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レジリエンス・コーチング

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個人と組織のレジリエンスを高めるためのワークを中心とした研修資料(3-6時間研修)

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レジリエンス・コーチング

  1. 1. レジリエンス・コーチング2014 個人と組織の逆境を乗り越えるために 東北大学大学院医学系研究科 コーチング・サイコロジー・ラボ 木内敬太 2014年5月30日
  2. 2. 事前準備 1. 白い紙を三つ折りにしてネームプレー トを作ってください 2. 資料の最後にある「二次元レジリエン ス尺度(ワークショップ前)」に回答 してください 2
  3. 3. 内容 1. 自己紹介 2. レジリエンスとは?(準備運動) 3. ワーク:個人のレジリエンス 4. ワーク:組織のレジリエンス 5. レジリエンス研究の最新動向 3
  4. 4. 自己紹介 千葉県出身1984年生まれおうし座 専門技法:認知行動療法(REBT)、ブリーフセラピー (解決志向アプローチ) 2008年文教大学人間科学部臨床心理学科卒業 -順天堂大学付属病院リワーク・プログラム 2010年文教大学大学院臨床心理学専攻修了 -臨床心理士取得 -中学校(支援員)、精神科クリニック、 -不登校・引きこもりのための塾 2011年東北大学大学院博士課程入学 -仙台市スクールカウンセラー 4 2013年シドニー大学留学
  5. 5. アイスブレイキング 1. 2人組で互いに自己紹介  お名前、お仕事など 2. お互いに次の質問をし合ってください 『この研修が終わった後に、どんな風になって いたら、「今日はわざわざ来てよかったな」 と思えそうですか?』 3. 利き手も練習です  笑顔あふれる、自然で楽しい会話  あいづち、リアクションは適度に大きく  質問し、関心を示し、話を膨らませてください 5
  6. 6. 2.レジリエンスとは? 粘り強さ跳ね返す力心の強さ 回復力 家族の支え 6
  7. 7. 2.レジリエンスとは? 弾力 心の強さ 粘り強さ跳ね返す力 前向き ポジティブ 転んでも ただでは起きない 打たれ強さ回復力 助け合い サポート 家族の支え ワーク・ライフ バランス 問題解決 援助希求 適応力 対応力 好奇心 社交性 希望 楽観性 自己効力感 自信 諦めない 我慢強さ 柔軟性 へこたれない 7
  8. 8. エクササイズ:私のレジリエンス 1. これまでの人生で困難や逆境を乗り越えた経験 を思い出してください。あなたのどんなレジリ エンスがその時役に立ちましたか? 2. あなたは今、この研修に参加することが出来て います。それは素晴らしいことです。この研修 に参加するために、あなたのどんなレジリエン スが役に立っていますか? 3. あなたが「逆境に強い」、「変化にうまく対応 する」と思う人を想像してください。その人は どんなレジリエンスを持っていますか? 8
  9. 9. テキストの紹介 $46.33 Anton Stellamans Liselotte Baeijaert -ベルギーのコーチ -解決志向アプローチ 9
  10. 10. 3.ワーク:個人のレジリエンス ① 受容/受け止めること ② 起こったことに意味を与える ③ うまくいっていることに感謝する ④ はじめの一歩を踏み出す 10
  11. 11. 受容/受け止めること  レジリエンスとは単に「ポジティブに考えようと すること」ではありません。  嫌な出来事が起こったときはそれを事実として受 け止め、パニックにならないことから始まります。  良い出来事についても、それに対して反射的に有 頂天になるのではなく、喜んでいる自分に対して 自覚的になるようにします。同時に、レジリエン トな人は、良いことばかりが起きるわけではない という現実も受け入れています。 11
  12. 12. ワーク:受容/受け止めること 1. 静かに楽な姿勢で座ってください。目を閉じた方がやり易 いかもしれません。一度大きく息を吸って、深く息を吐き ます。リラックスしている感じを味わってください。頭に 浮かんでくる考えがあれば、それから距離をとります。 「あぁ、自分はこんなこと考えているんだなぁ」と、ただ それを感じて、静かに呼吸に注意を戻します。 2. あなたの普段の生活で起こっていることを、ふかんして眺 めてみましょう。上空を飛びながら、今その場に座ってい る自分の姿を見るようなイメージに近いかもしれません。 遠くから普段あなたが抱えている問題を振り返ってみてく ださい。ふかんして、考えや気分も感じないような遠くか ら、現状を眺めます。状況は思ったほど悪くはないという 気がしてきませんか?さて、実際に起こっていることは何 でしょうか。あなたが感じていたことはどの程度、実際に 起こっていたことを反映していましたか? 12
  13. 13. 起こったことに意味を与える  思考は感情や行動に影響を与えます。レモンをかじる ところを想像してみてください。顔が縮まるだけでな く、唾液まで出てきます。  ストレスフルなことについて考えたり、話したりする だけで、それに対する身体的、心理的反応が生じます。 将来についてポジティブに考えようとする人は、楽観 的になり、活力がわき、成功する可能性が高まります。  レジリエンスな人はただ成功や幸運を祈っているだけ ではなく、より良い未来をイメージし、その方向に向 かって行動します。それは同時に、今置かれている状 況を建設的に捉え直し、良い方法で乗り切ることにつ ながります。 13
  14. 14. ワーク:起こったことに意味を与える 1. 奇跡が起こって、あなたがとてもレジリエントな人 間になったことを想像してください。あなたは困難 にとても粘り強く、柔軟に、ユーモラスに対処して います。 2. あなたは今と違ってどんなことをしていますか? 3. あなたが実際に抱えている問題に対して、どのよう に反応しているでしょうか? 4. 家族、友人、同僚、上司、部下など周りの人は、あ なたのどんなところから、その奇跡が起こったこと に気づくでしょうか。 5. この奇跡が起こることで、あなたにどんな良いこと がありますか? 14
  15. 15. ワーク:起こったことに意味を与える 6. 奇跡の状態の中で、今でも「たまには」、「ほんの 少しは」起こっていることは何ですか? 7. それが起こるためには、あなたのどんなレジリエン スが役に立っているのでしょうか? 8. 奇跡的にレジリエントな自分に近づくために、まず できることは何でしょうか。ほんの1ミリだけ近づ くために、何ができますか? 15
  16. 16. うまくいっていることに感謝する  飛行機に乗ると、緊急事態の対応についてアナウンス されると思います。酸素マスクは、子どもではなく、 まず自分につけます。自分自身を大切にできている時 しか、他の人のことを大切にはできないのです。  レジリエントな人はこれができます。自分がうまくや れていることを認め、自分の長所に感謝します。  全ての人間はユニークな存在です。あなたと全く同じ 人間は、誰一人として存在しません。この奇跡に気づ くことが、自分を愛し、受け入れるための第一歩です。 16
  17. 17. ワーク:うまくいっていることに感謝する 1. 「価値観のリスト*」を使って、自分の才能を見つける 2. 他の人と共有する ① これらの才能はどのように仕事で役立っているか。 ② どうしたらもっと自分の才能を役立てることができそう か。いつ、どこで、何が出来そうか。 ③ ②を実行したとしたら、自分、同僚、上司、部下、家族 …に対してどんな良いことがありそうか。 3. このワークに関する写真や絵を、自分の才能のリマイ ンダーとして保管する 4. 自分の成功や達成についての日記をつける * harai.main.jp/koudou/refer3/value_card_sort_japanese2.pdf からダウンロード できます。 17
  18. 18. はじめの一歩を踏み出す  大きな変化を引き起こすためには、何かすごいことをやら なければならないというわけではありません。変化の真っ ただ中にいるときには、あなたはすでに大きな仕事を成し 遂げているのです。「千里の道も一歩から」という道教の ことわざを思い出してみましょう。  行き詰り、混乱して、落ち込んでしまったときは、何かし てみましょう。ただ何かしてみるだけでいいんです。行動 を起こすことは、否定的なムードの呪縛から逃れるために はとても有効です。同僚への連絡をメールではなく口頭で してみる。コーヒーや水を飲む。外に出てみる。軽くスト レッチをする。簡単な日常業務をこなす。机を掃除する…  自分がコントロールできない何かに直面したときの建設的 な行動とは、自分がコントロールできることに集中するこ とです。 18
  19. 19. ワーク:はじめの一歩を踏み出す 1. 「To Do」リストではなく「I’ve Done」 リストを作る。 ヒント  自分のリストを受け入れましょう。あなたに は、あなたにできることしかできません。現 時点で、できている部分に目を向けましょう。 まだできていないところではありません。時 間と忍耐のいる課題もあることを受け入れま しょう。  自分にできることをしましょう。あれもこれ もと手を出しているうちに、重要な課題を先 延ばしにしてしまうことがあります。何もし ないのではなく、「始めること」を完了しま しょう。19
  20. 20. ワーク:はじめの一歩を踏み出す 2. 時間の無駄に気づく  時間の無駄に気づくための時間をとりましょう。 まずは、どれだけの時間を無駄にしているか記録 をとります。人は誰でも、ネットやテレビに夢中 になって、時間がたつのを忘れてしまうことがあ ります。  時間を無駄にしてしまう所にポストイットを貼り ましょう。いつでもそれを発見したら、より有用 な、価値のあるもののために時間を使うように、 自分をコントロールしましょう。 20
  21. 21. 4.ワーク:組織のレジリエンス ① ただ居るのではなく、十分につ ながること ② 解決志向の話し合い ③ 自分と他者に感謝する ④ 小さな一歩を踏み出す 21
  22. 22. ただ居るのではなく、十分につながること  十分につながっているということは、各自が自分の価 値判断を脇に置き、他の人が正直に思ったことや感じ たことを表現できるように配慮することです。そのた めには、他者の話で、特に自分には合わない話に対し てオープンになり、興味を示す必要があります。  このつながりが、新しい解決策を協同で考える場面の レジリエンスの要です。  つながるということには、言語的な側面もあれば、非 言語的な側面もあります。単に情報のやり取りがある ということではありません。メールなどの通信機器は 発達しましたが、皆さんと同僚や上司、家族とのつな がりはどうでしょうか?他者と本当につながるために は、誠実な対話、心のこもった対話が不可欠です。22
  23. 23. ワーク:ただ居るのではなく、十分につながること 1. 自分のことについてチームのメンバーに知って もらうために、仕事に関する好みのリストを作 りましょう。  あなたはどんな風に働きたいですか?  良い仕事の条件は何でしょうか?  時間に柔軟OR 時間に厳しい  完璧主義OR 必要十分  個人作業OR グループ作業  全体を見るOR 細部にこだわる  良い関係が大事OR 結果が大事  課題に期限を設けるOR 自分のペースでこ 23 なす
  24. 24. ワーク:ただ居るのではなく、十分につながること 2. 共有  働き方の好みを順番に共有していきます  他の人は、共感を伝えます  互いに興味、関心を持って質問します  「どちらが正しいか」を決める会ではあ りません。誰もが、必要なときはどちら にでも対応できるし、そうしようと努力 しています。 24
  25. 25. 解決志向の話し合い  問題スパイラル 不当な扱いを受けたと感じたとき、私たちは相手の嫌な面に目を 向け、その人がその行動をとった理由についてつじつまを合わせよ うとします。その人を非難し、自分を正当化するのです。すると、 関係は崩壊し、下落のスパイラルに向かいます。 永沢さんは藤木さんに上司である桜さんの不満を言います。永沢さ んは桜さんの無理強に疲れ果てています。藤木さんが「どーした の?」と聞くと、いつも同じような愚痴が繰り返されます。桜さん が永沢さんの成果を批判した時は、永沢さんはそれは不当だと藤木 さんに言いました。藤木さんは永沢さんに加担し、桜さんの嫌いな ところを挙げます。互いに共感し合い、桜さんは男と働きたくない んじゃないかと疑い始めます。おそらく彼女はプレッシャーに耐え られないんだ。彼女はこの仕事向いていないんだ… ガス抜きは一瞬永沢を解放しますが、長くは続きません。ただ永 沢の桜さんに対するネガティブな見方が藤木さんに承認されるだけ です。藤木さんは永沢さんの影響で、徐々に桜さんの行動にいら だっていきます。 25
  26. 26. ワーク:解決志向の話し合い 1. 共通のグループ目標を決めます 2. 以下のことについてグループで意見を出し合いま す  昨年行ったことで、最も良かったことは?  他には?…リストを作る  どうしてそれらのことはうまくいったのか?  私たちの強みは何か?  昨年乗り越えることが出来た困難や問題は?  どうやって私たちはそれをやってのけたのか?  昨年各自がベストを尽くすために役に立ったことは何 か?  各自が特に他のメンバーに感謝していること  他のメンバーはどのようにあなたを助け、鼓舞したか 26
  27. 27. ワーク:解決志向の話し合い 3. 一旦これまでのところをシェア 4. 新しいグループで再開します ① 次の質問に答えます: 「来年私たちが今日と同じように、この場所で集まって いるところを想像してください。私たちはどんなことが 起こったと言っているでしょうか。どんなことにワクワ クしているでしょうか。」 ② 具体的なビジョンを作成しましょう ※チームでの結果と、チームで何ができるかに焦点を当て てください。 5. ビジョンを共有し、目標の分類と具体化を行いま す 27
  28. 28. 自分と他者に感謝する  人間はとても素晴らしい種族です。私たちは常に変化 しています。継続的な学習と多様な経験が、私たちが 誰であり、どんな行動をするかを決定します。  この「レジリエンス準備性」を強めるためには、学習 を刺激するしかありません。一つ確かなことは、「草 花は引っ張っても育たない」ということです。適切な 管理、調度良い水、良い光、適度な肥糧、そして、かな りの忍耐強によってのみ、草花を健やかに育てることが 出来ます。  学習は社会的な現象です。私たちが何になるか、どう 成長するかは、周りの人の影響を強く受けます。他者 の素晴らしさを心から信じ、自分の思いや感謝を伝え ることは、ほめ言葉となり、その人の自信を強めます。 そしてそれは、その人をより高みへと導き、その人が 28ベストを尽くすための励みになるのです。
  29. 29. ワーク:自分と他者に感謝する  ポジティブ・ゴシップ ① 特定のメンバーの良い部分について、順番に話し合います。 ② 話し合われている当人は、テーブルに背中を向けて、話をき かないようにしてください。 ③ 他のメンバーはその人の良いところについて意見を出し合い ます。その人の何に感謝していますか?その方の強みは何で しょうか。その人はどのようにチームに貢献していますか?  ヒント  チームメンバーの弱みではなく、強みに焦点を当てましょう  その人のことについて、そして、その人と自分との関係につ いても話しましょう。  もしあなたが同じようなことをしたとしたら、それがどんな にいい影響をチームに与えるかにも気づけるでしょうか 29
  30. 30. 小さな一歩を踏み出す  レジリエントなチームは小さな一歩に集中します。そ して、すべての小さな一歩には大きな意味があること を理解しています。この小さな一歩の哲学は、チーム に希望を生み出すものです。一方、壮大で広域に渡る プロジェクトは、目標が遠すぎたり、当初の計画を脅 かす予測できない要因が多すぎたりするために、チー ムから自信と希望を奪ってしまうことがあります。変 化は常に起きているのだから、最も良い方法は、方向 を明確にして、小さなステップで前に進んでいくこと です。  一歩前に進んだら、次に進む前に、自分たちの行動の 影響と結果を振り返る時間をとります。  一度動き始めたら、スピードに乗って、安定した進歩 を続けることが出来ます。 30
  31. 31. ワーク:小さな一歩を踏み出す  建設的に批判する:3人組(主張者、反論者、観察者)でロー ルプレイを行い、反対意見の相手に対して自分の意見を述べ る練習をします ① はじめ:直ぐに否定的なフィードバックを提示してはいけない。まずは重要 なことについて話し合いたいということを伝える。時間を作ってくれること に対して感謝を示す。 ② 観察と理解:必要なら、問題についての説明から始める。原因を探ろうとす るのではなく、相手の意見に対する敬意と理解を示す。 ③ 要望:その人にどうして欲しいのか伝える。あなたが見たい具体的な行動を 伝える。どうして欲しくないかを伝えるのではない。それは、買い物をお願 いするときに、買って来て欲しくない物のリストを渡すようなものだ。 ④ メリット:新しい提案があなた、チーム、顧客にとってどんなメリットがあ るか話し合う。相手に質問をするといい。 ⑤ 次のステップ:この要望をかなえるために何が役に立つかについて話し合う。 以前うまくいったことを考慮する。 ⑥ 合意:この改善に向けて、第一歩をどう踏み出すかについての合意で締めく くる。うまくいくだろうという自信と、いつでも手助けするという意向を伝 31 える。
  32. 32. 5.レジリエンス研究の最新動向  レジリエンス研究の歴史  レジリエンス測定尺度の比較  レジリエンスとコーチング 32
  33. 33. レジリエンス研究の歴史 1. レジリエンス(Werner, 1993)  1955年ハワイ、カウアイ島  困難な状況で育った子どもの3分の1は健康に 2. 精神疾患の予防因子  ハーディネス(Kobasa, 1979):制御、関与、認識  Rutter(1985):目標、行動、自信、適応力、問題解決 3. エゴ・レジリエンシー(Block and Kremen, 1996)  S.フロイトの理論(イド、自我(エゴ)、超自我)  適応、生存、自己コントロール  「私は友人に寛大だ」、「不意を突かれたとき、直ぐに 立ち直る」、「私は新奇で特殊な状況を楽しむ」… 33
  34. 34. レジリエンスの測定尺度の比較 (Windle et al., 2011) 1. The Resilience Scale for Adults / 成人用レジリエンス尺度(Friborg et al., 2003) 2. The Connor-Davidson Resilience Scale / コーナー・ダビッドソン・レジリエンス尺度 (Connor et al., 2003) 3. The Brief Resilience Scale / 簡易レジリエンス尺 度(Smith et al., 2008) 34
  35. 35. 成人用レジリエンス尺度(RSA) (Friborg et al., 2003) 1. Werner (1993)、Rutter (1985)の影響 2. 性格特性、家族との関係、外的サポート 3. 構成要素(37項目) ① 肯定的な自己/将来への認識 ② 社交的スキル ③ 家族との調和 ④ 社会的資源 ⑤ 生活管理スキル 35
  36. 36. コーナー・ダビッドソン レジリエンス尺度(CD-RISC) (Connor and Davidson, 2003; Campbell-Sills and Stein, 2007) 1. ハーディネス(Kobasa, 1979)、Rutter (1985)、辛抱強さ/耐性(Lyons, 1991)、 アーネスト・シャクルトンの信仰と楽観性 (Teorey, 2004) 2. 構成要素(25項目版)※10項目版も有り ① ハーディネス ② 社会的サポート/目的意識 ③ 信仰 36 ④ 辛抱強さ
  37. 37. 簡易レジリエンス尺度(BRS) (Smith et al., 2008) 1. レジリエンスの動的側面(スキル)に注目 2. 肯定的・否定的感情との関連  CD-RISC、エゴ・レジリエンシー尺度↔肯定的感情 の増加  BRS↔否定的感情の低下 3. 6項目: 「私は苦難から素早く立ち直る方だ」、「私はストレスフルな出来事を 乗り越えるのに苦労する方だ」※、「ストレスフルな出来事から立ち直 るのに長くはかからない」、「何か良くないことが起こった時に立ち直 るのは難しい」※、「困難な出来事に難なく対処する方だ」、「人生に おいて「遅れ」を取り戻すのに時間がかかる方だ」※ ※は反転項目 37
  38. 38. 日本語のレジリエンス尺度 1. 精神的回復力尺度(小塩ら, 2002)  Rutter(1985)やその他の研究の影響  新奇性追求、感情調節、肯定的未来志向 2. I am/have/can/will 尺度(森ら, 2002)  State-Trait resilience scale (Hiew et al., 2000)  自己認識、社会的資源、問題解決、将来認識 3. レジリエンスの4側面尺度(井隼・中村, 2008)  資源(内的/外的)×認知/活用 38
  39. 39. 日本語のレジリエンス尺度(つづき) 4. 二次元レジリエンス要因尺度(平野, 2010)  社交的スキル、能力/自信、自己統制、挑戦、自己効 力感/忍耐力、肯定的な未来志向、その他  質的(性格):楽観性、統制力、社交性、行動力  獲得的(スキル):問題解決志向、自己理解、他者 心理の理解 5. 日本語版エゴ・レジリエンシー尺度(畑・小野 寺, 2013) 6. ハーディネス尺度  制御、関与、挑戦 39
  40. 40. レジリエンスとコーチング 1. 産業領域におけるレジリエンスの定義 2. 関連性研究 3. 介入研究 40
  41. 41. 産業領域におけるレジリエンスの定義 1. 働く人のレジリエンス  看護師(Jackson et al, 2007):良好な人間関係、 ポジティビティ、ライフ・ワークバランス、リフレ クティブ(内省的)  教員(Beltman et al, 2011):利他心、自己効力感、 サポート(管理者、同僚、市民)  ハーバード・ビジネス・レビュー(Coutu, 2002):「困難な現実を受け止める」、「苦境に意 味を見出す」、「今あるものを活用して即興する」  職場レジリエンス尺度(Winwood et al, 2013) ①本音で生きる、②天職に気づく、③認識を日々確認す る、④ストレスに対処する、⑤共同的に関わる、⑥健康 を維持する、⑦ネットワークを作る 41
  42. 42. 産業領域におけるレジリエンスの定義 (つづき) 2. 組織のレジリエンス(Breda, 2011) ① サポーティブ・ネットワーク ② 協同的問題解決 ③ 建設的な現状認識(対処可能、理解可能、有意義)の 共有 ④ ワーク・ライフ・バランスへの理解 • 企業規模の縮小 • 市場の変化 • 自然災害な ど ストレス要因 脆弱性 • 外的要因 • 内的要因 • 被雇用者要因 • サポート • 協同 • 現状認識 • ワーク・ライフ・ バランス レジリエンス 結果 • トリプル・ボト ム・ライン(利益、 環境的持続可能性、 社会的役割) • 幸福感 42
  43. 43. 関連性研究 1. ハーディなリーダーが組織のモラルと統制を高める (Bartone, 2006):1995年アメリカ陸軍の事例 2. 教員と職員の違い(Pretsch, et al 2012)  レジリエンス(The resilience scale: 自信、受容、ポ ジティビティ)は教員の健康感と関連  仕事満足、身体疾患、疲労は神経症傾向(心配性、緊 張しがち、ふさぎ込む、落ち込む)と関連 3. エゴ・レジリエンシーと成果は関連しない (Youssef and Luthans, 2007)  成果(主観、客観):希望、年齢、経験、楽観性  仕事満足:年齢、希望、楽観性、エゴ・レジリエン シー  ワーク・ハピネス:楽観性、エゴ・レジリエンシー、 希望43
  44. 44. 介入研究 1. 認知行動・解決志向コーチング (Grant et al, 2010) 2. 成人のレジリエンス促進プログラム(PAR: Promoting Adult Resilience) (Millear et al, 2008) 3. 青年の物質関連障害予防プログラム (Bennett et al, 2010) 4. 簡易的コーチング・プログラム (Sherlock-Storey et al, 2013) 5. 理性感情行動療法(REBT: Rational Emotive Behavior Therapy)(Dryden, 2007) 44
  45. 45. 認知行動・解決志向コーチング 1. 研究方法  対象:高校生、管理職、教員、コーチ  プログラム ─ 個人:4セッション(各90分)+半日研修、10セッション (各90分) ─ グループ:1日研修+1時間×9回 2. 結果  ハーディネス、希望、目標達成、洞察(気づき)の向上  抑うつ、ストレスの低下 3. デザイン  統制群なし:2つ(Grant, 2008; Grant, 2013)  無作為化比較試験(RCT: Randomized Controlled Trial):3つ(Green et al, 2007; Grant et al, 2009; Grant et al, 2010) 45
  46. 46. 認知行動・解決志向コーチングとは (Grant and Greene, 2001; Grant, 2003) 1. 背景理論  認知行動療法(ベックら, 2007)  短期解決志向療法(オハンロン, 2006)  自己調整学習(Zimmerman, 1989) 2. コーチングの手順 ① 望ましい結果の同定 ② 具体的な目標の描写 ③ 動機づけ(強み、自己効力感) ④ 資源の同定とアクションプランの作成 ⑤ 進捗をモニターし評価する (洞察=気づき、自己理解) ⑥ 評価に基づくプランの修正 目標設定 アクションプラン の作成 実行 モニター (内省力) うまくいっている→続ける うまくいっていない→変える 評価 (洞察に関連) 成功 図自己調整サイクル(Grant, 2003より作成) 46
  47. 47. 成人のレジリエンス促進プログラム (PAR) 1. 方法  対象者:政府機関職員、人事部の社員  統制群なし(Liossis et al, 2009)、不等価統制群 (Millear et al, 2008)  背景理論 ① 認知行動療法(Clarke et al, 1995) ② 対人関係療法(Mufson et al, 1993)  プログラム(7週間-11週間、1時間、グループ) ①強みとレジリエンス、②冷静、穏やか、③自己陳述、 ④問題解決(ワーク・ライフ・バランス)、⑤対立の 対処と予防、⑥まとめ 2. 結果  対処効力感、ワーク・ライフ・バランスの向上  ストレス、抑うつの低下 47
  48. 48. 青年の物質関連障害予防プログラム (Bennett et al, 2010) 1. 方法  対象:レストランで働く若年労働者  統制群なし  プログラム(2時間×3日) ①将来について、②レジリエンスと5C(センタリング、 コミュニティ、思いやり、自信、関与)、③コミュニ ケーション、④助け合い  レストランゲーム:レジリエンスへの旅(Bennett and Aden, 2011) 2. 結果  物質関連障害のリスクへの理解  援助希求意識  レジリエンス(自作尺度) 48
  49. 49. 簡易的コーチング・プログラム (Sherlock-Storey et al, 2013) 1. 方法  対象:中間管理職  統制群なし  背景理論 ─ マイクロ・インターベンション(Luthans et al, 2006) ─ レジリエンス介入ガイドライン(CIPD, 2011)  プログラム ─ 半構造化面接(90分×3回) ─ ①レジリエンスの説明、レジリエンス関連目標の設定、②進捗 状況の確認、③将来への目標設定 2. 結果  ポジティブ資源尺度(Positive Capital Questionnaire; Luthans et al, 2007):希望、楽観性、レジリエンス 49 の向上
  50. 50. 理性感情行動療法(REBT) 1. REBTとレジリエンス(Dryden, 2007)  ABCモデル:状況+信念→結果(感情、行動、症状)  認知、感情、行動、イメージの各技法  レジリエンス ─ 非レジリエンス:耐えられない、最悪だ、ダメ人間だ ─ 見せかけのレジリエンス:自己受容ができていない ─ 理想主義のレジリエンス:耐えられる、最悪じゃない、ダメ じゃない ─ 現実主義のレジリエンス:レジリエントになれないこともある 2. レジリエンス強化イメージ技法(Resilience Enhancing Imagery)(Palmer, 2013) 3. アメリカ陸軍の事例(戦士のレジリエンスと繁栄 /Warrior Resilience and Thriving)(Jarrett, 2013) 50
  51. 51. まとめ 1. レジリエンスとは「逆境、辛さ、困難、変化を乗り 越えるために役立つ性格特性、スキル、関係性」 2. レジリエンスを高めるワーク  ゴールドスタンダードは無い。  工夫して開発し、評価すること 3. 研究の動向  個人のレジリエンス:測定尺度が出来つつある  組織のレジリエンス:研究が始まったばかり  パフォーマンス等の変数との関連は、レジリエンスの 側面、職業により異なる可能性  ゴールドスタンダードな介入方法は確立されていない 51

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