教育の「イノベーション」がもたらすもの -高等教育のICT活用教育から見えること-

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2013年9月21日 JSET全国大会シンポジウム「学習資源のデジタル化がもたらす未来の学び」
・デジタル教材の無料公開
 OER, OCW
・デジタル教材を使った教育環境
 MOOC
・デジタル教材を使った大学教育
 Blended learning, Flipped Classroom(with MOOC)
・デジタル教材で変わる高等教育
“Open Education for the Rest of Us”

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教育の「イノベーション」がもたらすもの -高等教育のICT活用教育から見えること-

  1. 1. 教育の「イノベーション」がもたら すもの -高等教育のICT活用教育から見えること- 重田 勝介 北海道大学 情報基盤センター 2013/9/21 JSETシンポジウム 「学習資源のデジタル化がもたらす未来の学び」
  2. 2. あらまし:高等教育で進む学習資源の デジタル化 • eラーニング、LMS、、。 敢えて「外」のお話 • デジタル教材の無料公開 – OER, OCW • デジタル教材を使った教育環境 – MOOC • デジタル教材を使った大学教育 – Blended learning, Flipped Classroom(with MOOC) • デジタル教材で変わる高等教育 – “Open Education for the Rest of Us”
  3. 3. デジタル教材の無料公開(1) OER(Open Educational Resources) • インターネットで公開された教育用素材 – 文書資料、画像、動画、電子教科書 • 「再利用」で多様性を促す – クリエイティブ・コモンズ・ライセンス • 国際的ムーブメントによる普及 – UNESCO 2012 「世界OER議会」 • OERは誰でも作れる – 個人、企業、非営利組織、大学…
  4. 4. デジタル教材の無料公開(2) オープンコースウェア(OpenCourseWare: OCW) • 正規講義のシラバスや教材、講義ビデオを 無償公開 単位認定なし (Publication=出版) • 発展途上国向けに 教材を翻訳 (国際教育協力) • OCW教材を使った オンライン上の 学習コミュニティ
  5. 5. デジタル教材の無料公開(3) OERで学ぶ大学・学位取得 • Saylor財団が無料公開するオープンな教科書 • オープンな教科書を使って学び大学単位や学士 号が取得できる – 既存のオンライン大学(Excelsior College)と連携 – 試験で達成度評価 • 学士号を1万ドル程度 で取得できるコース もある
  6. 6. デジタル教材を使った教育環境:MOOC • Massive(ly) Open Online Coursesの略 「大規模公開オンライン講座」 • 数週間〜数ヶ月で学べるオンライン講座 – 「教材」の公開だけでなく「教育」を行う • 数万人を超える受講者 – 世界中から参加する学習コミュニティ • 無料で受講できる – コース完了者に「認定証」を発行(有償の場合も)
  7. 7. 事例:Coursera • 大学と提携してMOOCを公開する「プロバイダ」 • 2012年に設立 教育ベンチャー企業 – VCから6千万ドル超を調達 • 世界80大学による400超の コースを公開 – 400万人を超える受講者 • 多言語対応 • 東京大学がコース公開中
  8. 8. 事例:edX • MOOCを公開する大学連携「コンソーシアム」 • 2012年に設立 MITとハーバード大学による – 合計6千万ドルを出資 • 世界27ヶ国の大学が参加 – 100万人を超える受講者 • 京都大学が参加 • オープンソースプラットフォーム • Googleと“mooc.org”を開設 – 誰でもMOOCを作れるウェブサイト
  9. 9. MOOCのオンラインコースはどんなもの? • テーマ:学部生レベルの入門講義 特殊性の高い講義(例:ロボットカー制作) • 構造:eラーニング教材+コミュニティ機能 – ビデオや資料、クイズを使い順序を追って学ぶ – シミュレーション教材 – レポートのピアレビュー – ディスカッションボード • 修了者に認定証交付
  10. 10. MOOCとは… オンライン講座によるオープンな教育サービ ス 学び合う 学習コミュニ ティ 学びたい人 学びたい人 学習コミュニ ティ受講者 受講者 講師 数週間の学習 コースを 共に受講する 認定証 OERを使った学習コミュニティ MOOC
  11. 11. MOOCの特徴 • これまでの大学によるeラーニングとの違い – 誰でも受講できる(学生である必要はない) – 無料(学費不要) – 単位は与えられない ※例外あり – コース完了は必須でない(修了率 10%程度) • 世界規模で拡がる学習コミュニティ – 数百万人の学習者が出会う – 世界中で行われるオフ会 「ミートアップ」
  12. 12. デジタル教材を使った大学教育(1) 大学教育に導入されるMOOCs • MOOCを使ったオンライン大学院 – ジョージア工科大の新設大学院(コンピュータ科学) – MOOCで講義を受講 学費を安価に(7000ドル) – 8人の教員追加で1万人の学生を教える • 大学連合によるオンライン教育コンソーシアム – Semester Online :MOOCを共同開講 – 各大学で単位授与 • 授業向けの教材としてMOOCを利用 – サンノゼ州立大学 修了率が50%→90%に上昇
  13. 13. デジタル教材を使った大学教育(2) 反転授業(Flipped Classroom) • 知識習得はオンライン(講義ビデオを視聴) • 知識確認やディスカッションを教室で – ドロップアウト(米国では30%)を低減する効果 – MOOCを教材として使う The Flipped Classroom: Turning the Traditional Classroom on its Head - http://www.knewton.com/flipped-classroom/
  14. 14. デジタル教材を使った大学教育(3) • Courseraの認定証 「Signature Track」 – ウェブカメラで写真付き身分証明書を確認 – タイピングのパターン認識によるなりすまし防止 • 認定証で大学単位を取る – ACE Credit (米国大学の単位推薦サービス) – 米国2000の大学で単位に 置き換えることができる →MOOCの認定証を、通学 している大学の単位補充に 使うことができる
  15. 15. デジタル教材で変わる高等教育(1) eラーニングが果たした大学の拡張 • (かつて)高等教育においては社会へ出るための 準備を完了することを想定していた • 直線的なキャリアを描くことが前提 • eラーニング:ICTが拡げた大学の教育環境
  16. 16. オンライン教育で変わる高等教育(2) “Education for the Rest of Us”の実現 • 複線的なキャリアや学び直しを前提とする • 制度の「外側」を支えるOpen Education • 誰でも「自由に教え・自在に学べる」社会へ • MOOC認定証を 「承認」するかは 社会が決める →単位や学位と 同じような能力を 示す資格になる?
  17. 17. 「教育イノベーション」とは? クリステンセンら「教育X破壊的イノベーション」より 持続的 or 破壊的イノベーション:どこを目指すのか?
  18. 18. まとめ • デジタル教材で拡がる高等教育の機会 – 教材はどこにでもある(OER) 大学に「通える」(MOOC) • 高等教育への多様なプレイヤーの参入 – 教育ベンチャー企業、非営利団体、個人… – 大学の単位や学位が「相対的」な資格に? • 「教育のための網状組織」 の到来?(イリイチ) – 常に批判的・集合的に更新される現代の「知」 – 「教える」自由=オープン・エデュケーション – 「イノベーション」は教育制度・機関の価値を問う
  19. 19. 高等教育の「教育イノベーショ ン」 -海外のICT活用教育から見えること- 重田 勝介 北海道大学 情報基盤センター 2013/9/21 JSETシンポジウム 「学習資源のデジタル化がもたらす未来の学び」
  20. 20. 協同的に学ぶオンライン学習:cMOOC • 「cMOOC」と「xMOOC」 – 2008- 個人によるオンライン講座(cMOOC) • 協同的な知識構築を目指す ブログやSNSで交流 – 2011- 大学レベルのオンライン講座(xMOOC) • 大学レベルの教育を大規模にオンラインで実施
  21. 21. m(micro)OOC実践 • cMOOC開講(2013年春) – 「クリエイティブな学びをみんなで学ぶ」 – “Creative Learning”について協同的に学ぶ • 発見:教えることで学べる – 新しい概念について、参加者それぞれが それぞれに理解して、 発信共有 – Learning by Teaching: →「教え」に参加する意味

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