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UX白書には本当は何が書かれているか

  1. Copyright © Masaya Ando UX白書カンファレンス ~UX白書の今とこれから 2017年6月3日
  2. Copyright © Masaya Ando 安 藤 昌 也 千葉工業大学先進工学部知能メディア工学科 教授 早 稲 田 大 学 政 治 経 済 学 部 経 済 学 科 卒 業 。 NTTデータ通信(現、NTTデータ)、経営コンサ ルティング会社取締役、早稲田大学、国立情報学 研究所、産業技術大学院大学など経て、2011年千 葉工業大学工学部准教授、2015年教授。2016年 より現職。博士(学術) . 専門は、人間中心デザイン。UX(ユーザ体験) の研究者。人間工学ISOの国内対策委員等を務める。 認定人間中心設計専門家 / 認定専門社会調査士
  3. Copyright © Masaya Ando 『UX白書』を読んだことはありますか? 参加申込時アンケート結果より。
  4. Copyright © Masaya Ando 『UX白書』を読んだことはありますか? 肩書き内訳。
  5. Copyright © Masaya Ando UX白書(Roto et al., 2011) UXの定義に混乱があることか ら、2010年に世界のUX研究者 30名が集まり、基本コンセプ トを整理した議論の成果。 12ページとコンパクト。 “定義”そのものではないが、 UXとはどういう観点から捉え るべきかをわかりやすく解説。 Vilpi Roto hcdvalue
  6. Copyright © Masaya Ando 「UX白書」に書いてあること
  7. Copyright © Masaya Ando はじめに UX白書では、世界の英知を集めてすら、“UXを一つで定義 できない”という告白から始まっている。定義しない代わり に、UXの概念とUXを捉える様々な観点を明確にしている。
  8. Copyright © Masaya Ando はじめに この当時、UXはかなり自由な使われ方をしていた。そのた め、同じUXという用語を用いていても、相互に異なる視点 であることもあり混乱が生じていた。
  9. Copyright © Masaya Ando 1. 序論 その上で、UXを3つの視点で整理している。 ‒ 現象としてのUX ・・・UXとは何か ‒ 研究分野としてのUX・・・研究領域としてのUX ‒ 実践としてのUX ・・・どうUXをデザインするか UX白書は、5章構成であるが、そのうち3章を「現象としてのUX」 及びその整理に関する内容に当てている
  10. Copyright © Masaya Ando 2. 現象としてのUX UXは「システムの利用を通じて人々が持つ経験」について であり、一般概念の経験の下位集合である。 UX UX
  11. Copyright © Masaya Ando 2. 現象としてのUX UXは、様々な概念を包括したものだが、単に一人のユー ザーの経験を漠然と捉えているわけでない。その例として3 つの視点をあげている。 ‒ 経験する(Experiencing) • 経験は個人的で、かつ動的な変化 ‒ ある経験(A user experience) • 始まりと終わりのある出会い ‒ 共経験(Co-experience) • 一緒に経験する人々の状況、集団経験 UX ...
  12. Copyright © Masaya Ando 3. ユーザエクスペリエンスの期間 UXは単なるシステムの利用経 験に留まらない。利用前に経 験や口コミ情報など期待から 生じる間接的な経験もある。 更に言えば、使っていない時 に、いろんな情報を仕入れる こともある。 要するに実際の経験は、極めて動的 であり、決まったパターンはない。 また、経験のどこの範囲に焦点を当 てるかによって、かなり経験の中身 が違っている。
  13. Copyright © Masaya Ando 3. ユーザエクスペリエンスの期間 多様なUXのどこに焦点を当てるか、そのパターンを整理す ると、UXの期間で表現できる。期間が違うと内的プロセス が違うため、UXそのもが異なる。 UXについて議論したり話したりする時には 対象とする期間を明確にすることが重要
  14. Copyright © Masaya Ando 4. ユーザエクスペリエンスに影響する要素 UXに影響する要素は幅広いが、大きく3つに分類される。 ‒ 文脈: • 文脈が変われば、システムが変わらなくてもUXは変化する ‒ 社会的文脈、物理的文脈、仕事の文脈、技術や情報の文脈な ど、またこれらの組み合わせ ‒ ユーザー: • システムを使う人が様々な要因に影響されるので、 UXは動的である ‒ 製品を使おうとするモチベーション、雰囲気、その時の心理 状態・身体的状態、期待などに影響される ‒ システム: • システム特性に対するユーザーの知覚・認識がUXに影響 ‒ ブランドイメージ、メーカーのイメージ、システムデザイン、 ユーザーの使用の結果など
  15. Copyright © Masaya Ando 5. 実践としてのUX UXデザインは人間中心設計(HCD)由来であるとした上で、 HCDとの重要な視点の違いとして以下を上げている。 ‒ UXの要素 • 従来のHCDよりも広範囲で、感情や解釈、意味、社会的側面等まで関連 ‒ 手法・ツール・基準 • デザインプロセス全体を通して利用可能な、手法・ツール・基準を明確 にする必要がある ‒ コンセプトとデザインの表現方法 • デザインよりも前に、その経験を伝えることが大事 ‒ 組織におけるUXの位置付け • UX活動は組織のビジネス戦略における重要なパートとして認識され確立 しつつある
  16. Copyright © Masaya Ando UX白書の書かれたことを もっともっと理解する
  17. Copyright © Masaya Ando 「UX白書」の期間モデル UXは、焦点を当てる期間が異なると、ユーザーの感じる体 験やその評価のメカニズムが異なることを意味している。
  18. Copyright © Masaya Ando UX白書の基本的な考え方を理解する手がかり 以下の文章は4章の最後に記述されているが、このUX白書の 基本的な考え方を説明している。UX白書は結果的に、UXの 多様性・複雑性を、実用的に整理したものと言える。 UX
  19. Copyright © Masaya Ando 自分の体験で考える ミニワークショップ
  20. Copyright © Masaya Ando 自分が“気に入っているもの”の利用体験を考える
  21. Copyright © Masaya Ando 自分の感覚をとらえよう 質問の仕方を変えると、 製品への評価が異なるこ とを、体験的に見つけよ う。
  22. Copyright © Masaya Ando 他者に伝えるシーン あなたが友達に体験談を 語る時どうするか?
  23. Copyright © Masaya Ando 学生の例~自分なりの価値観
  24. Copyright © Masaya Ando 学生の例~愛着
  25. Copyright © Masaya Ando 学生の例~ブランドイメージ
  26. Copyright © Masaya Ando UX白書に関する研究
  27. Copyright © Masaya Ando Roto(2007)のUXのフェーズモデル UX白書のモデルは、代表編者のRotoのモデルが元となって いる。
  28. Copyright © Masaya Ando 安藤の長期間の製品評価のプロセスモデル(2007) ユーザが長く使う製品 は、当初から関心があ り、問題があっても、 何とか使おうと努力す る。 製品評価は、“満足感” として感じられる。 そして、長期利用の結 果として“愛着”を感じ るようになる。
  29. Copyright © Masaya Ando 基本的な理論ー Kahnemanの幸福の研究 自身が経験したこと(経験の自己)と、過去の経験を回顧す る時(記憶の自己)は全く異なることがある。しかも記憶は、 経験のピークと終わりの感情で判断する傾向がある。 60 A B UX UX
  30. Copyright © Masaya Ando まとめとして
  31. Copyright © Masaya Ando インダストリアル・デザインとしてのUXD 教科書p.40
  32. Copyright © Masaya Ando 詳しくは『UXデザインの教科書』を読んでください UXデザインを学びたい人が、一通りの知識を習得するため に独習できる教科書。 1章 概要 なぜUXデザインが必要なのか? UXデザインの背景と歴史を学ぶ 2章 基礎知識 UXデザインの知識を新たに体系化 7つの要素で重要な知識を学ぶ 3章 プロセス 実践する際の包括的なプロセスを整理 各段階での知識とコツ・留意点を学ぶ 4章 手法 プロセスを実践する手法を整理 22の手法とコツを学ぶ 知 識 か ら 実 践 へ
  33. Copyright © Masaya Ando もっと うれしい 体験を。
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