Greening in the Red Zone GEA japanese translation

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  • 「植樹」とは、木を植えるとの意味である。
  • 災害や紛争を経験した社会生態系はさらなる変化に対して抵抗を示すこともあるため、緑化に限らず、たった 1 つの行動が大きな混乱をきたした生態系の再建を可能にという期待はできない。社会生態系の回復構造、特に好・悪循環やフィードバックのサイクルに関する概念( ギャロピン、 2002 、 パウエル、セルマン他、 2002 、 マシューズ、セルマン、 2006 、 セルマン、 2006 、 ティッドボール、クラズニー、 2011 )は、変化に対する障壁であると同時に変革を推し進める機会ともなり得る要素を見極める上で、非常に有用である。このようなサイクルを構成する要素は、それぞれが自立しながら互いに増幅し合うのが一般的で、こうした影響が負の方向に働くと悪循環、正の方向に働くと好循環と見なされる。
  • こうしたサイクルに陥ることは避けなければならない。
  • 社会生態系の回復力に関する用語のうち、好循環( ギャロピン、 2002 )とは、ある時点における、ある社会の中の 1 つの安定した状態を指す( ベイズナー、ハイドン他、 2003 を参照)。どの社会の中にも、安定した状態をもたらし得る要素は存在する。例えば、住民が緑地の建設や復興を進める努力が、自然と地域社会の共生や生態系の向上をもたらし、緑化活動のさらなる拡大の基礎をつくる、といった好循環が挙げられる( ティッドボール、クラズニー、 2008 、 ティッドボール、クラズニー、 2011 )。
  • 見方を変えれば、悪循環は、社会全体の中に置かれた洗面器の縁でボールが回り続けている状態として説明することもできる(安定社会における「ボールとカップ」理論の詳細については、 パウロウスキー、 2006 を参照)。政策立案者の目標は、このボールを好循環の洗面器へと移し変えることにある。ボールを別の洗面器へと移すには、洗面器の中の状況を変える、または社会の構成要素に変化を加えることで 2 つの洗面器を隔てる障壁を下げる、のうちいずれかの方法が必要となる(安定社会と洗面器の引力に関する詳細については、 シェファー、カーペンター他、 2001 、 ウォーカー、ホリング他、 2004 を参照)。この議論の中でまず注目すべきは、洗面器の中の状況を変えることである。これを実現する手段としては、例えば被災地における管理活動の規模を拡大することが挙げられる。 では、社会をどう変えれば、赤で示した悪循環と緑で示した好循環の間の障壁を下げることができるのだろうか。
  • 好循環と悪循環という 2 つの洗面器の間を分水嶺または分岐帯が隔てている様子を思い浮かべてほしい( シェファー、 2009 )。この場合、分水嶺の高さを下げれば、悪循環の洗面器から好循環の洗面器へとボールを容易に移せることが分かる。
  • 逆に、分水嶺を高くし、それによって緑化のもたらす好循環から、緑地の荒廃と犯罪から成る悪循環へとボールが移らないようにすることもできる。この比喩モデルにおいて分水嶺となり得るのは、法的障壁、否定的な世論、士気の低さ、乏しい資源を巡る競争、緑化活動を支える政策的枠組みの欠如などである。分水嶺の高さを変えるためには、政府や非政府組織の政策変更や、悪循環外からの資金・資源等の流入が必要となる。政府の政策変更や資金・資源等の流入は、当該状況における緑化活動に関して、その有用性を示す証拠が見つかるかどうかにかかってくる場合もある。
  • Greening in the Red Zone GEA japanese translation

    1. 1. GEA 国際会議 2011 復興を通じた持続可能な社会づくり~日本の再生を世界と共に~ 於東京
    2. 2. レッドゾーンとは 米国ニューヨーク州スカハリー郡のブロマンズ・ノーズから見たミドルバーグ・バレーの状況 (出典:『デイリー・ガゼット』 2011 年 8 月 29 日) <ul><li>「レッドゾーン」とは、ハリケーン・地震等の自然災害、テロ攻撃、および戦争の被災地のように、深刻もしくは危険な状況にあると見なされる、またはごく最近まで敵対的状態にあった、もしくはそうした状態に陥る恐れがあると見なされる場所または時間帯を指す。 </li></ul>
    3. 3. 緑化とは <ul><li>「緑化」とは 、 社会生態系を構成する生物要素の評価、育成、管理に向けた積極的かつ総合的な取り組みを指す。 </li></ul><ul><li>緑化はさまざまな単位で実施される。都市やその周辺に位置する市、街、町、行政単位以外の区域のみならず、戦争や災害の被災地も含まれる。 </li></ul><ul><li>緑化の対象となる場所も、小規模な森林、公立や私営の都市公園や庭園、都市の自然地域、街路、広場、植物園、墓地から、川の流域、森林全域、国立公園、国際公園といった大規模な場所まで多種多様である。 </li></ul><ul><li>緑化は人間・文明社会における自然への積極的な関与を伴う( ティッドボール、クラズニー、 2007 )。このため、「自然との触れ合い」といった概念とは区別される( ウーリッヒ、 1993 )。後者は自然の中でまたは自然を眺めながら過ごすことであり、必ずしも積極的な自然の管理を意味するものではない。 </li></ul>
    4. 4. なぜ緑化に取り組むべきなのか <ul><li>豊かさ </li></ul><ul><li>防災 </li></ul><ul><li>「場所の感覚」の回復と復元 </li></ul><ul><li>社会的癒し </li></ul><ul><li>環境の持続可能性 </li></ul><ul><li>古来からの自然に対する感謝の気持ち </li></ul>緑化には、災害や紛争からの復興を助長・促進する効果がある。地域社会の住民が積極的に緑化に取り組むことにより、住民自身や当該地域社会のみならず、地球環境にも大きな利益をもたらすためである。
    5. 5. 緑化の作用 5. 社会資本 3. 自然資本 4. 生態系サービス 2. 個人・家族の 幸福 1. 緑化活動の立ち上げ 好循環 緑のボックスは、安定社会の中で、各サイクルの引力によって安定状態が変わる様子を示す。 正のフィードバック効果により、好循環を繰り返しながらサイクルを拡大
    6. 6. 悪循環 1. レッドゾーン内の地域社会 5. 社会資本の枯渇 3. 自然資本の枯渇 4. 生態系サービスの喪失 2. 暴動、略奪行為等による個人・家族の幸福の破壊 負のフィードバック効果により、悪循環を繰り返しながらサイクルを拡大 赤のボックスは、安定社会の中で、各サイクルの引力によって安定状態が変わる様子を示す。
    7. 7. 望ましい展開 好循環 避けるべき展開 悪循環 出典: B ・ H ・ウォーカー、 D ・サルト『回復力の考察:変わりゆく世界における生態系と人類の維持』( Resilience Thinking: Sustaining Ecosystems and People in a Changing World )、アイランドプレス、米国ワシントン D.C. 、 2006 年、 53—55 頁、および http://www.resalliance.org/index.php/key_concepts   
    8. 8. 出典: B ・ H ・ウォーカー、 D ・サルト『回復力の考察:変わりゆく世界における生態系と人類の維持』アイランドプレス、米国ワシントン D.C. 、 2006 年、 53—55 頁、および http://www.resalliance.org/index.php/key_concepts 好循環 悪循環 分岐帯 (分水嶺)
    9. 9. 緑化は分水嶺を低下させることで、ボールを赤で示した悪循環から望ましい好循環へと移す手助けができるか
    10. 10. 緑化は分水嶺をより高くすることで、ボールが赤で示した悪循環へと移ってしまうことを防げるか
    11. 11. レッドゾーン内の緑化事例 <ul><li>当研究所が分析した事例は以下の通り。 </li></ul><ul><li>南アフリカ、ヨハネスブルク(アパルトヘイト後) </li></ul><ul><li>アフガニスタン(現在の戦闘中) </li></ul><ul><li>韓国(台風後) </li></ul><ul><li>米国サウスカロライナ州チャールストン(ハリケーン後) </li></ul><ul><li>米国ルイジアナ州ニューオーリンズ(ハリケーン後) </li></ul><ul><li>ボスニア・ヘルツェゴビナ、サラエボ </li></ul><ul><li>米国ニューヨーク市(同時多発テロ事件後) </li></ul><ul><li>グアテマラ </li></ul><ul><li>キプロス </li></ul><ul><li>ドイツ、ベルリン </li></ul><ul><li>東京および広島(第二次世界大戦後) </li></ul>上記をはじめとする事例は、著者他が編集し スプリンガー社から出版される 近刊 にて紹介予定。
    12. 12. 緑化活動の立ち上げ手順 <ul><li>人類が自然との間で育んできた関係の重要性を想起する </li></ul><ul><li>誰もが自らの住居、街、国の復興の一翼を担いたいと願っていることを認識する </li></ul><ul><li>人類が自然との間で育んできた関係は、復興・再建にも重要な意味を持つことを確信する </li></ul><ul><li>すでにレッドゾーン内の緑化活動から恩恵を受けている地域社会と連絡を取り、その経験から学ぶ </li></ul><ul><li>地域社会のうち、自然再建が復興活動の一環を成す部分に投資する </li></ul><ul><li>緑化活動の内容を記録し、その努力をたたえる </li></ul><ul><li>意見・評価を生かし、好循環を広げていく </li></ul>
    13. 13. 注意すべき点 <ul><li>規模について </li></ul><ul><ul><li>災害後の限られた場所における緑化であっても、それが複数の地域社会で繰り返されれば、地方のみならず国レベルの回復力に効果を及ぼす可能性もある。 </li></ul></ul><ul><ul><li>緑化は、被災後ほぼすぐに立ち上げられる活動の 1 つとなることもある。 </li></ul></ul><ul><ul><li>緑化活動は、被災インフラ復旧等の復興プロセスの基礎となる場合や、こうしたプロセスを進めやすくする効果をもたらす場合もある。 </li></ul></ul><ul><ul><li>緑化がもたらす変化は社会全体に照らして見れば緩やかなものであっても、このような区別はそれほど明確にはならない。規模とスピードについて言えば、緑化には個人にも地域社会にも国にも同時に効果をもたらし得るというまれな性質がある。すなわち、個人や地域社会に対しては短期間のうちに癒しの効果をもたらし、より時間はかかるが、将来の災害に備えた回復力強化の基礎を築く効果もある。 </li></ul></ul><ul><li>緑化は最終的な解決策ではなく、全体の一部を成すにすぎない。 </li></ul>
    14. 14. 最後に <ul><li>日本の皆さんが今後復興・再建を進め、地域に適した「レッドゾーン内の緑化」手法を確立していく中で、コーネル大学市民生態学研究所( Civic Ecology Lab )が皆さんや世界に広がるパートナーの方々のお役に立てる機会があれば、ぜひお知らせください。 </li></ul><ul><li>ご清聴ありがとうございました。 </li></ul><ul><li>「植樹とは希望の種を植えることである」 </li></ul><ul><li>ルーシー・ラーコム </li></ul>

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