0g
ちょっと違えば大違い。

桂 枝 湯
 桂枝4.0g
 芍薬4.0g
 大棗4.0g
 生姜1.0g
 甘草2.0g
軽度の感冒などに使う
ちょっと違えば大違い。

桂枝加桂湯
桂枝6.0g

桂 枝 湯

芍薬4.0g

 桂枝4.0g

生姜1.0g

 芍薬4.0g

甘草2.0g

 大棗4.0g
 生姜1.0g
 甘草2.0g
軽度の感冒などに使う

大棗4.0g

頭痛...
ちょっと違えば大違い。

桂枝加桂湯
桂枝6.0g

桂 枝 湯

芍薬4.0g

 桂枝4.0g

生姜1.0g

 芍薬4.0g

甘草2.0g

 大棗4.0g
 生姜1.0g
 甘草2.0g
軽度の感冒などに使う

大棗4.0g

頭痛...
漢方のいろいろ
湯液(いわゆる煎じ薬)
散薬(生薬を粉末にして混合したもの)
丸薬(生薬の粉末を蜂蜜などに混和して丸薬にしたもの)
エキス剤(煎じ薬を濃縮乾燥したもの)
鍼灸も漢方の重要な分野です。
鍼灸も漢方薬も一緒…?
漢方の治療原則は「不足を補い、有余を瀉す」
実は、漢方薬も鍼灸も治療原則は同じ。
鍼は短時間で効果がでる。漢方薬は少しゆっくり。
葛根湯が効く風邪も「一本の鍼」で治せる。
鍼灸で不妊症も胃腸病も肝臓病も治せる。
どんな病気に漢方?
漢方の治療対象となる病気はかなり広範囲。
精神疾患から、内臓疾患、骨の病気まで。
体質改善というけど、あくまで結果です。
漢方も元は目の前にいる病人を治そうとした医学。
抗生物質のない時代でも虫垂炎(腸癰)の処方はあった。
...
漢方の効果は穏やか…?
急性病に穏やかに効いていたら間に合わない。
漢方薬も急性病にはピタリとあえば速効性。
慢性病にはゆっくり効く場合もあれば、早く効くことも。
西洋医学だって慢性病はゆっくり…
間違って使えば、副作用はもちろんある。
漢方は万能ではないが…
漢方は万能ではないが、漢方も捨てがたい。
西洋医学が得意なところ、漢方が得意なところ。
漢方薬の良いところは、本来は調節的な働きであること。
しかし、漢方薬にも西洋薬と同じようなものもあり。
大黄、附子…誰でも適量を過ぎ...
病院でもらえる漢方薬
エキス剤が多いが、煎じ薬もあり。
ほとんどのものが健康保険が使える。
そして、以下は辛口な意見ですが…
医学部では、漢方医学のカリキュラムはほとんどない。
漢方を標榜していても、ピンからキリまで。病名漢方も非
常に多い。
...
薬局で買える漢方薬
たいていのものは薬局でも買える。
エキス剤から煎じ薬まで。
保険は使えません。風邪薬と同じく市販薬です。
薬局薬剤師も漢方は学校で習いません。生薬学のみ。
保険適用されていない市販薬でしか買えないものもあり。
動物生薬(牛黄...
漢方ってオーダーメイド?
本来の漢方はオーダーメイド。ひとつの処方でも患者さん
の状態に応じて加味加減をするのが本来の漢方。
しかし、日本の医療において本当にオーダーメイドができ
るのは、師匠について実地で勉強して煎じ薬の加味加減を
理論的に行...
こんな漢方には注意
こんな漢方には注意(病院編)
いくら保険がきくからって、4種類も5種類も…?
お友達がみんな同じ薬をもらっている。
こんな漢方には注意(薬局編)
ただの物売り。あれもこれも売りつける。
やたらと高い。(えっ、一ヶ月分が5万、...
本当に体質改善…?
体質改善、体質改善って簡単に言いますが難しいです。
体質改善は結果であって、それを目標にするのは難しい。
体質改善の前に、今あるつらい症状をとるのが先です。目
標を決めましょう。
薬は毒なり。しかして病も毒なり。養精の備えは...
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札幌市中央区保健センターでの講演資料20110307

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札幌市中央区保健センターの依頼で市民向けに講演をした際に使用したスライド

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札幌市中央区保健センターでの講演資料20110307

  1. 1. 知っておきたい漢方の話 薬剤師 唐沢 豪貴
  2. 2. 今日のお話は… 漢方ってどんな医学? 中国の医学? どれが漢方? どんな病気に漢方? 効果は穏やか? 病院でもらえる漢方薬、薬局で買える漢方薬 本当に体質改善? こんな漢方には注意。
  3. 3. 漢方医学は、 日本の伝統医学です。
  4. 4. 漢方医学は、 日本の伝統医学です。 中国で「漢方」は通じません。 中国から伝わった伝統医学が日 本の風土にあわせて発展したも のが漢方医学です。
  5. 5. どれが漢方…? ドクダミを煎じて飲むのは漢方?  決明子を煎じて飲むのは漢方? ↪これらは一般に「民間療法」と呼ばれるもの。
  6. 6. どれが漢方…? ドクダミを煎じて飲むのは漢方?  決明子を煎じて飲むのは漢方? ↪これらは一般に「民間療法」と呼ばれるもの。 漢方の見立て方で、漢方の治療理論に則って使えば、何を使っ ても漢方かもしれません。 漢方薬を使っても、そこに漢方の治療理論がなければ、西洋薬 と同じです。
  7. 7. 桂 枝 湯  桂枝4.0g  芍薬4.0g  大棗4.0g  生姜1.0g  甘草2.0g
  8. 8. 桂 枝 湯  桂枝4.0g  芍薬4.0g  大棗4.0g  生姜1.0g  甘草2.0g 基本的に、二味以上の薬味を組み合わせて、 ひとつの「漢方処方」ができる。 一味の処方は「甘草湯」「独参湯」のみ。
  9. 9. 桂 枝 湯  桂枝4.0g 基本的に、二味以上の薬味を組み合わせて、 ひとつの「漢方処方」ができる。 一味の処方は「甘草湯」「独参湯」のみ。  芍薬4.0g  大棗4.0g 処方には、その処方を使用する目標とな  生姜1.0g る「証」がある。  甘草2.0g
  10. 10. 桂 枝 湯  桂枝4.0g 基本的に、二味以上の薬味を組み合わせて、 ひとつの「漢方処方」ができる。 一味の処方は「甘草湯」「独参湯」のみ。  芍薬4.0g  大棗4.0g 処方には、その処方を使用する目標とな  生姜1.0g る「証」がある。  甘草2.0g 陰陽、虚実、表裏、寒熱などの漢方のも のさしを使って、最終的に治療に必要な 漢方薬の「証」を決定する。
  11. 11. ちょっと違えば大違い。 桂 枝 湯  桂枝4.0g  芍薬4.0g  大棗4.0g  生姜1.0g  甘草2.0g
  12. 12. ちょっと違えば大違い。 桂 枝 湯  桂枝4.0g  芍薬4.0g  大棗4.0g  生姜1.0g  甘草2.0g 軽度の感冒などに使う
  13. 13. ちょっと違えば大違い。 桂枝加桂湯 桂枝6.0g 桂 枝 湯 芍薬4.0g  桂枝4.0g 生姜1.0g  芍薬4.0g 甘草2.0g  大棗4.0g  生姜1.0g  甘草2.0g 軽度の感冒などに使う 大棗4.0g 頭痛に使う
  14. 14. ちょっと違えば大違い。 桂枝加桂湯 桂枝6.0g 桂 枝 湯 芍薬4.0g  桂枝4.0g 生姜1.0g  芍薬4.0g 甘草2.0g  大棗4.0g  生姜1.0g  甘草2.0g 軽度の感冒などに使う 大棗4.0g 頭痛に使う 桂枝加芍薬湯 桂枝4.0g 芍薬6.0g 大棗4.0g 生姜1.0g 甘草2.0g 腹痛に使う
  15. 15. 漢方のいろいろ 湯液(いわゆる煎じ薬) 散薬(生薬を粉末にして混合したもの) 丸薬(生薬の粉末を蜂蜜などに混和して丸薬にしたもの) エキス剤(煎じ薬を濃縮乾燥したもの) 鍼灸も漢方の重要な分野です。
  16. 16. 鍼灸も漢方薬も一緒…? 漢方の治療原則は「不足を補い、有余を瀉す」 実は、漢方薬も鍼灸も治療原則は同じ。 鍼は短時間で効果がでる。漢方薬は少しゆっくり。 葛根湯が効く風邪も「一本の鍼」で治せる。 鍼灸で不妊症も胃腸病も肝臓病も治せる。
  17. 17. どんな病気に漢方? 漢方の治療対象となる病気はかなり広範囲。 精神疾患から、内臓疾患、骨の病気まで。 体質改善というけど、あくまで結果です。 漢方も元は目の前にいる病人を治そうとした医学。 抗生物質のない時代でも虫垂炎(腸癰)の処方はあった。 漢方が得意な病気、西洋医学が得意な病気、外科手術が必 要な病気、それぞれの長所をいかすべき。
  18. 18. 漢方の効果は穏やか…? 急性病に穏やかに効いていたら間に合わない。 漢方薬も急性病にはピタリとあえば速効性。 慢性病にはゆっくり効く場合もあれば、早く効くことも。 西洋医学だって慢性病はゆっくり… 間違って使えば、副作用はもちろんある。
  19. 19. 漢方は万能ではないが… 漢方は万能ではないが、漢方も捨てがたい。 西洋医学が得意なところ、漢方が得意なところ。 漢方薬の良いところは、本来は調節的な働きであること。 しかし、漢方薬にも西洋薬と同じようなものもあり。 大黄、附子…誰でも適量を過ぎれば副作用が出る。 漢方の見立てを無視したいわゆる「病名漢方」も多い。
  20. 20. 病院でもらえる漢方薬 エキス剤が多いが、煎じ薬もあり。 ほとんどのものが健康保険が使える。 そして、以下は辛口な意見ですが… 医学部では、漢方医学のカリキュラムはほとんどない。 漢方を標榜していても、ピンからキリまで。病名漢方も非 常に多い。 結局、評判がよい・腕が良いところへ…
  21. 21. 薬局で買える漢方薬 たいていのものは薬局でも買える。 エキス剤から煎じ薬まで。 保険は使えません。風邪薬と同じく市販薬です。 薬局薬剤師も漢方は学校で習いません。生薬学のみ。 保険適用されていない市販薬でしか買えないものもあり。 動物生薬(牛黄、麝香、鹿茸など)は薬局漢方のみ。 結局、どれだけ専門性をもって相談しているか…
  22. 22. 漢方ってオーダーメイド? 本来の漢方はオーダーメイド。ひとつの処方でも患者さん の状態に応じて加味加減をするのが本来の漢方。 しかし、日本の医療において本当にオーダーメイドができ るのは、師匠について実地で勉強して煎じ薬の加味加減を 理論的に行える腕のあるお医者さんだけ。 薬局は加味加減は出来ません。(出来無いなりに、薬局漢 方にもノウハウはあります。) 病院も既製のエキス剤だけ出しているのはオーダーメイド ではありません。
  23. 23. こんな漢方には注意 こんな漢方には注意(病院編) いくら保険がきくからって、4種類も5種類も…? お友達がみんな同じ薬をもらっている。 こんな漢方には注意(薬局編) ただの物売り。あれもこれも売りつける。 やたらと高い。(えっ、一ヶ月分が5万、6万…!?)
  24. 24. 本当に体質改善…? 体質改善、体質改善って簡単に言いますが難しいです。 体質改善は結果であって、それを目標にするのは難しい。 体質改善の前に、今あるつらい症状をとるのが先です。目 標を決めましょう。 薬は毒なり。しかして病も毒なり。養精の備えは食医の職 なり。食は常なり。 治療の方向が決まれば、養生の方向も決まる。 薬の洋の東西を問わず、大切なのは養生です。

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