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徳島県における景気動向指数の開発とその利活用(140913)

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マクロモデル研究会
https://www.jcer.or.jp/info/info20140912-13.html

Published in: Economy & Finance
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徳島県における景気動向指数の開発とその利活用(140913)

  1. 1. 1 徳島県における景気動向指数 の開発とその利活用 マクロモデル研究会(2014年7月12日) 注: 発表内容や発言等は,個人に属し,徳島県の公式見解を示すものではありません。 徳島県 政策創造部 統計戦略課 吉川 満
  2. 2. 報告内容 1. 課題解決先進県・徳島県 2. 徳島県景気動向指数 (とくしまCI・とくしまSW) 3. 分析 3.1. トピック1 東日本大震災 3.2. トピック2 アベノミクス 3.3. トピック3 消費税増税 4. まとめ 2
  3. 3. 3 「課題解決先進県・徳島」 徳島県においては,将来の日本が見える。 例: 人口減少,高齢化,若者の転出,空き家・耕作放棄地の増加,財政難,シャッ ター商店街,赤字法人率No.1,糖尿病死亡率No.1,・・・ 【イメージ】阿波踊り,鳴門の渦潮,四国八十八ヶ所霊場,LED,マチ★アソビ 等 -1400 -1200 -1000 -800 -600 -400 -200 0 200 400 00~04歳 05~09歳 10~14歳 15~19歳 20~24歳 25~29歳 30~34歳 35~39歳 40~44歳 45~49歳 50~54歳 55~59歳 60~64歳 65~69歳 70~74歳 75~79歳 80~84歳 85~89歳 90歳~ H23 H22 H21 H20 H19 H18 H17 H16 H15 H14 H13 H12 H11 年齢階級別人口移動数 若者の転出超過が顕著 創造的実行力 【統計戦略課のミッション】 より効果的・効率的な政策創造 (統計分析を用いた課題解決)
  4. 4. • 方向転換: 2013年4月~ • 現在,徳島県では次の2つを毎月公表中 (2014年4月(2014年1月分)~) 公開アドレス: http://www.pref.tokushima.jp/docs/2014040800368/ • 「とくしまCI」 (内閣府タイプ,一致,先行,遅行指数) • 「とくしまSW」 (Stock-Watson型,一致指数) 4 景気動向指数の作成と公表 【とくしまCI】 景気動向を測る指数(メイン),内閣府のやり方をそのまま適用。 ただし採用系列が異なり,データも独自に季節調整を行い,3ヶ月後方移動平均を使用。 【とくしまSW】 とくしまCIの補完的役割。Stock-Watson(1988, Daynamic factorモデル)を採用し,とく しまCIと比較できるように,基準化。採用系列はとくしまCI(一致指数)と同じを採用。 • 徳島県: 景気動向指数に関する開発: 2010年4月~ • 徳島県景気動向研究会(2010年9月~),徳島県景気動向協議会(2013年~) • 徳島県の経済情勢(毎月,2012年7月~) 日経景気イン デックスも公表中
  5. 5. 5 内閣府(11) 徳島県(6) 香川県(9) 大阪府(7) 生産指数(鉱工業) 徳島県鉱工業生産指数 鉱工業生産指数 鉱工業生産財出荷指数 鉱工業出荷指数(四国) 生産財出荷指数 大口電力使用量 産業用大口電力使用量 大口電力使用量 関西電力大口電力使用量 耐久消費財出荷指数 機械工業生産指数 製造工業生産指数 所定外労働時間指数 (調査産業計) 所定外労働時間指数 (調査産業計) 所定外労働時間指数 (30人以上,製造業) 投資財出荷指数 (除輸送機械) 着工建築物床面積 (非居住用) 3ヶ月移動平均 建築着工床面積 商業販売額(小売業) 大型小売店舗販売額 大型小売店既存店販売額 百貨店売場面積当たり販売 額 商業販売額(卸売業) 営業利益(全産業) 輸入通関実績 大阪税関管内輸入通関額 中小企業出荷指数 (製造業) 雇用保険被保険者数 有効求人倍率 (除学卒) 有効求人倍率(パート含) 有効求人倍率 有効求人倍率 バラエティがある 採用系列比較 (一致指数)
  6. 6. 6 県内の景気判断に用いられている主な経済指標等 • 財務省徳島財務事務所 ◆ 法人企業景気予測調査 (3ヶ月毎,企業に対するアンケート調査に基づき,BSIを作成) ◆ 徳島県県内経済概況 (3ヶ月毎,企業等へのヒアリング調査に基づき,文章で概況を説明) • 日本銀行徳島事務所 ◆ 日銀短観(3ヶ月毎,企業に対するアンケート調査に基づき,業況DIを作成) ◆ 徳島県金融経済概況(毎月,企業等へのヒアリング調査に基づき,文章で概況を説明) • 公益財団法人 徳島経済研究所 ◆ 徳島経済レポート (毎月,企業等へのヒアリング調査に基づき,文章で概況を説明) ◆ 企業経営動向調査 (3ヶ月毎) • 公益財団法人 とくしま産業振興機構 ◆ 中小企業景況調査 (3ヶ月毎,企業に対するアンケート調査に基づき,DIを作成) • 徳島県商工会議所連合会 ◆ 景況調査報告書 (3ヶ月毎,企業に対するアンケート調査に基づき,DIを作成) • 徳島県中小企業団体中央会 ◆ 中小企業月次景況調査報告 (毎月,企業に対するアンケート調査に基づき,DIを作成) ◆ 中小企業景況調査報告 (3ヶ月毎,企業に対するアンケート調査に基づき,DIを作成)
  7. 7. 7 • 「平均」と「範囲」という手法で,複数の指標を合成し,新たな指標を作成 ④合成変化率を,前月の変化率に累積し,指数作成 ③トレンドの平均,四分位範囲の平均,基準化変化率の平均を合成して合成変化率を計算 合成変化率 = 四分位範囲の平均 基準化変化率の平均トレンドの平均 + × (μ1 + μ2 + μ3) / 3 (φ1 + φ2 + φ3) / 3 (z1 + z2 + z3) / 3 指標A (μ1) 指標B (μ2) 指標C (μ3) トレンド ②トレンドを除いた変化率を 四分位範囲で基準化 指標A (φ1) 指標B (φ2) 指標C (φ3) 四分位範囲 指標A (z1) 指標B (z2) 指標C (z3) 基準化変化率 × 指標A (r1) 指標B (r2) 指標C (r3) 変化率 ①トレンドとそれ以外に分解 トレンド:過去5年間(60ヶ月)の平均 四分位範囲: 大きい順に並べ替えて、上位25%の値 から下位25%の値を引いた数値 指数化の手順 内閣府型景気動向指数(CI)
  8. 8. 8 とくしまCI (2000.1~2014.3) 遅行指数 一致指数 先行指数 リーマンショック
  9. 9. 9 とくしまCI (2011.1~2014.3)(2010=100) 一致指数 先行指数 遅行指数 2014201320122011
  10. 10. 10 Stock-Watson型景気指数 • 複数の指標の変動の背景に,「共通の要因」(景気)があると想定 • 各指標の変動から統計理論(状態空間モデル)に基づき,「共通の要因」を推定 指標A (a) 指標B (b) 指標C (c) 共通の要因 指標D (d) C → C’ 指標A (a’) 指標B (b’) 指標C (c’) 指標D (d’) 観測できる(目に見える)指標の動き イメージ 指標Aの変動 (a’ → a) 指標Bの変動 (b’ → b) 指標Cの変動 (c’ → c) 指標Dの変動 (d’ → d) (ΔYt) 状態空間モデル ΔYt=β+γΔCt+μt φ(C)ΔCt=δ+ηt 統計理論 共通の要因(Ct),景気 観測できない(目に見えない)変数の指数化 推計 カルマンフィルター
  11. 11. 11 とくしまSW (2011.1~2014.3)(2010=100) SW CI 2012 2013 20142011
  12. 12. 12 CI(内閣府景気動向指数) ストック・ワトソン型景気指数 計算方法  「範囲」と「平均」を用いた合成  単純,わかりやすい  「状態空間モデル」に基づく推計  複雑,計算過程の説明は困難 指数の示 すもの 合成した計算結果 (具体的な何か(例,GDPの変動)を 示すものではない) あらかじめ定義した「景気」を統計的理論に基づき推計 したもの 景気の捉 え方 合成した結果を,景気と定義 複数の経済指標に共通する変動要因を景気と定義 安定性 不規則変動の影響で,毎月の指数 は不安定 不規則変動の影響が少なく,安定的 その他  「合成結果=景気」として利用 するには、利用する人の合意が 前提  長年の実績,他府県での実績, 定期的な計算方法の見直しに より,景気を見る指標として定 着  月次GDPなど,マクロ経済を予測・推計する際の理 論的基礎として用いられている手法  国内では2000年6月から,「日経BI(ビジネス・イン デックス)」として,日本経済新聞社が公表  都道府県単位では,大分,大阪等で研究者によって 実験的に作成された事例があるが,正式な指数とし て公表はされていない。 CIとSWの比較
  13. 13. 13 内閣府 香川県 大阪府徳島県 2011 2012 2013 2014 比較不可能だが(2010=100) CIの比較 (徳島・内閣府・大阪・香川)
  14. 14. 【批判2】 「CIはブレる」 3ヶ月移動平均(基調判断時利用)と SW指数は似た動き 14 景気動向指数の性質 【批判1】 一般的には,「景気=実質GDP」で あり, 内閣府のタイプはGDPを表し ていない。 県のGDP=「県民経済計算」 (2年遅れで公表,県では3人で約1年かけて作成。 計算法等の詳細は関係者秘) SW CI SW CI 2000.1~2014.4 直近3年間のCI(3ヶ月移動平均)とSW 県民経済計算の変化分 SW CI SW CI 県民経済計算 県民経済計算の変化分と指数の年平均 ○ × 県民経済計算と指数の年平均
  15. 15. 15 トピック1:東日本大震災 (2011.3) 【現場の声】 震災の影響が大きい。 農産物出荷高↑。BCPで企業進出,子育ての ため,徳島へ,電力問題:阿南市の転入 増。・・・・ 香川県 徳島県 大阪府 内閣府 2011年 【主な統計データ】 • 県民経済計算: 名目-0.8%, 実質0.6% • 鉱工業生産指数: H23年平均 103.2 (H22=100) • 大型小売店舗販売額: 647億円 (0.6%) • 宿泊者数: 約141万人 (0.2%, 全国-2%) • 有効求人倍率 : 0.88 (0.69, 2010) • 県外転入者数: 11763人(0.3%) • 県外転出者数: 13220人 (-2.8%) 2011年平均:110.7 2010年平均:100 えんがわオフィス(神山町)
  16. 16. 16 【焦点】 景気が好転するに当たり,賃金の 上昇があるのか? 香川県 内閣府 徳島県 大阪府 【主な統計】 毎月勤労統計調査(厚生労働省, 地方調査,対象 約500社,誤差10%) トピック2:アベノミクス(2012.11~) 徳島県 全国 パートタイム労働者比率 徳島県 全国 一般労働者(現金給与総額),X-12-ARIMA 徳島県 全国 アベノミクス そのまま を図示 賃金UP!
  17. 17. 徳島県では現在のところ,増税における大きな影 響は見られない。 17 トピック3:消費税増税 (2014.4) 【政策】 賃金が低い地方では,逆進性のある税は影響が大き い。増税の消費の落ち込みを押さえたい。 → 阿波とくしま・商品券 (10%分のプレミアム,33億円規模,商 工政策課) 【統計データ】 アンケート結果(秘),家計調査,大規模小売店舗 販売額 徳島市 大阪市 四国全国 前年同月比(全店舗, %) 家計調査 (2人以上勤労世帯) 大型小売店販売額 3月 4月 4月1日~8月末 平均消費性向(%) 内閣府 徳島県 大阪府 香川県
  18. 18. 18 まとめ:現場から見た統計分析等 【感想】 • 統一的な手法をそのまま当てはめるのは困難。 (地方にはそれぞれ 特色があり,共通の統計指標よりも,より適している統計指標がある 可能性) • 精度を上げることよりも,スピードが欲しい。PDCAサイクル上の一部 で,政策の裏付けとして統計データが必要+説得力のあるストーリー • 景気動向指数,賃金,生産面,人口等様々なものから総合的に地域 の景気を判断する必要性 (統計はある側面の「一部」) 【有効と思われるもの】 1. 予測。現場の人にはその分野における知識はなかなかかなわない。 担当では当然のこと。統計データとヒヤリングとの結果との乖離に関 心。しかし現場ではモデルを作成し,予測はできない。 2. 他地域との詳細な比較 (全国ランキングは気にする) 3. 指数の作成 (例 サービス産業の動向の月次指標)
  19. 19. 19 オープンデータの推進 【趣旨】 オープンデータとは,「公共データの民間開放」のことを言い,著作権に替わ る新たな権利(クリエイティブコモンズ)をつけ,データの2次利用を促進させようとい うもの + pdf形式ではなく,Excel形式等での提供。 データをオープンデータ化することで, 1 .具体的に課題解決につながる新たなアプリ・Webサービスを創出 2. 官民で課題を共有し,協働での課題解決 3. 行政の透明性の向上 【有名例】 Wikipedia,OpenStreetMap 統計分析には面白い・有用なデータが不可欠 リアルタイムデータ,施設管理に地図上に表示。(図書館の空席状況まで分かる。) 【研究者】 • より課題解決につながるような新たなデータ(含むビッグデータ)が容易に利用でき る可能性。(今まで届け出が必要) • 新たな指数の作成・利活用。 徳島県データカタログサイト http://bit.ly/ouropendata
  20. 20. 20 終徳島阿波踊り 開催日程: 8月12日から15日まで 課題解決のための 統計分析
  21. 21. 21 関連文献 1. 「景気動向指数の利用の手引き」 内閣府のHP 2. J. H. Stock and M. W. Watson (1988), ‘’A probability model of the coincident economic indicators,’’ NBER Working Paper, No.2772. 3. J. H. Stock and M. W. Watson (1989) ‘’New Indexes of Coincident and Leading Economic Indicators,’’ NBER Macroeconomic Annual, pp. 351-394. 4. 福井紳也 (2007) 「地域別確率的景気指数と地域間景気連動性」産開研論集 第19号, pp. 1-15. 5. 大日康史(1992) 「日本における確率的景気指数の開発」『同志社大学経済学論叢』第44巻第1号, pp. 25-60. 6. 森一夫, 佐竹光彦, 大日康史(1993) 「ストック=ワトソンタイプの景気指数」 『同志社大学経済学 論叢』第45巻第1号, pp. 29-50. 7. 下田憲雄, 小野宏(2010) 「大分県ストック・ワトソン型景気指数の試算」 『経済論集』第62巻第3・4 合併号,pp. 17-34. 8. 加納悟(2002) 「景気動向のモデル分析 – そのフロンティア」『経済研究』第53巻第2号,pp.173-187. 9. 加納悟, 小巻康之 (2003) 「景気動向のモデル分析」,浅子和美・福田慎一編『景気循環と景気予 測』東京大学出版,pp. 75-102. 10. 福田慎一, 小野寺敬, 中込一朗 (2003) 「確率的景気指数の有効性」 浅子和美, 福田慎一編 『景 気循環と景気予測』 東京大学出版,pp. 137-156. 11. 内閣府経済社会総合研究所 (2003) 「景気指標の新しい動向」『経済分析』 第166号 12. 酒井博司 (2008) 「景気転換予測指標の開発と日本経済への適用」『研究論文』三菱総合研究所, P.90-109.

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