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災害時、専門家は間違える

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災害時、専門家は間違える

  1. 1. 災害時、専門家は間違える 教えて!情報サバイバル・災害時、あなたの運命を決める 情報の選び方 (2013 年 5 月 25 日 大田区) 慶應義塾大学 大学院 政策・メディア研究科 斉藤 賢爾 ks91@sfc.wide.ad.jp http://twitter.com/ks91020 http://www.facebook.com/ks91media 災害時、専門家は間違える – p.1/16
  2. 2. かんたんに自己紹介 慶應義塾大学 大学院 政策・メディア研究科 特任講師 「インターネットと社会」を研究しています 3.11 直後は、被災地で失われたインターネット接続 を回復させる「震災復興インターネット」の活動を手 伝っていました その後 Facebook ページ「福島のこどもたちを守ろう」 「地球環境スキャニングプロジェクト」 「こどもたちを放射能から守る科学者ネットワーク」 福島のこどもたちのための「アカデミーキャンプ」 首相官邸広報 “伝わる化” プロジェクト 災害時、専門家は間違える – p.2/16
  3. 3. すべての災害は人災 災害時、専門家は間違える – p.3/16
  4. 4. すべての災害は人災 「災害は、危機が脆弱性と出会うことで起こる」 — 自然災害 - Wikipedia 災害時、専門家は間違える – p.3/16
  5. 5. きっかけは、すべて自然現象 災害のきっかけとなる現象 (危機) は、すべて自然現象 火事も、火山の噴火も、地震も、爆発も、台風も、 放射性物質の崩壊も 超常現象では無いという意味で、自然のプロセス 自然のプロセスが、人の社会の弱点 (脆弱性) を突く とき、災害となり被害は生じます その意味において、すべての災害は人災です 人が災害を引き起こします 災害時、専門家は間違える – p.4/16
  6. 6. 災害時、専門家は間違える 災害時、専門家は間違える – p.5/16
  7. 7. 災害時、専門家は間違える 専門家 : ある領域に関してこれまでに解明された知識や 技術、ノウハウを十分に有している人 専門家は「知っている」という態度をとる人 — 影浦 峡「信頼の条件 原発事故をめぐることば」 災害時、専門家は間違える – p.5/16
  8. 8. 専門家と災害 自然のプロセスが社会の弱点を突くとき、災害は発生 します その災害に関係する分野の専門家は、その弱点を作り 込んできた当事者と言えるのでは? その災害が発生する条件について、誤った判断を した知性 それをそのままその災害の状況に対して適用 正しいことを言う保証はまったくありません 専門家は、災害の原因を作ったリアリティの中で生き ています 災害時や災害後の現実と噛み合わないのは当然 災害時、専門家は間違える – p.6/16
  9. 9. 行政は専門家集団 災害時、専門家は間違える – p.7/16
  10. 10. 行政は専門家集団 「こちらが真実です。これに反する情報は信じちゃいけ ません」という臭いを発しているものは、何であれマユ にツバした方がいい — 下村 健一「首相官邸で働いて初めてわかったこと」 災害時、専門家は間違える – p.7/16
  11. 11. 内閣広報室にお邪魔して改めてわかったこと 政府でも普通の人々が働いている スーパーマンがいて正解を知っているのではありま せん 「私たちの政府」という感覚を持たないかぎり、政府 を変えていくことはできません 災害時、専門家は間違える – p.8/16
  12. 12. 行政の専門性とは 広報を例にとると 不特定多数を相手にする (国民全員が対象) ツッコミどころのない抽象表現を訓練される 災害時、行政は (1) 機動力に問題があり得ます 3.11 では「首相官邸(災害情報)ツイッター」な ど改善も 災害時、行政は (2) 災害に関係する分野の専門家を呼んで参考にする その専門家たちは、おそらくは間違えます 災害時、専門家は間違える – p.9/16
  13. 13. 情報源はひとつにすべきか 危機管理の専門家が市民の反応に対して持つ 7 つの見識 1. 人々はパニックを起こす 2. 警告は短くすべき 3. 誤報を出すことは一方的に悪いことである 4. 情報源は 1 つにすべき 5. 人々は警報の後直ちに防衛行動をとる 6. 人々は理由付けがなくても指示に従う 7. 人々はサイレンの意味がわかる 災害時、専門家は間違える – p.10/16
  14. 14. 情報源はひとつにすべきか 危機管理の専門家が市民の反応に対して持つ 7 つの見識 1. 人々はパニックを起こす 2. 警告は短くすべき 3. 誤報を出すことは一方的に悪いことである 4. 情報源は 1 つにすべき 5. 人々は警報の後直ちに防衛行動をとる 6. 人々は理由付けがなくても指示に従う 7. 人々はサイレンの意味がわかる これらはすべて誤り! http://sk01.ed.shizuoka.ac.jp/koyama/public_html/etc/riskcom.html 災害時、専門家は間違える – p.11/16
  15. 15. 私たちに必要な力は「ツッコミ力」 災害時、専門家は間違える – p.12/16
  16. 16. 私たちに必要な力は「ツッコミ力」 「権威」へのツッコミ 自分の生活へのツッコミ 災害時、専門家は間違える – p.12/16
  17. 17. 「ツッコミ力」を日頃鍛える 行政や専門家などの「権威」は災害時に間違えます ドンピシャの分野から少し外れた学者は「ツッコ ミ力」を発揮しやすいものです 学者は日頃「ツッコミ力」を鍛えています 加えて、必要な知識をもっています 私たちひとりひとりは自分の生活における専門家 自然のプロセスが自分の生活の弱点を突くとき すなわち自分の生活が災害に見舞われるとき 同様に間違えるおそれがあります 自分の日常に対するツッコミを! そのことを通して「ツッコミ力」の鍛錬を 災害時、専門家は間違える – p.13/16
  18. 18. 防災・減災はスポーツ 災害時、専門家は間違える – p.14/16
  19. 19. 防災・減災はスポーツ スポーツで大事なのは「練習」 ところが、試合では「練習でやってきたことはすべて忘 れろ」と言われたりします 災害時、専門家は間違える – p.14/16
  20. 20. 練習と本番 基本となる動作は、練習を通して無意識に 本番では「練習でやってきたことはすべて忘れる」 身についた動作は無意識に任せて 意識は、より上位の判断に集中できます 「津波てんでんこ」を実践的な防災教育に活かした群 馬大学の片田敏孝教授による防災訓練の考え方にも通 じます 避難訓練を繰り返し、その上で 「想定にとらわれるな」「最善を尽くせ」 災害時、専門家は間違える – p.15/16
  21. 21. まとめ 「専門家」とは、職業ではなくて態度のこと 正しいことを「知っている」という態度 「知らない」ことを前提に探究する態度の対極 災害時、専門家は間違える 間違えたから災害が生じた 「ツッコミ力」を! 「知らない」ことを前提に探究する態度で 日頃から鍛えて本番に臨みましょう 災害時、専門家は間違える – p.16/16

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