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ワニと学ぶ!UXデザイン入門

  1. ワニと学ぶ! UXデザイン入門 Kanako Fukiage (@takana8) 2015.3.21 Creators MeetUp #26 増補版
  2. @takana8 骨とワニがすきな1年目デザイナー。 株式会社nanapiではたらいています。 自己紹介 and more! 2
  3. 3 ワニと UXデザイン ?
  4. なぜUXデザインをワニと学ぶのか 4 「UXデザイン」に興味がある人は多いが とっつきにくい……という声もチラホラ おそらく日本一ワニに詳しいデザイナーが ワニとUXデザインについて語る奇跡の企画 _人人人人人_> 論理の飛躍 < ̄^YY^Y^Y^ ̄ 待てよ、ワニで例えながら説明 すると分かりやすいのでは?( ) 。o( ワニ好きデザイナー
  5. 5 ❶ UXデザインってなに ❷ なぜ必要なの ❸ なにをするの ❹ 実践時に必要な能力 ワニと学ぶ! UXデザイン入門
  6. 6 ❶ UXデザインってなに
  7. UX “User experience” encompasses all aspects of the end-user's interaction with the company, its services, and its products. エンドユーザーと 開発者・サービス・製品 との間に生まれるすべての相互作用 The Definition of User Experience by Jakob Nielsen and Don Norman http://www.nngroup.com/articles/definition-user-experience/ ❶ UXデザインってなに 7
  8. “User experience” encompasses all aspects of the end-user's interaction with the company, its services, and its products. ワニと 飼育員・来園者・飼育環境 との間に生まれるすべての相互作用 The Definition of User Experience by Jakob Nielsen and Don Norman http://www.nngroup.com/articles/definition-user-experience/ ワニUX ❶ UXデザインってなに 8
  9. UXデザインとはなにか を理解するために ワニと暮らす という状況を考えてみる 9 ❶ UXデザインってなに
  10. おもいっきり およぎたい あのことあいたい おなかすいた ❶ UXデザインってなに
  11. ワニと幸せに暮らすには ワニのニーズを満たし 楽しさや心地よさを感じる 状態にする必要がある ❶ UXデザインってなに cf.「環境エンリッチメント」 11
  12. 12 サービス開発と、発想は同じ ❶ UXデザインってなに ( ) 。o(
  13. サービスを使ってもらえるよう、 ユーザーのニーズを満たし 楽しさや心地よさを感じる 状態にすること 13 ポイントは、使いやすさや機能・性能などを向上させ ること(=実用的側面)と、ユーザーの「心を動かす」 こと(=感性的側面)のふたつを含む考え方だという点 ❶ UXデザインってなに User Experience Design
  14. 14 ❷ なぜUXデザインが必要なの
  15. 15 三方よしを実現するため 売り手の都合だけで商いをするのではなく、買い手が心の 底から満足し、さらに商いを通じて地域社会の発展や福利 の増進に貢献しなければならない http://ja.wikipedia.org/wiki/近江商人 ❷ なぜUXデザインが必要なの なんのためにUXデザインを行うのか 、     、売り手よし 買い手よし 世間よし
  16. 16 ❷ なぜUXデザインが必要なの ヒトよし、ワニよし、世間よし ワニと暮らす時にも同じ視点が必要 ヒトとの暮らしに 心から満足できる 自然保護、研究、 教育などを通じて 社会が発展する ワニと暮らすこと で心が豊かになる
  17. 17 ❸ UXデザインってなにをするの
  18. 18 ワニと暮らすために私たちがやるべきこと 最適な飼育環境を 適切な評価方法と ともに探っていく 関わり方を考える 仮説・検証 動物行動学的手法 に基づく行動観察 ワニを知る 調査・分析 ❸ UXデザインってなにをするの
  19. ワニを知るた め に 動物園でかれ ら を 200時間 観察して判ったこと ワ ニ の 話
  20. 4. 200時間中 160時間 動きがない 遊んでいる かのような行動 も稀に見られる ワニの話 ― 200時間観察して判ったこと
  21. 21 一方、サービス開発 ❸ UXデザインってなにをするの
  22. 22 ストーリーボード プロトタイピング ユーザビリティテスト etc. 関わり方を考える 仮説・検証 ユーザーを知る 調査・分析 ユーザーモデリング (ペルソナやシナリオ) ユーザー調査 (行動観察など) ❸ UXデザインってなにをするの 最高のUXを提供するために私たちがやるべきこと
  23. 23 調査・分析、仮説・検証のいろいろな 手法を状況に合わせて適切に実行し、 ものづくりのプロセスを最適化すること (人間中心設計とほぼ同じこと) User Experience Design ❸ UXデザインってなにをするの
  24. 24 組織やチームのメンバーの意識をユーザー中心 という目的に合わせ、ものづくりのプロセス最適化 がスムーズに実現できるよう支援する人 User Experience Designer ❸ UXデザインってなにをするの
  25. 25 ❹ UXデザインの実践時に必要な能力
  26. 大学4年の夏、私は ワニを観察していました ワ ニ の 話
  27. ワニの話 ― 行動観察入門 1. 事前準備 - 現状把握と先行研究調査 - 観察内容や手順の設計 2. 観察・記録 - 印象的なイベントは観察ノートに随時記録 3. 結果分析 - 行動内容・場所・時間について定量分析 - 観察ノートの記録と合わせて定性分析 「ワニを研究しよう」と思ってやったこと
  28. GARRICK, LANG, AND HERZOG: ALLIGATOR SIGNALS Inflated Posture. During an inflated posture the back is upwardly arched, the body inflated, the tail wagging, and mouth open (fig. 7F). The posture may be followed by a low growl. It is employed by males and females. Thirty- eight inflated postures were specifically re- corded; the duration of the posture varied from approximately 11 seconds to 2 minutes. An alli- gator in this posture appears quite formidable. This posture terminated many agonistic encoun- ters such as chases, lunges, and even fights (Lang and Garrick, unpubl. observ.). After this threatening display the animal to whom it is directed flees. McIlhenny (1935) also described this posture. Snout Lifting. Snout lifting is the rapid lift- ing of the partly opened mouth to an oblique angle above the water's surface during an en- counter with another alligator (fig. 7E). It may be combined with rapid swimming away. An example from the field notes illustrates the con- text for this behavior: At 0950 on March 29 a small alligator lifted its snout as it passed by a large individual and moved out of the water onto the bank. Snout lifting was observed infrequently (n=5). Snout lifting while in the water appears to be a submissive or conciliatory signal. Two croco- dile species (C. acutus and C. niloticus) em- ploy pronounced, conspicuous snout lifting more frequently than alligators in the same and different contexts (Garrick and Lang, 1977). NONVOCAL ACOUSTIC SIGNALS Inaudible Bellow (subaudible vibrations). An inaudible bellow is a "bellow" without sound audible to the human ear. It has the same movements as a bellow (see fig. 2), but may include tail wagging. Only four were ob- served; no approaches were noted. At RARI, alligator inaudible bellows were not observed, but a 2.7 m. American crocodile (C. acutus) emitted subaudible vibrations from a posture very similar to that observed during alligator bellowing. These subaudible vibrations stimulated bellowing by an American alligator in an adjacent pen but with a common water supply. This observation suggests that alligators may use frequencies below the normal human auditory range (perhaps utilizing the ear), and that these vibrations are transmitted through water. A B '-s v~~~~~~~~~~~ F ~~ ~-t~~44:1:IV133:f.(. -, :- Nl D 4E, FIG 7. Postures and behaviors of adult alligators. A. Bellow growl posture (9). B. Narial geysering. C. Hiss posture (9 at nest). D. Head emergent tail arched posture. E. Snout lifting (9). F. Inflated posture (d). 1978 175 I I 'cl- Ir- E 事前準備 行動 カテゴリ 項目 休息 水中や陸上で、足を床につけた状態で何もしない 水中 水中でのResting。頭部 潜水 頭部が全て水中に入った 陸上 陸上でのResting。 個体的行動 移動せず動く 移動せず、その場でからだを動かす行動。 頭の向きを変える 頭部を30 以上動かす。 からだを動かす からだの向きを変える 頭を掻く からだをひねり、後肢 あくび 口を大きく開き、すぐ 泡を出す 水中で口や鼻から空 移動 水中や陸上で移動する行動。全長の半分以上 歩行 水中や陸上で足を床 泳ぐ 水中で足を床につけ 水に入る 陸上からプール内へ ら、尾の付け根部分 水から上がる プール内から陸上へ 尾の付け根部分が Kicking 後肢を後方へ強く蹴り出す行動。尾は左右 対物行動 鼻先で触る パイプくぐり 登り降り コンクリートブロックや塀などの物体に ブロックに登る 塀の上に登る 壁に寄り掛かる 前肢を壁面に掛 ある方向を見る 飼育場の外部に頭部と目線を向ける行動 その他 社会的行動 オスとの接触 同種オス個体と接触する行動。 接触 吻先やからだ すり寄る あごの下をオ 乗りかかる オスがメスの 攻撃的行動 他の動物に対する攻撃的な行動。 警戒姿勢 他の動物が接 弓なりに曲 ことができ 排水パイプの下に頭やからだを入れる行動 抜け出す場合がある。 飼育場内にある物体(排水パイプ、コンク 面は含めない)に吻の先で接触する行動。 上記以外で,物体に対して行われる行動 たい水に接触する、プランターと壁面 表 4 ヨウスコウワニの行動目録 ワニの話 ― 行動観察入門
  29. near-door-right near-door-left land-left land-right waterside pool-right pool-left ② door-left vegetation mini pool door-right land land-light water water-light ③ 観察・記録 water-right water-left waterside land-right land-left land land-light water water-light ① ③ ワニの話 ― 行動観察入門
  30. 48 図 27 個体的行動の日変化 図 26 休息行動の日変化 48 図 27 個体的行動の日変化 図 26 休息行動の日変化 図 15 個体的行動の変化 35 開始時刻 終了時刻 継続時間 セ 2010.7.6 10:00:00 16:59:59 6:59:59 2010.7.7 10:00:00 11:29:59 1:29:59 2010.7.8 10:00:00 11:29:59 1:29:59 2010.7.9 10:00:00 16:29:59 6:29:59 2010.7.10 10:00:00 15:59:59 5:59:59 17:30:00 18:29:59 0:59:59 5:00:00 5:29:59 0:29:59 2010.7.12 9:30:00 16:59:59 7:29:59 2010.7.13 10:00:00 16:29:59 6:29:59 2010.7.14 10:00:00 16:29:59 6:29:59 2010.7.15 10:00:00 16:29:59 6:29:59 2010.7.16 10:00:00 11:59:59 1:59:59 2010.7.19 17:00:00 5:59:59 13:00:01 2010.7.22 10:30:00 13:59:59 3:29:59 2010.7.24 12:30:00 14:59:59 2:29:59 2010.7.26 9:30:00 16:29:59 6:59:59 2010.7.28 10:00:00 16:29:59 6:29:59 2010.7.30 10:00:00 16:29:59 6:29:59 2010.8.2 10:00:00 15:59:59 5:59:59 2010.8.6 10:00:00 16:29:59 6:29:59 2010.8.9 10:00:00 15:59:59 5:59:59 2010.8.9 16:30:00 17:59:59 1:29:59 2010.8.10 10:00:00 5:29:59 19:00:00 2010.8.11 10:00:00 5:29:59 19:00:00 2010.8.12 10:00:00 12:59:59 2:59:59 2010.8.16 9:30:00 11:29:59 1:59:59 2010.8.23 10:00:00 16:29:59 6:29:59 2010.8.30 10:00:00 16:29:59 6:29:59 観察時間合計 セッション合計 2010.7.11 日付 時間(時:分:秒) 40 条件間の差異 動については、どの条件間でも有意差は認められなかった(Post hoc )。図 19 に、すべての条件における休息を除いた各行動項目につい ッションあたりの平均持続時間を示す。 *:P<0.05、**:P<0.01(以下同様) 図 19 各条件における休息を除く行動の持続時間 41 (1) baseline 条件と pairing 条件 baseline 条件と pairing 条件における 1 セッション中の行動の平均持続時間を 比較した結果を図 20 に示す。pairing 条件において対物行動であるパイプくぐ りが有意に減少(Post hoc test, P=0.027)し、社会的行動である攻撃が有意に増 加 (Post hoc test, P<0.01)していた。 図 20 baseline 条件と pairing 条件の比較 51 ② pairing 条件 図 31 は、pairing 条件における各行動の日毎の変化を示したものである。オ スとメスが初めて顔を合わせた 7 月 12 日には、攻撃などの社会的行動が多く観 察されたが、それ以降は行動の内容に大きな変化は無く、日毎の変化について 統計的な差は認められなかった(Friedman test, n.s.)。 図 31 pairing 条件における行動の日毎変化 2.2. オスに対する態度の日変化 図 34 は、メスが見せるオスに対する態度の1日のうちの変化を表すもので ある。同居開始直後の数時間、メスはオスとの接触や逃避などの態度を見せて いたが、敵対的な状態を経て優位な立場になってからは、オスに対して主に定 位ないし無関心の状態であった。 結果分析 ワニの話 ― 行動観察入門
  31. ワニはしゃべらない ワニは空気を読まない ワニはワニらしく生きている 行動=事実からその意味を探るしかない ワニの話 ― 行動観察入門 彼がなにをしたいのか、 なにを考えているのか、 私たちは知ることができない
  32. ワニの話 ― 行動観察入門 私(=ヒト)と同じような行動に見えても、本当にそうか はわからない。安易に思い込まない姿勢が重要。 それは本当にあくびなのか? ワニがあくびをした。
  33. 33 ❺ UXデザインの実践時に必要な能力 そして デザイナーになった今 ワニ観察で経験したことが サービス開発に活かせた!
  34. 34 ユーザー要求の明示 ユーザー要求に 応える設計案の創出 要求を満たした 設計ソリューション 利用状況の理解 要求に対する 設計案の評価 HCDプロセスの立案 ISO9241-210 人間中心設計プロセス ❺ UXデザインの実践時に必要な能力
  35. 35 ユーザー要求の明示 ユーザー要求に 応える設計案の創出 要求を満たした 設計ソリューション 利用状況の理解 要求に対する 設計案の評価 HCDプロセスの立案 ワニ観察の経験が ココで活かせた! ISO9241-210 人間中心設計プロセス ❺ UXデザインの実践時に必要な能力
  36. 36 人間中心設計専門家 コンピタンスマップ(2014年度版) 抜粋 専門知識に基づく 評価実施能力 調査設計能力 ユーザー調査 実施実施能力 定性・定量データ の評価分析能力 現状のモデル化 能力 ユーザー体験の 構想・提案能力 ユーザー要求 仕様作成能力 製品・事業の 企画提案力 製品・システム・ サービスの要求 仕様作成能力 デザイン仕様 作成能力 情報構造の 設計提案力 プロトタイピング 能力 ユーザーによる 評価実施能力 ❺ UXデザインの実践時に必要な能力
  37. 専門知識に基づく 評価実施能力 調査設計能力 ユーザー調査 実施実施能力 定性・定量データ の評価分析能力 現状のモデル化 能力 ユーザー体験の 構想・提案能力 ユーザー要求 仕様作成能力 製品・事業の 企画提案力 製品・システム・ サービスの要求 仕様作成能力 デザイン仕様 作成能力 情報構造の 設計提案力 プロトタイピング 能力 ユーザーによる 評価実施能力 人間中心設計専門家 コンピタンスマップ(2014 37 ワニ観察によって 調査設計過程を経験できた ワニ観察によって 観察力が身についた ワニ観察によって 事実をもとに考える癖がつき、 思い込みで判断しなくなった ❺ UXデザインの実践時に必要な能力
  38. そして、 動かないワニを見続ける辛抱 強さと根性が身についた フーン
  39. 39 一見全く関係ないふたつの経験が 実はつながっていた ワニとUXデザイン ❺ UXデザインの実践時に必要な能力
  40. 40 UXデザインの実践で求められる能力は数多いが、 だからこそ、あらゆる経験を活かせる余地がある ❺ UXデザインの実践時に必要な能力 どんなひとでもUXデザインを実践できる
  41. まとめ !
  42. まとめ 求められる能力は数多くあるが、 だれもがUXデザインの実践者になりうる UXデザイン ユーザーを知り、関わり方を考える ためのプロセスを最適化すること とは
  43. ワニと学ぶ!UXデザイン入門 [ 増補版 ] ご清聴ありがとうございました
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