発生学2(受精~三胚葉)

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受精から三胚葉に分化するまでの流れを Langman の Embryology を底本にしてまとめました。発生学は教科書だけで自習するのがしんどい分野だと思います。ぜひ自習・輪講などにお役立てください。

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  • 発生学2(受精~三胚葉)

    1. 1. 発生学2(受精∼三胚葉) Author Euthman Ed Uthman, MD 三胚葉期の胚
    2. 2. Sunshineconnelly@ Wikibooksより • 下垂体後葉からゴナドトロピンが出される。ゴナドロピンはFSH (卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体刺激ホルモン)を制御 • 排卵が終わると卵胞は黄体になる ホルモンと排卵
    3. 3. 排卵から着床まで
    4. 4. • 卵胞は成熟時に直径25mmぐらいになる • 卵管采は配偶子をかき集めて卵管に収める • 排卵後12時間∼24時間で受精し、5.5日∼6日 で子宮内部まで移動して着床
    5. 5. 排卵のあと • 排卵のだいたい9日後に黄体が最大になる。黄体は卵巣の表面か ら観察できる。 • そのあと黄体は縮み、白体になる(黄体ホルモンが減少し、月経 が誘発される) • 受精した場合は、胚の合胞栄養芽層から絨毛ゴナドトロピンを受 け取り、成長し続ける。三ヶ月目には卵巣全体の半分ほどになる が、胎盤の栄養芽層からのプロゲステロンが十分になるにつれ縮 む • 四ヶ月に達する前に黄体を除去すると多くは流産する
    6. 6. 精子が受精するまで • 排出された精子のうち子宮頚部から入るのは1%(何時間も待機できる) • 精子は頚部から卵管まで筋肉の収縮で受動的に移動する(30分∼6時間) • 峡部にくると勢いが落ちるが、排卵があると勢いを取り戻す • 卵子が受精できるようになるまで7時間かかるので、急ぐのはよくない • 排出時は2億から3億→受精の現場までたどり着くのは300∼500→そのう ち一つが受精(その他の精子は受精膜突破を補助していると考えられて いる)
    7. 7. 受精 ScienceGenetics@Wikipedia
    8. 8. 受精と細胞分裂 雌性核と雄性核が 融合、有糸分裂を 開始 「グレイの解剖学」より
    9. 9. 胞状奇胎 • 全胞状奇胎:核のない卵子に精子が二個侵入するか、一個侵入し たのち2倍化してXX(まれにXY)となる • 部分胞状奇胎:健常卵子に二精子が侵入(XXY・XXX・XYY) Hellerhoff@Wikipedia 胞状奇胎のMRI像
    10. 10. 5日後の胚 Myself@Wikipedia作 • 外側が栄養芽層 (trophoblast) 、内側が胎芽芽層 (embryoblast)
    11. 11. 着床時の胚 Zephyris@Wikipedia • 6日目の胚。栄養芽 層が子宮粘膜に食 い込んでいる
    12. 12. 子宮外妊娠 • 妊娠継続でき ない場所に着 床することも ある。多いの は卵管膨大部 だが、ほかに も卵管の他の 部位・腹膜・ 卵巣など
    13. 13. 前置胎盤 • 子宮の入口に着床す ると妊娠・分 の過 程で大出血の危険あ り。 Bobjgalindo@Wikipediaより
    14. 14. 早期の胚 Zephyris@Wikipedia
    15. 15. 発生第二週の動画 http://youtu.be/YcxQDkMpj6w動画再生 ➡
    16. 16. • 合胞栄養芽層(syncytiotrophoblast):一番外の細 胞が融合した層 • 細胞栄養芽層(cytotrophoblast):細胞の区別が明 らかな層。 • 嚢胚外皮(epiblast):羊膜腔に接している。 • 胚葉層下層(hypoblast):胚盤胞腔に接している。 • 羊膜(amnion)
    17. 17. • 栄養芽層はぐんぐん成長し、合胞栄養芽層の中に すきまができてくる • 合胞栄養芽層のすきまと母親の血管がつながる • 細胞栄養芽層との間に胚体外中胚葉の層ができて くる • 合胞栄養芽層のすきまと母親の血管がつながる • 細胞栄養芽層との間に胚体外中胚葉の層ができて くる
    18. 18. • 空洞部に流れ込む血液が増えるため、13日目に出 血がおきることがある。月経周期と重なるため、 分 の日程の計算が不正確になることがある • 胚体外中胚葉の空 が融合する。同時に、もとも と卵黄嚢のスペースだった部分まで胚体外中胚葉 腔になるので、卵黄嚢はぐんと小さくなる。 • 栄養芽層(胎盤になる)と将来胎児になる組織を 結びつけている部分の胚体外中胚葉は将来臍帯に なる。
    19. 19. 原条の形成 • 胚葉層上層の腹側に窪み(原条)ができてく る。 The Open University
    20. 20. 原腸胚形成:映像 http://www.youtube.com/ watch?v=iHmBIJs77ZQ
    21. 21. 原腸胚形成:三胚葉 • ectoderm: 外胚葉 • mesoderm: 中胚葉 • endoderm: 内胚葉 • 原条から嚢胚外皮の細胞が内側に移動し、胚葉層下層 を置き換えて内胚葉になったり、胚葉層下層との間で 中胚葉になったり、移動せずに外胚葉になったりする
    22. 22. 初期胚の画像 16日目 17-19日目
    23. 23. http://www.youtube.com/watch?v=uG7Va9_jn7A 原腸胚形成:三胚葉 • 原口(premitive cord)か ら陥入した細胞は脊索 (notochord・神経管を裏 打ちし、脊椎の骨組みにな る)となる。 • 外胚葉と内胚葉の間に中胚 葉しかない総排出板 (cloacal plate)も後部に 形成される
    24. 24. 胚の画像 Euthman Ed Uthman, MD16.5∼19日目の胚
    25. 25. • 卵嚢の後ろが突き出て尿嚢を形成(正中臍索。一部 の下等脊椎動物では腎臓生成物の排泄に役立つが、 ヒトでは退化。膀胱形成異常に寄与することもある) グレイの解剖学より 尿嚢の形成
    26. 26. 軸の決定(1) • 前腸内胚葉でOTX2、LIM1、HESX1など頭の形成に必要な遺伝子や cerberusやleftyなど頭部での体節の形成を抑制する遺伝子が発現 • 原腸はNodal(TGF-βの一種)により開始、維持される • Nodalは背側・腹側の中胚葉や頭・尾に必要な遺伝子の発現を促す • 胚盤全体でBMP4(TGF-βの一種)が発現 • BMP4とFGFにより中胚葉は腹側に分化し腎臓・血液・体壁になる • BMP4は中胚葉を腹側に分化させるオーガナイザーである
    27. 27. 軸の決定(2) • chordin、noggin、follistatinなどはBMP4を抑制し、頭部の中胚葉から は脊索・体節を分化する • HNF-3β は原結節を維持するとともに前脳と中脳を形成させる。HNF- 3βがないと前脳や中脳が欠ける • 原結節、脊索になる細胞からBrachyury(T)が出て背側の中胚葉の形 成に関与する。 • BrachyuryはT-box転写遺伝子である。T-box領域には中胚葉の形成に関 わる20以上の遺伝子が存在する。Brachyuryが欠乏すると体軸が短くな る
    28. 28. • FGF8は原結節から出て左側でのみNobalの発現を促す • 神経板ができたのちはFGE8はNodalとlefty2の発現を維持する • Nodalとlefty2はともにPITX2の発現を促進する • PITX2は左側の構造の発現に関わる。右側で発現すると、内臓逆位になったり 心臓が右側になったりする。 • LEFTYは左側の底板で発現し、左側の構造の発現の制御因子が横切るのを妨げ ている • Sonic hedgehog (SHH)も右側における左側の構造の制御因子の発現を妨げてい る可能性がある • Brachyury (T)も PITX2、LEFTY2、SHHの発現に不可欠 軸の決定(3)
    29. 29. 軸の決定(4) • 5HT(セロトニン)は左側に集まり非対称性を司っている • MAO(モノアミン酸化酵素)はおそらく右側の5HTを分解している ので、左側に5HTがない • 5HTから始まる信号伝達に乱れがあると内臓逆位・右胸心・さまざ まな心臓の異常につながる • Snailは右側の構造の形成に関係しているらしい • 原結節の繊毛かギャップ結合により形成されたイオン勾配が左右の 決定に関与しているらしい
    30. 30. 運命図 • 脊索:原結節の頭側から下に潜り込む細胞 • 沿軸中胚葉(体節に分化):原結節の横側と原条の頭側から下に潜り込む 細胞 • 中間中胚葉(泌尿生殖器に分化):原条の中間から下に潜り込む細胞 • 側板中胚葉(体壁に分化):原条のより尾側から下に潜り込む細胞 • 胚体外中胚葉(絨毛膜に分化):原条の一番後ろ側から下に潜り込む細胞
    31. 31. 全前脳胞症 • 顔面正中部の形成障害 • 妊娠三週目は催寄性因子に対す る感受性の強い時期だが、この 時点で妊娠に気づくのは難しい • この時点の多量飲酒は眼や脳に なる細胞を障害し、全前脳胞症 を招く危険性 • 目が接近・前脳が小さい・二つ の側脳室が一つに融合 Diabetic fetopathy associated with bilateral adrenal hyperplasia and ambiguous genitalia: a case report. Journal of Medical Case Reports. 2008; 2 : 251. doi:10.1186/1752-1947-2-251
    32. 32. 内臓逆位 • 胸部と腹部の内蔵が左右逆になっ ている • 内臓逆位の患者の他の構造的異 常の頻度は平均よりやや多い程 度でしかない • 約20%はカルタゲナー症候群 (繊毛の異常により慢性副鼻腔 炎、気管支炎を起こす)を持つ • 原結節の腹側にある繊毛が左右 の決定に関与しているらしい グレイの解剖学より
    33. 33. 内臓錯位・心臓奇形 • 内臓が左右対象に配置される • 脾臓が二つあるor脾臓がないなど • 心臓の奇形など、他の奇形を伴うことが多い • 妊娠時のSSRI服用は心臓奇形の確率を高める
    34. 34. 人魚体奇形 遺伝子の問題や毒によ る損傷で、尾側の中胚 葉の形成が不十分にな ると、泌尿生殖器、腰 骨、仙骨の形成不全が 起こる © Musée Testut Latarjet d'anatomie de Lyon
    35. 35. 仙尾部奇形腫 • 原条の細胞が仙尾部 に残って増殖 • 性腺に入れなかった 原始生殖細胞がもと のこともある • 三胚葉全ての細胞を 含む KAFALI, Hasan et al . Ovarian vein thrombosis and Mirror syndrome in association with sacrococcygeal teratoma. Clinics, São Paulo, v. 65, n. 4, 2010 . Available from <http://www.scielo.br/scielo.php? script=sci_arttext&pid=S1807-59322010000400017&lng =en&nrm=iso>. access on 09 Oct. 2012. http:// dx.doi.org/10.1590/S1807-59322010000400017.
    36. 36. 参考文献 • 本資料の記述は "Langman's Medical Embryology" [Thomas W. Sadler PhD] に基づ いています。

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