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ITを活用した授業改善-携帯端末を使用した授業方法の提案-    東京慈恵会医科大学 麻酔科            松本尚浩  takahiro_matsumoto@jikei.ac.jp
今日のキーワード•   効果的授業•   効率的授業•   魅力的授業•   これらを支援する情報テクノロジー(IT)応用                             2
サインイン             0             500:15   サインイン済み    未サインイン                           3
アンケートタイトル                          01.   教職員2.   教職員でない医療関係者3.   学生4.   その他                      1   2   3   4            ...
授業前の計画・準備            5
僕は、ダメな医学生でした• 入学時、「◎◎医科大学建学の使命」を知る – 人間愛に徹し、 – 生涯にわたって哲学する医師を養成、など• 学長曰く、「しかし、国家試験はとても重要」• とりあえず、国試合格を目指そう – 医者になったら、ちゃんと仕...
皆さんは、学生の頃、どれほど      講義が役立ちました(ます)か?1.   全く役立たない(0)     1   02.   10/100(かなり希)   2   03.   30/100(希)      3   04.   50/100(...
そんな僕が、医学部学生に授業• 授業をするならば、「学生に役立つ授業」を• 医学生にとって「役立つ」とは、 – 国家試験の合格に役立つ – 学生中に臨床実習で役立つ – 医師になったとき臨床現場で役立つ – 研究者になったとき役立つ• 学生個人...
The problem is choice.(人類は自ら選択という要素がなければ      満足しないモノだ)          救世主ネオが、オラクルと会う場面                  オラクルは、             平和で堕...
選べる授業をつくってみよう• 学生にメールで「選択肢」を送信 – 「僕が出来る授業内容は、◎◎、△△、、、です。」• 希望する選択肢を、携帯端末で投票 – 携帯集計システムを利用• 投票結果に従い、授業内容を計画• 学生にメールで、授業内容を予...
携帯集計システム• 開発元:木村情報技術社 – http://www.k-   idea.jp/company/syuukei   tai.html• アクセスサイトとQRコード  呈示 – http://mana.3esys.jp/tj   ...
【電子メール】私が出来る授業は、     こんな内容です• 【試験合格】 – OSCE、卒業試験、医師国家試験• 【医療者の基本を身につける】 – 病態生理の理解 – 基本技術習得 – 患者安全 – 科学とはなにか – 医療者学習、継続学習、卒...
【電子メール】「試験合格」の話題例• 国家試験既出問題から麻酔科関連問題を抽出• 麻酔科関連問題を解説                     13
【電子メール】「病態生理」の話題例•   血圧の意味は?どこまで下がって良い?•   脈拍数、少ない、多い場合の病態と対応•   酸素はどれほど必要か?•   血液ガスデータは何から読むか?•   輸液選択の基本•   疼痛管理の基本•   赤...
集計結果1:話題分野別の投票                learning                 science  issues           patient safety             physiology    ...
集計結果2:生理学関連での投票              pain management       red blood cell transfusion                        infusion  issues     ...
集計結果に基づく授業計画• 主な内容 – 徐脈・頻脈の病態と対応 – 国家試験既出問題 – 学ぶ意義• 授業効果の評価方法 – 授業で触れた内容の選択式問題の正解率 – 授業の満足度アンケート調査• 学習方法 – 少人数グループディスカッション...
利用予定だった授業中のIT機器       聴衆反応システム: ARS (Audience Response System) 携帯アンケート集計システム                             18
利用予定だった授業中のIT機器  学生さんが、70名余り出席(自前のクリッカーは20組のみ)       聴衆反応システム: ARS (Audience Response System)南講堂では、ある会社の携帯端末の     電波が入らない ...
適切な選択は動機づけにつながるKeller & SuzukiのARCSモデルとその下位分類を是非ご利用下さい                           20
小まとめ1:授業前の工夫• 魅力的授業:選べる授業 – 講師は、授業の到達目標に関連する話題を幾つか   挙げて、前もって学生に示す。• 授業準備に「携帯端末での投票システム」 – 「授業予定通知」だけよりも、双方向性がある。         ...
学生に授業内容を選ばせるのは、      授業改善に役立ちそうですか?1.   全く役立たない(0)     1 0                    2 02.   10/100(かなり希)                    3 03...
聴衆反応システムを用いた授業例                  23
授業の対象・方法• 対象:◎×大学、看護学生2年生、約80名• 麻酔関連内容の、7つのストーリー呈示• 興味ある3ストーリーを選択    – 選択ストーリー毎に5名程度のグループ結成•   ストーリー中の不明な医学用語を調べて理解•   グルー...
ストーリー呈示型授業の流れ         目標提示、選択興味あるストーリー選択    ストーリー毎グループ       グループでワークシート作成 不明点を調べる            発表と議論        理解度、満足度確認 理解度確認...
【授業中プレゼン】本日の目標• 麻酔・救急・ペインクリニックに関連する7つのストー  リー呈示• →興味あるストーリーを3つ選択• あなたがそれぞれの事例で受けたい手術・麻酔看  護を記述できる• あなたがそれぞれの事例で看護するために持つべ ...
【授業中プレゼン】ストーリーの使い方• 読む立場を変えて読んで下さい – 立場1:あなた(あなたの家族)が患者として読む – 立場2:あなたが患者の担当看護師として読む• 分からない言葉・内容を調べる – グループで分担して調べて下さい。  •...
ワークシート:ストーリー( )1. この事例では、あなた(あなたの家族)はどんな手   術・麻酔看護を受けたいですか?2. この事例で、あなたが担当看護師としたら、どんな   知識・技術を身につけるべきですか?3. この事例で、患者さんが満足か...
ストーリー7• 30代女性、身長158 cm,体重 88kg。• 避妊薬を内服していた。• 子宮頸がんの診断で子宮全摘附属器切除、骨盤リンパ  節廓清が行われた。• 創部痛が強く、術後2日間ほとんど離床出来なかった。• 術後3日目、売店へ歩行中...
【投票結果】第一選択のストーリーは?                  0       5           10    15   201.   ストーリー1   1                        102.   ストーリー2 ...
ストーリー7のポイント• 深部静脈血栓の高リスク患者 – 肥満、避妊薬、術式(骨盤リンパ節廓清) – 早期離床不可能• 深部静脈血栓は肺塞栓のリスク – 肺塞栓は急死の原因 – 予防策  • 高リスク手術に注意  • 弾性ストッキング、抗凝固療...
【解答結果】クイズ: 深部静脈血栓と関連が高いのは?                  0           10        20   30   40        501.   長期臥床     1                   ...
何故か、組織での訓練が 上手くいかない。そのわけは?学校みたいにやるから、上手くいかない  It’s just like school.   (Roger Schank, p7, Designing World-Class E-  ロジャー・シ...
学校は、なぜダメなのか        そもそも人は、    「他人から言われて」も、学ばない   人は言われて学ぶのではなく、やりながら学ぶ(teaching by tellingではなく、learning by doing)         ...
小まとめ2:授業中の工夫• 効果的学習:「講義で知識授与の効果は少ない」 – 「知識を与える講義」から「ストーリー呈示」へ – 自分の置かれる環境から学習を始める• クリッカーで「個人の学習」を追求 – 興味あるストーリーを選ばせる – クイズ...
知識提供よりも「興味あるストーリー」の工夫は、授業改善に役立ちそうですか?1.   全く役立たない(0)     1 0                    2 02.   10/100(かなり希)                    3 ...
授業後とその後の学生             37
授業後アンケート• 目的 – 授業での学習内容理解   • 国家試験既出問題を出題 – 授業の印象を得る• 投票: – 授業翌日、30分間、1回• 回答数: – 約30名   • アクセス途中で切断例があり、正確な数字不明           ...
授業後アンケート回答1• 問)今回の授業で印象に残ったのはなにか? – 一方的でない授業-----8.5% – 考える授業-----40.4% – 生理学の重要性-----23.4% – 患者安全の重要性-----7.5% – 日本の医師国家試...
授業後アンケート回答2• 問)今回の授業で改善すべき点は? – 得られた知識量が少ない-----12.5% – 授業の資料が不適切----- 10.7% – よく理解できなかった----- 3.6% – 時間が長く感じられた----- 1.8%...
授業後アンケート回答3• 問)今回の授業後、あなたの気持ち・態度は? – つまらなかった-----1.7% – 何も変わらない----- 17.2% – 学習に意欲が出た----- 60.3% – このような授業を、他の先生にもやって欲しい--...
授業後、自発学習の場を提供• 「臨床につながる生理学」学習会の開設• 要領 – 曜日不定期、週1回、19時頃から90分間程度 – 開催予定はfacebookで通知 – テキスト: “principles of physiology for   ...
「臨床につながる生理学」  学習会後、学生からのメール• 私は暗記が推奨されている医学部の勉強に  途中嫌気がさしてしまい・・・• 講義もろくに出ていませんでしたし。• しかし来年4年生で臨床医学を学ぶことを考  えたとき、生理学からきちんと結...
授業後、投票システムの         応用例と効果• 応用例 – 理解確認クイズ – アンケート – 試験• 効果 – 学習効果確認、復習 – 授業満足度確認 – 試験採点                     44
小まとめ3:授業後の工夫• 効果的学習: – 授業中の学習目標にそったクイズ• 魅力的学習: – 授業満足度の把握 – 学生に、自主的学習の場を提供• ITの利用:携帯端末投票システム – クイズ解答 – アンケート回答            ...
昨年の私の授業の特徴と要因• 特徴 – 授業内容を学生の興味に沿わせた。 – 授業中の居眠り、退出が少なかった。 – 授業後、自主的学習会ができた。• 要因 – 携帯端末集計システムで興味・関心の把握 – 学生自身で問題解決させ、学生と議論を実...
効果的な授業とは           47
「学習効果がある」、とは?• 古典的定義:自発的行動の持続的変容 – 分からないこと→分かるようになる – 出来ないこと→出来るようになる• 社会文化的定義:コミュニティーとの関わり – 新参者から一人前に         – (学習と教授の理...
「講義」は、物まねではないのか?1350年代の講義           説教、演説と類似(ボローニャ大学:創立1088年)                               49
「講義」は、物まねではないのか?1350年代の講義           説教、演説と類似(ボローニャ大学:創立1088年)1)貴重な、価値ある情報・知識を、2)憧れの、尊敬する講師が語れば、      3)人は、学ぶ              ...
教室での情報/知識は貴重か?昔:教室に情報が集中
教室での情報/知識は貴重か?昔:教室に情報が集中   現代:教室外にも情報は豊富                         52
「講義」を研究した結果• 「知識を与える」場として、貢献していない• 以下において効果的でない – 概念の促進、態度の変容、行動技能教育• 講義始まって25分で注意力が低下• 講義が進むと、学生はノートを取らない• 少人数議論で小休止をすると集...
講義での知識は、ビデオで学べる              54
Khan Academy ビデオ教材単元                   55
Khan Academy ビデオ教材単元      【提案】    大学での講義を   ビデオ教材にして、  学生が自分のペースで  学習するシステムを開発                   56
授業の効果は、        情報・知識を与えることである1.   全くそう思わない(0) 1     0                   2                     8         02.   10/100(かなり否定...
魅力的授業とは          58
【私見】自立した学習者• 自分はその場で、「どう、あるべき」か、把握• 自分で目標を設定• 「分からないこと」、「出来ないこと」など改善• 場で活動して、自分を見つめ直す                          59
【私見】自立へ今一歩の組織学習者• 環境や熟達者を観察しない• 評価(試験)がないと学べない• 「一人前」で進歩がとまり「熟達者」にならない• 組織を発展させようとしない                       60
【データ:麻酔部若手へのアンケート】試験がないと学ばない傾向ありますか?                     0   5   10                 11.   全くそう思わない                 22.   あ...
あなたは、いつ頃、   自立した学習者になりましたか?                1   101. 学童期以前        2            7           02. 高等教育期間       3              ...
医療組織で、      自立しない学習者が増えると組織の能力    •現場で熟達者になれない 低下         •現場外での「講義など」が必要に業務が増加         •未熟な医療者増加患者・家族への過誤・事故         •指導者...
医療組織で、      自立しない学習者が増えると組織の能力    •現場で熟達者になれない  魅力的な授業などの教育で、 低下 慈恵医大の学生を、学生の間に   •現場外での「講義など」が必要に自立的学習者に成長させることが、業務が増加本学教...
魅力的授業とは、      学びへの動機を与えることである1.   全くそう思わない(0) 1     0                   2   02.   10/100(かなり否定)                   3       ...
学びの場の創り方、学べます                66
ibstpiインストラクターコンピテンシー• ibstpi:The International Board of Standards for Training, Performance and Instruction  – 研修・職能・教育に関...
ibstpiインストラクターコンピテンシー• ibstpi:The International Board of Standards   「この記述が、教授システム学(ISD: for Training, Performance and Ins...
ibstpi インストラクターコンピテンシープロフェッショナルとしての基礎  1. 効果的なコミュニケーションを行う。  2. 専門分野の知識やスキルを常に磨いておく。  3. 規定の倫理や法を順守する。  4. プロフェッショナルとしての信用...
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日本語でお読みになりたい方へ    • 論文「インストラクターコンピ      テンシーの医療者教育への      応用」     – ibstpi インストラクターコン      ピテンシーの解説と応用提案    • 資料「ibstpi イン...
日本語でお読みになりたい方へ        • 論文「インストラクターコンピ          テンシーの医療者教育への          応用」          – ibstpi インストラクターコン           ピテンシーの解説と...
結語• 「知識授与」重視の講義を見直しませんか – 効果的授業・効率的授業・魅力的授業の追求へ• 以下のITが役に立ちます – 携帯端末集計・投票システム – 聴衆応答システム• 学生の間に「自立的な学習者」を育てましょう           ...
ガリレオ ガリレイ"You cannot teach a man anything,  you can only help him to find it           for himself.“     人を教えることはできない、    ...
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投票システム・聴衆反応システムを応用した大学授業 (classrooms with voting systems in university)

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授業前、中、後に投票システムや授業を効果的・効率的・魅力的にする工夫

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投票システム・聴衆反応システムを応用した大学授業 (classrooms with voting systems in university)

  1. 1. ITを活用した授業改善-携帯端末を使用した授業方法の提案- 東京慈恵会医科大学 麻酔科 松本尚浩 takahiro_matsumoto@jikei.ac.jp
  2. 2. 今日のキーワード• 効果的授業• 効率的授業• 魅力的授業• これらを支援する情報テクノロジー(IT)応用 2
  3. 3. サインイン 0 500:15 サインイン済み 未サインイン 3
  4. 4. アンケートタイトル 01. 教職員2. 教職員でない医療関係者3. 学生4. その他 1 2 3 4 投票数: 0 0:30 4
  5. 5. 授業前の計画・準備 5
  6. 6. 僕は、ダメな医学生でした• 入学時、「◎◎医科大学建学の使命」を知る – 人間愛に徹し、 – 生涯にわたって哲学する医師を養成、など• 学長曰く、「しかし、国家試験はとても重要」• とりあえず、国試合格を目指そう – 医者になったら、ちゃんと仕事するし、、、• 面白くない講義は欠席して、部活の日々に 6
  7. 7. 皆さんは、学生の頃、どれほど 講義が役立ちました(ます)か?1. 全く役立たない(0) 1 02. 10/100(かなり希) 2 03. 30/100(希) 3 04. 50/100(ときには) 4 0 5 05. 70/100(しばしば) 6 06. 90/100(けっこう) 7 07. 非常に役立つ(100) 1 2 3 4 5 6 7 0:30 投票数: 0 7
  8. 8. そんな僕が、医学部学生に授業• 授業をするならば、「学生に役立つ授業」を• 医学生にとって「役立つ」とは、 – 国家試験の合格に役立つ – 学生中に臨床実習で役立つ – 医師になったとき臨床現場で役立つ – 研究者になったとき役立つ• 学生個人個人によって「役立つ要素」は違う 8
  9. 9. The problem is choice.(人類は自ら選択という要素がなければ 満足しないモノだ) 救世主ネオが、オラクルと会う場面 オラクルは、 平和で堕落する人類を分析した結果 9
  10. 10. 選べる授業をつくってみよう• 学生にメールで「選択肢」を送信 – 「僕が出来る授業内容は、◎◎、△△、、、です。」• 希望する選択肢を、携帯端末で投票 – 携帯集計システムを利用• 投票結果に従い、授業内容を計画• 学生にメールで、授業内容を予告 10
  11. 11. 携帯集計システム• 開発元:木村情報技術社 – http://www.k- idea.jp/company/syuukei tai.html• アクセスサイトとQRコード 呈示 – http://mana.3esys.jp/tj u/1/• 授業前アンケート – 3日前、2日前に合計3回の 投票時間(各30分) 11
  12. 12. 【電子メール】私が出来る授業は、 こんな内容です• 【試験合格】 – OSCE、卒業試験、医師国家試験• 【医療者の基本を身につける】 – 病態生理の理解 – 基本技術習得 – 患者安全 – 科学とはなにか – 医療者学習、継続学習、卒前卒後教育連携 12
  13. 13. 【電子メール】「試験合格」の話題例• 国家試験既出問題から麻酔科関連問題を抽出• 麻酔科関連問題を解説 13
  14. 14. 【電子メール】「病態生理」の話題例• 血圧の意味は?どこまで下がって良い?• 脈拍数、少ない、多い場合の病態と対応• 酸素はどれほど必要か?• 血液ガスデータは何から読むか?• 輸液選択の基本• 疼痛管理の基本• 赤血球輸血はいつ始めるか? 14
  15. 15. 集計結果1:話題分野別の投票 learning science issues patient safety physiology examination 0 20 40 60 vote• 生理学、試験対策が上位だった 15
  16. 16. 集計結果2:生理学関連での投票 pain management red blood cell transfusion infusion issues blood gas analysis oxygen needs bradycardia & tachycardia blood pressure 0 10 20 30 40 50 vote• 病態・生理学の話題では「徐脈・頻脈の病態と対応」と 「疼痛管理の基本」が上位だった。 – 疼痛管理は別時限に授業があるので今回は触れず 16
  17. 17. 集計結果に基づく授業計画• 主な内容 – 徐脈・頻脈の病態と対応 – 国家試験既出問題 – 学ぶ意義• 授業効果の評価方法 – 授業で触れた内容の選択式問題の正解率 – 授業の満足度アンケート調査• 学習方法 – 少人数グループディスカッション • なるべく、講義はしない – 聴衆応答システム応用 17
  18. 18. 利用予定だった授業中のIT機器 聴衆反応システム: ARS (Audience Response System) 携帯アンケート集計システム 18
  19. 19. 利用予定だった授業中のIT機器 学生さんが、70名余り出席(自前のクリッカーは20組のみ) 聴衆反応システム: ARS (Audience Response System)南講堂では、ある会社の携帯端末の 電波が入らない 携帯アンケート集計システム 19
  20. 20. 適切な選択は動機づけにつながるKeller & SuzukiのARCSモデルとその下位分類を是非ご利用下さい 20
  21. 21. 小まとめ1:授業前の工夫• 魅力的授業:選べる授業 – 講師は、授業の到達目標に関連する話題を幾つか 挙げて、前もって学生に示す。• 授業準備に「携帯端末での投票システム」 – 「授業予定通知」だけよりも、双方向性がある。 21
  22. 22. 学生に授業内容を選ばせるのは、 授業改善に役立ちそうですか?1. 全く役立たない(0) 1 0 2 02. 10/100(かなり希) 3 03. 30/100(希) 4 04. 50/100(ときには) 5 0 6 05. 70/100(しばしば) 7 06. 90/100(けっこう) 教職員7. 非常に役立つ(100) 教職員でない医療関係者 学生 投票数: 0 その他 0:30 22
  23. 23. 聴衆反応システムを用いた授業例 23
  24. 24. 授業の対象・方法• 対象:◎×大学、看護学生2年生、約80名• 麻酔関連内容の、7つのストーリー呈示• 興味ある3ストーリーを選択 – 選択ストーリー毎に5名程度のグループ結成• ストーリー中の不明な医学用語を調べて理解• グループでワークシート完成させ、発表• 解説と、理解度確認クイズ• 次の選択ストーリーへ 24
  25. 25. ストーリー呈示型授業の流れ 目標提示、選択興味あるストーリー選択 ストーリー毎グループ グループでワークシート作成 不明点を調べる 発表と議論 理解度、満足度確認 理解度確認クイズ 授業直後、満足度調査 25
  26. 26. 【授業中プレゼン】本日の目標• 麻酔・救急・ペインクリニックに関連する7つのストー リー呈示• →興味あるストーリーを3つ選択• あなたがそれぞれの事例で受けたい手術・麻酔看 護を記述できる• あなたがそれぞれの事例で看護するために持つべ き知識・技術を記述する• あなたはそれぞれの事例で患者満足をどのように 知り、どのように患者満足を得る看護を目指したい か記述する。 26
  27. 27. 【授業中プレゼン】ストーリーの使い方• 読む立場を変えて読んで下さい – 立場1:あなた(あなたの家族)が患者として読む – 立場2:あなたが患者の担当看護師として読む• 分からない言葉・内容を調べる – グループで分担して調べて下さい。 • 1ストーリーあたり20分以内 – 調べても分からないことは私に質問して下さい。• ストーリー毎にワークシートを完成させます – 1ストーリーあたり40分以内を目標に 27
  28. 28. ワークシート:ストーリー( )1. この事例では、あなた(あなたの家族)はどんな手 術・麻酔看護を受けたいですか?2. この事例で、あなたが担当看護師としたら、どんな 知識・技術を身につけるべきですか?3. この事例で、患者さんが満足か、そして安全かをど のようにして知ることができますか?どのようにし て患者の安心・満足を得ることができますか? 28
  29. 29. ストーリー7• 30代女性、身長158 cm,体重 88kg。• 避妊薬を内服していた。• 子宮頸がんの診断で子宮全摘附属器切除、骨盤リンパ 節廓清が行われた。• 創部痛が強く、術後2日間ほとんど離床出来なかった。• 術後3日目、売店へ歩行中に意識を失い、心停止に対 して心肺蘇生術が行われ、自己心拍が再開したあと、 直ちに2日間の低体温療法を受け、意識回復した。• 左大腿静脈に深部静脈血栓があるため、下大静脈フィ ルターが留置された。 29
  30. 30. 【投票結果】第一選択のストーリーは? 0 5 10 15 201. ストーリー1 1 102. ストーリー2 2 33. ストーリー3 3 64. ストーリー4 4 85. ストーリー5 5 36. ストーリー6 6 37. ストーリー7 7 19 30
  31. 31. ストーリー7のポイント• 深部静脈血栓の高リスク患者 – 肥満、避妊薬、術式(骨盤リンパ節廓清) – 早期離床不可能• 深部静脈血栓は肺塞栓のリスク – 肺塞栓は急死の原因 – 予防策 • 高リスク手術に注意 • 弾性ストッキング、抗凝固療法(ヘパリン)予防投与 • フットポンプ 31
  32. 32. 【解答結果】クイズ: 深部静脈血栓と関連が高いのは? 0 10 20 30 40 501. 長期臥床 1 122. 肥満 2 03. 膝関節手術 3 04. 産婦人科手術5. 上記の全て 4 5 5 43 32
  33. 33. 何故か、組織での訓練が 上手くいかない。そのわけは?学校みたいにやるから、上手くいかない It’s just like school. (Roger Schank, p7, Designing World-Class E- ロジャー・シャンク Learning) 33
  34. 34. 学校は、なぜダメなのか そもそも人は、 「他人から言われて」も、学ばない 人は言われて学ぶのではなく、やりながら学ぶ(teaching by tellingではなく、learning by doing) 34
  35. 35. 小まとめ2:授業中の工夫• 効果的学習:「講義で知識授与の効果は少ない」 – 「知識を与える講義」から「ストーリー呈示」へ – 自分の置かれる環境から学習を始める• クリッカーで「個人の学習」を追求 – 興味あるストーリーを選ばせる – クイズで理解度を測る • 授業効果を測定できる 35
  36. 36. 知識提供よりも「興味あるストーリー」の工夫は、授業改善に役立ちそうですか?1. 全く役立たない(0) 1 0 2 02. 10/100(かなり希) 3 03. 30/100(希) 4 04. 50/100(ときには) 5 0 6 05. 70/100(しばしば) 7 06. 90/100(けっこう) 教職員7. 非常に役立つ(100) 教職員でない医療関係者 学生 投票数: 36 その他 0:30 36
  37. 37. 授業後とその後の学生 37
  38. 38. 授業後アンケート• 目的 – 授業での学習内容理解 • 国家試験既出問題を出題 – 授業の印象を得る• 投票: – 授業翌日、30分間、1回• 回答数: – 約30名 • アクセス途中で切断例があり、正確な数字不明 38
  39. 39. 授業後アンケート回答1• 問)今回の授業で印象に残ったのはなにか? – 一方的でない授業-----8.5% – 考える授業-----40.4% – 生理学の重要性-----23.4% – 患者安全の重要性-----7.5% – 日本の医師国家試験のみを目指すことの危うさ -----20.2% 39
  40. 40. 授業後アンケート回答2• 問)今回の授業で改善すべき点は? – 得られた知識量が少ない-----12.5% – 授業の資料が不適切----- 10.7% – よく理解できなかった----- 3.6% – 時間が長く感じられた----- 1.8% – 特に改善点は思いつかない----- 71.4% 40
  41. 41. 授業後アンケート回答3• 問)今回の授業後、あなたの気持ち・態度は? – つまらなかった-----1.7% – 何も変わらない----- 17.2% – 学習に意欲が出た----- 60.3% – このような授業を、他の先生にもやって欲しい--- -- 20.7% 41
  42. 42. 授業後、自発学習の場を提供• 「臨床につながる生理学」学習会の開設• 要領 – 曜日不定期、週1回、19時頃から90分間程度 – 開催予定はfacebookで通知 – テキスト: “principles of physiology for anaesthetists, 2nd ed”• 第1回 学習会 2011年12月1日開催 – 以後、継続中(毎回5名程度参加) 42
  43. 43. 「臨床につながる生理学」 学習会後、学生からのメール• 私は暗記が推奨されている医学部の勉強に 途中嫌気がさしてしまい・・・• 講義もろくに出ていませんでしたし。• しかし来年4年生で臨床医学を学ぶことを考 えたとき、生理学からきちんと結び付けられ ればどんなに楽しいことだろう、と考えており ました。• 先生の学習会で暗記ではなく活きた医学を 学ぶ姿勢を身につけたいと考えております。 43
  44. 44. 授業後、投票システムの 応用例と効果• 応用例 – 理解確認クイズ – アンケート – 試験• 効果 – 学習効果確認、復習 – 授業満足度確認 – 試験採点 44
  45. 45. 小まとめ3:授業後の工夫• 効果的学習: – 授業中の学習目標にそったクイズ• 魅力的学習: – 授業満足度の把握 – 学生に、自主的学習の場を提供• ITの利用:携帯端末投票システム – クイズ解答 – アンケート回答 45
  46. 46. 昨年の私の授業の特徴と要因• 特徴 – 授業内容を学生の興味に沿わせた。 – 授業中の居眠り、退出が少なかった。 – 授業後、自主的学習会ができた。• 要因 – 携帯端末集計システムで興味・関心の把握 – 学生自身で問題解決させ、学生と議論を実施 – 学習する必要性、意欲を刺激 46
  47. 47. 効果的な授業とは 47
  48. 48. 「学習効果がある」、とは?• 古典的定義:自発的行動の持続的変容 – 分からないこと→分かるようになる – 出来ないこと→出来るようになる• 社会文化的定義:コミュニティーとの関わり – 新参者から一人前に – (学習と教授の理論、鈴木栄幸) 48
  49. 49. 「講義」は、物まねではないのか?1350年代の講義 説教、演説と類似(ボローニャ大学:創立1088年) 49
  50. 50. 「講義」は、物まねではないのか?1350年代の講義 説教、演説と類似(ボローニャ大学:創立1088年)1)貴重な、価値ある情報・知識を、2)憧れの、尊敬する講師が語れば、 3)人は、学ぶ 本当? 50
  51. 51. 教室での情報/知識は貴重か?昔:教室に情報が集中
  52. 52. 教室での情報/知識は貴重か?昔:教室に情報が集中 現代:教室外にも情報は豊富 52
  53. 53. 「講義」を研究した結果• 「知識を与える」場として、貢献していない• 以下において効果的でない – 概念の促進、態度の変容、行動技能教育• 講義始まって25分で注意力が低下• 講義が進むと、学生はノートを取らない• 少人数議論で小休止をすると集中力が回復 – [Donald A. Bligh: Whats the Use of Lectures?, Jossey-Bass, 2000] 53
  54. 54. 講義での知識は、ビデオで学べる 54
  55. 55. Khan Academy ビデオ教材単元 55
  56. 56. Khan Academy ビデオ教材単元 【提案】 大学での講義を ビデオ教材にして、 学生が自分のペースで 学習するシステムを開発 56
  57. 57. 授業の効果は、 情報・知識を与えることである1. 全くそう思わない(0) 1 0 2 8 02. 10/100(かなり否定) 3 7 0103. 30/100(少し否定) 4 9 04. 50/100(ときには) 5 4 0105. 70/100(少し肯定) 6 0 7 106. 90/100(かなり肯定) 教職員7. 非常にそう思う(100) 教職員でない医療関係者 学生 投票数: 38 その他 0:30 57
  58. 58. 魅力的授業とは 58
  59. 59. 【私見】自立した学習者• 自分はその場で、「どう、あるべき」か、把握• 自分で目標を設定• 「分からないこと」、「出来ないこと」など改善• 場で活動して、自分を見つめ直す 59
  60. 60. 【私見】自立へ今一歩の組織学習者• 環境や熟達者を観察しない• 評価(試験)がないと学べない• 「一人前」で進歩がとまり「熟達者」にならない• 組織を発展させようとしない 60
  61. 61. 【データ:麻酔部若手へのアンケート】試験がないと学ばない傾向ありますか? 0 5 10 11. 全くそう思わない 22. あまりそう思わない3. どちらでもない 34. かなりそう思う 45. 非常にそう思う 5 61
  62. 62. あなたは、いつ頃、 自立した学習者になりましたか? 1 101. 学童期以前 2 7 02. 高等教育期間 3 14 03. 社会人として一人前に 4 4 0 2 0 なる頃までに 5 2 04. まだ、自立していない 教職員 教職員でない医療関係者5. 分からない 学生 その他0:30 投票数: 37 62
  63. 63. 医療組織で、 自立しない学習者が増えると組織の能力 •現場で熟達者になれない 低下 •現場外での「講義など」が必要に業務が増加 •未熟な医療者増加患者・家族への過誤・事故 •指導者層の疲労・ストレス 63
  64. 64. 医療組織で、 自立しない学習者が増えると組織の能力 •現場で熟達者になれない 魅力的な授業などの教育で、 低下 慈恵医大の学生を、学生の間に •現場外での「講義など」が必要に自立的学習者に成長させることが、業務が増加本学教職員の使命と、私は考えます。 •未熟な医療者増加患者・家族への過誤・事故 •指導者層の疲労・ストレス 64
  65. 65. 魅力的授業とは、 学びへの動機を与えることである1. 全くそう思わない(0) 1 0 2 02. 10/100(かなり否定) 3 103. 30/100(少し否定) 4 104. 50/100(ときには) 5 7 05. 70/100(少し肯定) 6 10 0 2 0 7 10 06. 90/100(かなり肯定) 教職員7. 非常にそう思う(100) 教職員でない医療関係者 学生 投票数: 37 その他 0:30 65
  66. 66. 学びの場の創り方、学べます 66
  67. 67. ibstpiインストラクターコンピテンシー• ibstpi:The International Board of Standards for Training, Performance and Instruction – 研修・職能・教育に関する国際標準委員会• インストラクター – 成人学習指導者,組織学習支援者• コンピテンシー – 適格な組織人の在り方 – 高い成果を示す組織人の在り方 67
  68. 68. ibstpiインストラクターコンピテンシー• ibstpi:The International Board of Standards 「この記述が、教授システム学(ISD: for Training, Performance and Instruction Instructional Systems Design)に – 研修・職能・教育に関する国際標準委員会 基づいている」、と知り• インストラクター ISDの医療者教育への応用を目指した – 成人学習指導者,組織学習支援者• コンピテンシー – 適格な組織人の在り方 高い成果を示す組織人の在り方 –心肺蘇生術の指導者養成の探求で 出会った1冊の本 68
  69. 69. ibstpi インストラクターコンピテンシープロフェッショナルとしての基礎 1. 効果的なコミュニケーションを行う。 2. 専門分野の知識やスキルを常に磨いておく。 3. 規定の倫理や法を順守する。 4. プロフェッショナルとしての信用を確立する。企画と準備 5. インストラクションと方法と教材を企画準備する。 6. インストラクションに必要な具体的な準備をする。方法と戦略 7. 受講者が意欲的に、集中して学べるように働きかける。 8. プレゼンテーションを効果的に行う。 9. ファシリテ-ションを効果的に行う。 10. タイミングよく的確に質問をする。 11. 明確な説明とフィードバックを与える。 12. 学んだ知識やスキルが持続するように働きかける。 13. 学んだ知識やスキルが実際に使えるように働きかける。 14. メディアやテクノロジーを使って学習効果を高める。評価 15. 学習成果とその実用性を評価する。 16. インストラクションの効果を評価する。マネジメント 17.学習効率と学んだことの実践を促進する環境を維持する。 18.適切なテクノロジーを使って、インストラクションのプロセスを管理する。 69
  70. 70. ibstpi インストラクターコンピテンシープロフェッショナルとしての基礎 1. 効果的なコミュニケーションを行う。 2. 専門分野の知識やスキルを常に磨いておく。 3. 規定の倫理や法を順守する。 4. プロフェッショナルとしての信用を確立する。企画と準備 5. インストラクションと方法と教材を企画準備する。 6. インストラクションに必要な具体的な準備をする。方法と戦略 7. 受講者が意欲的に、集中して学べるように働きかける。 8. プレゼンテーションを効果的に行う。 9. ファシリテ-ションを効果的に行う。 10. タイミングよく的確に質問をする。 11. 明確な説明とフィードバックを与える。 12. 学んだ知識やスキルが持続するように働きかける。 13. 学んだ知識やスキルが実際に使えるように働きかける。評価 18項目を実践できれば、 14. メディアやテクノロジーを使って学習効果を高める。“学びの場”を効果的・効率的・魅力的に 15. 学習成果とその実用性を評価する。 16. インストラクションの効果を評価する。マネジメント 創る早道になります。 17.学習効率と学んだことの実践を促進する環境を維持する。 18.適切なテクノロジーを使って、インストラクションのプロセスを管理する。 70
  71. 71. 日本語でお読みになりたい方へ • 論文「インストラクターコンピ テンシーの医療者教育への 応用」 – ibstpi インストラクターコン ピテンシーの解説と応用提案 • 資料「ibstpi インストラク ターコンピテンシー 第4章」 – 18項目の粗訳 71
  72. 72. 日本語でお読みになりたい方へ • 論文「インストラクターコンピ テンシーの医療者教育への 応用」 – ibstpi インストラクターコン ピテンシーの解説と応用提案 • 資料「ibstpi インストラク「国際標準の指導者技能」に基づいた、 ターコンピテンシー 第4章」 ICLS指導者養成ワークショップや – 18項目の粗訳 AHA コアインストラクターコース 開催可能ですので、ご相談ください 72
  73. 73. 結語• 「知識授与」重視の講義を見直しませんか – 効果的授業・効率的授業・魅力的授業の追求へ• 以下のITが役に立ちます – 携帯端末集計・投票システム – 聴衆応答システム• 学生の間に「自立的な学習者」を育てましょう 73
  74. 74. ガリレオ ガリレイ"You cannot teach a man anything, you can only help him to find it for himself.“ 人を教えることはできない、 ただ自悟させる 手助けをするにすぎない。 74

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