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お茶の水女子大学における情報系科目のオンライン授業

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お茶の水女子大学における情報系科目のオンライン授業

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お茶の水女子大学における情報系科目のオンライン授業

2020年11月27日
ARG 第16回Webインテリジェンスとインタラクション研究会
招待パネル「情報系のオンライン演習・講義における工夫:Like duck’s webbed feet in underwater」

お茶の水女子大学における情報系科目のオンライン授業

2020年11月27日
ARG 第16回Webインテリジェンスとインタラクション研究会
招待パネル「情報系のオンライン演習・講義における工夫:Like duck’s webbed feet in underwater」

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お茶の水女子大学における情報系科目のオンライン授業

  1. 1. お茶の水女子大学における 情報系科目のオンライン授業 伊藤貴之 村上綾菜 お茶の水女子大学 理学部情報科学科 http://itolab.is.ocha.ac.jp/ 2020年11月27日 ARG 第16回Webインテリジェンスとインタラクション研究会 招待パネル「情報系のオンライン演習・講義における工夫: Like duck’s webbed feet in underwater」 Itoh Laboratory, Ochanomizu University
  2. 2. 前提知識: お茶の水女子大学について 1 Itoh Laboratory, Ochanomizu University
  3. 3. お茶の水女子大学 2 Itoh Laboratory, Ochanomizu University • 日本に2つしかない国立の女子大学 • 少人数制 • 1学年500人弱: 大半の学科/コースは10~50人 • 学生が教員に気軽に話しかける校風 • 全国から学生が集まる都心の大学 • 確か1/3以上が親元を離れて入学 • 今年度は4月から帰省したままの学生も多い • 一定以上のITリテラシー • 今年4月初旬でWiFi利用率が既に98%だった • 過去の調査でFacebookの普及率が 全国5位の大学だった (ただし検索しても出典見つからず…)
  4. 4. 緊急事態宣言前後: お茶大に何が起こったか 3 Itoh Laboratory, Ochanomizu University
  5. 5. 3月:オンライン体制を発表するまで 4 Itoh Laboratory, Ochanomizu University • 東大が3月初旬早々に授業オンライン化を宣言 − お茶大からは何も宣言がない日々→学生も教職員もざわめく • Twitterでハッシュタグ #春からお茶大 が今年も流行 − 各学科のピアサポーター(世話役先輩)が合格者を拾い上げる − 合格者がオンラインで友人になり入学前から情報共有 • 万全な調査の上で4/1にオンライン体制を発表 − 春学期の開始をGW後まで1か月繰り越し − 原則全科目Zoomでのライブ講義(教員全員にURLを配布) − 入学説明会もZoom開催 「友人ができない」という新入生の問題をみんなで解決
  6. 6. 学生との距離を縮める学科企画 5 Itoh Laboratory, Ochanomizu University • 学科Slackに全学生を招待 • 授業サポートから日常の世間話まで • Zoomでのオンライン企画 • 春学期開始前の模擬授業 • 夏休みの研究コロキウム • 夏休みの研究室訪問 • 1年生のキャンパスツアー • 3年生のガイダンス合宿の代替イベント
  7. 7. • 学科Slackにおいて - 授業ごとのチャンネル参加 - 事前資料の共有 - 事前アンケート • ポータルサイトにおいて - 履修予定授業の確認 - Zoomのリンクを取得 → 学務課からの指示 → 授業当日のアクセス集中を防ぐ目的 6 Itoh Laboratory, Ochanomizu University オンライン授業に向けての準備
  8. 8. お茶大の情報系科目の 今年度の実態 7 Itoh Laboratory, Ochanomizu University
  9. 9. 情報科学科教員へのオンラインの取り組み 8 Itoh Laboratory, Ochanomizu University ※教員13名中10名の回答 ※完全リアルタイム28科目、オンデマンドとの併用7科目 学科教員の主な工夫 • リアルタイムとオンデマンド(YouTube)の併用 • 複数PCの駆使(1台で通信、もう1台でプレゼン) • 講義スライドの事前共有・授業録画の事後共有 • ペンタブレット等による書き込み環境の試行錯誤 • マイク選び、複数マイクの共用 • コメントスクリーンによるリアルタイム匿名コメント • Slackやブレイクアウトルームでの質問対応 • Google formやGoogle classroomでの課題対応
  10. 10. 伊藤が担当した一般教養の情報系科目 • 画像処理, CG, コンピュータ音楽を平易に解説する科目 • 履修者184人 (全学1学年の約40%) – 1限でも出席率90%以上 – 184人を収容可能な教室がないので最後まで全面オンライン • 講義スライドの事前公開・録画の事後公開 • 約15分ごとにクイズやアンケート(チャットや挙手機能で) • 休憩時間を3分はさんでBGMを流す • 試験は資料閲覧アリで20問 – S,A: 閲覧しなくても解ける人 – B: 資料から探し出せる人 – C以下: 理解不足ゆえ時間不足 9 Itoh Laboratory, Ochanomizu University
  11. 11. 村上が履修した情報系科目 「データベースシステム」 • 講師: 欅惇志(デンソーアイティーラボラトリ) • 履修者:3.4年生中心(約40人) • 連絡手段としてSlackを用いた • 授業の真ん中に15分ほどの雑談タイム 例)留学のすすめ、企業の話・オンライン社内見学 • 授業中のリアクションはComment Screenを用いた − クイズに参加 − スタンプによる反応 • 毎授業後、授業スピード・内容に関するアンケート → 次回改善 • レポート課題が中間・期末で2回実施 • Slackで提出 → コメントつきPDFがSlackで返却される 10 Itoh Laboratory, Ochanomizu University
  12. 12. オンライン授業の長所と短所(教員) • 長所 – 板書が読みやすい・画像や音声がクリア – ロスタイムやトラブルが少ない – 対面よりも出席率がよい(特に午前) – 授業態度や課題提出態度が向上している – お茶大の少人数教育らしさが実現しやすくなった • 短所 – 学生の反応がわかりにくい – 孤立しがちな学生の存在に気付きにくい – 学生の顔を覚えにくい ※1 – 学生どうしで相談しにくい – スライドやオンデマンド動画の制作労力と機種依存性 – 試験や演習がやりにくい 11 Itoh Laboratory, Ochanomizu University ※1 お茶大のオンライン授業は学生のカメラをオフにする習慣が非常に強いため
  13. 13. オンライン授業の長所と短所(学生) • お茶大らしい長所 – リアルタイム配信科目が多く、学生もそれを支持している – コメント等を積極的に拾う教員が多いので対話性が高まる – カメラオフの科目が多い(化粧しなくてよい) – 90分の間に休憩が入る科目が多い – 実習中に友人どうしの通話を奨励する科目がある • 短所 – 学科によっては課題が多すぎる – 実習科目は同級生どうしで対面協力して取り組んだほうがよい 12 Itoh Laboratory, Ochanomizu University 圧倒的に多い意見 ※ Google Formでの匿名回答から抜粋 他大学からよく聞かれる「同級生と友人になれない」 「教員との対話ができない」といった短所が あまり聞かれないのもお茶大の特徴である
  14. 14. 大学全体の調査結果と対策 0% 20% 40% 60% 80% 100% 全科目オンライン希望 原則オンライン希望 対面中心希望 13 Itoh Laboratory, Ochanomizu University オンライン希望?対面希望? オンライン授業への満足度 0% 20% 40% 60% 80% 100% リアルタイム オンデマンド 満足 ほぼ満足 まあまあ やや不満 不満 • 対面授業が不人気なわけでなく、 感染に対する安全志向の高さや 帰省者の多さからオンライン傾向に • Zoomによるリアルタイム講義への 満足者が80%を占める 秋学期のお茶大の体制 • 原則全科目共通のオンライン週と対面週を設ける (同一日にオンラインと対面が混在するのを避ける) • 対面週の講義も帰省者等はオンライン参加可能
  15. 15. 附属高等学校での オンライン授業の試み 14 Itoh Laboratory, Ochanomizu University
  16. 16. 附属高校でデータサイエンス(講演編) • SSH (Super Science High school) 関連の特別科目 – データサイエンスの概念と各種手法(回帰・判別・可視化)の説明 – 40人×3教室: 講演者(伊藤)は遠隔別室から • 反応・表情が全くわからない状態でのオンライン講演 – 生徒はPCもスマホも一切持たず – カメラもマイクも各教室1個ずつ • できる範囲でインタラクティブ性を出す – クイズを定期的に出して挙手させる – プリントに問題を印刷して考えさせる 15 Itoh Laboratory, Ochanomizu University
  17. 17. 附属高校でデータサイエンス(実習編) *講義に即したオンラインのデータサイエンス教材を開発 → 操作説明は遠隔地より行う 16 Itoh Laboratory, Ochanomizu University 教室内 遠隔地 講師 (伊藤) 生徒 プロジェクター 別の講師 (村上) ZOOMで 予めつなぐ オンライン 教材の説明 オンライン教材を 稼働するサーバー
  18. 18. 将来の展望 17 Itoh Laboratory, Ochanomizu University
  19. 19. 将来の展望(村上) *活用ポイント • 場所の制約がなくなる − 課外活動参加のための時間が確保しやすい − 遠隔地のイベントへの参加が容易 • 「外部の先生」による授業が活発になる − 他校の先生による授業、企業の方によるキャリア教育 • 外部との交流の機会が増える − 学外にも成果物の発表 *改善点 • 下位層のバックアップが必要 − 質問できない学生に気が付きにくい 18 Itoh Laboratory, Ochanomizu University
  20. 20. 将来の展望(伊藤) • 入学予定者にWiFiやSNSのリテラシを呼びかけるべし • 対面授業よりも熱意の差が学生に見えやすいと認識すべし 19 Itoh Laboratory, Ochanomizu University • 大学教育は対面・遠隔の併用により拡張できる • この1年間は今後の大学教育刷新のリハーサルと考えたい 教室での対面授業 他大学への配信 学外からの講演者 体調不良時・ 悪天候時などの 自宅からの出席 教室を超えたグループワーク 大学教員への提言 (強引なポジティブ発想?)
  21. 21. おまけ(参考資料) • 試験問題「対面授業が復活してもオンラインシステムを 併用するとしたらどんなメリットがあるか?」 20 Itoh Laboratory, Ochanomizu University http://itolab.is.ocha.ac.jp/~itot/log.html#20200806

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