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Future of crypto assets

  1. 仮想通貨の未来 ~これから仮想通貨に起こること~ ©2017 Mori Hamada & Matsumoto all rights reserved April, 2018 森・濱田松本法律事務所 パートナー弁護士 増 島 雅 和 DAIWA INNOVATION NETWORK SUMMIT
  2. ©2017 Mori Hamada & Matsumoto all rights reserved 仮想通貨の現状
  3. 仮想通貨の現状 27兆4,339億円(出典:https://coinmarketcap.com/) 仮想通貨名 時価総額 全体に占める割合 ビットコイン(BTC) 12兆4110億円 45.2% イーサリアム(ETH) 4兆1343億円 15.1% リップル(XRP) 2兆1208億円 7.7% ビットコインキャッシュ(BCH) 1兆2634億円 4.6% ライトコイン(LTC) 7041億円 2.6% (出典:https://coinmarketcap.com/)※平成30年3月31日時点 主要5仮想通貨の時価総額と全仮想通貨の時価総額に占める割合: ゴールドの時価総額:約900兆円 三菱UFJフィナンシャルグループ時価総額:9.94兆円 大和証券グループ時価総額:1.15兆円 トヨタ時価総額:22.55兆円 流通している仮想通貨全体の時価総額(1,596種) ©2017 Mori Hamada & Matsumoto all rights reserved
  4. 仮想通貨の現状 通貨 2014年 3月31日 2015年 3月31日 2016年 3月31日 2017年 3月31日 2018年 3月31日 最大取引額 BTC 29億円 27億2千万円 67億8千万円 501億8千万円 4837億4千万円 2兆6902億715万円 (2018.1.5) ETH - - 16億9千万円 169億9千万円 1406億5千万円 1兆362億2112万円 (2018.1.10) XRP 3千万円 1億6千万円 1億2千万円 81億6千万円 311億5千万円 1兆142億6528万円 (2018.1.18) BCH - - - - 326億1千万円 1兆3431億6811万円 (2017.12.20) LTC 7億5千万円 1億4千万円 1億9千万円 110億9千万円 313億8千万円 7907億761万円 (2017.12.12) * ETH:2015年7月にリリース *BCH:2017年8月にリリース 主要5仮想通貨の1日あたりの取引額の推移: ビットコインは2014年時点から比べて最大で928倍の取引額 ※ 2018.4.13 東証株式売買代金上位5位はマネックスG(1206億)、任天堂(710億)、ファーストリテイリング(642億)、三菱UFJ(510億)、安川電器(412億) ©2017 Mori Hamada & Matsumoto all rights reserved
  5. 仮想通貨の現状 (出典(BTC):https://www.cryptocompare.com/) 日本仮想通貨交換業協会まとめ BTC ETH JPY:57.71% USD:29.86% USD:20.40% KRW: 5.75% EUR: 3.12% EUR: 4.43% KRW: 2.35% VND: 0.65% VND: 0.56% JPY: 0.34% XRP BCH LTC KRW:25.60% USD:15.53% USD:32.92% USD:16.33% KRW: 3.14% EUR: 3.90% EUR: 3.71% EUR: 0.76% KRW: 1.53% AUD: 0.46% JPY: 0.26% VND: 0.67% JPY: 0.20% GBP: 0.10% AUD: 0.16% 2018年3月26日現在 主要5仮想通貨の交換時に用いられる法定通貨別のシェア: ©2017 Mori Hamada & Matsumoto all rights reserved
  6. ©2017 Mori Hamada & Matsumoto all rights reserved 支払手段としての仮想通貨
  7. 支払手段としての仮想通貨 仮想通貨は異なる法主体間の価値の移転手段として機能  「異なる法主体」:サイフが異なる個体との間のやり取りが可能  サイフが同じ同一組織内、グループ内、家計内に限らない  契約・約款で縛られた当事者内にも限定されない  コミュニティや法律・契約で規律付けられた当事者間でなくてもやり取りが可能  「価値の移転手段」:実体取引の裏付けのあるもの(支払・決済)と実体取引の裏付けの有無を問わないもの(為替・送金)の双方が可能  クレジットカードは実体取引の裏付けが必須  実体取引の裏付けの有無を問わないものは、法定通貨であれば銀行業か資金移動業のライセンスが必要 ※ 投機の手段として成り立つのも、異なる法主体間の価値の移転手段として機能するからこそであることに注意 <現金との異同>  現金と同様に、移転のために仲介者を必要としない  現金以外の価値移転手段は、必ず価値移転の仕組みが特定の事業者に担われている  現金は価値移転に仲介者を必要としないため、取引の匿名性を保つことができる  現金と異なり、物理的な移転を必要としない  物理的な形態をとらない「価値情報」であるため、高速かつ広範囲のネットワーク成長性、国境を容易に越えるといったインターネットの特性と同様の特性を持つ 現金のようにゲートキーパーを置かずにつかえてしまうものを、ただでさえコントロールが効かないインターネット上に放ってしまったらと んでもないことになるのではないか? ©2017 Mori Hamada & Matsumoto all rights reserved
  8. 支払手段としての仮想通貨 Responding to the concerns of members, the FSB has undertaken a review of the financial stability risks posed by the rapid growth of crypto-assets. The FSB’s initial assessment is that crypto-assets do not pose risks to global financial stability at this time. The market continues to evolve rapidly, however, and this initial assessment could change if crypto- assets were to become significantly more widely used or interconnected with the core of the regulated financial system. For example, wider use and greater interconnectedness could, if it occurred without material improvements in conduct, market integrity and cyber resilience, pose financial stability risks through confidence effects. The FSB will identify metrics for enhanced monitoring of the financial stability risks posed by crypto-assets and update the G20 as appropriate. Crypto-assets raise a host of issues around consumer and investor protection, as well as their use to shield illicit activity and for money laundering and terrorist financing. At the same time, the technologies underlying them have the potential to improve the efficiency and inclusiveness of both the financial system and the economy. Relevant national authorities have begun to address these issues. Given the global nature of these markets, further international coordination is warranted, supported by international organisations such as the Committee on Payments and Market Infrastructures, Financial Action Task Force and International Organization of Securities Commissions. A letter from FSB Chair Mark Carney to G20 Finance Ministers and Central Bank Governors (March 18, 2018) ©2017 Mori Hamada & Matsumoto all rights reserved
  9. 支払手段としての仮想通貨 リソース 提供者 リソース 利用者 <Decentralized Apps> <トークンマーケット> (仮想通貨取引所・販売所) リソース 提供者 リソース 提供者 リソース 利用者 リソース 利用者 投資家 投資家 リソース 提供者 リソース 利用者 ネットワーク 開発者 多くの事業者は、仮想通貨の特性を活かすべく、国境を越えて展開されるサービスの支払手段として仮想通貨を活用 することを見込んでサービス開発を行っている 仮想通貨支払 リソース提供 取引認証? 他の付加価値提供? 交換業者 仮想通貨のフロー ©2017 Mori Hamada & Matsumoto all rights reserved
  10. 非中央集権型サービスモデルの特徴 Platform(サービス管理者) 〈中央集権型のプラットフォーム型ビジネス〉 供給者 利用者 〈非中央集権型ビジネスモデル〉 トークン (DApp) 利用者 供給者 投資家 支払手段としての仮想通貨  従来型の中央集権型のプラットフォーム型ビジネス(シェアリングエコノミー型サービス)  ネットワーク参加者は、リソース提供者とリソース利用者の2種類  決済は法定通貨又は電子マネー(前払式支払手段)によって行われる  ネットワーク成長のための参加者へのインセンティブ付与は、プラットフォーム管理者による補助金(キャンペーン)によって行われる  非中央集権型サービスのビジネスモデル  サービスのネットワークとは別に、支払手段(仮想通貨)のネットワークが立ち上がる  ネットワーク参加者に、サービスのリソース提供者とリソース利用者のほかに、投資家(金銭リソース提供者)が加わる  決済に仮想通貨が用いられ、その需給(=価格)はサービス型のネットワークの成長に依存するので、初期リソースの提供者には補助金がなく ても仮想通貨を通じてインセンティブが付与される
  11. ©2017 Mori Hamada & Matsumoto all rights reserved 仮想通貨の規制
  12. 現行法制がカバーしている仮想通貨関連のルール 仮想通貨の規制  仮想通貨の定義を決定し、単なるデジタルアセットとの線引きを明確化  1号仮想通貨:不特定の者との間で法定通貨建てで売買が可能  2号仮想通貨:不特定の者との間で1号仮想通貨建で売買が可能  仮想通貨周辺のビジネスのうち、規制対象者を特定  取引所・両替所ビジネス  仮想通貨販売ビジネス  仲介ビジネス  代理ビジネス ※ ウォレットは現状規制対象外だが、世界の趨勢は規制のスコープにとらえ始めている 犯収法上の特定事業者としてマネロン・テロ資金供与撲滅にコミット  仮想通貨の市場規制  仮装取引の禁止、相場操縦取引の禁止 etc.  サーキットブレイカー etc.  新規取扱い、取扱い廃止  仮想通貨の金融取引  貸付  預り  仮想通貨建ファンド  仮想通貨投資ファンド  デリバティブ取引  トークンによる資金調達(ICO) 整 備 済 み 未 整 備 取引所規制に相当する規制 -貸金業に相当する規制 -出資法に相当する規制 -金商法(ファンド法制) -事業投資型ファンド -先物取引規制に相当する規制 開示(発行・継続)・マネロン規制 ©2017 Mori Hamada & Matsumoto all rights reserved
  13. 仮想通貨の規制 株式: 有価証券届出書 電子マネー: 前払式支払手段発行者登録 電子トークン: 仮想通貨交換業者登録 Utility Token ※ USではSEC登録+Blue Sky登録 ※ USでは州ライセンス ※ USでは有価証券としてSEC登録を要求 ICO規制:仮想通貨の発行に関する規制 ©2017 Mori Hamada & Matsumoto all rights reserved
  14. 仮想通貨の規制 <開示規制>  発行時開示(目論見書 a.k.a.ホワイトペーパー)  継続開示(年次報告書・半期報告書・臨時報告書)  適時開示(重要事項の開示) <市場規制>  内部者取引の防止体制  相場操縦の禁止 <顧客保護>  顧客情報管理 - ウォレット提供していない場合は? - ウォレット提供自身は規制されていないのでは? <セキュリティ>  トークンの継続利用を確保  ハードフォークへの対応  サイバーアタックへの対応 ー 分散型システムで発行体がどこまで確保できるのか? ICOに課される規制はなにか? 「トークンを用いてユーザーのネットワークを作る」という のであれば、ユーザーを守るための仕組みの構築と維持 に責任を持たなければならないのではないか?  「仮想通貨を発行するのであれば、発行者(管理者)とし て保有者をどのように保護するかが重要」という考え方  仮想通貨の交換にまつわる部分は、取引所・交換所が取 引参加者を保護する ©2017 Mori Hamada & Matsumoto all rights reserved
  15. ©2017 Mori Hamada & Matsumoto all rights reserved 仮想通貨の未来
  16. 仮想通貨の未来 異なる法主体間で移転することに意味がある「価値」は、支払手段に限られるわけではない  現金と同様に、移転のために仲介者を必要としない  現金以外の価値移転手段は、必ず価値移転の仕組みが特定の事業者に担われている  現金は価値移転に仲介者を必要としないため、取引の匿名性を保つことができる  現金と異なり、物理的な移転を必要としない  物理的な形態をとらない「価値情報」であるため、高速かつ広範囲のネットワーク成長性、国境を容易に越えるといったインターネットの特性と同様の特性を持つ 似たような発想のもとに生まれたもの  手形: 12世紀イタリアの地中海貿易において、商人が物理的な移転が困難だった貨幣に替えて遠隔地の支払いのための手段として開発 ※ そもそも紙幣はbank note(自己宛小切手)として、物理的な移転が困難だった貨幣に替えて遠隔地の送金のための手段として誕生  流動性を高めるために「紙面上の記載」についての約束(法律)を作り、「背景事情はどうあれ紙に書かれたこと(支払)はその通りに 行う」ということにしたのが手形・小切手  手形・小切手のロジックを支えているのが「有価証券法理」  有価証券法理に従うものとして、船荷証券、倉荷証券などが存在  手形・小切手が「支払」をつかさどるのに対し、船荷証券/倉荷証券は「物の引渡請求権」を表章 物の引渡請求権を表章する有価証券を、紙ではなくパブリック・ブロックチェーンに乗せると、支払手段ではない「モノ=資産」がトークン化すること になる。 Asset Tokenization(資産のトークン化) ©2017 Mori Hamada & Matsumoto all rights reserved
  17. モノの引渡請求権をトークン化することで、リアルのアセットを誰でもインターネット上で取引することができるパラダイムが、ブ ロックチェーン技術の次なるディスラプション領域となるといわれている 仮想通貨の未来 倉荷証券 ・倉庫内の物品の引渡請求権を表章 ・証券の引渡し=物品の引渡し ・証券の記載>実際の倉庫の中身 預託 発行 ブロックチェーン化 「既存の船荷証券(B/L)をブロックチェー ンを用いてデジタル化して事業者間で利用 しようとする世界」とは、見ているところが全 く異なる点に注意 • こちらの世界で「ブロックチェーン」と呼ばれているもの はプライベートブロックチェーンないしDLT • 「仮想通貨は使えないがブロックチェーンは使える」と 言っている人たちの世界はこちら ©2017 Mori Hamada & Matsumoto all rights reserved
  18. 同じことは、商法上の有価証券だけでなく金融商品取引法上の有価証券にも言えるのではないか? 仮想通貨の未来 A B C 取引仲介者P 顧客勘定 自己勘定 自己勘定 自己勘定 自己勘定 D E F 取引仲介者Q 顧客勘定自己勘定 自己勘定 自己勘定 自己勘定 A B C 自己勘定 自己勘定 自己勘定 取引仲介者P D E F 取引仲介者Q 自己勘定 自己勘定 自己勘定 共有帳簿 A: 200万 B: 500万 C: 800万 D: 600万 E: 300万 F: 700万 共有帳簿 A: 200万 B: 500万 C: 800万 D: 600万 E: 300万 F: 700万 <現状モデル> <DLTモデル> A B C D E F <有価証券トークンモデル> ©2017 Mori Hamada & Matsumoto all rights reserved
  19. セキュリティ・トークンの世界観 仮想通貨の未来 ©2017 Mori Hamada & Matsumoto all rights reserved  個々の有価証券は、プロトコル・トークンの上に構築されるアプリケーション・トークンとして位置づけられる  仮想通貨取引所に相当するプレイヤーとして、私設取引システム(PTS)認可を持つ一種業者(又は金融商品取引所)を想定  仮想通貨がグローバルに取引されているのと同様の状況を、各国の証券法制を遵守したスマートコントラクトの形で実装し(RegTech)、 各国の事業者が運用する取引システムを接続することで創り出す  現状のパブリックブロックチェーンはトランザクションを大量にさばくことができないが、同一グループの取引所内の決済スピードはブロックチェーン とは一応切り離して考えることができる Distributed Ledger Protocol (consensus algorithm) Ether (token) Smart contract Token Smart contract Token Smart contract Token <参考> プロトコルトークンとアプリケーショントークンの例(イサリアムの場合) A国 B国 C国
  20. 分散型株式(エクイティ)は企業(プロジェクト)通貨そのものではないか?  これまでも自社株式は、M&Aの対価や、従業員向け報酬、戦略パートナーへのインセンティブとして利用されてきたが、極め て限定的なシチュエーションにしか用いられていなかった - 非上場株式については流動性の欠如が - 上場株式についてはほふり制度と証券会社による口座の支配・集中管理の仕組みが  もしも、株式がアプリケーショントークンとして、分散型ウォレットで管理することができ、すごく細かい単位で保有者が取引する ことができるアーキテクチャで実装されれば、それは通貨(支払手段)と機能的に異ならないのではないか - 配当は仮想通貨でウォレットに支払われるor 株式割当によることも可能 - 株主名簿はブロックチェーンそのもの - 議決権行使もブロックチェーンの機能により行うことができる - コーポレートアクション(合併、会社分割等)はブロックチェーン上のVotingとハードフォークの問題に帰着する - 価格は株式キャッシュフローの割引現在価値を本源的な価値とする分、Utility Tokenよりも分かりやすい - 簡単にグローバルにもってもらうことができる(買収防衛策はブロックチェーン上のコントラクトの問題) - 反社対策・マネロン対策のためにウォレットの管理が重要 - 各国の規制をいずれかのレイヤーでコントラクト化する必要がある 仮想通貨の未来 株式を通貨(≒支払手段)として用いること を難しくしていたのではないか ©2017 Mori Hamada & Matsumoto all rights reserved
  21. ©2017 Mori Hamada & Matsumoto all rights reserved ご清聴どうもありがとうございました Masakazu (Masa) Masujima Mori Hamada & Matsumoto tel. 03.5220.1812 email. masakazu.masujima@mhmjapan.com skype: masakazu.Masujima twitter: @hakusansai
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