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東村山市議会勉強会 ツイッターを活用した災害情報の共有

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東村山市議会勉強会 ツイッターを活用した災害情報の共有

  1. 1. 東村山市議会勉強会 Twitter を活用した 災害情報の共有 平成29年4月11日 稲野 茂 一般財団法人 道路新産業開発機構 (元 国⼟交通省 国⼟技術政策総合研究所) 1
  2. 2. 自己紹介と注意事項 名前:稲野 茂(いなの しげる) 昭和末期に建設省に⼊り、以降、国交省、出先、 自治体などで勤務 平成27年9⽉まで、つくば市内の研究所で勤務 同年10⽉から、道路新産業開発機構に出向 このスライドの内容については、現在の所属組織 の業務と関係ありません。 2
  3. 3. 災害の発生直後 現地の情報が不⾜ • 被災地の人 ➔ 自分の周囲は、今、どんな状況なのか? • 被災地に家族・知人がいる人 ➔ 電話は繋がらず、テレビは目⽴つ映像ばかり • 国や都道府県市区町村 ➔ 詳細な状況把握に時間を要している 3
  4. 4. 情報不⾜の解決策 基本的な考え方 災害発生時、現地の人が現地の状況を 共通のルールでツイッターに投稿 • 場所と状況がわかるようにする • 共通のハッシュタグを付ける ▼ 多くの人が実践すれば 誰でも迅速に現地状況を把握可能 4
  5. 5. 情報不⾜の解決策 具体的な方法 自治体等が主導となり • 災害時のハッシュタグを定める • 住⺠に現地状況のツイッター投稿を 呼びかける(防災訓練の実施) ▼ 取り組む自治体が増えつつある 和光市、龍ケ崎市、富山市、福岡市など 5
  6. 6. 埼玉県和光市の事例 ① 災害時のツイッター活用訓練を実施 (平成26年6⽉1日) • 現地状況のツイッター投稿を市⺠に呼びかけ • ハッシュタグは「#和光市災害」 ② 後日、豪雨の際、状況把握に役⽴った • 6⽉25日、ゲリラ豪雨で市内各所が冠水 • 市⺠が自発的に、市内の状況を投稿 6
  7. 7. 和光市は防災訓練で ツイッター投稿を呼びかけた 7
  8. 8. 和光市 防災訓練の投稿例 8
  9. 9. 防災訓練の結果 大多数は訓練に沿った投稿 71.7% 6.8% 3.7% 5.8% 12.0% 訓練に沿った投稿 訓練に沿わない投稿 タグだけの投稿 事務局からの連絡 その他(感想等) 9 全投稿191件のうち、 訓練に沿った投稿は137件(72%)
  10. 10. イタズラ投稿は少数(13件、7%) ニュースで紹介された時間帯に集中 0 5 10 15 20 25 30 35 感想等 事務局からの連絡 タグだけの投稿 訓練に沿わない投稿 訓練に沿った投稿 10
  11. 11. 訓練は成功 • 多数(137件)の的確な投稿 • イタズラ投稿は、少数(13件)かつ一過性、 ➔ 気にする必要なし • 日本初のツイッターハッシュタグを活用した 防災訓練は成功 …と思っていたところ、 6⽉25日にゲリラ豪雨が発生 11
  12. 12. ゲリラ豪雨、当日の投稿例 12
  13. 13. 13
  14. 14. 新聞記事によると これは使える! • 和光市は、大雨への対応検討において ツイッター情報を参考にした、とのこと • 和光市の松本市⻑のコメント 「ビジュアル面も含め、瞬時に被害の把握が できたことは大きい。」 14
  15. 15. 7⽉20日にも大雨 • 平成26年7⽉20日夕刻 – 和光市内で大雨 – 和光市内の各所で冠水 • 当日、約10件の #和光市災害 付き投稿 • 全てが写真添付で市内各所の状況を報告 • イタズラ的投稿はゼロ 15
  16. 16. • #(ハッシュマーク)+任意の⽂字列 • 誰でも自由に決めて、自由に使うことができる。 • ハッシュタグ付きの投稿は、検索で簡単に抽出 (ハッシュタグが無いと、必要な投稿の抽出が困難) • 共通のハッシュタグにより利用者間のリアルタイム な情報共有が実現 (フォローと無関係) • ただし、短い・シンプルなハッシュタグは、他の利 用者と重複利用となる可能性あり ハッシュタグとは? 例:#和光市災害 16
  17. 17. • 東村山市として「#東村山市災害」 を、災害情報 のハッシュタグと定め、市⺠に周知する。 • 防災訓練で、ツイッター投稿を練習しておく。 (#東村山市災害 付け、場所と状況を伝える投稿) すると.. • 災害時、多くの市⺠が#東村山市災害 を付けて、 市内の状況をツイッターに投稿 • #東村山市災害 で検索することにより、誰でも 簡単に市内の状況を把握 災害時のハッシュタグ #東村山市災害 使い方 17
  18. 18. • 別名、災害時地域ハッシュタグ • 和光市、龍ケ崎市、富山市、福岡市などで利用 • わかりやすく、他との重複もなく、これを災害 情報のハッシュタグの標準としたい • DITS※を使えば、災害時地域ハッシュタグが、 自動で付加された投稿が可能 ※DITS(Disaster Information Tweeting System)東海大学内田 研究室が開発したシステム。和光市他の訓練で活用実績あり。 #◯◯市災害 とは? #和光市災害、#東村山市災害 など 18
  19. 19. 茨城県龍ケ崎市の事例 • 平成28年6⽉5日、茨城県龍ケ崎市は、 災害時ツイッター活用訓練を実施 • ハッシュタグは、「#龍ケ崎市災害」 • 訓練により、市内の状況を伝える多くの ツイッター投稿が得られた 19
  20. 20. 公式ツイッターの告知 20
  21. 21. 龍ケ崎市 訓練の お知らせ 21
  22. 22. 龍ケ崎市 訓練の投稿例 22
  23. 23. 龍ケ崎市の取り組みが、内閣官房の 災害対応におけるSNS活用ガイドブックで 好事例として取り上げられました。 災害対応におけるSNS 活用ガイドブック 平成29 年3 月 内閣官房 情報通信技術(IT)総合戦略室 23
  24. 24. 龍ケ崎市 訓練の投稿例 ジオタグ 24
  25. 25. ジオタグ付き投稿の表⽰例 (webサイト「ちずツイ」を活用) 25
  26. 26. 「ちずツイ」の表⽰例 この表⽰例は、龍ケ崎市の訓練とは関係ありません 26
  27. 27. 地図上に展開して閲覧可能 対応サービスの例 webサイト「ちずツイ」、「DIMS」 アンドロイドアプリ「Twitmap」 27 俯瞰的な状況把握が可能 ジオタグ付きのツイッター投稿
  28. 28. ジオタグとは? • ツイッター投稿に付加された位置情報(緯度経度) • ほとんどのスマホには、GPS衛星測位等により、 現在の位置情報を把握する機能あり • スマホからのツイッター投稿に、現在の位置情報 を付加できる機能あり (位置情報の付加は、設定で選択可能。実態として、ほとん どの投稿に位置情報は、付加されていない。) 28
  29. 29. ジオタグの付加方法 ① ツイッター投稿にジオタグを付加するためには、 以下のaとbの2つが必須 ➔ bは、使い慣れた人でも間違いやすい a. スマホの設定で、位置情報を有効 b. ツイッターアプリ設定で、正確な位置情報共有を有効 (投稿の度にリセットされる。) ② DITS※を使えば、自動でジオタグとハッシュタグ が付加され、まちがいなく簡単に投稿できる ※DITS(Disaster Information Tweeting System) 東海大学内田研究室が開発したシステム。和光市他の訓練で活用実績あり 29
  30. 30. ① これまでに、和光市、龍ケ崎市、富山市などで、 ツイッター活用の防災訓練を実施 ② 一部の訓練で、少数のイタズラ投稿があったが、 大多数の投稿は、訓練に沿ったもの ③ 訓練後、和光市で大雨の際、市内の状況を伝える ツイッター投稿があり、状況把握に役⽴った ④ 総括すると • ツイッター活用訓練は、災害時に役⽴つ • 根本的な課題点は、ゼロ 事例総括 30
  31. 31. 災害時のツイッター活用 (ハッシュタグ付き投稿を呼びかける方式) 浸透すれば 迅速に多数の有益な情報が集まる スマホとSNSの普及を踏まえると これからの災害情報の主役 31
  32. 32. 注意事項 • 避難等が必要な危険な状況下では、住⺠に 投稿を求めてはいけない • 人がいない場所の情報は得られない • 通信が途絶したエリアの情報は得られない • 個別投稿の信頼性は保証されない • それでも、メリット絶大! 32 注意事項! 万能ではない
  33. 33. • 基本的にコストゼロで実施可能 (個人のスマホ+日常使用のPC+無料アプリを活用) • 情報発信(投稿)と情報収集(抽出)が簡単で誰でも使える • 浸透すれば、住⺠を交えた多対多のリアルタイムな情報共有が実現 • 災害専用システムは、災害時に使われないと言われており、日常利用の システムを災害時に活用する発想が重要 ➔ まさに • ジオタグ付き投稿は、俯瞰的な状況把握が容易 • イタズラ投稿やデマは気にする必要なし ➔ 事後対処可能 • 災害に強いシステム(役所が機能停止しても使える。役所のホームペー ジは、災害時にアクセス集中で閲覧できないケースあり。ツイッターは バルス※に耐えた強いシステム。) ※ バルスとは、アニメ映画「天空の城ラピュタ」の中で使われる滅びの呪⽂。テレビ放映時に、テレビと連動して視聴者が、 「バルス」とツイッターに投稿することが流⾏している。これにより、秒間14万件超の投稿アクセスでも、ツイッターは利 用可能であることが実証された。 ツイッター活用のメリット 33
  34. 34. 災害発生時の情報 信頼性 vs 量・スピード ⾏政から災害時に発信される情報(現状) • 基本的に信頼できる • 数時間おきに集計された情報が、ホームページにPDFで 掲載されるケースが多い←個人の感想です ツイッターの災害情報(容易に実現可能な理想) • 発災直後から、現地の状況が、続々と投稿される • ハッシュタグ検索で、情報の抽出が容易 • ジオタグ活用で、俯瞰的な状況把握が容易 • 添付写真と投稿⽂から、現地状況の把握が容易 • 投稿の信頼性は保証されないが、評価・対処は可能 34
  35. 35. 投稿の信頼性評価方法 ① 投稿者プロフィールと投稿履歴の確認 投稿者のプロフィールや投稿履歴は、誰でも簡単に閲覧でき、信頼性評 価の参考となる • 過去の防災訓練の参加者からの投稿は、信頼できる • 取得して間もないアカウントからの投稿は、信頼性を疑うべき • 当該地域での投稿実績が無い投稿者は、信頼性を疑うべき ② 他者の投稿内容との比較 同様の内容で複数者から投稿されている場合は、信頼性が高い ③ ジオタグの確認 ジオタグ(位置情報)が添付されていれば、信頼性をプラス評価 (デマ投稿者が、自分の現在位置を明らかにするとは考えにくい。) 35
  36. 36. 未確認の災害情報の共有 • ⾏政の情報発信は、確認された情報に限定 • 一般からの情報は、未確認(要確認)情報 ➔ ⾏政から、そのまま発信できない ➔ 数が多いと、個別確認も困難 36 【提案】 • 現地の人からの災害情報をツイッターに集約 (現地状況のツイッター投稿を呼びかける。) • 情報を共有し、未確認を前提に活用
  37. 37. 災害時の自情、共情、公情 (誤字・誤変換ではありません。造語です。) ■自情 – 自分自⾝で、直接、現地を⾒て確認した情報 – 情報を取得できる範囲が限定される ■共情 – 各自が得た情報(自情)をネット上に投稿して共有 – 情報共有ツールとしてツイッターを活用 ■公情 – 公的機関やマスコミから出される情報 – 公的機関の情報は、出るまで遅いケースが多い←個人の感想 – テレビのニュースは目⽴つ映像が中⼼で、知りたい箇 所の情報が得られない←個人の感想 37
  38. 38. 住⺠へツイッター投稿を 呼びかける方式 とにかく一度 訓練の実施を ご検討下さい 38
  39. 39. よくある質問1 ツイッター使えない人は? • 災害時のツイッター活用は、従来の方法の代替で はなく、現状にプラスの方法と位置づける • 被災地でツイッターを使えない人が、情報不⾜で 困っているなら、ご近所で助けあう – 例えば、ツイッター情報に基づき自主避難する時には、 ご近所にも呼びかけて 39
  40. 40. よくある質問2 デマをどうする? • 熊本地震では「動物園からライオンが逃げた」と デマがツイッターに投稿され、現地が混乱した。 • 災害時、ツイッターにデマが投稿される可能性が あり、その対策が課題 • 誰でも投稿できるツイッターは、投稿内容の信頼 性が保証されないので、信頼できる人だけが情報 ⼊⼒する別システムを構築すべきでは? ➔回答は次頁 40
  41. 41. 悪質なデマ投稿者は、逮捕 41
  42. 42. デマ投稿者逮捕の抑止効果 • 熊本地震で「ライオンが逃げた」とデマを投稿し た者は、その後、逮捕された。 • こうした事実は、災害時のデマ投稿を抑止する効 果があると考えられる。 ➔だからと言って、今後、災害時のデマ投稿が、 ゼロになるとは限らない.. 42 ツイッターのデマ対策(1/4)
  43. 43. ツイッターのデマ対策(2/4) 災害時地域ハッシュタグ#◯◯市災害 の活用事例を⾒ると • 事例では、一部の訓練で少数のイタズラ投稿。 しかし大多数は現地状況を的確に伝える投稿 • 和光市の豪雨時には、イタズラ投稿はゼロ • 自治体から、災害情報のハッシュタグ付き投稿を 呼びかけている中で、そのハッシュタグを付け て、悪質なデマ投稿をする者は、実際に出るか? ➔ #◯◯市災害 を付けた悪質なデマは、 事例ではゼロ。ただし、今後もゼロとは限らない.. 43
  44. 44. ツイッターのデマ対策(私⾒) • ツイッターの炎上事例の分析報告では、 炎上に関与した投稿者は、極めて少数 • 熊本地震ではデマの投稿者は、極めて少数 • 災害時地域ハッシュタグの活用事例では、 イタズラ投稿は少数、大多数は的確な投稿 ➔ツイッターで、問題となる投稿者は少数 (少数の投稿が拡散され、大きな問題に) 44
  45. 45. デマ投稿の事後対処 • 投稿者プロフィールや投稿履歴、他者投稿との⽐ 較等から、デマ投稿の特定は可能 • 関係者や専門家等がデマ投稿を特定した上で、 ハッシュタグを付けてデマの否定情報を投稿 これによりデマの拡散防止・混乱予防が可能 (災害時地域ハッシュタグの活用で効果的なデマ対処が可能) 45 ツイッターのデマ対策(3/4)
  46. 46. ツイッターのデマ対策(私⾒) • 災害時のツイッターのデマ投稿で、大きな問題となるの は、デマを盲信した人が、デマに基づき⾏動すること • デマを盲信した人には「その情報はデマですよ」とデマ の否定情報を伝えることが重要 • 災害時地域ハッシュタグの周知が進めば、タグを付けた 否定情報の投稿で、効率的に否定情報が伝わる。 • デマの拡散防止・混乱予防のためにも、タグの周知と 平時からの訓練が必要 46
  47. 47. 災害時の専用システムは使われない • 一般市⺠をユーザーとする災害情報サービスは、 災害時の専用システムは使われず、日常利用のシ ステムを活用する発想が不可⽋(定説) • 専用システムの導⼊には、構築・維持費用など、 負担が大きい ➔結果として普及が進まない 47 ツイッターのデマ対策(4/4)
  48. 48. 災害情報の伝達には、 最新の情報サービスを使うべき 小江戸川越ブログ より 48
  49. 49. やってみなはれ やらなわからしまへんで 49 サントリー創業者 ⿃井信治郎 の言葉 ⼩理屈を並べても、物事は運ばない とにかく実⾏して、そこから学びながら、 次のアクションを考えたらええ

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