Successfully reported this slideshow.
We use your LinkedIn profile and activity data to personalize ads and to show you more relevant ads. You can change your ad preferences anytime.

地域公共交通の計画手法

420 views

Published on

令和元年度専門課程地域公共交通(Ⅱ期)研修
2020/1/28
於 国土交通大学校柏研修センター

Published in: Education
  • Be the first to comment

地域公共交通の計画手法

  1. 1. 地域公共交通の計画手法 2019/7/3 30名古屋都市センター平成 年度研究成果報告会 1 名古屋大学客員准教授 代表 福本雅之 令和元年度専門課程地域公共交通(Ⅱ期)研修 2020/1/28 於 国土交通大学校柏研修センター
  2. 2. はじめに  新しい技術やシステムを取り入れれば問題が解決するわ けではない  現行の法制度はうまく使えば、ニーズに合致したサービ スでできないものはない  地域の課題を本質的に捉え、それに適切に対応できる知 識が必要  ニーズを適切に把握する方法  対応できる交通モードの種類  それを実現する法規制 2 2019/7/9 豊田市公共交通勉強会
  3. 3. 本日の流れ 3 地域公共交通施策の理念 地域公共交通に関する計画のあり方 計画策定のための調査・分析手法 ・アンケート調査の使い方と設計手法 ・利用実績データの活用 計画における評価の意義とポイント
  4. 4. 地域公共交通施策の理念 なぜ自治体は地域公共交通に取り組まねばならないのか 4 2019/7/9 豊田市公共交通勉強会
  5. 5. 出典:pic.twitter.com/boTkCtg2QX 5おでかけの効果 外出しなくても、衣・食・住は満足できる・・・想像してみ てください ネット端末で 全て検索して 好きなものを 好きなだけ 好きなときに 注文すると すぐに届く生活 人生楽しいでしょうかね? ・おでかけすると、用足し 以外の様々な活動が生じる 話す、歩く、見る、聞く… おでかけの持つ価値 2019/7/9 豊田市公共交通勉強会
  6. 6. 6おでかけ環境とは? お で か け - か ん き ょ う 【 お で か け 環 境 】 移 動 す る 目 的 と 移 動 手 段 の 両 方 が 地 域 に そ ろ っ て い る 状 況 。 「 こ の 町 は 良 好 な ― で 住 み や す い 」 民 明 書 房 刊 「 爆 笑 公 共 交 通 計 画 大 百 科 」 よ り 移動する 目的 行ってみたくなる施設(モノ)やイベント (コト) まちづくり・地域活性化 移動手段 の提供 誰もが容易にそこまで行ける移動環境 交通施策 両方の魅力アップが必要 (いずれかが欠けてもダメ) おでかけ環境=移動する目的×移動手段 2019/7/9 豊田市公共交通勉強会
  7. 7. 7おでかけ環境の創出は全員参加で! 行政 モノを作るのは得意、コトを仕掛けるのが苦手 整備していく発想から、経営していく発想へ 地域の将来像を描き、関係主体が活躍する 「場」を提供していく 事業者 運行業務は得意、企画業務は苦手 受託事業者から提案型事業者へ 地域の将来像にあったサービスを提案 (してくれる仕組みを考えるのが行政) 住民 コミュニティが弱体化 生活者として地域に参画していく 自らのやれる形で地域や交通に関与する (してくれる仕組みを考えるのが行政) 2019/7/9 豊田市公共交通勉強会
  8. 8. • 交通施策単体の収支率で計測すべきでない • 効率性は求められるが採算性は求められないはず • そもそも行政がやっている意義 • 具体的な計測指標は目的に応じて決めるべき (網計画の目標と評価指標は対応すべき) • 地域への波及 • クロスセクター効果 • 市民一人ひとりのQOL向上 • 高校存続、国保医療費削減、介護保険料削減、商業 活性化etc 計測がむつかしいのだが・・・・ おでかけ環境整備の効果 8 2019/7/9 豊田市公共交通勉強会
  9. 9. • 廃止代替バス・過疎バスを超えて • 「おでかけ」によるQOL向上 • クロスセクターベネフィット • 地域活性化・まちづくりのツール 2019/7/9 豊田市公共交通勉強会 9市町村が地域公共交通に取り組む意義 移動手段の確保 おでかけ支援 ネガティブ パッシブ 限定 交通問題 ポジティブ アクティブ 広がり 地域経営
  10. 10. 地域公共交通に関する計画の あり方 10
  11. 11. 計画があったとしても・・・ 11 ありがちなパターン 計画策定時の担当は、計画の理念・事業との関係を 十分に理解 計画ができて時間が過ぎ、担当も代わり・・・ 計画の理念が忘れ去られ、住民の要望や偉い人の意 向が丸呑みされる 結局何をやってるんだかわからなくなる
  12. 12. 計画があったとしても・・・ 12 某市コミュニティバスの例 【あるとき】 バスの走っていない地区から路線延長の要望 福祉目的なので路線延伸 【結果】 所要時間が延びて利用者減少、収支率悪化 【その後】 収支改善・利用回復のため、路線短縮を実施 福祉目的でコミュニティバスを運行 ゆえに100円均一運賃、市内を網羅する路線 運行開始以後、利用者が増加しつづける
  13. 13. 独断と偏見によるブレる2大理由 13 1 計画を熟読していない 2 計画に書かれている事業を実施していない  分厚くて余計な情報が多く、読む気にならない (ポイントがわからない)  雑務が多くて読む時間がない  計画ができて満足した  事業一覧にやれっこないものばかり書いてある  計画を読んでいないので、やらなきゃいけない 事業が何かも知らない  なので、要望対応や思いつきで計画に書いてな い事業をやっている
  14. 14. 地域公共交通網形成計画とは 2019/7/9 豊田市公共交通勉強会 14 地域公共交通網形成計画 計画期間5~10年程度 地域内の公共交通ネットワークを対象 市町村の公共交通施策の“よりどころ” ポイント:基本方針、目標、事業、評価 地域公共交通確保維持改善計画 単年度の補助金受給のための計画 国・県主体の「地域間幹線系統」 と市町村主体の「地域内フィーダー系統」
  15. 15. 計画策定のための 調査・分析手法 地域の実態を知る手法とその使い分け 15
  16. 16. アンケート調査の 使い方と設計手法 16
  17. 17. 後を絶たないとりあえずアンケート 2019/10/23 2019年度地域公共交通セミナー(秋期) 17 地域公共交通網形成計画策定に向けた調査事業 を経た計画書を見ると、市民や利用者アンケートの集 計ページが長々と載っている 実態はアンケートでなければ 把握できないのか?
  18. 18. アンケートの前に! 2019/10/23 2019年度地域公共交通セミナー(秋期) 18 ちゃんと考察していますか?利用実態データ! この程度の月別グラフ でもいろいろ考えるこ とはある 利用状況の把握が 改善の第一歩 アンケートの前に 利用実態データを しっかり見ましょう
  19. 19. 現場を知る大切さ 2019/10/23 2019年度地域公共交通セミナー(秋期) 19 バス再生事例として有名な十勝バスの例 沿線住民宅を戸別訪問 バスに乗らない理由を聞くと 「バスは不安」 仮説:不安を解消すれば 乗ってもらえるのでは? ・なぜ不安と感じるのか? ・どうすれば解消できるのか? 現場を知ることで仮説ができる
  20. 20. アンケート調査には仮説が必要 • アンケートを設計する際には、「何を知りたいか」 という設計者の意図が必要 • 設計者の意図=検証しようとする設計者の直感・疑 問から導き出される仮説 2019/10/23 2019年度地域公共交通セミナー(秋期) 20 アンケートの設計者は誰でしょう? 既存のデータを精査せず 現地に足も運ばず では仮説の組み立てようがない
  21. 21. やりがちな悪い例 • 市民アンケートのついでにバス関係の設問を • とりあえず、「満足度」を聞いてみる • せっかくアンケートをとるなら、あれもこれも聞い てみよう • どうせコンサルへの委託費は変わらないんだ。使い倒さにゃ損 2019/10/23 2019年度地域公共交通セミナー(秋期) 21 市民のほとんどはバスを利用しない 回答者によってイメージするものがばらばら 調査年度によって回答者もばらばら 満足度ほどアテにならないものはない 回収率が下げる 回答者に偏りが生じる 回答内容の信頼性が失われる 信用性を欠くアンケートに基づいて まともな結果が得られる筈なし!
  22. 22. 最悪なアンケート:満足度調査! 2019/10/23 2019年度地域公共交通セミナー(秋期) 22 よくある毒にも薬にもならぬ設問 「本市のバスの満足度を5段階評価でお答えください」 どういう回答を期待しているのか? 回答者は多様  毎日バスで通学している高校生  バスを使っていたけど嫌になっ てやめた人  バスなんて高校卒業以来使って いない高齢者  転入以来バスに乗ったこともな い人 単純集計の結果を見て 「5点満点中0.6点」 で大変低い 改善のヒントが 得られますか? 結果を解釈できない
  23. 23. 満足度調査が良くない理由 人の欲望にはキリがない。求められるサービスは 無間地獄 便数増、停留所増をしても、しばらくすると当たり前に なって悪いところ“だけ”が目につくようになる 満足度や利用者数に一喜一憂して変更ばかりしていると、 利用者が定着しなくなる 満足度より不満な点を具体的に聞く方が改善に使 える 不満だと思う理由や原因を取り除けば、少なくともその 一人は幸せになる 満足度調査に意義を見いだすとするなら、回答者 属性やバス利用頻度とのクロス集計が必要 もしかしたら、よく使う利用者は満足度が高いが、バス を利用しない人は満足度が低いバスは不便という思い 込みがあるかもしれない 2019/10/23 2019年度地域公共交通セミナー(秋期) 23
  24. 24. 利用者アンケート 2019/10/23 2019年度地域公共交通セミナー(秋期) 24 調査票の配布により、利用者自身が利用状況を回答 メリット  利用実態だけでなく、利用目的・頻度・利用 者意識なども把握することが可能 デメリット  全数回収が困難  回答者に偏りがある可能性  利用者数によってはサンプル数が十分確保で きない 特徴  利用実態把握という意味では他の手法に劣る  乗降記録やOD調査の結果からはわからない内容、例えば、 利用目的、利用頻度、目的地、意識、新たな施策の感度など を把握する必要がある場合に有効
  25. 25. 市民アンケート 2019/10/23 2019年度地域公共交通セミナー(秋期) 25 市民全体を対象に交通施策への意識・意向の把握  個別の路線・施策に対する感度はほぼない ほんとんどが無関係な市民)  利用していない多くの市民は、正しく内容を理解 して回答できない 数十年前の利用や勝手なイメージに基づく回答  利用者の回答であっても、バスの利用割合が低い 場合、ごく一部の回答者の回答が利用者全体を代 表しかねない 信頼できる意見として捉えて良いか? 市民アンケートによる施策検討には無理がある
  26. 26. 市民アンケート 26 住民の移動実態を把握する場合(PT調査的調査手法) 【Point】  回答者の属性は居住者を十分に反映しているか  よくある「無作為抽出○○人」だと、属性別の移動特性な どは把握できない(信頼性が落ちる)  統計的に信頼性が確保できる回収数を得られない場合も  バスに関する設問の回答に過度の信用は御法度  公共交通分担率を考えると、回答者の中でバスを使ってい る人はごくわずか  PT調査データはバス計画には使い勝手が悪い(都市間流 動などマクロ的利用に適した調査)  といってミクロにするとサンプル数が膨大に必要  送迎の状況など市民全体を対象としないと取れない データには有効
  27. 27. アンケート調査票設計時の留意点 調査票はわかりやすく・文字は大きくはっきりと A4両面×2枚程度が限界 文字のサイズは12ポイント以上 太字・下線などを用いて強調すべき点を明確に 理解してもらえる言葉で簡潔に伝える 役所言葉は避ける(ex.廃止代替えバスなど) 事業者言葉も避ける(ex.系統主義と上下関係など) 集計しやすい設計とする 選択肢には番号を振る 自由記述は可能な限り避ける(数値や固有名詞は除く) 固有名詞(商店名)も推測できるものは選択肢に 2019/10/23 2019年度地域公共交通セミナー(秋期) 27
  28. 28. 例1:あなたはバスをどのくらい使いますか? 2019/10/23 2019年度地域公共交通セミナー(秋期) 28 困る例 たまに使う 使うこともある 全然使わない しょっちゅう使う まあまあ使う 人並み程度に使う 鬼のように使う 模範例 1.全然使わない 2.年に数回 3.月に1回程度 4.週に1回程度 5.週に2~3回程度 6.平日はほぼ毎日 7.ほぼ毎日 年間利用回数換算値 0 5 12 52=365×(1/7) 130=365×(2.5/7) 260=365×(5/7) 365 【困る例が困る理由】  順番がばらばら  回答者が選択肢を選びにくい  集計の際、定量的な数値に置き換えにくい
  29. 29. 例2:デマンド交通を導入したら使いますか? 2019/10/23 2019年度地域公共交通セミナー(秋期) 29 悪い例 この地区にデマンド交通を導入したら使いま すか? 単に欲しいかと聞いたら欲しいと言うに決まってる 結果、過大推計に陥り、あとで困る 改善例 1)この地区にデマンド交通を導入するため には年間800万円の税金が使われます。 導入すべきだと思いますか? 2)導入できるサービスは1日5便程度、近く の総合病院やスーパーまで利用でき、 運賃は300円程度で、乗車の際に電話予 約が必要です。あなたは利用しますか? なるべく回答者の都合の良い解釈を減らし、 過大推計となる割合を避けるように質問する
  30. 30. インタビュー調査や意見交換会の留意点 2019/10/23 2019年度地域公共交通セミナー(秋期) 30 オフィシャルな場で意見を聞いて本音が出てくるか? • 説明会や協議会など、公式な場に出てくるのは「利用しない 利用者」 • 真の利用者は公式な場に出てこられない。もしくは、出てき ても意見は言えない 真の利用者は出て来てくれないのだから、本音を聞く にはこちらから行くしかない • 時間があったらではなく「時間を作って」バスに乗る • ドライバー、乗客の話に話しを聞きまくる • 車内外の利用者の挙動を観察する • 忘れないうちに清書して何度も読み返す 必要ならアンケートで検証
  31. 31. 集計・分析、丸投げ・丸呑みでは? アンケート設計・集計・分析はコンサルの仕事? かもしれませんが、集計結果の解釈までコンサル任せ で良いんでしょうか? 何百万円かけて、単純集計だけ? 入力・集計は大変なので外の力を借りるのは賛成。 でも結果の解釈は計画者がやらないと意味がない 盛り沢山にした設問、何か意図があって増やしたので は?だったらその意図に沿った集計結果が出ています か? 一つの設問でわからないことでも、クロス集計をすれ ばわかることもある。どの項目をクロスすべきかちゃ んと考えていますか? 2019/8/6 豊田市公共交通勉強会 31 結果に基づいて計画するのは自治体では?
  32. 32. そもそも設計だって・・・ コンサルのアンケート票はテンプレート。地域独 自の要素は自分たちで考えねばならない 仮説を検証するためのアンケートを設計アンケート結 果で仮説が正しいのか間違いなのかを確認 自分が見たもの、聞いたこと、感じていること、推量し たことが正しいかどうかが設問に盛り込まれるはず なのにどうして同じコンサルが別の市で実施したアン ケートはほとんど同じ設問なのか? 地域を自分の目で見て回った結果、アンケートっ て本当にいる? 某市のコミバス路線検討:某コンサルの調査結果など何 も使わず 理由:アンケートでバスの要望のある地区は道が狭くて 入れない。その他の地区は増車しないと増便できない 2019/8/6 豊田市公共交通勉強会 32
  33. 33. あれ、計画も?? ニーズを調査することと、ニーズを踏まえて計画を 作ること、どっちが大変? • 調査に時間をかける(かかってしまう)ところが多いが、 本当は調査結果を踏まえて計画の具体的中身を検討するこ とにこそ時間をかけるべき • 高いお金をかけてアンケートを大々的にやって、結果、計 画書に載っている利用促進策が「乗り方教室」って、何そ れ・・ • 料理で言えば調査は下ごしらえ。これがダメだと良い料理 はできないが、これで終わっても美味くない。ジャガイ モ・ニンジン・お肉がカレーになるか、シチューになるか、 肉じゃがになるかは料理人(=計画者)が下ごしらえした 材料をどう料理するかにかかっている 2019/8/6 豊田市公共交通勉強会 33 自分でとにかく手と体を動かしてみましょう
  34. 34. 利用実績データの活用 ~データの加工と読み解き方 34
  35. 35. 公共交通に関わるデータの種類と特徴 • 既存統計データ • PT、人口など • 運行計画データ • GTFS-JPデータ。路線・ダイヤ等のデータ • 運行実績データ • バスロケログ。遅れ把握とダイヤ改善に使える • 利用実績データ • 乗降記録データ • ODデータ 35
  36. 36. 既存統計データ 36 愛知県豊田市 公共交通基本計画(H19策定・H28改訂) ①市域を14地区(旧町村 6地区+旧豊田市8地区) に分割(小ゾーンを基本) ②PTデータの地区間流動の 有無から地区間路線の必 要性を判断 ③運行する便数を地区間流 動量により設定 パーソントリップ調査結果の活用例
  37. 37. 運行計画データ 37 出典:国土交通省「標準的なバス情報フォーマット」ダイジェスト http://www.mlit.go.jp/common/001283248.pdf GTFS-JP:標準的なバス情報フォーマット GTFSをベースとして、 日本国内のバス経路検索 向けに拡張されたもの (上位互換) 2017年3月に国が策定 インターネットでの経路 検索で利用しやすいだけ でなく、印刷物作成など にも活用可能 静的データ(GTFS-JP 運賃、路線、便、時刻表など)と、 動的データ(GTFS-RT 遅延、到着予測、車両位置、運行 情報など)の両者を包含
  38. 38. 運行実績データ 38 1 (0) 2 1 (3) 0 0 1 (0) 2 (0) 0 1 1 4 (1) 1 0 (0) -5 0 5 10 15 A B C D E F G H I J K L M N O P Q R S T (単位:分) (バス停) 遅れ増分 累積遅れ バスロケ遅れデータ活用の例 各停留所間における通過設定時分からの遅れと 累積の遅れをグラフ化 遅れの拡大する区間を特定し、ダイヤ改善に活用
  39. 39. 利用実績データの見方 2019/10/23 2019年度地域公共交通セミナー(秋期) 39 Part1 グラフの読み取り方 Part2 OD表の基本と読み取り方
  40. 40. Part1. 数字の持つ意味を理解する 1. 1便平均利用者数が同じでも・・ 2. 乗降記録の活用とグラフ化 3. 通過人員グラフの活用と限界 40
  41. 41. 1. 1便あたり利用者数が同じでも・・・ 41 例)1便平均利用者数5人にも色々考えられる 1 2 3 4 5 FA B C D E 3 4 5 C D E F 1 2 A B 5 4 E F 1 2 3 A B C D F 2 3 4 5 1 A B C D E 3 4 5 C D E F 1 2 A B 利用距離の差が大きい 短距離利用入れ替わり 直通利用が主体 途中に利用のない区間 利用区間が分断 利用のされ方で車種選択、 路線再編の内容は変わる
  42. 42. 2.乗降記録、活用していますか? 42 停留所 乗車人数 降車人数 01_前橋公園 4 0 02_県庁前 8 0 03_市役所・合庁前 22 0 04_日銀前 1 0 05_本町 10 0 06_表町 2 0 07_前橋駅 76 25 08_表町二丁目 1 0 09_前橋駅南口 7 0 10_南町四丁目 1 1 11_前商入口 3 0 12_城南小入口 0 1 13_六供八幡前 1 5 14_六供町 1 9 15_六供南 0 4 16_市民体育館入口 0 7 17_前橋工科大前 0 38 18_上佐鳥町 0 1 19_後閑町入口 0 2 20_南高校入口 0 7 21_亀里町 0 1 22_鶴亀 0 1 23_農協ビル前 1 2 24_鶴光路町 0 3 25_下川淵公民館前 0 1 26_産業技術センター前 0 2 27_東横手 0 1 日報・乗降調査など で取得 エクセルに入力した 乗降記録 このまま会議に出さず、見やすく加工すべき
  43. 43. 2.乗降記録を通過人員グラフに加工する 43 乗降記録から 通過人員グラフを作成 路線の利用状況が 把握しやすくなる 停留所 乗車人数 降車人数 01_前橋公園 4 0 02_県庁前 8 0 03_市役所・合庁前 22 0 04_日銀前 1 0 05_本町 10 0 06_表町 2 0 07_前橋駅 76 25 08_表町二丁目 1 0 09_前橋駅南口 7 0 10_南町四丁目 1 1 11_前商入口 3 0 12_城南小入口 0 1 13_六供八幡前 1 5 14_六供町 1 9 15_六供南 0 4 16_市民体育館入口 0 7 17_前橋工科大前 0 38 18_上佐鳥町 0 1 19_後閑町入口 0 2 20_南高校入口 0 7 21_亀里町 0 1 22_鶴亀 0 1 23_農協ビル前 1 2 24_鶴光路町 0 3 25_下川淵公民館前 0 1 26_産業技術センター前 0 2 27_東横手 0 1
  44. 44. 3.乗降・通過人員グラフの読み解き方 44 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 A B C D E F 人数 全便平均 乗車 降車 通過 0 2 4 6 8 10 12 14 A B C D E F 人数 1便目 乗車 降車 通過 0 2 4 6 8 10 12 14 A B C D E F 人数 1便目 乗車 降車 通過 0 2 4 6 8 10 12 14 A B C D E F 人数 2便目 乗車 降車 通過 0 2 4 6 8 10 12 14 A B C D E F 人数 2便目 乗車 降車 通過 0 2 4 6 8 10 12 14 A B C D E F 人数 3便目 0 2 4 6 8 10 12 14 A B C D E F 人数 3便目 パターンA パターンB 全便平均で見ると 10人乗りにしても 良さそうに思えるが・・ 適切な輸送力の検討: 平均だけで判断せず 便別で確認せよ! 適正な輸送力を考える場合
  45. 45. 0 5 10 A B C D E F 人数 バス停 通過 0 5 10 A B C D E F 人数 バス停 通過 3.通過人員グラフだけでは読み取れないこと 45 バス停間通過人員が 同じでも、利用のされ 方が全く違う場合が・・ バス停別乗降者数を 見ると・・・ ①Dで利用者が ほぼ入れ替わる ②Dでの乗降がない 見直しの方向性が 全く違う 0 5 10 A B C D E F 人数 バス停 乗車 降車 通過 0 5 10 A B C D E F 人数 バス停 乗車 降車 通過 ① ②
  46. 46. 3.通過人員グラフだけでは読み取れないこと 46 A B C ② A B C A 100 10 B 100 0 C 10 0 ① A B C A 100 0 B 100 10 C 0 10 【問題】 通過人員グラフが左の形 Bで路線を分断して良いか? 正解は・・ OD表がないと判断できない A↔Cの直通利用が存在 B↔Cの利用はない Bをまたぐ利用がない Bで切った方が良い 100 10 100 10 OD表を見ないと判断できないことがある
  47. 47. 4.実数以外の数値の見方 47 都心部と山間地の路 線で利用者数が違う ものを比較したい 条件の異なるもの同士を 一定の基準で比較できる ようにする共通尺度化 (以下解説) 停留所別や便別の データでは、それぞ れの値が小さすぎて 解釈しづらい 一つ一つのデータで見るの ではなく、いくつかの値を まとめる集計(後のOD表 の見方編で出ます)
  48. 48. 4.データの共通尺度化 48 知らず知らずにやっている共通尺度での比較 豊田市資料より一部抜粋 「収支率」「1便あたり利用者数」 路線毎に異なる運行経費や便数を 考慮して路線間の比較可能に
  49. 49. 4.なぜ共通尺度化が必要か 49 量が極端に違うもの同士を比較する場合、そのまま では比較できない 【例】 1日100便運行の路線A と 1日10便運行の路線B の利用状況を比較する場合 便数が10倍違うのに、利用者数をそのまま比較 しても意味がない なので、利用者数をそれぞれ便数で割って 1便あたり利用者数にするなどの共通尺度化を 行う
  50. 50. 4.共通尺度となる代表的な指標 50 収支率=運賃収入÷運行経費  かかった運行経費に対して、どれだけの収入を得たか 1便あたり利用者数=利用者総数÷便数  バス1便につき平均して何人の利用があるか 住民1人あたり利用回数 =年間バス利用者数÷人口  住民1人が年間何回バスを利用するか inputとoutputの比を算出すると、路線間の比較が しやすい
  51. 51. Part2. OD表の基本と読み取り方 1. ODの見方の基本 2. OD表で路線の利用状況を読み解く 3. OD表と乗降者数表の関係 4. OD表解釈の工夫 5. ODデータ活用のために 6. OD表の活用による様々な分析 51
  52. 52. 1. OD表の見方~基本:上下便の見方 52 01 02 03 04 05 06 07 08 09 計 01_○○駅 1 2 25 4 6 5 8 6 57 02_△△町 1 2 4 1 2 3 10 1 24 03_□□町 3 1 3 2 2 1 6 2 20 04_××高校 26 5 3 4 3 4 8 3 56 05_@@町 3 2 1 5 2 2 6 1 22 06_※※町 5 1 2 3 2 1 10 3 27 07_〆〆町 4 3 1 4 1 2 6 2 23 08_スーパー☆ 9 9 7 8 7 9 7 9 65 09_##温泉 4 1 1 2 1 3 1 8 21 計 55 23 19 54 22 29 24 62 27 315 D:降車停留所 下り便 (0109) 上り便 (0901) O:乗車停留所
  53. 53. 1. OD表の見方~基本:バス停別乗降人数 53 01 02 03 04 05 06 07 08 09 計 01_○○駅 1 2 25 4 6 5 8 6 57 02_△△町 1 2 4 1 2 3 10 1 24 03_□□町 3 1 3 2 2 1 6 2 20 04_××高校 26 5 3 4 3 4 8 3 56 05_@@町 3 2 1 5 2 2 6 1 22 06_※※町 5 1 2 3 2 1 10 3 27 07_〆〆町 4 3 1 4 1 2 6 2 23 08_スーパー☆ 9 9 7 8 7 9 7 9 65 09_##温泉 4 1 1 2 1 3 1 8 21 計 55 23 19 54 22 29 24 62 27 315 D:降車停留所 O:乗車停留所 04_××高校から乗車した人数は上下合わせて56人 07_〆〆町で降車した人数は上下合わせて24人
  54. 54. 1. OD表の見方~基本:バス停間利用者数 54 01 02 03 04 05 06 07 08 09 計 01_○○駅 1 2 25 4 6 5 8 6 57 02_△△町 1 2 4 1 2 3 10 1 24 03_□□町 3 1 3 2 2 1 6 2 20 04_××高校 26 5 3 4 3 4 8 3 56 05_@@町 3 2 1 5 2 2 6 1 22 06_※※町 5 1 2 3 2 1 10 3 27 07_〆〆町 4 3 1 4 1 2 6 2 23 08_スーパー☆ 9 9 7 8 7 9 7 9 65 09_##温泉 4 1 1 2 1 3 1 8 21 計 55 23 19 54 22 29 24 62 27 315 D:降車停留所 O:乗車停留所 04_××高校から乗車、07_〆〆町で降車 4人 07_〆〆町から乗車、04_××高校で降車 4人 04_××高校~07_〆〆町間の利用=8人
  55. 55. 2. OD表の見方~路線の利用状況を読み解く 55 01 02 03 04 05 06 07 08 09 計 01_○○駅 1 2 25 4 6 5 8 6 57 02_△△町 1 2 4 1 2 3 10 1 24 03_□□町 3 1 3 2 2 1 6 2 20 04_××高校 26 5 3 4 3 4 8 3 56 05_@@町 3 2 1 5 2 2 6 1 22 06_※※町 5 1 2 3 2 1 10 3 27 07_〆〆町 4 3 1 4 1 2 6 2 23 08_スーパー☆ 9 9 7 8 7 9 7 9 65 09_##温泉 4 1 1 2 1 3 1 8 21 計 55 23 19 54 22 29 24 62 27 315 D:降車停留所 O:乗車停留所 最多ODペア:01_○○駅~04_××高校利用に偏り 最多乗車・降車バス停:08_スーパー☆まんべんなく利用 利用状況の特徴がわかる
  56. 56. 2. OD表の見方~バス停間利用者数の特性 56 01 02 03 04 05 06 07 08 09 計 01_○○駅 1 2 25 4 6 5 8 6 57 02_△△町 1 2 4 1 2 3 10 1 24 03_□□町 3 1 3 2 2 1 6 2 20 04_××高校 26 5 3 4 3 4 8 3 56 05_@@町 3 2 1 5 2 2 6 1 22 06_※※町 5 1 2 3 2 1 10 3 27 07_〆〆町 4 3 1 4 1 2 6 2 23 08_スーパー☆ 9 9 7 8 7 9 7 9 65 09_##温泉 4 1 1 2 1 3 1 8 21 計 55 23 19 54 22 29 24 62 27 315 D:降車停留所 O:乗車停留所 上下で同じODペアの人数は ほぼ同じ値となるのが普通
  57. 57. 2. OD表の見方~バス停間利用者数を読み解く 57 01 02 03 04 05 06 07 08 09 計 01_○○駅 1 2 25 4 6 5 8 6 57 02_△△町 1 2 4 1 2 3 10 1 24 03_□□町 3 1 3 2 2 1 6 2 20 04_××高校 8 5 3 4 3 4 8 3 38 05_@@町 3 2 1 5 2 2 6 1 22 06_※※町 5 1 2 3 2 1 10 3 27 07_〆〆町 4 3 1 4 1 2 6 2 23 08_スーパー☆ 9 9 7 8 7 9 7 9 65 09_##温泉 4 1 1 2 1 3 1 8 21 計 37 23 19 54 22 29 24 62 27 297 D:降車停留所 O:乗車停留所 上下で極端に数値が違う場合 ダイヤが悪いなどの問題がある
  58. 58. 3. OD表と乗降者数表の関係 58 バス停 乗車 降車 01_○○駅 57 37 02_△△町 24 23 03_□□町 20 19 04_××高校 38 54 05_@@町 22 22 06_※※町 27 29 07_〆〆町 23 24 08_スーパー☆ 65 62 09_##温泉 21 27 計 297 297 01 02 03 04 05 06 07 08 09 計 01_○○駅 1 2 25 4 6 5 8 6 57 02_△△町 1 2 4 1 2 3 10 1 24 03_□□町 3 1 3 2 2 1 6 2 20 04_××高校 8 5 3 4 3 4 8 3 38 05_@@町 3 2 1 5 2 2 6 1 22 06_※※町 5 1 2 3 2 1 10 3 27 07_〆〆町 4 3 1 4 1 2 6 2 23 08_スーパー☆ 9 9 7 8 7 9 7 9 65 09_##温泉 4 1 1 2 1 3 1 8 21 計 37 23 19 54 22 29 24 62 27 297  乗車・降車停留所の合計値 を並べるとバス停別乗降者 数表になる  乗降者数表でも利用のアン バランスは把握できるが、 要因の特定はしづらい
  59. 59. 4. OD表解釈の工夫~バス停の集約 59 01 02 03 04 05 06 07 08 09 計 01_○○駅 1 2 25 4 6 5 8 6 57 02_△△町 1 2 4 1 2 3 10 1 24 03_□□町 3 1 3 2 2 1 6 2 20 04_××高校 26 5 3 4 3 4 8 3 56 05_@@町 3 2 1 5 2 2 6 1 22 06_※※町 5 1 2 3 2 1 10 3 27 07_〆〆町 4 3 1 4 1 2 6 2 23 08_スーパー☆ 9 9 7 8 7 9 7 9 65 09_##温泉 4 1 1 2 1 3 1 8 21 計 55 23 19 54 22 29 24 62 27 315 D:降車停留所 O:乗車停留所 個々の停留所間の値を見ても解釈が難しいことが多い バスの場合、データがミクロすぎる 対応:ある程度集約したOD表で解釈
  60. 60. C村内B町内A市内 4. OD表解釈の工夫~バス停の集約 60 01 02 03 04 05 06 07 08 09 計 01_○○駅 1 2 25 4 6 5 8 6 57 02_△△町 1 2 4 1 2 3 10 1 24 03_□□町 3 1 3 2 2 1 6 2 20 04_××高校 26 5 3 4 3 4 8 3 56 05_@@町 3 2 1 5 2 2 6 1 22 06_※※町 5 1 2 3 2 1 10 3 27 07_〆〆町 4 3 1 4 1 2 6 2 23 08_スーパー☆ 9 9 7 8 7 9 7 9 65 09_##温泉 4 1 1 2 1 3 1 8 21 計 55 23 19 54 22 29 24 62 27 315 D:降車停留所 O:乗車停留所 地区単位でバス停を集約地区間の流動が見やすく A市内 B町内 C村内 76 37 44 157 34 10 28 72 41 28 17 86 151 75 89
  61. 61. 4. 地区間OD表を読み解く 61 A B C D 計 A 120 100 50 30 300 B 100 50 30 10 190 C 50 30 10 5 95 D 30 10 5 20 65 計 300 190 95 65 650 A B C D 計 A 120 100 70 0 290 B 100 50 40 0 190 C 70 40 5 0 115 D 0 0 0 50 50 計 295 190 115 50 650 A地区からD地区まで の流動がある A地区からC地区まで の流動があるが、 D地区までの流動は ない D地区まで直行す る意義を検証すべき
  62. 62. C村内B町内A市内 D:降車停留所 O:乗車停留所4. OD表解釈の工夫~バス停の集約 62 01 A 04 B 08 C 計 01_○○駅 3 25 15 8 6 57 02_△△町 4 3 7 11 16 3 44 03_□□町 04_××高校 26 8 11 8 3 56 05_@@町 12 10 12 10 22 6 7206_※※町 07_〆〆町 08_スーパー☆ 9 16 8 23 9 65 09_##温泉 4 2 2 5 8 21 計 55 42 54 75 62 27 315 利用の多いバス停・結節点などは特出しにすること も有効
  63. 63. 5. ODデータ活用のために 63 乗客全員について、 それぞれの乗車バス停・降車バス停を記録 基本 具体的なやり方 ①整理券による方法 整理券を降車時に回収 ②調査票による方法 乗車時に調査票を配布、降車時に回収 調査票による調査の場合、券種(定期・不定期)、 属性(性別・年齢)、利用目的、乗継の有無、 目的施設などを合わせて調査できると より詳しい分析が可能 OD調査の仕方
  64. 64. 5. ODデータ活用のために 64 出典 滝沢市路線バス乗り込みOD調査 調査結果 ① 乗車時に調査票を調査 員が配布 ② 乗車中に乗客が回答 ③ 降車時に調査員が調査 票を回収 1 2 3 OD調査の仕方の例(調査員調査)
  65. 65. 5. ODデータ活用のために 65 記述式よりもビンゴカード式調査票が有効 出典 釧路市公共交通会議資料 利用者が回答 利用目的 乗り継ぎ 職業 年齢・性別など 調査員が記入 乗車停留所 降車停留所 時間帯 【留意点】 サイズはハガキ程度 が望ましい なるべく回答は選択 式に 利用者が回答する部 分の設問は不必要に 増やさず、必要最低 限に! 利用者の属性等を含むOD調査票の設計
  66. 66. 6. OD表の活用で様々な分析が可能 66 路線の利用特性の把握 ・短距離利用が多いか、長距離利用が多いか ・利用に偏りがあるか、途中入れ替わりがあるか 利用促進の方向性検討 多く利用されている区間・そうでない区間の把握 路線見直し、経路変更の検討 運賃表と組み合わせれば、運賃施策の検討も可能  運賃値上げによる増収額の推計  コミバスとの運賃統一による減収額の推計  ワンコイン化・上限運賃制による減収額の推計
  67. 67. 計画における 評価の意義とポイント 67
  68. 68. 計画における評価の意義 68  コミバスや補助路線だけでなく、地域内の公共交 通網全体の改善に取り組むことが市町村の責務 • 地域内の移動における各モードの役割と位置づけ • 補助金はその中で使えるものに使う(補助金のあるも のだけに取り組むのは×)  計画も評価も効率的に事業を実施し、説明責任を 果たすために必要 • 補助の増額や査定対応のためにやるものではない  評価はそれ自体ではなく、改善のために必要 • 数値にとらわれるのでなく、数値の持つ意味を考える 2019/7/9 豊田市公共交通勉強会
  69. 69. 定量評価は客観的か? 2019/10/23 2019年度地域公共交通セミナー(秋期) 69 「客観的数値に基づいて判断」・・よく聞きます でも、数字であれば客観的かというとそれは違う 数字自体は事実だが・・・数字を解釈するのは人間  その解釈は論理的か?  数値の算出条件は正しいか?  都合の良い数字だけを見ていないか?  割合で見るのか、実数で見るのか? 数字であっても主観的な解釈はいくらでもできる 定量的でなくても論理的なアプローチはできる
  70. 70. 利用者数や収支率は良くならないといけない? 2019/10/23 2019年度地域公共交通セミナー(秋期) 70  路線再編したら利用者数が減ったので問題  収支率が低くて問題  利用者数・収支率が向上 多くの市民が利用  本質は、運行目的が達成できているか、運行目的 に照らし合わせて利用者数・収支率は適切な評価 指標か? これだけが問題だと思っていることの方が よっぽど大問題! これは自体は良いこと 利用者数・収支率が良くなる=改善とは限らない!
  71. 71. 2019/10/23 2019年度地域公共交通セミナー(秋期) 71収支率による評価の矛盾 財政制約の厳しさ(と指標の算出しやすさ)から、 公共交通施策評価を「収支率」で行いがち 収支率が高いならば行政が行う必要はなし  事業の効率性(Inputに対してOutputがどれだけあるか) は求められるが、それを図る指標は収支率(≓採算性)で はない(1人あたり輸送コストなどもある)  収支率が上がったかどうかではなく、市民がおでかけする ことで豊かな生活を送れるようになったかどうかが大切 事業前後の効果を本質的な指標で評価する必要 運行目的によって指標は異なる 運行目的に合致した評価指標設定が重要
  72. 72. 網計画における評価と目標の関係 2019/10/23 2019年度地域公共交通セミナー(秋期) 72 計画目標: 基本方針(あるべき姿)を実現するために、 今ある課題を克服する、という宣言 評価: 上記課題が克服されたかどうかを判定 つまり、課題⇔計画目標⇔評価指標は対応 計画策定をコンサル丸投げにするから 評価指標の設定が疎かになり本番で困る
  73. 73. 73なぜ網計画では評価が重視されているか 公金を投入して公共交通を確保していることに対す る社会的説明責任を果たす必要  国に対して補助金を適切に活用しているかどうか  納税者に対して公費の投入を伴う公共交通施策が 有効に実施されているかどうか 効率的で効果的な事業実施 計画に基づいて事業を実施し、その結果について 評価、改善する必要 年度地域公共交通セミナー(秋期)2019/10/23 2019 評価自体は目的ではない!改善が本丸!
  74. 74. 74PDCAの一環として評価を位置づけているか 評価まで十分に考慮されていない計画が散見 ・評価指標が到底達成できない値 ・算出不可能な数値を目標値に設定 ・評価指標が多すぎて、算出に忙殺.... 計画に基づく事業の効果を適切に表現し、 算出に無用な労力を要しない評価指標を 評価指標を算出することは目的ではない 評価指標の算出で事業の結果を表現し、その効果 を考察することで、事業内容の改善につなげるこ とが本当の目的 評価できないような指標を設定したり、評価で 疲れてしまうようでは本末転倒 年度地域公共交通セミナー(秋期)2019/10/23 2019
  75. 75. 75計画に魂を込める評価・改善の実践! D CA P 計画(Plan)、事業実施(Do)、 評価(Check)、改善(Act)は密接不可分 ありがちな(悪い)例 評価、改善に関する事項は左の図のみ これはPDCAサイクルの説明の図で あって、PDCAサイクルをどう回して いくかという説明になっていない 事業に対する評価が正しく行えないと、 改善にはつながらない どこかで見たことのあ るようなPDCAの図 年度地域公共交通セミナー(秋期)2019/10/23 2019
  76. 76. 刮目せよ!これが本気のPDCAの実践だ! 2019/10/23 2019年度地域公共交通セミナー(秋期) 76 【年間スケジュール】 4月 6月 10月 1月 3月 協議会 ① ② (③) 主な 行事 ★ 次年度 予算要求 ★ 第三者 評価 ★ 確保維持 改善計画 • 前年度決算・今年度予算 • 第三者評価委員会報告 • 確保維持改善計画(フィーダー) • 自己評価 • 第三者評価
  77. 77. 刮目せよ!これが本気のPDCAの実践だ! 77 4月 6月 10月 1月 3月 協議会 ① ② (③) 主な 行事 やる こと 次年度の 事業計画 検討 今年度事業の実施 前年度の 事業効果 最終検証 次年度 事業へ D 今年度の 事業効果 中間検証 ★ P‘‘ 反映 C A 今年度の 事業計画 への反映P‘ ★ ★ 次年度 予算要求 第三者 評価 確保維持 改善計画 P C 【年間スケジュール】 A A A 年度地域公共交通セミナー(秋期)2019/10/23 2019
  78. 78. 計画におけるPDCAのポイント 2019/7/9 豊田市公共交通勉強会 78  評価指標の達成・未達成ではなく、その理由を考 察することが重要  評価はあくまでも改善のためのプロセス。評価に 無用な労力を要しないように  年間スケジュールの中に評価・改善のプロセスを ビルトイン(埋め込む)ことで、“自然に継続し て改善されていく仕組み”を
  79. 79. 評価指標設定時の注意点 79 計画の目標を表現できる評価指標とする • 計画目標が整備であれば指標値はOutput指標 • 計画目標が事業効果であれば指標値はOutcome指標 • 評価指標の採用理由、数値の場合は設定根拠を明確に 指標値の算出方法、使用データを明確に • 算出式やデータの出典・年次が不明確だと算出が困難に • 本編に記載せず、資料編に具体的に載せるべき あまり凝りすぎたものとしない • 策定時はコンサル委託しても評価時に委託できるか不明 • 評価自体は目的ではなく、改善につなげることが目的。 指標算出に忙殺されては本末転倒 • 評価指標が多すぎると算出するだけで大変 年度地域公共交通セミナー(秋期)2019/10/23 2019
  80. 80. おわりに 80
  81. 81. 自治体バス担当者に求められるもの バスのプロフェッショナルになる必要はない 行政として交通に取り組む意義を理解できる コンセプトを作って判断できる人に 調査、計画策定の方針を決められる 外注する場合の仕様書が書ける 数字の持つ意味を読み解ける 81 交通は自治体にとって新しい仕事だが 裁量が大きく結果も目に見える 行政担当者の醍醐味を味わえる仕事

×