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戦後初期の日本における学校図書館法諸案

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第60回日本図書館情報学会研究大会の発表スライドです。(公開にあたっては,当日発表者・研究代表者の安藤友張先生ならびに共同発表者の高鷲忠美先生,根本彰先生の許諾を得ております。)

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戦後初期の日本における学校図書館法諸案

  1. 1. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに 戦後初期の日本における 学校図書館法諸案 安藤友張 1 高鷲忠美 2 根本彰 3 今井福司 3 1 九州国際大学 2 八洲学園大学 3 東京大学 2012 年 11 月 18 日 日本図書館情報学会第 60 回研究大会安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 1 / 42
  2. 2. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに 1 はじめに 本発表の位置づけ 研究方法 各資料の内容と背景 2 学校図書館法諸案の検討 学校図書館法案要綱について 3月法案について 3 考察 要綱・3月法案・成立法の比較 まとめ 4 おわりに安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 2 / 42
  3. 3. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに 1 はじめに 本発表の位置づけ 研究方法 各資料の内容と背景 2 学校図書館法諸案の検討 学校図書館法案要綱について 3月法案について 3 考察 要綱・3月法案・成立法の比較 まとめ 4 おわりに安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 3 / 42
  4. 4. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに本発表の位置づけ 戦後初期の日本における学校図書館法の成立 過程を一次資料に基づき,実証的かつ精緻に 明らかにする。 今回の発表は中間報告。 「学校図書館法案要綱(要綱) 「3月法案」 」 「成立法(最終案)」の3つの案に着目しなが ら,それらを比較検討する。安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 4 / 42
  5. 5. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに比較検討の観点について 今回,比較検討する観点(項目)は以下の 4 つ。安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 5 / 42
  6. 6. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに比較検討の観点について 今回,比較検討する観点(項目)は以下の 4 つ。 1 学校図書館の定義安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 5 / 42
  7. 7. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに比較検討の観点について 今回,比較検討する観点(項目)は以下の 4 つ。 1 学校図書館の定義 2 職員配置の規定安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 5 / 42
  8. 8. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに比較検討の観点について 今回,比較検討する観点(項目)は以下の 4 つ。 1 学校図書館の定義 2 職員配置の規定 3 職員の養成安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 5 / 42
  9. 9. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに比較検討の観点について 今回,比較検討する観点(項目)は以下の 4 つ。 1 学校図書館の定義 2 職員配置の規定 3 職員の養成 4 その他(上記に含まれない観点)安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 5 / 42
  10. 10. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに研究方法 先行研究で使用されなかった新資料「学校図 書館法案要綱」,深川文書を用いる。 今回は,文部省と全国学校図書館協議会の関 係者が著した文書(資料)を中心に検討を行 なう。安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 6 / 42
  11. 11. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに「学校図書館法案要綱」とは何か 学校図書館法の最初の原案(1952 年 12 月) 全国学校図書館協議会(全国 SLA)  編集・ 発行の冊子『世論に訴える 学校図書館法の 成立をめざして』に所収。 先行研究においては,同要綱それ自体の存 在・名称は指摘されていたが,その具体的内 容(条文の中身)については明らかにされて おらず,全く検討されていなかった。 立法補佐機関である議院法制局で作成された ものではない。安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 7 / 42
  12. 12. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに深川文書について 文部省の学校図書館行政の元担当官であった 深川恒喜(1911–1993)が遺した資料群。 当時の文部省の内部資料をはじめ,深川自身 による手書きメモなど。 深川が収集した学校図書館関連の各種文献も含 まれる。 戦後日本における学校図書館の制度化の歴史 を研究するさいの貴重資料。安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 8 / 42
  13. 13. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに主なステークホルダー安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 9 / 42
  14. 14. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに学図法成立までの主な流れ安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 10 / 42
  15. 15. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに冊子『世論に訴える 学校図書館法の   成立をめざして』 福岡県立図書館,大阪教育大学附属図書館尾 原文庫における所蔵を発見。 同資料は深川文書の中にも含まれており,深 川自身による手書きメモ(余白への書き込 み)あり。 様々なメモが書かれており,その内容を通し て学校図書館法案要綱に対する文部省側の対 応を知ることが可能。安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 11 / 42
  16. 16. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに 1 はじめに 本発表の位置づけ 研究方法 各資料の内容と背景 2 学校図書館法諸案の検討 学校図書館法案要綱について 3月法案について 3 考察 要綱・3月法案・成立法の比較 まとめ 4 おわりに安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 12 / 42
  17. 17. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに 1 はじめに 本発表の位置づけ 研究方法 各資料の内容と背景 2 学校図書館法諸案の検討 学校図書館法案要綱について 3月法案について 3 考察 要綱・3月法案・成立法の比較 まとめ 4 おわりに安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 13 / 42
  18. 18. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに学校図書館法案要綱の特徴 全2章(全 13 条及び附則)で構成 (1) 学校図書館の定義 (2) 職員に関する規定 (3) 職員の養成 (4) その他安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 14 / 42
  19. 19. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに(1)学校図書館の定義 第 2 条 この法律において「学校図書館」とは, 図書,記録その他の資料を収集,整理, 保存して,児童,生徒及び教師の必要 に応じて提供し,教育課程の展開並に 健全なる教養趣味の助成に資すること を目的として,小学校,中学校高等学 校に施設する図書館を言う。安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 15 / 42
  20. 20. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに(2)職員配置に関する規定 第 4 条   学校図書館に置かれる専門的職員を, 司書教諭及事務職員と称する。 第 4 条 2 項 司書教諭は,学校図書館に関する指導 及び運営を司り,専門的事務に従事し, 事務職員は司書教諭の下に図書館事務 に従事する。 第 4 条 3 項 司書教諭及び事務職員の配置について は,文部省令で定める。安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 16 / 42
  21. 21. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに(3)職員の養成 第 6 条   司書教諭の講習は,都道府県教育委員 会が教育学部または学芸学部を有する 大学に委嘱して行う。 第 6 条 2 項 司書教諭の講習に関し,履修すべき科 目,単位その他必要なる事項は文部省 令で定める。安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 17 / 42
  22. 22. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに(4)その他 司書教諭配置を猶予する条項なし。 司書教諭は免許制。 (大学における養成方式も併用) 学校司書に相当する「司書」という用語はな し。その代わりに, 「事務職員」という文言。安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 18 / 42
  23. 23. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに 1 はじめに 本発表の位置づけ 研究方法 各資料の内容と背景 2 学校図書館法諸案の検討 学校図書館法案要綱について 3月法案について 3 考察 要綱・3月法案・成立法の比較 まとめ 4 おわりに安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 19 / 42
  24. 24. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに3月法案について 「学校図書館法案要綱」を素案として作成。 1953 年 3 月の第 15 回国会に上程する直前で, 吉田茂元首相の「バカヤロー解散」により, 廃案。 同年 7 月の第 16 回国会上程までの期間に,何 度も内容修正が加えられる。その結果が最終 案である成立法。安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 20 / 42
  25. 25. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに要綱から3月法案へ 深川による手書きメモによれば, 1953 年 2 月 「 16 日プリント(印刷) 2 月 17 日配布(省 , 内) 」という記述が残されている。 1953 年 2 月頃,同要綱について,文部省内部 の関係者による検討がなされたと推定。 「学校図書館法案要綱」から3月法案へ修正す る過程において,文部省内における検討がなさ れたと考えられる。安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 21 / 42
  26. 26. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに3月法案の特徴 全 11 条及び附則で構成 (1) 学校図書館の定義 (2) 職員に関する規定 (3) 職員の養成 (4) その他(上記に含まれない観点)安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 22 / 42
  27. 27. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに(1)学校図書館の定義 第 2 条 2 項 この法律において「学校図書館」と は,学校における施設で・ (後略) ・ ・ 。安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 23 / 42
  28. 28. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに(2)職員配置に関する規定 第 6 条 学校の設置者は,その設置する学校の 学校図書館の設備充実を図り,且つ, その円滑な運営を行うのに必要な員数 の司書教諭その他の職員を配置するこ とに努めなければならない。安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 24 / 42
  29. 29. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに(2)職員配置に関する規定 第 6 条 学校の設置者は,その設置する学校の 学校図書館の設備充実を図り,且つ, その円滑な運営を行うのに必要な員数 の司書教諭その他の職員を配置するこ とに努めなければならない。 努力義務規定安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 24 / 42
  30. 30. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに(3)職員の養成 附則第 7 項 教育職員免許法の一部を次のように 改正する。第 2 条第 1 項中「助教諭」の 下に「,司書教諭」を加える。 附則第 7 項 第 4 条第 2 項第 3 号の次に次の 1 号を 加える。3の2 司書教諭免許状安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 25 / 42
  31. 31. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに(3)職員の養成 附則第 7 項 教育職員免許法の一部を次のように 改正する。第 2 条第 1 項中「助教諭」の 下に「,司書教諭」を加える。 附則第 7 項 第 4 条第 2 項第 3 号の次に次の 1 号を 加える。3の2 司書教諭免許状 大学における養成安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 25 / 42
  32. 32. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに(4)その他 司書教諭は免許制度 司書教諭配置を猶予する期間は 5 年間 学校司書に相当する「司書」という用語はな し。ただし, 「その他の職員」という文言。安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 26 / 42
  33. 33. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに 1 はじめに 本発表の位置づけ 研究方法 各資料の内容と背景 2 学校図書館法諸案の検討 学校図書館法案要綱について 3月法案について 3 考察 要綱・3月法案・成立法の比較 まとめ 4 おわりに安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 27 / 42
  34. 34. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに要綱・3月法案・成立法の比較 以下の 4 つの観点に基づいて考察を行う。 (1) 学校図書館の定義 (2) 職員配置の規程 (3) 職員の養成 (4) その他安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 28 / 42
  35. 35. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに(1)学校図書館の定義 「要綱」「3月法案」は,共に「施設」と 規定。 成立法では「設備」に修正。 学校教育法施行規則第 1 条は「設備」と規定。安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 29 / 42
  36. 36. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに「施設」と「設備」(文部省側の定義) 深川文書,冊子『世論に訴える 学校図書館 の成立をめざして』 の余白に, 「施設法」と いうメモ。 当時の文部省は,「学校施設基準法(廃案)」 という法案を提出する準備をしていた。この 法案の中に,「図書室(図書館ではない)」の 必置が謳われていた。 同法案の定義によれば,安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 30 / 42
  37. 37. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに「施設」と「設備」(文部省側の定義) 深川文書,冊子『世論に訴える 学校図書館 の成立をめざして』 の余白に, 「施設法」と いうメモ。 当時の文部省は, 「学校施設基準法(廃案)」 という法案を提出する準備をしていた。この 法案の中に,「図書室(図書館ではない) 」の 必置が謳われていた。 同法案の定義によれば,「学校の施設とは, 校地,校舎,寄宿舎及びこれらに附帯する設 備をいう」(第 3 条)となっていた。安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 30 / 42
  38. 38. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに全国 SLA 側の見解  学校図書館は「設備」であることは相 違ないが,われわれの欲しているのは, その「設備」のもつ「機能」である。学 校図書館の機能をまず第一に考えて,そ の機能を発揮するのに必要な最小限度の 「設備」をすることがかんじんである。 (阪本一郎,1953)安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 31 / 42
  39. 39. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに(2)職員配置の規定 3法案に共通して, 「司書教諭」の配置は規定 されている。本則では,努力義務の配置から 必置職種へ修正され,可決成立。 しかし,附則の「当分の間」の規定により, 当初の原案であった要綱の規定よりも大きく 後退。 要綱や3月法案では,学校司書に相当する職 員の配置が規定。しかし,成立法では削除。安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 32 / 42
  40. 40. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに(3)職員の養成 成立法では,講習による方式に一本化。大学 における養成に関する規定は削除。 要綱では「都道府県教育委員会が教育学部ま たは学芸学部を有する大学に委嘱」。成立法 では, 「大学が文部大臣の委嘱を受ける」安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 33 / 42
  41. 41. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに文部省側(深川)の証言  文部省としては,教員免許の取得の場 合と同じように,大学においても所定の 科目,単位を履修した場合にその資格を とりうるようにすることが必要であると の意見を立法関係の部署へ申し送ったと ころが,これが,どういう経緯であった か,最終的には原法案の修正がなされな いままに提出された(中略)現職講習方 式だけになっているのに驚いた。 (深川恒喜,1975)安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 34 / 42
  42. 42. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに(4)その他–1 要綱の段階では,学校図書館法の施行と同時 に,すべての学校に専門職員の配置を実現さ せようとした法案。 しかし,3月法案・成立法では,司書教諭の 配置を猶予する附則がつけられた。安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 35 / 42
  43. 43. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに(4)その他–2 司書教諭の任用資格制度への変更は,教員養 成審議会における審議状況が影響。 「指導教諭,司書教諭,司書,社会教育主事の免 許状を設けることの要否について」安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 36 / 42
  44. 44. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに教育職員養成審議会の審議状況 1953 年度の第 6 回総会議事録(審議経過)に おいて,緊急に特別委員会を設け,審議する 必要のある問題点のひとつとして, 「司書教諭 の免許新設」が挙げられた。 しかし,同年7月 15 日の第 7 回総会の配布資 料によれば,司書教諭の免許新設は協議事項 として列挙されなかった( 『厚沢留次郎文書』 より) 。 学図法成立直前の段階では,緊急性が指摘され ながらも,十分に審議されないままで先送りさ れたと考えられる。安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 37 / 42
  45. 45. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりにまとめ 司書教諭は,現職教員が短期間の講習で取得 可能な簡易的な資格ではなく,教育職員免許 法に位置づけられるような専門職を意図。 学校図書館法案の変遷を時系列にみると,時 間の経過とともに,職員の養成・配置に関す る規定が著しく後退。 学校図書館の振興策について,文部省側は, 予算の裏付け(公費支弁)が伴う,単独法の 学校図書館法に拠らない「行政措置」(深川 メモ)という代替案も検討していた。安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 38 / 42
  46. 46. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに 1 はじめに 本発表の位置づけ 研究方法 各資料の内容と背景 2 学校図書館法諸案の検討 学校図書館法案要綱について 3月法案について 3 考察 要綱・3月法案・成立法の比較 まとめ 4 おわりに安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 39 / 42
  47. 47. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに今後の課題 1 深川の上司であった元文部省職員の大田周夫 が遺した資料群(大田周夫旧蔵資料)に含ま れた「学校図書館振興法案要綱」(廃案)の 検討。 2 学校図書館法の成立過程における同振興法案 の位置づけ。 3 民間団体によって,準備されていた図書館法 改正案(学図法の代替案)の検討。 4 本発表において取りあげた各法案の作成過程 をより精緻に解明。安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 40 / 42
  48. 48. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに付記 本研究は JSPS 科研費  22500225 の助成を受 けたものです。 平成 24 年度 基盤研究(C)「戦後日本における 学校図書館法の成立過程に関する実証的研究」 (研究代表者 安藤友張) 。安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 41 / 42
  49. 49. はじめに 学校図書館法諸案の検討 考察 おわりに ご清聴ありがとうございました。安藤友張, 高鷲忠美, 根本彰, 今井福司戦後初期の日本における学校図書館法諸案 42 / 42

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