SlideShare a Scribd company logo

道具としての半導体設計:Lチカを題材として

Junichi Akita
Junichi Akita
Junichi AkitaProfessor at 金沢大学

(一社)組込みシステム技術協会 RISC-V WG 第2回Webセミナー2021

道具としての半導体設計:Lチカを題材として

1 of 60
Download to read offline
Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
道具としての半導体設計
:Lチカを題材として
秋田純一(金沢大学)
2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
自己紹介
 1970名古屋生まれ
 東京で大学→大学院
 金沢大(’98~’00・’04~)
 公立はこだて未来大(’00~’04)
 ’95〜’00:はこだて未来大 計画策定委員(翼セミナーOBの縁)
 本業:集積回路、特に(機能つき)イメージセンサ
 好きなプロセスはCMOS 0.35μm
 +集積回路を使うデバイス・システム
 ユーザインタフェース・インタラクティブシステム(人間相手の機械)
集積回路(イメージセンサ)のレイアウト図
(プロッタ出力して目視チェック) 基板設計
研究室(実験室)
2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
自己紹介(副業)
Maker、ハンダテラピスト
好きな半田はPb:Sn=40:60
Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
「ムーアの法則」について改めて
2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
コンピュータの歴史と半導体
(1946)
真空管: 18,000本
消費電力: 140kW
サイズ: 30m×3m×1m
演算性能: 5,000加算/s
(ENIAC:世界最初のコンピュータ)
(2007)
最小加工寸法: 0.065μm(65nm)
素子数: ~50,000,000
消費電力: 100W~数mW
サイズ: 10mm×10mm程度
演算性能: 10,000,000,000演算/s
(1960)集積回路(IC)の発明
2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/
半導体(集積回路)の発明
US Patent No. 2 981 877 (R. Noyce)
(1961)
US Patent No. 2 138 743 (J. Kilby)
(1959)
電子回路を半導体(ケイ素=シリコン)に作り込んだもの
インテルの創業者(の一人)

Recommended

「Lチカから考えるIoT時代のものづくり」
「Lチカから考えるIoT時代のものづくり」「Lチカから考えるIoT時代のものづくり」
「Lチカから考えるIoT時代のものづくり」Junichi Akita
 
日本のメイカー活動とNT金沢
日本のメイカー活動とNT金沢日本のメイカー活動とNT金沢
日本のメイカー活動とNT金沢Junichi Akita
 
「LED点滅用のLSIをつくって Lチカをやってみた」のココロ
「LED点滅用のLSIをつくってLチカをやってみた」のココロ「LED点滅用のLSIをつくってLチカをやってみた」のココロ
「LED点滅用のLSIをつくって Lチカをやってみた」のココロJunichi Akita
 
M5Stackで授業をやってみた
M5Stackで授業をやってみたM5Stackで授業をやってみた
M5Stackで授業をやってみたJunichi Akita
 
カスタムLSIが道具になるために
カスタムLSIが道具になるためにカスタムLSIが道具になるために
カスタムLSIが道具になるためにJunichi Akita
 
ニセモノチップをみてみた&チップを流用する例をみてみた
ニセモノチップをみてみた&チップを流用する例をみてみたニセモノチップをみてみた&チップを流用する例をみてみた
ニセモノチップをみてみた&チップを流用する例をみてみたJunichi Akita
 
道具としての電子回路・半導体
道具としての電子回路・半導体道具としての電子回路・半導体
道具としての電子回路・半導体Junichi Akita
 
センサ端末構築を牽引するマイコン・LSI技術とその動向
センサ端末構築を牽引するマイコン・LSI技術とその動向センサ端末構築を牽引するマイコン・LSI技術とその動向
センサ端末構築を牽引するマイコン・LSI技術とその動向Junichi Akita
 

More Related Content

What's hot

アナログ回路の民主化とプロの役割
アナログ回路の民主化とプロの役割アナログ回路の民主化とプロの役割
アナログ回路の民主化とプロの役割Junichi Akita
 
チップレベルでカスタマイズできることで見える世界の体験
チップレベルでカスタマイズできることで見える世界の体験チップレベルでカスタマイズできることで見える世界の体験
チップレベルでカスタマイズできることで見える世界の体験Junichi Akita
 
Cortex-M0プロセッサから自作して Lチカをやってみた
Cortex-M0プロセッサから自作してLチカをやってみたCortex-M0プロセッサから自作してLチカをやってみた
Cortex-M0プロセッサから自作して LチカをやってみたJunichi Akita
 
Makeの最後の砦(ラスボス):半導体への挑戦
Makeの最後の砦(ラスボス):半導体への挑戦Makeの最後の砦(ラスボス):半導体への挑戦
Makeの最後の砦(ラスボス):半導体への挑戦Junichi Akita
 
AI・IoT時代のテクノロジーとの付き合い方
AI・IoT時代のテクノロジーとの付き合い方AI・IoT時代のテクノロジーとの付き合い方
AI・IoT時代のテクノロジーとの付き合い方Junichi Akita
 
「電子立国日本の自叙伝」に見る半導体産業温故知新
「電子立国日本の自叙伝」に見る半導体産業温故知新「電子立国日本の自叙伝」に見る半導体産業温故知新
「電子立国日本の自叙伝」に見る半導体産業温故知新Junichi Akita
 
集積回路が真の道具になるために
集積回路が真の道具になるために集積回路が真の道具になるために
集積回路が真の道具になるためにJunichi Akita
 
道具としての「ハードウエア」
道具としての「ハードウエア」道具としての「ハードウエア」
道具としての「ハードウエア」Junichi Akita
 
道具としての半導体:HCI分野での例
道具としての半導体:HCI分野での例道具としての半導体:HCI分野での例
道具としての半導体:HCI分野での例Junichi Akita
 
ICのオーパーツを探ってみた
ICのオーパーツを探ってみたICのオーパーツを探ってみた
ICのオーパーツを探ってみたJunichi Akita
 
「揚げて炙ってわかる コンピュータの仕組み」の舞台裏
「揚げて炙ってわかるコンピュータの仕組み」の舞台裏「揚げて炙ってわかるコンピュータの仕組み」の舞台裏
「揚げて炙ってわかる コンピュータの仕組み」の舞台裏Junichi Akita
 
情報工学の道具としての ハードウエアと半導体
情報工学の道具としてのハードウエアと半導体情報工学の道具としてのハードウエアと半導体
情報工学の道具としての ハードウエアと半導体Junichi Akita
 
Makeと半導体の境界
Makeと半導体の境界Makeと半導体の境界
Makeと半導体の境界Junichi Akita
 
自作LSIコミュニティの可能性
自作LSIコミュニティの可能性自作LSIコミュニティの可能性
自作LSIコミュニティの可能性Junichi Akita
 
多様な学生の教材としてしてのプロトタイピング用マイコンボードの可能性
多様な学生の教材としてしてのプロトタイピング用マイコンボードの可能性多様な学生の教材としてしてのプロトタイピング用マイコンボードの可能性
多様な学生の教材としてしてのプロトタイピング用マイコンボードの可能性Junichi Akita
 
リモート環境を整備してみた
リモート環境を整備してみたリモート環境を整備してみた
リモート環境を整備してみたJunichi Akita
 
「部品」としてのマイコン・半導体
「部品」としてのマイコン・半導体「部品」としてのマイコン・半導体
「部品」としてのマイコン・半導体Junichi Akita
 
産業としての半導体とムーアの法則
産業としての半導体とムーアの法則産業としての半導体とムーアの法則
産業としての半導体とムーアの法則Junichi Akita
 
揚げて炙ってわかる半導体
揚げて炙ってわかる半導体揚げて炙ってわかる半導体
揚げて炙ってわかる半導体Junichi Akita
 
炙ってわかる半導体とIT業界
炙ってわかる半導体とIT業界炙ってわかる半導体とIT業界
炙ってわかる半導体とIT業界Junichi Akita
 

What's hot (20)

アナログ回路の民主化とプロの役割
アナログ回路の民主化とプロの役割アナログ回路の民主化とプロの役割
アナログ回路の民主化とプロの役割
 
チップレベルでカスタマイズできることで見える世界の体験
チップレベルでカスタマイズできることで見える世界の体験チップレベルでカスタマイズできることで見える世界の体験
チップレベルでカスタマイズできることで見える世界の体験
 
Cortex-M0プロセッサから自作して Lチカをやってみた
Cortex-M0プロセッサから自作してLチカをやってみたCortex-M0プロセッサから自作してLチカをやってみた
Cortex-M0プロセッサから自作して Lチカをやってみた
 
Makeの最後の砦(ラスボス):半導体への挑戦
Makeの最後の砦(ラスボス):半導体への挑戦Makeの最後の砦(ラスボス):半導体への挑戦
Makeの最後の砦(ラスボス):半導体への挑戦
 
AI・IoT時代のテクノロジーとの付き合い方
AI・IoT時代のテクノロジーとの付き合い方AI・IoT時代のテクノロジーとの付き合い方
AI・IoT時代のテクノロジーとの付き合い方
 
「電子立国日本の自叙伝」に見る半導体産業温故知新
「電子立国日本の自叙伝」に見る半導体産業温故知新「電子立国日本の自叙伝」に見る半導体産業温故知新
「電子立国日本の自叙伝」に見る半導体産業温故知新
 
集積回路が真の道具になるために
集積回路が真の道具になるために集積回路が真の道具になるために
集積回路が真の道具になるために
 
道具としての「ハードウエア」
道具としての「ハードウエア」道具としての「ハードウエア」
道具としての「ハードウエア」
 
道具としての半導体:HCI分野での例
道具としての半導体:HCI分野での例道具としての半導体:HCI分野での例
道具としての半導体:HCI分野での例
 
ICのオーパーツを探ってみた
ICのオーパーツを探ってみたICのオーパーツを探ってみた
ICのオーパーツを探ってみた
 
「揚げて炙ってわかる コンピュータの仕組み」の舞台裏
「揚げて炙ってわかるコンピュータの仕組み」の舞台裏「揚げて炙ってわかるコンピュータの仕組み」の舞台裏
「揚げて炙ってわかる コンピュータの仕組み」の舞台裏
 
情報工学の道具としての ハードウエアと半導体
情報工学の道具としてのハードウエアと半導体情報工学の道具としてのハードウエアと半導体
情報工学の道具としての ハードウエアと半導体
 
Makeと半導体の境界
Makeと半導体の境界Makeと半導体の境界
Makeと半導体の境界
 
自作LSIコミュニティの可能性
自作LSIコミュニティの可能性自作LSIコミュニティの可能性
自作LSIコミュニティの可能性
 
多様な学生の教材としてしてのプロトタイピング用マイコンボードの可能性
多様な学生の教材としてしてのプロトタイピング用マイコンボードの可能性多様な学生の教材としてしてのプロトタイピング用マイコンボードの可能性
多様な学生の教材としてしてのプロトタイピング用マイコンボードの可能性
 
リモート環境を整備してみた
リモート環境を整備してみたリモート環境を整備してみた
リモート環境を整備してみた
 
「部品」としてのマイコン・半導体
「部品」としてのマイコン・半導体「部品」としてのマイコン・半導体
「部品」としてのマイコン・半導体
 
産業としての半導体とムーアの法則
産業としての半導体とムーアの法則産業としての半導体とムーアの法則
産業としての半導体とムーアの法則
 
揚げて炙ってわかる半導体
揚げて炙ってわかる半導体揚げて炙ってわかる半導体
揚げて炙ってわかる半導体
 
炙ってわかる半導体とIT業界
炙ってわかる半導体とIT業界炙ってわかる半導体とIT業界
炙ってわかる半導体とIT業界
 

Similar to 道具としての半導体設計:Lチカを題材として

つくってドヤると楽しい
つくってドヤると楽しいつくってドヤると楽しい
つくってドヤると楽しいJunichi Akita
 
コンピュータのソフトとハードの境界、そしてIoTへ
コンピュータのソフトとハードの境界、そしてIoTへコンピュータのソフトとハードの境界、そしてIoTへ
コンピュータのソフトとハードの境界、そしてIoTへJunichi Akita
 
産業としての半導体とムーアの法則
産業としての半導体とムーアの法則産業としての半導体とムーアの法則
産業としての半導体とムーアの法則Junichi Akita
 
Makeと半導体の過去と未来
Makeと半導体の過去と未来Makeと半導体の過去と未来
Makeと半導体の過去と未来Junichi Akita
 
日本の「ものづくり」の可能性:中国深センとの比較を通して
日本の「ものづくり」の可能性:中国深センとの比較を通して日本の「ものづくり」の可能性:中国深センとの比較を通して
日本の「ものづくり」の可能性:中国深センとの比較を通してJunichi Akita
 
左手サブキーボードを作り続けてみた
左手サブキーボードを作り続けてみた左手サブキーボードを作り続けてみた
左手サブキーボードを作り続けてみたJunichi Akita
 
M5Stackでインターンしてみた
M5StackでインターンしてみたM5Stackでインターンしてみた
M5StackでインターンしてみたJunichi Akita
 
メイカームーブメント:その背景と現状
メイカームーブメント:その背景と現状メイカームーブメント:その背景と現状
メイカームーブメント:その背景と現状Junichi Akita
 
分解のススメHyperの読みどころ
分解のススメHyperの読みどころ分解のススメHyperの読みどころ
分解のススメHyperの読みどころJunichi Akita
 
ユーザ参加型センシングシステムの可能性
ユーザ参加型センシングシステムの可能性ユーザ参加型センシングシステムの可能性
ユーザ参加型センシングシステムの可能性Junichi Akita
 
Makerの道具としての ハードウエアと半導体
Makerの道具としてのハードウエアと半導体Makerの道具としてのハードウエアと半導体
Makerの道具としての ハードウエアと半導体 Junichi Akita
 
集積回路工学第2・第13回資料
集積回路工学第2・第13回資料集積回路工学第2・第13回資料
集積回路工学第2・第13回資料Junichi Akita
 
基板設計の基礎知識と実践(別名:基板と仲良くなる方法)
基板設計の基礎知識と実践(別名:基板と仲良くなる方法)基板設計の基礎知識と実践(別名:基板と仲良くなる方法)
基板設計の基礎知識と実践(別名:基板と仲良くなる方法)Junichi Akita
 
電子回路の民主化とその実践
電子回路の民主化とその実践電子回路の民主化とその実践
電子回路の民主化とその実践Junichi Akita
 
研究10連発@NT熊本2019
研究10連発@NT熊本2019研究10連発@NT熊本2019
研究10連発@NT熊本2019Junichi Akita
 
マテリアルとデバイスとマイコン
マテリアルとデバイスとマイコンマテリアルとデバイスとマイコン
マテリアルとデバイスとマイコンJunichi Akita
 
Bee Style:vol.018
Bee Style:vol.018Bee Style:vol.018
Bee Style:vol.018spicepark
 
Gifu University Before Study 2015
Gifu University Before Study 2015Gifu University Before Study 2015
Gifu University Before Study 2015Kiyoshi Ogawa
 
トランジスタ技術 2011年7月号(137ページ)
トランジスタ技術 2011年7月号(137ページ)トランジスタ技術 2011年7月号(137ページ)
トランジスタ技術 2011年7月号(137ページ)Tsuyoshi Horigome
 

Similar to 道具としての半導体設計:Lチカを題材として (19)

つくってドヤると楽しい
つくってドヤると楽しいつくってドヤると楽しい
つくってドヤると楽しい
 
コンピュータのソフトとハードの境界、そしてIoTへ
コンピュータのソフトとハードの境界、そしてIoTへコンピュータのソフトとハードの境界、そしてIoTへ
コンピュータのソフトとハードの境界、そしてIoTへ
 
産業としての半導体とムーアの法則
産業としての半導体とムーアの法則産業としての半導体とムーアの法則
産業としての半導体とムーアの法則
 
Makeと半導体の過去と未来
Makeと半導体の過去と未来Makeと半導体の過去と未来
Makeと半導体の過去と未来
 
日本の「ものづくり」の可能性:中国深センとの比較を通して
日本の「ものづくり」の可能性:中国深センとの比較を通して日本の「ものづくり」の可能性:中国深センとの比較を通して
日本の「ものづくり」の可能性:中国深センとの比較を通して
 
左手サブキーボードを作り続けてみた
左手サブキーボードを作り続けてみた左手サブキーボードを作り続けてみた
左手サブキーボードを作り続けてみた
 
M5Stackでインターンしてみた
M5StackでインターンしてみたM5Stackでインターンしてみた
M5Stackでインターンしてみた
 
メイカームーブメント:その背景と現状
メイカームーブメント:その背景と現状メイカームーブメント:その背景と現状
メイカームーブメント:その背景と現状
 
分解のススメHyperの読みどころ
分解のススメHyperの読みどころ分解のススメHyperの読みどころ
分解のススメHyperの読みどころ
 
ユーザ参加型センシングシステムの可能性
ユーザ参加型センシングシステムの可能性ユーザ参加型センシングシステムの可能性
ユーザ参加型センシングシステムの可能性
 
Makerの道具としての ハードウエアと半導体
Makerの道具としてのハードウエアと半導体Makerの道具としてのハードウエアと半導体
Makerの道具としての ハードウエアと半導体
 
集積回路工学第2・第13回資料
集積回路工学第2・第13回資料集積回路工学第2・第13回資料
集積回路工学第2・第13回資料
 
基板設計の基礎知識と実践(別名:基板と仲良くなる方法)
基板設計の基礎知識と実践(別名:基板と仲良くなる方法)基板設計の基礎知識と実践(別名:基板と仲良くなる方法)
基板設計の基礎知識と実践(別名:基板と仲良くなる方法)
 
電子回路の民主化とその実践
電子回路の民主化とその実践電子回路の民主化とその実践
電子回路の民主化とその実践
 
研究10連発@NT熊本2019
研究10連発@NT熊本2019研究10連発@NT熊本2019
研究10連発@NT熊本2019
 
マテリアルとデバイスとマイコン
マテリアルとデバイスとマイコンマテリアルとデバイスとマイコン
マテリアルとデバイスとマイコン
 
Bee Style:vol.018
Bee Style:vol.018Bee Style:vol.018
Bee Style:vol.018
 
Gifu University Before Study 2015
Gifu University Before Study 2015Gifu University Before Study 2015
Gifu University Before Study 2015
 
トランジスタ技術 2011年7月号(137ページ)
トランジスタ技術 2011年7月号(137ページ)トランジスタ技術 2011年7月号(137ページ)
トランジスタ技術 2011年7月号(137ページ)
 

More from Junichi Akita

M5Stackで脱出ゲームのギミックを作ってみた件(M5StackユーザーミーティングLT)
M5Stackで脱出ゲームのギミックを作ってみた件(M5StackユーザーミーティングLT)M5Stackで脱出ゲームのギミックを作ってみた件(M5StackユーザーミーティングLT)
M5Stackで脱出ゲームのギミックを作ってみた件(M5StackユーザーミーティングLT)Junichi Akita
 
深センで半年間住んでMakeと研究をしてみた
深センで半年間住んでMakeと研究をしてみた深センで半年間住んでMakeと研究をしてみた
深センで半年間住んでMakeと研究をしてみたJunichi Akita
 
日本での電子回路の導入教育の可能性:中国との比較を通して
日本での電子回路の導入教育の可能性:中国との比較を通して日本での電子回路の導入教育の可能性:中国との比較を通して
日本での電子回路の導入教育の可能性:中国との比較を通してJunichi Akita
 
中国と深センでの半導体とRISC-V業界事情
中国と深センでの半導体とRISC-V業界事情中国と深センでの半導体とRISC-V業界事情
中国と深センでの半導体とRISC-V業界事情Junichi Akita
 
タイプライターを改造してキーボードを作ってみた
タイプライターを改造してキーボードを作ってみたタイプライターを改造してキーボードを作ってみた
タイプライターを改造してキーボードを作ってみたJunichi Akita
 
3Dプリンタを改造してチップマウンタを作ってみたら物理的にForkされた件
3Dプリンタを改造してチップマウンタを作ってみたら物理的にForkされた件3Dプリンタを改造してチップマウンタを作ってみたら物理的にForkされた件
3Dプリンタを改造してチップマウンタを作ってみたら物理的にForkされた件Junichi Akita
 
中国でスタックチャンに会ってみた
中国でスタックチャンに会ってみた中国でスタックチャンに会ってみた
中国でスタックチャンに会ってみたJunichi Akita
 
深センで2ヶ月過ごしていろいろ試してみた
深センで2ヶ月過ごしていろいろ試してみた深センで2ヶ月過ごしていろいろ試してみた
深センで2ヶ月過ごしていろいろ試してみたJunichi Akita
 
CH551/2/8/9を炙ってみた
CH551/2/8/9を炙ってみたCH551/2/8/9を炙ってみた
CH551/2/8/9を炙ってみたJunichi Akita
 
うっかりチップマウンタを自作して薄い本を書いてみた
うっかりチップマウンタを自作して薄い本を書いてみたうっかりチップマウンタを自作して薄い本を書いてみた
うっかりチップマウンタを自作して薄い本を書いてみたJunichi Akita
 
シリアルフラッシュを炙って比べてみた
シリアルフラッシュを炙って比べてみたシリアルフラッシュを炙って比べてみた
シリアルフラッシュを炙って比べてみたJunichi Akita
 
CH340を炙って削ってみた
CH340を炙って削ってみたCH340を炙って削ってみた
CH340を炙って削ってみたJunichi Akita
 
自作RISC-VチップでLチカをやってみた
自作RISC-VチップでLチカをやってみた自作RISC-VチップでLチカをやってみた
自作RISC-VチップでLチカをやってみたJunichi Akita
 
好きな活動から始めるイノベーションの種
好きな活動から始めるイノベーションの種好きな活動から始めるイノベーションの種
好きな活動から始めるイノベーションの種Junichi Akita
 
AIB○的な何かを分解してみた
AIB○的な何かを分解してみたAIB○的な何かを分解してみた
AIB○的な何かを分解してみたJunichi Akita
 

More from Junichi Akita (15)

M5Stackで脱出ゲームのギミックを作ってみた件(M5StackユーザーミーティングLT)
M5Stackで脱出ゲームのギミックを作ってみた件(M5StackユーザーミーティングLT)M5Stackで脱出ゲームのギミックを作ってみた件(M5StackユーザーミーティングLT)
M5Stackで脱出ゲームのギミックを作ってみた件(M5StackユーザーミーティングLT)
 
深センで半年間住んでMakeと研究をしてみた
深センで半年間住んでMakeと研究をしてみた深センで半年間住んでMakeと研究をしてみた
深センで半年間住んでMakeと研究をしてみた
 
日本での電子回路の導入教育の可能性:中国との比較を通して
日本での電子回路の導入教育の可能性:中国との比較を通して日本での電子回路の導入教育の可能性:中国との比較を通して
日本での電子回路の導入教育の可能性:中国との比較を通して
 
中国と深センでの半導体とRISC-V業界事情
中国と深センでの半導体とRISC-V業界事情中国と深センでの半導体とRISC-V業界事情
中国と深センでの半導体とRISC-V業界事情
 
タイプライターを改造してキーボードを作ってみた
タイプライターを改造してキーボードを作ってみたタイプライターを改造してキーボードを作ってみた
タイプライターを改造してキーボードを作ってみた
 
3Dプリンタを改造してチップマウンタを作ってみたら物理的にForkされた件
3Dプリンタを改造してチップマウンタを作ってみたら物理的にForkされた件3Dプリンタを改造してチップマウンタを作ってみたら物理的にForkされた件
3Dプリンタを改造してチップマウンタを作ってみたら物理的にForkされた件
 
中国でスタックチャンに会ってみた
中国でスタックチャンに会ってみた中国でスタックチャンに会ってみた
中国でスタックチャンに会ってみた
 
深センで2ヶ月過ごしていろいろ試してみた
深センで2ヶ月過ごしていろいろ試してみた深センで2ヶ月過ごしていろいろ試してみた
深センで2ヶ月過ごしていろいろ試してみた
 
CH551/2/8/9を炙ってみた
CH551/2/8/9を炙ってみたCH551/2/8/9を炙ってみた
CH551/2/8/9を炙ってみた
 
うっかりチップマウンタを自作して薄い本を書いてみた
うっかりチップマウンタを自作して薄い本を書いてみたうっかりチップマウンタを自作して薄い本を書いてみた
うっかりチップマウンタを自作して薄い本を書いてみた
 
シリアルフラッシュを炙って比べてみた
シリアルフラッシュを炙って比べてみたシリアルフラッシュを炙って比べてみた
シリアルフラッシュを炙って比べてみた
 
CH340を炙って削ってみた
CH340を炙って削ってみたCH340を炙って削ってみた
CH340を炙って削ってみた
 
自作RISC-VチップでLチカをやってみた
自作RISC-VチップでLチカをやってみた自作RISC-VチップでLチカをやってみた
自作RISC-VチップでLチカをやってみた
 
好きな活動から始めるイノベーションの種
好きな活動から始めるイノベーションの種好きな活動から始めるイノベーションの種
好きな活動から始めるイノベーションの種
 
AIB○的な何かを分解してみた
AIB○的な何かを分解してみたAIB○的な何かを分解してみた
AIB○的な何かを分解してみた
 

道具としての半導体設計:Lチカを題材として

  • 1. Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 道具としての半導体設計 :Lチカを題材として 秋田純一(金沢大学)
  • 2. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 自己紹介  1970名古屋生まれ  東京で大学→大学院  金沢大(’98~’00・’04~)  公立はこだて未来大(’00~’04)  ’95〜’00:はこだて未来大 計画策定委員(翼セミナーOBの縁)  本業:集積回路、特に(機能つき)イメージセンサ  好きなプロセスはCMOS 0.35μm  +集積回路を使うデバイス・システム  ユーザインタフェース・インタラクティブシステム(人間相手の機械) 集積回路(イメージセンサ)のレイアウト図 (プロッタ出力して目視チェック) 基板設計 研究室(実験室)
  • 3. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 自己紹介(副業) Maker、ハンダテラピスト 好きな半田はPb:Sn=40:60
  • 4. Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 「ムーアの法則」について改めて
  • 5. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ コンピュータの歴史と半導体 (1946) 真空管: 18,000本 消費電力: 140kW サイズ: 30m×3m×1m 演算性能: 5,000加算/s (ENIAC:世界最初のコンピュータ) (2007) 最小加工寸法: 0.065μm(65nm) 素子数: ~50,000,000 消費電力: 100W~数mW サイズ: 10mm×10mm程度 演算性能: 10,000,000,000演算/s (1960)集積回路(IC)の発明
  • 6. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 半導体(集積回路)の発明 US Patent No. 2 981 877 (R. Noyce) (1961) US Patent No. 2 138 743 (J. Kilby) (1959) 電子回路を半導体(ケイ素=シリコン)に作り込んだもの インテルの創業者(の一人)
  • 7. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 半導体の進化の歴史:Mooreの法則 ref: http://www.intel.com/jp/intel/museum/processor/index.htm 傾き:×約1.5/年 年を追って、複雑・高機能な集積回路がつくられるようになった ※G.Moore (インテルの創業者の一人) G.Mooreが1965年に論文[1]で述べる→C.Meadが「法則」と命名→「予測」→「指針(目標)」へ G.E.Moore, "Cramming more components onto integrated circuits," IEEE Solid-State Circuit Newsletter, Vol.11, No.5, pp.33-35, 1965.
  • 8. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ Mooreの法則のカラクリ:比例縮小 コンピュータの電子回路の最小単位 =MOSトランジスタ 電流のON(“1”)/OFF(“0”)を制御するスイッチ 集積回路の部品(MOSトランジスタ)を、同じ 形状で、より小さく作ると・・・? 寸法: 1/α 不純物濃度: α 電源電圧: 1/α p-Si S D G n-Si n-Si p-Si S D G n-Si n-Si L R.H.Dennard et al., "Design of ion-implanted MOSFET's with very small physical dimensions," IEEE J.of SSC, Vol.9, No.5, pp.256-268, 1974. MOSトランジスタの断面構造
  • 9. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 比例縮小の効果 効果:いいことばかり 速度↑(電子の移動=信号の伝搬距離が短くなる) 消費電力↓(電源電圧が下がる) 集積度(機能)↑(1つの素子が小さい=同一チップに多数) 技術が進むべき方向性が極めて明確なまれなケース p-Si S D G n-Si n-Si p-Si S D G n-Si n-Si L • 素子面積:1/α2 • 素子密度:α2 • 電流I:1/α (←電圧:1/α) • 容量C:1/α (←C=εS/d, S:1/α2, d:1/α) • 抵抗R:α (←R=ρL/S, S:1/α2, L:1/α) • 回路遅延:1/α (←E:一定, S-D間:1/α) • 消費電力:1/α2 (←V:1/α, I:1/α) • 配線遅延時間CR:1 (変わらない) ※MOSトランジスタを 上から見たところ (素子1個の専有面積) 物理的な詳細
  • 10. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 般若心経だと・・・ 1um 0.8um 0.5um 0.35um 18ヶ月 18ヶ月 18ヶ月 同じ用紙サイズなら文字数2倍 =機能2倍
  • 11. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 般若心経だと・・・(その2) 1um 18ヶ月 18ヶ月 0.5um 0.8um 同じ内容なら用紙サイズ1/2 =コスト1/2
  • 12. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ MOSトランジスタの微細化の歴史 微細化するほど メリットがある =がんばって微細化 そろそろ「原子」が 見えてきている 「お金がからむと 技術は進む」 L=20nm L=5nm 平本・日経新聞「経済教室」(2019/7/18) 日経BP Tech-On! 2009/03/30
  • 13. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ コンピュータの歴史の2つの側面 DEC VAX(1976) 1MIPS Cray-1 (1978) 100MIPS MIPS:Million Instruction Per Second (1秒間に実行できる命令数) (世界最初のスーパーコンピュータ) 「世界トップの高速化」+「身近なものにも高速化の恩恵」の2つの側面がある 107MFLOPS 10MIPS 100MIPS 100MIPS 108MIPS 5×1011MFLOPS 106MFLOPS 100MIPS
  • 14. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ コンピュータの「使い方」の変化 国に1台/会社に1台 個人で1台(PC) 一人で何台も 仕事・勉強の道具 国・会社のプロジェクト コミュニケーション ・遊びの道具 >1億円 10〜100万円 数万円 身の回りに無数 存在に 気づかない 〜100円 大昔のコンピュータ 一昔前のコンピュータ 今どきのコンピュータ コンピュータの利用場面(アプリケーション)が広がった
  • 15. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ イノベーションのトリクルダウン A. “bunnie” Huan, “Guerilla Production Tactics”より 30倍 3倍 45nmノード 14nmノード
  • 16. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 「Lチカ」から考える半導体 =「LEDチカチカ」(LED Blink) 「LEDを点滅させる」こと プログラミングにおける”Hello World”的なもの (まず始めに試すやつ)
  • 17. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ ※ウソです 広辞林(第6版)より
  • 18. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 日本工業標準調査会(JISC) JIS規格一覧 ※ウソです
  • 19. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 「Lチカ」のパラダイムシフト MCU #Component=1 $1 Oscillator(555) #Component=4 $1.5 while(1){ a = 1; sleep(1); a = 0; sleep(1); } 可能だが非現実的なLチカ 合理的なLチカ マイコン(MCU)を使って 「Lチカ」しない理由がない コスト、機能性、・・・ コンピュータの使い方がもったいなくなくなった Mooreの法則の結果、コンピュータが「部品」になった例
  • 20. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ コンピュータが「頭脳」から「部品」に 出典:ARM 機器の頭脳 関節ごとに小さい脳(神経節) コンピュータが、システムの「主役」から「構成要素(部品)」になった
  • 21. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ Mooreの法則のわかりやすい例 マイコン(ATmega328P/PB)の例 機能:ATmega328P < ATmega328PB(上位互換) 価格:ATmega328P > ATmega328PB(30%安価) 0.6umくらいだと、製造コストはほぼチップ面積 ATmega328P(1.2umルール?) ATmega328PB(0.6umルール?) 詳細:http://ifdl.jp/blog/?p=1197
  • 22. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ (おまけ)炙って見られる どこのご家庭にもある BBQ用バーナー(カセットボンベ式) 3分くらい炙る ※火事・ヤケドに注意 ICチップ(パッケージ入) チップが見えてきた! 炭化したパッケージを、 ピンセットなどで、崩していく (チップを割らないように注意)
  • 23. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ (おまけ) ネタをTwitterで晒していたら、本になりました
  • 24. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 価格が起こしたパラダイムシフト シリアル制御フルカラーLED“NeoPixel” 電源+1本のシリアル制御線で複数制御 超安価 (~3円/pcs) 普通のLEDより安い LEDディスプレイなど大量に使われるようになった 制御チップは1umルール程度(かなり安い) Ref:https://news.nicovideo.jp/watch/nw4240213
  • 25. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ Mooreの法則の今後 微細化が進みすぎて、素子として動作しない+ 安定に製造できない 不安要因 製造ばらつき(設計通りの形状にならない) 不純物ばらつき(電気特性が設計通りにならない) トンネル効果(OFFにしたつもりが電子が通り抜ける) ref: https://slideplayer.com/slide/7843454/ Si原子(直径0.2nm) ×50
  • 26. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 最近のCPU(※イメージ) Intel Core i7 (2008) トランジスタ(素子)数~10億個 (設計では、これらを1つも間違いなく組み合わせる) cf: 地球の人口~70億人、中国の人口~13億人
  • 27. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ コンピュータの中身が見えなくなる https://hardware.srad.jp/story/18/05/25/0450230/ https://security.srad.jp/story/18/05/08/0919252/ http://www.itmedia.co.jp/news/articles/ 1806/15/news079.html 設計が正しいか検証しきれない
  • 28. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ AI/IoT時代の半導体 半導体は重要部品なのは事実 Mooreの法則の延長は望めない 十分すぎる、使いこなしきれない機能がある どう使うか? 「今ある半導体を使う」という発想の転換 ソフトウエア→ハードウエア→半導体チップ
  • 29. Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 技術が「道具」になる意義と イノベーション
  • 30. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 技術の進歩と独裁化 科学技術の進歩=社会水準の向上 科学技術の進歩=技術の高度化・複雑化 「製造者」と「利用者」の分離 製造者の「特権」: 原材料の入手(原油、電子部品、・・・) 工場・製造装置 販売チャンネル 利用者の「意識」 「ものは買う物」 大量生産・大量消費の時代が長く続いた
  • 31. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 技術の民主化へ 技術を、市民の手に「取り戻す」流れ 大量生産→ロングテールへ 「技術の民主化」を可能にする技術革新 実はルネッサンス時代への回帰でもある
  • 32. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 技術の「民主化」がもたらすもの (以前)プロのみ 音楽、映画、・・・ 我々は「消費者」 (現在)アマチュアでもコンテンツを 作ることができる DTM, Vocaloid, … YouTube, … 我々は「制作者」にもなれる (可能性・裾野が広がった) 宮下芳明「コンテンツは民主化をめざす ―表現のためのメディア技術」 (明治大学出版会, 2015)
  • 33. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 技術の「民主化」がもたらすもの プログラミング (以前)PCもプログラミングツールも高価 「遊び」から始められない (現在)PCもプログラミングツールも安価orタダ 「遊び」などから始められる =敷居の低下=裾野の広がり
  • 34. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 技術の「民主化」がもたらすもの 裾野が広がる=イノベータの多様化 「アツい思い」を具現化する 道具がある 多様性=イノベーションの土壌 小川進「ユーザーイノベーション: 消費者から始まるものづくりの未来」 (東洋経済新報社, 2013) (L.Fleming, Harvard Business Review, 8(9), pp.22-24 (2004))
  • 35. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 技術が「道具」になるとは 技術が「道具」になるステップ 開発/発明される お店で買えるようになる 使い方が知られるようになる みんなが使うようになる それが「道具」となって、次のステップへ プロのみ マニア(ハイレベルアマチュア)向け だれでも プロ(詳しい人)しか使えない アマ(詳しくない人)でも使える
  • 36. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 道具としてのマイコンボード 文具のように、いつのまにかなくなるので 常時ストック、という感覚
  • 37. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 「Makerの道具」としてのArduino Arduino←→それまでのマイコンボード USBケーブルのみでPC接続(給電・通信・書き込み) DTRリセット(PCからリセットをかける) メスソケット(ジャンパ線を挿せる) ArduinoIDE(ソフトウエアはこれで完結。ライブラリと サンプルも) いずれも「なんだ、そんなことか」と思えること しかし、それで「世の中が変わった」
  • 38. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 技術の民主化の結果:深圳の華強北 38 山寨(ShanZhai)の例(“iPhone nano”) ※FakeCopyではなく、プロダクトの 進化系。これが2週間で量産される 無限に続くパーツ屋 “Used Mobile Phone Shop”の実体 パーツに分解 (BGAも) 路上で解体 店頭でリペア 新製品の試作に流用 ShenZhen HuaQiangBei 基板製造 + 部品(サプライチェーン) + 起業(ハードウエアスタートアップ) + 資本(VC/アクセラレータ) 深圳の生態系 謎の起業・新製品が続々(ときどきアタる) 世界中から頭脳と資金が集まり、 イノベーションを生み出している 「ハードウエアのシリコンバレー」とも
  • 39. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 技術が生まれて「道具」になるまで エリンギの例 1993年に日本へ 2003年ごろから一般化 ↑10年かかって「道具」に 料理番組、調理例・・・ 農林水産省「平成20年度 農林水産物貿易円滑化推進事業 台湾・香港・シンガポール・タイにおける品目別市場実態調査 (生鮮きのこ)報告書」(林野庁経営課特用林産対策室 )より
  • 40. Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 最後の砦:半導体 ラスボス
  • 41. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 半導体は「道具」になっているか? 「ハード」=電子回路、プリント基板あたり 「集積回路(半導体チップ)」までは、なかなか どうしても「今あるもの・使えるもの」を使う カメラ、Kinect、マイコン、FPGA・・・ 新技術で、一気にパラダイムが変わることがある 「集積回路をつくれる」という道具 =「いまできること」という発想の縛りから開放 Depth画像 ※昔は「可能だが高価」 →Kinect後は「誰でも使える」 →ユーザインタフェース界の革命
  • 42. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 半導体チップは「道具」か?:調査 https://www.youtube.com/watch?v=A188CYfuKQ0 http://www.nicovideo.jp/watch/sm23660093 CMOS 0.18um 5Al 2.5mm x 2.5mm RingOSC x 1001 T-FF (Div) (※LSI=集積回路のこと)
  • 43. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ Lチカ動画:ニコ動でのコメント  こっから?  ニコ技界のTOKIO  ゲートの無駄遣い  ここから!!?  ひでえ、勿体ない使い方wwwww  マジかよ。レジストレベルの設計とか ガチすぎる。  無駄遣い過ぎるだろw  贅沢というかなんというか  え?まじでここからかよ」wwww」」  IC版FusionPCB的なところが現れれば・・・  (FPGAでは)いかんのか?  俺はFPGAで我慢することにする  いや、そこまでは必要ないです  量産品すらFPGA使う時代に専用LSI・・・  アマチュアはFPGAで良いんだよなぁ・・・w 「集積回路=すごいことをやるためのもの」という意識
  • 44. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ Mooreの法則がもたらしたもの(2) LSI設計・製造コストの高騰 シャトル製造サービス〜$1k 製造初期コスト(マスク)〜$1M 設計ツール 〜$1M 秘密保持契約(NDA; Non Disclosure Agreement) : Priceless 製造工場 〜$1G cf:プリント基板製造($10~)、Arduino($10~) cf: 設計CAD&コンパイラ(IDE)(Free~) 「専用LSIつくってLチカ」ってもったいない&無駄遣いすぎる
  • 45. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ これまでに・・・ 「懲りずに再度、LED点滅用のLSIを つくってLチカをやってみた」 Inkscape設計、クリーンルームで製造、 センサ 「また懲りずに再度、LED点滅用の LSIをつくってLチカをやってみた 」 555互換(デジアナ混載) 「またまた懲りずに再度、LED点滅用 のLSIをつくってLチカをやってみた 」 Cortex-M0(HDLから設計)
  • 46. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ オレLSI:AI向けも AI/深層学習向けのプロセッサ 従来型の「ノイマン型コンピュータ」では苦手 いわゆるASIC(特定用途向けIC)だが、 少量多品種向け GoogleのTPU (Tensorflow Processing Unit)の例 ref: https://news.mynavi.jp/article/20170411-tpu/2
  • 47. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ オレLSI:IoT向けも IoTは、本質的に「少量多品種」 使う場面ごとに、必要な機能・性能が異なる 情報処理のやり方も多様(端末側?サーバ?) 環境発電(太陽電池、振動発電など)など、 超低消費電力が必要な場面も多い センサ プロセッサ 通信 記録 電源
  • 48. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 半導体を「つくる」ためのハードル 設計CAD 市販の業務用CAD: 高すぎ、高機能すぎ 製造方法 高すぎ、時間かかりすぎ(1000万円・半年) NDA(設計ルールなどのアクセス制限)が厳しすぎ ユーザ・コミュニティ 参入障壁:現状は専門家ばかり “How”の専門家は多いが、”Why/What”は皆無 いずれも、なんとかなりそう?
  • 49. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ MakerでオレLSIをつくってみたい 情報収集・整理 仲間さがし 有志でつくってみる? 製造方法もいくつか フェニテック0.6umなど http://j.mp/make_lsi
  • 50. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ ・・・と思っていたら NDA不要・オープンソースなチップ設計環境 やや議論が発散気味な印象だが、猛スピードで整備中 予定では11月に相乗り試作 「なんてNDAなしでできたんですかね?」 →「だって130nmなんて枯れた技術だし、 隠すより、エコシステム作ったほうがいいじゃん?」
  • 51. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ Non-commercial EDA Tools 結構ある(オープンソースも多い) Layout Tool: Glade, K-Layout Schematic Entry: KiCAD, Xscheme, … Circuit Simulator: LTspice / Spice3 / ngspice, … Synthesize/P&R: Alliance, Qflow, OpenLANE *Open Source Softwares
  • 52. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 5番目のLチカのお題:RISC-V Open SourceなRISC命令セット 用途に応じて、実装する命令が階層化 乗算器、浮動小数点、暗号化、・・・ 回路の小規模下、省電力化に 適している ARMと並んで組み込み用途、 特に中国で採用例が急増中 52 https://riscv.org/specifications/
  • 53. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ RISC-Vコアの入手 poyo-v 命令セット:RV32I 3段パイプライン VerilogHDLソース MITライセンス https://github.com/ourfool/poyo-v
  • 54. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ ペリフェラルの準備 RISC-V ROM GPIO Lチカのプログラムを 入れておく poyo-v チップ (CMOS0.6um) メモリマップ 0x00000000:プログラム 0x00001000:GPIO
  • 55. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ プログラムの記述→命令ROM 0000 lui x1,0x0 0004 addi x1,x1,0x0ff ; x1=255 0008 lui x3,0x00001 ; GPIO base address 000c li x4,1 / ori x0,x4,1 0010 sw x4,0(x3) ; GPIO=1 0014 mv x2,x0 ; = addi x2,x0,0 0018 addi x2,x2,1 ; = x2++ 001c bgeu x1,x2,00018 0020 sw x0,0(x3) ; GPIO=0 0024 mv x2,x0 ; = addi x2,x0,0 0028 addi x2,x2,1 ; x2++ 002c bgeu x1,x2,00028 0030 j 00010 アセンブラをハードコーディング →機械語へ (確認用にgcc/gasも使用) module imem( input wire clk, input wire [5:0] addr, output reg [31:0] rd_data ); wire [3:0] iaddr = addr[5:2]; always @(posedge clk) begin case (iaddr) // blink program 16'h0000 : rd_data <= 32'h000000b7; // lui x1,0x0 16'h0001 : rd_data <= 32'h0ff08093; // addi x1,x1,0x0ff / x1=255 16'h0002 : rd_data <= 32'h000011b7; // lui x3,0x00001 / GPIO base address 16'h0003 : rd_data <= 32'h00106213; // li x4,1 / ori x0,x4,1 16'h0004 : rd_data <= 32'h0041a023; // sw x4,0(x3) ; GPIO=1 16'h0005 : rd_data <= 32'h00000113; // mv x2,x0 = addi x2,x0,0 16'h0006 : rd_data <= 32'h00110113; // addi x2,x2,1 = x2++ 16'h0007 : rd_data <= 32'hfe20fee3; // bgeu x1,x2,00018 16'h0008 : rd_data <= 32'h0001a023; // sw x0,0(x3) ; GPIO=0 16'h0009 : rd_data <= 32'h00000113; // mv x2,x0 = addi x2,x0,0 16'h000a : rd_data <= 32'h00110113; // addi x2,x2,1 ; x2++ 16'h000b : rd_data <= 32'hfe20fee3; // bgeu x1,x2,00028 16'h000c : rd_data <= 32'hfe1ff06f; // j 00010 endcase end endmodule VerilogHDLで命令ROMを記述
  • 56. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ RISC-Vコア(poyo-v)の修正 そのままでは予定していたチップに入らない (CMOS 0.6um 3M / 1.8mm角) poyo-vでコアで使わない機能を削減 レジスタ数:32個→5個 レジスタ幅:32bit→2bit 命令デコーダ:使用する命令のみに
  • 57. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ チップ製造への流れ 0000 lui x1,0x0 0004 addi x1,x1,0x0ff ; x1=255 0008 lui x3,0x00001 ; GPIO base address 000c li x4,1 / ori x0,x4,1 0010 sw x4,0(x3) ; GPIO=1 0014 mv x2,x0 ; = addi x2,x0,0 0018 addi x2,x2,1 ; = x2++ 001c bgeu x1,x2,00018 0020 sw x0,0(x3) ; GPIO=0 0024 mv x2,x0 ; = addi x2,x0,0 0028 addi x2,x2,1 ; x2++ 002c bgeu x1,x2,00028 0030 j 00010 VerilogHDL CMOS 0.6um 3Al 1.8mm(sq) Core=1490um x 1240um Qflow(論理合成・配置配線) osu050 (NDAフリースタセル:一部修正) module imem( input wire clk, input wire [5:0] addr, output reg [31:0] rd_data ); wire [3:0] iaddr = addr[5:2]; always @(posedge clk) begin case (iaddr) // blink program 16'h0000 : rd_data <= 32'h000000b7; // lui x1,0x0 16'h0001 : rd_data <= 32'h0ff08093; // addi x1,x1,0x0ff / x1=255 16'h0002 : rd_data <= 32'h000011b7; // lui x3,0x00001 / GPIO base address 16'h0003 : rd_data <= 32'h00106213; // li x4,1 / ori x0,x4,1 16'h0004 : rd_data <= 32'h0041a023; // sw x4,0(x3) ; GPIO=1 16'h0005 : rd_data <= 32'h00000113; // mv x2,x0 = addi x2,x0,0 16'h0006 : rd_data <= 32'h00110113; // addi x2,x2,1 = x2++ 16'h0007 : rd_data <= 32'hfe20fee3; // bgeu x1,x2,00018 16'h0008 : rd_data <= 32'h0001a023; // sw x0,0(x3) ; GPIO=0 16'h0009 : rd_data <= 32'h00000113; // mv x2,x0 = addi x2,x0,0 16'h000a : rd_data <= 32'h00110113; // addi x2,x2,1 ; x2++ 16'h000b : rd_data <= 32'hfe20fee3; // bgeu x1,x2,00028 16'h000c : rd_data <= 32'hfe1ff06f; // j 00010 endcase end endmodule poyo-v + GPIO レイアウトデータ(GDS) フェニテック社の シャトル製造 (約20万円/10chip)
  • 58. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ ボンディング→配線 クロック源の”555”(約10Hz) (同一チップの余白に集積) MakerFaireTokyo2020の1週間前に到着 →ボンディングして、ブレッドボードで マニュアルボンダーで ボンディング(Al線)
  • 59. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ 動作結果 一応、LEDは点滅している(約2Hz) ただ、ちょっと動作があやしい 周期が不規則にばらつく D-FFのセットアップ/ホールドタイムが足りない? ←製造プロセスとは別の論理セルライブラリを使用 =遅延モデルが設計と実際で異なる? https://www.youtube.com/watch?v=kV9WkaiM1Ik https://www.nicovideo.jp/watch/sm38762993 「相変わらず懲りずに再度、LED点滅用の LSIをつくってLチカをやってみた 」
  • 60. 2021/7/28 Interface Device Laboratory, Kanazawa University http://ifdl.jp/ まとめ ムーアの法則とコンピュータの歴史 高性能化 用途の拡大:その意義 「技術の民主化」という考え方 技術が「道具」になるステップ 半導体の民主化:そのステップ 現状の整理 MakeLSI:他、世界的な流れになりつつある