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円筒型サンプラーの高さと飽和透水係数の関係について

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第45回 土壌物理学会シンポジウム(2003年)

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円筒型サンプラーの高さと飽和透水係数の関係について

  1. 1. 1 円筒型サンプラーの高さと 飽和透水係数の関係について 関勝寿・宮崎毅・井本博美・溝口勝 東京大学大学院農学生命科学研究科 第45回 土壌物理学会シンポジウム 2003年
  2. 2. 2 要旨 飽和透水係数の値が、サンプラーの大きさによってど のように変化するのかを調べた。立川ローム層から、直 径0.05m、高さ0.05〜0.2mの円筒サンプラーで複数の試料 を採取したところ、試料長が長いほど飽和透水係数が小 さくなる結果が得られた。透水係数に3オーダーの差が 生じたため、一般になされているマクロポアの連続性と いった説明だけでは十分に説明できなかった。乾燥密度 も、透水係数の低下を説明するほどの増加は測定されな かった。そこで、試料採取時にサンプラー内部の土とサ ンプラー内壁との間にかかる摩擦抵抗が起因して、乾燥 密度および透水係数に鉛直分布が生じるという定性的な モデルを提案した。
  3. 3. 3 目的 • 飽和透水係数のサンプル長依存性を調 べる。 既往の研究 Anderson and Bouma (1973) が、直径0.075m, 高さ 0.05,, 0.075, 0.10, 0.17 m の円筒サンプラーにて飽和透水係数を測定したところ、サン プル長が長いほど透水係数が低下することを示した。その後、サン プル長依存性について様々な研究が行なわれるが、Gimenez (1999) は、既往の研究をまとめた上で、飽和透水係数が対数正規分布にな ることと、マクロポアの連続性が切断されることの影響からモデル をたてて説明した。
  4. 4. 4 方法 • 千葉県八千代市の宅地開発地にて、地 表面からの深さ1.5mの立川ローム層か ら、大きさの異なるサンプラーで試料 を不撹乱採取した。 • 採取した試料の飽和透水係数と乾燥密 度を測定した。
  5. 5. 5 土壌断面 客土層 砂利層 0 0.2 0.95 黒ボク 遷移層 立川ローム 1.2 1.35 測定深さ 1.5 m 宮崎ら (2002) と同じサイト
  6. 6. 6 土壌物理性プロフィール 硬度 三相分布 飽和透水係数 立川ローム層の固相率は20%程度 高さ 0.05 m のサンプラーで測定 した飽和透水係数の値よりも、 ゲルフによる現場測定の方が小 さい。
  7. 7. 7 長いサンプラーによる採取 • 飽和透水係数測定のために、直径0.05m、高さ0.05, 0.075, 0.1, 0.15, 0.2m の円筒型サンプラーにて不撹乱採取した。 特に、長いサン プラーを押し込 むときには大き な力を要した。 サンプラー上端がまわりの土 と同じ高さになるまで押し込 んだ。土が圧縮されて、試料 の高さがサンプラーの高さよ りも低くなったものもある。
  8. 8. 8 飽和透水係数の試料長による変化 透水係数が 2オーダーも 低下した。 横軸の試料長は、サンプル時に試料が圧縮して短くなったものを測定した
  9. 9. 9 乾燥密度の試料長による変化 試料長による明確な 乾燥密度の低下は見 られなかった。 試料長が短くなっているのに乾 燥密度がそれほど増加していな い原因についての発表者の考察 については、発表者をつかまえ て聞いて下さい。 本筋からそれますが…
  10. 10. 10 飽和透水係数低下の要因 1. サンプル時に試料が圧縮されて、乾燥密度が増加し たため 2. 飽和透水係数が対数正規分布になることの影響 3. マクロポアの連続性による影響 いずれも、2オーダーもの変化を説明するには不十分 なぜか?1については、乾燥密度の増加 が見られなかった。2、3は、せいぜい 2〜3倍の変化を説明するのが限界。 それでは、どのような説明が可能か?
  11. 11. 11 定性的なモデル • 試料採取時に、乾燥密度の鉛直 分布が生じた。すなわち、上部 の乾燥密度が大きくなった。 • その理由は、サンプラー内部の 土と内壁との間にかかる摩擦抵 抗によって受ける土の圧縮は、 カラム上部の方が時間積分が大 きい、すなわち大きな力積がか かるためである。 • 参考として、今回の佐藤らのポ スター発表 (P-20)においても、 撹乱土の充填にて 5cm 高のサ ンプラーで乾燥密度の分布がで きている。 サンプラーを 押し込む力 摩擦抵抗 サンプラー内部を 土が動く方向 (土がサンプラー から受ける力)
  12. 12. 12 試算 上層 中層 下層 層厚 乾燥密度 透水係数 L1 = 0.02 ρ1=0.70 K1 = 1.0×10-8 L2 = 0.03 ρ2=0.60 K2 = 1.0×10-6 L3 = 0.10 ρ3=0.50 K3 = 1.0×10-5 仮にこういう分布ができているとす ると、次のように計算できる。 (m) (Mg m-3) (m s-1)
  13. 13. 13 平均乾燥密度 平均透水係数
  14. 14. 14 おわりに • 飽和透水係数の測定値が、サンプラーの大きさに よって大きく変わることを示した。その大きさは従 来のモデルでは十分に説明できない。 • そこで、サンプル時に乾燥密度の鉛直分布が生じ、 その結果として透水係数の鉛直分布が生じていると いう定性的なモデルを提案した。 • 乾燥密度と透水係数の鉛直分布を測定することは、 今後の課題として残された。 • サンプラーの大きさとサンプリング時の力のかけ方 といった観点から、不撹乱試料採取技術を検証する 必要がある。
  15. 15. 15 文献 1. Anderson, J. L. and Bouma, J. (1973) : Relationship between saturated hydraulic conductivity and morphometric data off an argillic horizon. Soil Sci. Soc. Am. Proc. 37, 408-421. 2. 宮崎毅, 溝口勝, 関勝寿, 井本博美 (2002) : 関東ロームの保水特 性・統水特性を利用した雨水浸透処理, 土壌物理学会シンポジ ウム講演要旨集, 76-77. 3. Gimenez, D., Rawls, W. J. and Lauren, J. G. (1999) : Scaling properties of saturated hydraulic conductivity in soil. Geoderma 88, 205-220. 4. Seki, K., Hanada, J and Miyazaki, T. (2002) : Four models of bioclogging describing anisotropy of hydraulic conductivity in one dimensional flow system. Eos Trans. AGU, 83(19), Spring Meet. Suppl., Abstract H21A-06.

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