3Dプリンターブームから読み取るイノベーションの可能性

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しが新産業創造ネットワーク平成25年度第1回マッチングフォーラムの基調講演で使用したスライドです。

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3Dプリンターブームから読み取るイノベーションの可能性

  1. 1. 2013年9月12日13:20∼14:20/コラボしが21 小林茂(情報科学芸術大学院大学[IAMAS]産業文化研究センター 准教授) しが新産業創造ネットワーク 平成25年度第1回マッチングフォーラム基調講演 3Dプリンターブームから読み取る イノベーションの可能性
  2. 2. 吉川良三「ものづくりの発想転換∼『もの』と『つくり』を分けて考えよう」日経BizGate(2013年8月1日) http://bizgate.nikkei.co.jp/article/8622701.html
  3. 3. イントロダクション C. M. Christensen『イノベーションのジレンマ』(1997) 時間 性 能 技術進化のペース 顧客が望む 性能レベル 持続的イノベーション クリステンセンのイノベーション論
  4. 4. イントロダクション 時間 性 能 技術進化のペース 顧客が望む 性能レベル 持続的イノベーション 破壊的イノベーション クリステンセンのイノベーション論 C. M. Christensen『イノベーションのジレンマ』(1997)
  5. 5. ものをつくる=なぜ? なにを? どうやって? What? How?Why?Making Things
  6. 6. 3Dプリンターは柔軟性、多様性、複雑さを フリーにして従来の製造の「常識」を変える 3D printer changes common senses of manufacturing by freeing flexibility, diversity and complexity
  7. 7. 3Dプリンターは積層で物体を製造する 3D printers manufacture objects by additive methods
  8. 8. 3Dプリンターとは 積層造形(Additive Manufacturing) • 光造形 • プール式:光硬化性樹脂をレーザーまたは面露光で硬化 • インクジェット式:光硬化性樹脂をインクジェットで塗布 してから露光して硬化 • 粉末 • 焼結:樹脂や金属をレーザーで焼結 • 固着:石膏にインクジェットで接着剤を塗布して接着 • 熱溶解:熱可塑性樹脂や金属を高温で溶かして積み重ねる • ワックス:ワックスをインクジェットで塗布して積み重ねる • シート:シート状の紙、樹脂、金属を切断して積み重ねる
  9. 9. 3Dプリンターとは さまざまな3Dプリンター • プロダクション:数千万円∼数億円 • 光造形 • 粉末焼結 • プロフェッショナル:数百万円 • 光造形 • 熱溶解 • 粉末固着 • ワックス • シート • パーソナル:数万円∼数十万円 • 光造形 • 熱溶解 参考資料:3D Systmes(http://www.3dsystems.com/)による分類をもとに構成
  10. 10. 3Dプリンターとは パーソナル3Dプリンター • 熱溶解 • Cube(3D Systems) • Replicator 2X(MakerBot/Stratasys) • Blade-1(ホットプロシード)などRepRapベースのもの • 光造形 • Form 1(Form Labs) • B9Creator(B9Creations) • ?(ローランド ディー. ジー.)
  11. 11. 3Dプリンターは新しい製造方法を創出する 3D printers create new ways of manufacturing
  12. 12. 3Dプリンターは多様性、複雑さ、柔軟性を あたりまえにする 3D printer frees diversity, complexity and flexibility
  13. 13. 『MAKERS』のエッセンスを読み解く http://hive.slate.com/hive/ made-america-how-reinvent-american-manufacturing/ article/the-makers-are-coming MAKERS―21世紀の産業革命が始まる
  14. 14. 『MAKERS』のエッセンスを読み解く クリス・アンダーソンの『MAKERS』 • デジタルファブリケーションを活用することでアメリカのよう な労働単価の高い「先進国」でも再び製造が可能になる Utilizing digital fabrication tools enables manufacturing in developed countries such as U.S.A. • ハードウェアのスタートアップが次々と生まれ、産業を変質さ せていく There will be various hardware startups, and will transform the industries • もしこうしたことが実際に起きれば、第3の産業革命になる If realized, that might be the third industrial revolution
  15. 15. MAKERS:第1部[革命]:第1章 発明革命 • かつて、起業家になるのは大変で発明家と起業家の間には大きな ギャップがあった。 • ウェブは発明だけでなく生産の手段をも民主化し、その変化は ビットの世界だけでなくアトムの世界にも及びつつある。 • 「メイカームーブメント」により小規模でもグローバルになれ、 起業家や個人発明家が製造業を再構築する。
  16. 16. MAKERS:第1部[革命]:第2章 新産業革命 • 技術と設備と投資が必要なため大企業と熟練工にほぼ独占されて きた製造業が、ものづくりのデジタル化でデスクトップや工房 でも可能に。 • メイカームーブメントの特徴 1. デスクトップのデジタル工作機械を使ってモノをデザインし 試作する 2. それをオンラインのコミュニティで当たり前に共有し、仲間と 協力 3. デザインファイルの標準化により製造をスケールでき起業が 容易に
  17. 17. MAKERS:第1部[革命]:第5章 モノのロングテール • 手作業で既製品と同等のおもちゃをつくるのは困難だが、3Dデータを ダウンロードし、変更し、3Dプリンタでプリントすれば手軽 にできる。 • ビットのロングテールと同様の「モノのロングテール」が製造分野 で起きている。 • 人間は20世紀の市場が思っていたよりもずっと多様だったが、 大量生産、大量流通などが制約だった。 • デジタル化によりコピーやシェアと同様に派生物をつくれる ようになり、製品デザインは個人の感性ではなくアルゴリズムが 中心となる。
  18. 18. MAKERS:第2部[未来]:第6章 変革のツール • デスクトップ工房の4種の神器は3Dプリンタ、CNC装置、 レーザーカッター、3Dスキャナー。 • 3Dプリントでは規模の経済が働かないために1000個でも1個 でも単位当たりのコストに違いはなく、反復と標準化が有利に 働く大量生産とは正反対。デジタル生産時代にはこの2つの 選択肢を同時に持てる。 • デジタル生産により、多様性、複雑さ、柔軟性はフリーになる。
  19. 19. MAKERS:第2部[未来]:第10章 メイカーズの資金調達
  20. 20. MAKERS:第2部[未来]:第10章 メイカーズの資金調達
  21. 21. MAKERS:第2部[未来]:第10章 メイカーズの資金調達
  22. 22. MAKERS:第2部[未来]:第11章 メイカービジネス
  23. 23. MAKERS:第2部[未来]:第11章 メイカービジネス
  24. 24. MAKERS:第2部[未来]:第11章 メイカービジネス
  25. 25. MAKERS:第2部[未来]:第12章 クラウド・ファクトリー
  26. 26. MAKERS:第2部[未来]:第12章 クラウド・ファクトリー
  27. 27. MAKERS:第2部[未来]:第12章 クラウド・ファクトリー
  28. 28. MAKERS:第2部[未来]:第12章 クラウド・ファクトリー
  29. 29. MAKERS:エピローグ 製造業の未来:西側先進国は復活できる • メイカームーブメントの盛り上がりが今の商業ウェブに近い形を とると、人件費は比較的高くても機敏さに最も優れた先進国へと 製造業の振り子は戻る。 • クリエイティブな人たちが無数に存在する小さなビジネス チャンスを発見しそこでうまく ける。 • 参入障壁が低く、イノベーションは速く、起業家精神が高い モデルとなる。 • より多くの人が、より多くの場所で、より多くの小さなニッチに 注目し、より多くのイノベーションを起こす。
  30. 30. 3Dプリンターは新しい市場と顧客を創出する 3D printers create new markets and customers
  31. 31. 3Dプリンターはアイデア創出を加速する 3D printers accelerate creating ideas
  32. 32. http://www.diginfo.tv/v/12-0047-r-en.php Ubi-Camera(制作:川畑博理+古山善将)
  33. 33. Ubi-Camera(制作:川畑博理+古山善将)
  34. 34. Ubi-Camera(制作:川畑博理+古山善将)
  35. 35. Ubi-Camera(制作:川畑博理+古山善将)
  36. 36. Ubi-Camera(制作:川畑博理+古山善将)
  37. 37. Ubi-Camera(制作:川畑博理+古山善将)
  38. 38. Ubi-Camera(制作:川畑博理+古山善将)
  39. 39. Ubi-Camera(制作:川畑博理+古山善将)
  40. 40. Ubi-Camera(制作:川畑博理+古山善将)
  41. 41. Ubi-Camera(制作:川畑博理+古山善将)
  42. 42. Ubi-Camera(制作:川畑博理+古山善将)
  43. 43. 3Dプリンターは新しい市場をつくる 3D printers create new markets
  44. 44. 3Dプリンターを活用した 様々なビジネス 3Dプリンター
  45. 45. http://on3dprinting.com/2013/02/27/3d-printing-at-gaudis-sagrada-familia-cathedral-in-barcelona/
  46. 46. http://www.dezeen.com/2013/06/28/cortex-3d-printed-cast-for-bone-fractures-jake-evill/
  47. 47. 3Dプリンターは新しいデータ市場をつくる 3D printers create new data markets
  48. 48. 3Dプリンターを活用した 様々なビジネス 3Dプリンター
  49. 49. 既存の産業の強みを残しながら組み替え、 新しい産業を創出するにはどうすればいいか? How might we create new industries while keeping advantages of existing industries?
  50. 50. デジタル工作機械を備えた市民工房は 新しいコミュニティをつくることを促進する A studio with digital fabrication tools will facilitate creating new communities
  51. 51. fabrication // 製造 fabulous // 素晴らしい fun // 楽しい foundation // 基礎・土台 failure // 失敗 future // 未来 federation // 連合 factory // 工場 facilitation // 促進 foolish // ばかげた fab // 誂える・拵える あつら こしら fusion // 融合
  52. 52. イノベーション 中小製造業(部品・素材) ソフトウェア企業 ハードウェア企業 メーカー 生活者 など 消費者ではなく「生活者」としての市民 デジタル工作機械 × デザイン思考 様々な文脈
  53. 53. http://f-labo.tumblr.com
  54. 54. http://f-labo.tumblr.com
  55. 55. http://f-labo.tumblr.com
  56. 56. デジタル工作機械を備えた市民工房 イノベーション工房で利用できる機材 3D切削加工機(ローランドD.G.:MDX-40A) レーザーカッター(トロテック:Speedy300) 3Dプリンター(3D Systems:Cube) ペーパーカッター(グラフテック:Craft ROBO)
  57. 57. http://f-labo.tumblr.com
  58. 58. http://f-labo.tumblr.com
  59. 59. http://f-labo.tumblr.com
  60. 60. tankaizu = illustrated parts breakdown budoukai = martial arts cup
  61. 61. http://f-labo.tumblr.com
  62. 62. 異なるスキルや背景を持つ人々と一緒につくることは 強力なネットワークをつくる Making things in a team of people with a variety of skills and backgrounds will create string networks
  63. 63. http://konashi.ux-xu.com/documents/
  64. 64. http://www.flickr.com/photos/opencu/sets/72157633896214841/
  65. 65. http://www.flickr.com/photos/opencu/sets/72157633896214841/
  66. 66. 今回のデザインチャレンジ(design challenge) スマホ・ガジェットで生活をユカイにするには どうすればいいか?
  67. 67. 電子回路筐体 スマートフォン アプリ ウェブ サービス konashi
  68. 68. 海内工業株式会社の湊研太郎さんによるレポート http://amauchi-industry.com/konashi-workshop/
  69. 69. ものをつくる=なぜ? なにを? どうやって? What? How?Why?Making Things ↑アイデアスケッチ ↑ハードウェアスケッチ つくりながら考え、考えながらつくり、 実際のフィールドでためす
  70. 70. 異なるスキルや背景を持つ人々と一緒につくる アイデアの構成要素 • どんなもの/サービスで(what) • だれが(who) • どんなところで(where) • なぜ(why) • どんなときに(when) • どのようにして使う/経験するか(how) • どんなメーカー/人々が関わって(who, why) • なにを組合せて(what) • どのようにしてつくり(how) • どのようにしていつ世の中に出すか(how, when, where)
  71. 71. メインストリームの製品 周辺的/周縁的な製品
  72. 72. おわりに Conclusions
  73. 73. おわりに 3Dプリンターをとりまく状況 • Rapid Prototyping(試作)からRapid Manufacturing(製造) へと移行しつつある • 多様性、複雑さ、柔軟性があたりまえになりつつある • 今までの常識が崩れた新しい世界を想像した上で、現在の自社の 強みを活かしつつ、新しい分野に取り組んで行くことが重要

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