第4回「気候変動対策の次期枠組みに向けて」資料 1/3 (鷺坂氏)

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【IDDP2008-09 第4回勉強会】 議事録

「気候変動対策の次期枠組みに向けて」

日時: 2009年2月28日14:30~16:30
場所: ロンドン大学SOAS

講師:

チャタムハウス客員研究員 鷺坂 長美氏

環境省水・大気環境局自動車環境対策課課長補佐 井上 直己氏 (現在サセックス大学にて環境開発学修士課程に所属)

同地球環境局地球温暖化対策課係長 小林 豪氏 (現在LSE にて公共政策学修士課程に所属)

主催: 英国開発学勉強会(IDDP)
http://iddp.dreamblog.jp/

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第4回「気候変動対策の次期枠組みに向けて」資料 1/3 (鷺坂氏)

  1. 1. 地球温暖化問題について 地球温暖化問題について 2009年2月28日 Chatham House Visiting Fellow 鷺坂長美
  2. 2. 温暖化の危険 CO2濃度と CO2濃度と気温 予測(2100) 予測 42万年前からの傾向 万年前からの傾向と 今後100 100年 予測> <42万年前からの傾向と、今後100年の予測> 現状(2005) 現状 CO2 気温(℃) 予測(2100) 予測 気温 現状(2005) 現状 気温( 過去X年前 出典:Nature Vol. 399 (3 JUNE 1999, Macmillan Publishers Ctd) 及びIPCC第3次評価報告書より作成 1
  3. 3. 温暖化の危険 人間社会 世界レベルで 世界レベルで のリスク増大 のリスク増大 農林水産業 ・病害虫の発生 経済への打撃 経済への打撃 への 自然環境 ・水稲の高温障害 異常気象 ・農業用水の欠乏 食糧輸入価格高騰 水資源 金融業 農林水産業の衰退 農林水産業の ・川の流量の変化 ・保険支払額の増加 社会インフラへの 社会インフラへの ・地下水の塩害 ・保険会社の破綻 投資増大 国土の保全 国土の 自然生態系 温暖化 世界の安全への打 世界の安全への打 への ・高潮や台風被害 ・種の減少・絶滅 撃 (社会インフラへの打撃) ・湿地、森林の減少 途上国での貧困の での貧困 途上国での貧困の悪化 ・小島嶼国の水没 難民の発生 難民の 産業・エネルギー 産業・エネルギー 沿岸域 ・観光資源に打撃 エネルギー危機 エネルギー危機 ・沿岸域の浸食 ・エネルギー需要増大 ・原油価格高騰 海面の上昇 海面の ・小島嶼国の水没 健康 人間の生命への打 人間の生命への打 への ・熱中症、マラリアな 撃 どの増加、発生 疾病率、 疾病率、死亡率増大3 2
  4. 4. 大気 750GtC 年間3.2GtC 増加 750GtC 年間3.2G 化石燃料 (単位:GtC/年) 単位: 年 森林伐採 からの排出 からの排出 による 6.3 排出 91.7 90 60 63 1.6 第次 IPCC第4次 報告書では 報告書では 吸収 7.2GtC =3吸収 吸収 =1.7吸収 0.7 海洋 化石燃料 陸上 2,000 38,400 約4,100 0.7 土壌 1,500 植生 500 第 次評価報告書 次評価報告書(2001)より作成 より作成 より IPCC第3次評価報告書 (6.3+1.6)-(3.0+1.7)=3.2 3
  5. 5. 温室効果ガス濃度の安定化 温室効果ガス濃度安定化のためには、排出量を、今後自然吸収量と同等ま で減らすことが必要。 (IPCC第4次評価報告書(2007)より 国立環境研究所・環境省作成) 4
  6. 6. 長期的な温室効果ガス安定化濃度と排出削減 長期的には、例えば2050年に世界の温室効果ガスの排出量を2000年比で50~85%削減する ことで、気温上昇を2.0~2.4℃に抑えることができる。なお、その際、GDPは最大で5.5%減少 するとしている。 2050年におけ 二酸化炭素排 産業革命から カテゴ 二酸化炭素濃度 温室効果ガス濃度 る二酸化炭素 出がピークを迎 の気温上昇 リー (ppm) (ppm(二酸化炭素換)) 排出量(%) える年 (℃)(注) (2000年比) Ⅰ 445 ~ 490 2.0 ~ 2.4 2000 ~ 2015 -85 ~ -50 350 ~ 400 Ⅱ 490 ~ 535 2.4 ~ 2.8 2000 ~ 2020 -60 ~ -30 400 ~ 440 Ⅲ 535 ~ 590 2.8 ~ 3.2 2010 ~ 2030 -30 ~ +5 440 ~ 485 Ⅳ 590 ~ 710 3.2 ~ 4.0 2020 ~ 2060 +10 ~ +60 485 ~ 570 Ⅴ 710 ~ 855 4.0 ~ 4.9 2050 ~ 2080 +25 ~ +85 570 ~ 660 Ⅵ 855 ~ 1130 4.9 ~ 6.1 2060 ~ 2090 +90 ~ +140 660 ~ 790 (注)目標とする温室効果ガス濃度で安定化した場合に、最終的に到達する温度上昇幅である。 5 (出典)IPCC 第4次評価報告書第3作業部会報告書
  7. 7. 濃度安定化に向けた排出経路 濃度を安定化するためには、自然が吸収できる排出量にまで、遅かれ早かれ大幅な 削減が必要。 より低いレベルでの安定化のためには、排出量のピークを早め、さらに2050年までに 大幅な排出削減が必要である。 様々な安定化レベルに対応する地球全体のCO2排出量の変化 様々な安定化レベルに対応する地球全体のCO CO2排出量 出典:AR4 SPM (Gt- (Gt-C) 1,000ppm(赤) 750ppm(水色) 650ppm(青) 550ppm(緑) 450ppm(黄) 6 IPCC第3次評価報告書(2001)より
  8. 8. 地球環境を守る人類の取組 地球温暖化・ 生物多様性・ 海洋環境・ 地球環境全般 オゾン層保護 森林保全等 化学物質等 1962 レイチェル・カーソン「沈 黙の春」出版 ラムサール条約採択 1971 ストックホルム国連人間環境 ストックホルム国連人間環境 1972 ロンドン・ダンピング条約 世界遺産条約採択 会議(人間環境宣言) 会議(人間環境宣言) 採択(廃棄物等の海洋 国連環境計画(UNEP)設立 投棄規制) ローマクラブ「成長の限界」発 ワシントン条約採択 表 1973 マルポール条約採択(船舶 ローランド氏、フロンガス 1974 からの有害物質等排出規制) によるオゾン層破壊説を 発表 アモコ・カジス号事件(英仏海峡 1978 原油流出事故) ラブキャナル事件(米、’78) (有 1982 南極昭和基地、オゾンホー 国際熱帯林木材協定 害廃棄物による土壌汚染等) ル発見 1983 (‘83) オゾン層保護のための 1985 ヘルシンキ議定書(酸性雨 ウィーン条約採択 対策ためのSox削減) フィラハ会議(オーストリ ア) 国際熱帯木材機関 1986 環境と開発に関する世界 オゾン層を破壊する物質 (ITTO)設置(‘86) 1987 委員会(ブルントラント委 に関するモントリオール議 7 定書採択 員会)「Our Common Future」報告書
  9. 9. 地球環境を守る人類の取組 地球温暖化・ 生物多様性・ 海洋環境・ 地球環境全般 オゾン層保護 森林保全等 化学物質等 1988 気候変動に関する政府 間パネル(IPCC)設立 バーゼル条約採択 1989 1990 OPRC条約採択(油汚 染対策)(‘90) 1991 環境保護に関する南極 条約議定書採択 1992 地球サミット 地球サミット(ブラジル・リ サミット 森林原則声明 オ)の開催 - 環境と開 生物多様性条約採択 発に関するリオ宣言、アジ 1994 ェンダ21採択 気候変動枠組条約発効 砂漠化対処条約採択 国連海洋法条約発効 1996 ロンドン条約96年議定書 採択(廃棄物等の海洋 投棄の規制強化) 京都議定書採択 1997 ナホトカ号油流出事故 2000 バイオセーフティーに 関するカルタヘナ議 定書採択 2001 IPCC第3次報告書 残留性有機汚染物質に 関するストックホルム条 米国、京都議定書への 約(POPs条約)採択 不支持表明 2002 ヨハネスブルグサミット 2005 京都議定書発効 8 現在 IPCC第4次報告書 (2007)
  10. 10. 我が国の温室効果ガス排出量 2008年から2009年にかけての主 2008年から2009年にかけての主な外交日程 2009 2009年 2008年 3月 4月 6月 7月 8月 9月 12月 12月 第30回 COP14 枠 気 COP15 第5回条約AWG 補助機関会合 第7回条約AWG 組 候 12/1-12 デンマーク・ (デンマーク・ 第7回議定書AWG (含:第6回条約AWG 第9回議定書AWG 条 変 ポーランド・ポズナン) (ポーランド・ポズナン) コペンハーゲン) コペンハーゲン 約 動 3~4月(ボン) 第8回議定書AWG ) 8~9月 6月(ボン) G8 環境大臣会合 サミット G8サミット G8 予定) 4月(予定) イタリア) 7月(イタリア) + MEM イタリア) (イタリア) 第2回主要 回主要 経済国首脳会合 イタリア) (イタリア) 日中 世界経済 ハイレベル フォーラム 経済対話 1/28-2/1 年度内 (スイス・ (予定) ダボス) ダボス) 東京) (東京) 9
  11. 11. 気候変動枠組条約( 気候変動枠組条約(UNFCCC、192ヵ国・地域) 1992年採択 地域) 、 ヵ 年採択 究極目的 : 温室効果ガス濃度を、気候システムに対して危険な人為的干渉を 温室効果ガス濃度を ガス濃度 危険な 危険 人為的干渉を 及ぼすこととならない水準に安定化させる ぼすこととならない水準に安定化 水準 原 則 : 共通だが差異のある責任、及び各国の能力に従い、気候系を保護 共通だが差異のある責任 だが差異のある責任 全締約国の義務 : 排出目録の作成、削減計画の立案等 全締約国の 先進国等の義務 : 排出量を1990年の水準に戻すことを目的に削減活動を報告 先進国等の 先進国の途上国支援義務 : 資金供与、技術移転、キャパシティ・ビルディング等 先進国の 京都議定書(Kyoto Protocol、177ヵ国・地域) 1997年採択 京都議定書( 、 ヵ 地域) 年採択 「共通だが差異のある責任」 原則に基づき: 共通だが差異のある責任」 原則に づき: だが差異のある責任 ①先進国全体で1990年比で少なくとも5%の削減を目標。 ②各国毎に法的拘束力のある数値目標設定 法的拘束力のある数値目標設定(途上国は削減約束なし) 法的拘束力のある数値目標設定 ③柔軟性措置として、京都メカニズムを用意 対象ガス 対象ガス CO2、CH4、N2O、HFC、PFC、SF6 の6種類 吸収源 森林等の吸収源によるCO2吸収量を算入 我が国は2002年6月4日に 締結し、議定書は2005年 1990年 1990年(HFC、PFC、SF6 は1995年) 2月16日に発効。 基準年 目標期間 2008年 2012 2008年~2012年の5年間 2012年 日本-6%,米国 未批准 -7%,EU-8%等 日本- 米国(未批准 未批准)- % 数値目標 -% 10
  12. 12. 我が国の温室効果ガス排出量の推移 2007年度における我が国の排出量は、基準年比8.7%上回っており、 年度における我 排出量は 基準年比 %上回っており っており、 年度における 議定書の 議定書の6%削減約束の達成には、9.3%の排出削減が必要。 削減約束の達成には には、 % 排出削減が必要。 (原子力発電所の利用率を84.2%と仮定した場合、排出削減必要量は4.3%) 原子力発電所の利用率を と仮定した場合、排出削減必要量は した場合 原子力発電所 排出量 億 前年度比+ 13億7,100万トン <前年度比+2.3%> 万 > (+8.7%) (+ ) (億トンCO2) 13億4,000万トン 9.3%の排出 の (+6.3%) 2.3% 5.0% 削減が 削減が必要 4.8% 2.8% 3.1% 原発の利用率 13 低下による 原発利用率84.2%と仮 原発利用率 と (原発利用率 12億6,100万 (+3.7%) 一時的影響 (+3.2%) した場合 場合) 定した場合 トン 13億800万 4.3%の削減が必要 トン 原子力発電所の利用率が84.2%で 12億5,400万 森林吸収源対策で3.8% 森林吸収源対策で <前年度比+0.5%> トン あったと仮定した場合 京都メカニズムで メカニズムで1.6% 京都メカニズムで (-0.6%) 12 の確保を目標 確保を 11億8,600万 トン (-6%) 11 10 年度 基準年 京都議定書削減約束 11 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 原則1990年) (原則 年 速報値) (速報値) (2008年~2012年) 年 年
  13. 13. 部門別エネルギー起源二酸化炭素排出量の推移 と2010年目標 単位:百万トンCO 単位:百万トン 2 トン 単位:百万トンCO 単位:百万トン 2 トン 年度目 2010年度目 安 年 年 目標まで 目標まで 1990年 2005年 増減率 の削減率 度 度 ( ※) としての目標 としての目標 -6.2~ ~ 産業(工場等) 産業(工場等) ~ -6.1% 482 452 5.4% 424~428 -6.7~ ~ ~ 217 +18.1% 257 5.5% 240~243 運輸(自動車・船舶等) 運輸(自動車・船舶等) -13.0~ ~ 業務その他 業務その他 その ~ 164 +45.4% 239 12.2% 208~210 オフィスビル等 (オフィスビル等) -20.7~ ~ ~ 127 +36.4% 174 19.0% 138~141 家庭 -16.5% 68 +16.5% 79 66 エネルギー転換 エネルギー転換 (注 )排出量の目安としては、対策が想定される最大の効果を上げた場合と、想定される 最小の場合を設けている。当然ながら対策効果が最大となる場合を目指すもので 12 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 あるが、最小の場合でも京都議定書の目標を達成できるよう目安を設けている。
  14. 14. 二酸化炭素排出量(2006年度)の内訳 排出形態別 管理主体別 廃棄物 一般廃棄物 産業廃棄物等 エネルギー転換 工業プロセス 3% 家計関連 工業プロセス 工業プロセス 4% 約20% (セメント製造時等 6% うち 家庭 の化学反応による 電力由来 産業 CO2発生) 家庭 13% 8% (家庭での冷暖房・給湯、 36% うち エネルギー転換 エネルギー転換 家電の使用等) 電力由来 合計 運輸 (発電所、ガス工場、 10% 12億7,500万t 製油所等での自家 (家庭の自家用車) 4% 13% 18% 消費分) うち 6% うち電力由来 電力由来 6% 業務 1% 11% その他 産業 20% (製造業、建設業、 業務その他 業務その他 その 鉱業、農林水産業で 18% 運輸 (商業・サービス・ のエネルギー消費) 事業所等) 36% ○CO2排出量のうち、工業プロセス、廃棄物を除く 14% 93%がエネルギーの消費に伴うもの。 運輸 ○自家用車、一般廃棄物を含め、家庭からの排出は 企業・ 企業・公共部門関連 (貨物車、企業の自家 約2割。残る8割は企業や公共部門からの排出。 用車、船舶等) 約80% 13
  15. 15. 「低炭素社会・日本」をめざして 低炭素社会・日本」 6月9日福田ビジョン 日福田ビジョン <低炭素社会への転換> 低炭素社会への転換> への転換 ・ 化石エネルギーへの依存を断ち切る ・ 低炭素社会への移行=「新たな経済成長の機会」 ・ 我が国の良さ、伝統(「自然との共生」「もったいない」)を活かし、自信を持っ て第一歩を踏み出すべき <2050年までに世界全体で排出量を半減する目標> 年までに世界全体 排出量を半減する目標> 世界全体で する目標 ・ G8及び主要排出国との間で共有することを目指す ・ 日本は、2050年までに、現状から60~80%を削減する長期目標を掲げる 日本は 年までに、現状から ~ % 削減する長期目標を する長期目標 から <10~20年での世界全体の排出量のピークアウトという目標> ~ 年での世界全体 排出量のピークアウトという目標> 世界全体の のピークアウトという目標 ・ 「全員参加」型の「公平かつ公正なルール」が不可欠 ←セクター別アプローチが有効 ・ 目標の設定に関する国際的に共通な方法論を確立する 中期的な国別総量目標を来年の るべき時期 時期に ・ 我が国の中期的な国別総量目標を来年の然るべき時期に発表 14
  16. 16. 「低炭素社会・日本」をめざして 低炭素社会・日本」 具体的な政策の つの柱 <具体的な政策の4つの柱> 革新技術の開発と既存先進技術の 革新技術の開発と既存先進技術の普及 ① ・ 途上国支援多国間基金 ・ 「環境エネルギー国際協力パートナーシップ」構想 ・ 太陽光発電世界一の座の奪還 ・ 全白熱電球の省エネ電球への切り替え ・ 省エネ住宅・ビル、200年住宅 国全体を低炭素化へ かしていくための仕組み 国全体を低炭素化へ動かしていくための仕組み ② 仕組 ・ 今秋、排出量取引の国内統合市場の試行的実施、実験を 今秋、排出量取引の国内統合市場の試行的実施、実験を開始 ・ 今秋、環境税を含め、低炭素化促進の観点から税制全般を横断的に見直し ・ 来年度からカーボン・フットプリント制度の試行的な導入実験を開始 地方の ③ 地方の活躍 ・ エネルギー、食糧の地産地消 ・ 10程度の環境モデル都市を選定・支援 国民主役の ④ 国民主役の低炭素化 ・ サマータイム ・ 7月7日を「クールアース・デー」に 15

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