宮崎大学キャリア講演20170111微修正版

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宮崎大学にて大学院生を対象とした「キャリア支援講演会」に招待されまして講演しました。2017年1月11日。

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宮崎大学キャリア講演20170111微修正版

  1. 1. まえがき • この資料は大学院生(主に博士)の進路指導を目的として招待された ゲスト講演で、以下の内容を話すことを講演先との議論で決めました。 – 講演者自身が企業と大学の両方に勤務して人事採用等に関わった経験 – 情報処理業界の就職等の現状 – 学生時代の専門と違う分野に就職するための取り組み – 東京と地方の学生生活の違い – 女性活躍支援などを目的として女子大学に入ってくる情報 • あらかじめ提出した講演資料下書きの内容から、 講演先の教務関係者がこのタイトルを提案されたと伺っています。 • ご招待頂いた宮崎大学の関係者の方々に深く感謝いたします。 • 資料やご意見をご提供頂いた以下の方々に深く感謝いたします。 – お茶の水女子大学アカデミックプロダクション – IT企業各社の女性研究者・女性技術者・女性人事担当者の皆様 0 Itoh Laboratory, Ochanomizu University
  2. 2. 仕事が変わっても生きられる人になろう 伊藤貴之 お茶の水女子大学 理学部情報科学科 教授 http://itolab.is.ocha.ac.jp/ itot@is.ocha.ac.jp 2017年1月11日 宮崎大学キャリア支援講演会 (講演後の微修正版) Itoh Laboratory, Ochanomizu University
  3. 3. 自己紹介 2 Itoh Laboratory, Ochanomizu University
  4. 4. 自己紹介(1) 企業研究所社員 • 1992年 早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了 日本IBM東京基礎研究所研究員 (2005年まで) • 研究と産業を結びつける多数の仕事 – 衝突事故シミュレーション関連の研究を自動車会社で実用へ – 高速軽量通信の研究をIBM製品(WebSphereシリーズ)へ – その他 • 研究員の採用人事に多数関わる – 毎年数人の面接、企業見学会の窓口担当など 3 Itoh Laboratory, Ochanomizu University
  5. 5. 自己紹介(2) お茶大教員 • 2005年 お茶の水女子大学理学部情報科学科助教授 • 2011年 同大学教授 • 企業共同研究8社 – データ分析、画像処理、創薬支援… • 企業と学生の接点に関する活動多数 (お茶大情報系の抜群の就職力を支える諸活動) – インターンシップ、ハッカソン、就職支援… – 情報系企業の多くが女子を採用したいので お茶大にいろんな相談が届く 4 Itoh Laboratory, Ochanomizu University
  6. 6. 自己紹介(3) 海外との接点 • IBM社員時代の海外オフィスとの接点 – 毎週の電話会議、日常のチャットによる協業 – 世界各地からのインターンシップ学生 • 1~6ヶ月単位の海外大学訪問 – 2000年 カーネギーメロン大学 – 2008年 カリフォルニア大学デービス校 – 2014年 シドニー大学 • 国際会議の主催・海外との論文共著等 5 Itoh Laboratory, Ochanomizu University
  7. 7. 本日のメッセージ1 学生時代と異なる分野に進出する事例 ~他分野から情報系業界への進出~ 6 Itoh Laboratory, Ochanomizu University
  8. 8. 日本はソフトウェア専門家が足りない?(1) • 欧米企業の多くではSEも情報系出身者が中心 ↕ 日本では非情報系(文系含む)が多数を占める • 日本の機械電気系技術はソフトウェアで 負けていると解説されることがある – 現実そこまで学生が回ってない(足りない)感 – そのうち建築・農業・経済などでも同じ話が出てくる? • 生命科学などでも海外では「一人でドライ・ウェット 両方できる人が生き残れる」と言われることがある 7 Itoh Laboratory, Ochanomizu University ※あくまでも関係者からの伝聞であり統計データがあるわけではありません
  9. 9. 日本はソフトウェア専門家が足りない?(2) • 大学の構造にも理由がある – 海外の多くの大学には「理学部・工学部」と同列に 「情報学部」があるが、日本では学科のみの大学が多い – 日本の情報系学部といえば「○○情報学部」という 文理融合型学部が多い • ひょっとしたら「他国よりも人が足りなくて当たり前」かも • 裏を返せば日本の情報系業界は 「キャリアを変えたい人へのチャンス」かもしれない 8 Itoh Laboratory, Ochanomizu University ※あくまでも関係者からの伝聞であり統計データがあるわけではありません
  10. 10. 情報系業界への転身の機会 • 例えば国内最大手のIT系企業研究所 – 講演者の周囲では1/3以上が非情報系の出身 (機械・電気・数学・物理・化学…) • 必ずしも企業の業務に近い専門性だけでなく – ベースになる基礎理論・基礎技術の習得 – 人間的なポテンシャル などが評価対象になっている • 大学や研究所でも「情報+他分野」の研究事業が増え、 他分野の研究者がソフトウェアに接するチャンスが増える 9 Itoh Laboratory, Ochanomizu University
  11. 11. 博士学生のIT業界への進出 10 Itoh Laboratory, Ochanomizu University Works 2014年10-11月号 (リクルートワークス研究所) 講演ではここに記事が転載されていました
  12. 12. 大学の博士学生イベントへの参加企業 11 Itoh Laboratory, Ochanomizu University 化学や情報など特定の業界において 多数の企業が博士学生に関心を持っている 裏を返せば「院生採用に意欲の高い業界」 を見極めることも進路を考える一手段である
  13. 13. いったんまとめると 現在の所属分野に人生を捧げるしかないと きまったわけではない (あくまでも一例として情報系業界での例を紹介) では、これからの学生生活をどう過ごそうか? 12 Itoh Laboratory, Ochanomizu University
  14. 14. 本日のメッセージ2 仕事が変わっても生きられる人になろう 13 Itoh Laboratory, Ochanomizu University
  15. 15. 大学院生の就職面接で何をチェックしたか • あくまでも企業人時代の講演者の経験と感覚 – 業績 (数ではなく質) – 自力度/作業量 – 問題定義力/問題解決力 – ビジョン/リーダーシップ – 発表能力/質疑能力 – 多様な分野・職種・業務への柔軟性 • 要するに「一緒に働きたい人」を採用したい – 研究を評価するのではなく、人を評価する 14 Itoh Laboratory, Ochanomizu University
  16. 16. 大学の博士学生イベントでの企業の声 • 院生とのコンタクトで重要視する点は何か? – コミュニケーション能力(15名) – 人物としての将来性(14名) – 人柄(13名) – 自社との研究とのマッチング(7名) – プレゼンテーション能力(6名) – 研究内容(5名) – 研究で得たスキル(5名) – 研究の将来性(2名) 15 Itoh Laboratory, Ochanomizu University 面会してみないと わからない 面会前から 調査可能 ※ポスドク・博士課程生のワークインプログロス (2016年11月16日お茶の水女子大学)での調査
  17. 17. お茶大を訪ねた採用担当者のコメント例 • 結局は研究や作品の「過程」が重要 – 自力度/作業量 – 問題定義力/問題解決力 • 学力も最近よく見られる – 点数そのものというより真面目さや幅広さを見る – 企業によっては英語も重要 • 日本は同一企業でいろんな職種を回るので 融通が利く人材であることが重要という声も – バランスのとれた実力(特に文章力、発表力など) • バイトやサークルで人間性や経験をアピールするのはもう 飽きたので逆効果という声も 16 Itoh Laboratory, Ochanomizu University
  18. 18. 大学院生活で気に留めたい点 (1) • 大学の研究は「例題」でもある – どうせ大半の人は就職したら違う課題を解いている – 違う課題にも共通する「研究方法論」を習得して欲しい • 研究の課題発見方法と人材の関係 17 Itoh Laboratory, Ochanomizu University シーズ ニーズ アイディアを 自由に形にする 研究室得意の 研究課題を継ぐ 学会で旬な 課題を解く 実社会で困って いる課題を解く 論文を書きやすいエリア? 企業の人から「こんな人材がほしい」と言われるエリア
  19. 19. 大学院生活で気に留めたい点 (2) • 研究室で学ぶことは研究者だけのものではない: – 研究プロセスと企業プロセスには多くの類似点 • 「研究者にならなくても役に立つ経験」を学生生活で 身につけよう 18 Itoh Laboratory, Ochanomizu University 文献調査 ⇔ 市場調査 技術開拓 ⇔ 商品企画 実装・実験 ⇔ 開発・テスト 口頭発表 ⇔ 展示・プレゼン 研究プロセス 企業プロセス ※主要他国が日本よりも博士課程進学率が高いのは 「将来研究職に就かないけど実力をつけたい」人が多いからでもある
  20. 20. 本日のメッセージ3 都会の方法論と一線を画そう 19 Itoh Laboratory, Ochanomizu University
  21. 21. 都会の極端な例:お茶大某学科&某研究室 • 学生はいろんな場所に引っ張りだこ – 他大学との共同研究会 – 企業との接点:インターンシップ・ハッカソン等 – 豊富な技術系アルバイト・技術系サークル活動 • 1年中たくさんの人と会っている – 圧倒的な情報量と人脈 – 発表力・議論力を試す機会の多さ • 教員から見ても恵まれすぎた環境 20 Itoh Laboratory, Ochanomizu University
  22. 22. 都会の人が有利と決まったわけではない • 都会学生は忙しい – イベントが多すぎる – 生活コストが高いのでアルバイトも多い – 通学時間の長い人も多い – 結果的に研究成果が小刻みになりがち • 地方の人でもウェブなら見つけてもらえる – 面白い発信をしている人であれば 遠隔からでもすぐ仲間になれる ※特に計算機に向っている時間の長い分野に顕著 21 Itoh Laboratory, Ochanomizu University
  23. 23. 裏を返せば…地方学生へのススメ • 時間をかけて腰を据えた成果を出す – 郊外でゆったり研究して作業量で圧倒しよう ※他国では日本以上に「郊外に」素晴らしい研究成果がたくさんある • 所属組織の個性を自分のものにする – 地方国立大学には個性的な横断組織が多い ※都会の大規模な大学は組織が分断されがち • ウェブで積極的に発信する – (特に研究職や情報系企業では)大学院生は 書類提出時点でウェブで検索されていると思うべし – 何も発信しなければ存在しないも同然 22 Itoh Laboratory, Ochanomizu University
  24. 24. 本日のメッセージ4 女子大教員から女子学生の皆さんへ 23 Itoh Laboratory, Ochanomizu University
  25. 25. 多くの企業が女子学生に期待する理由 • ダイバーシティ(人的多様性)による企業力向上 – 優秀な学生をより幅広く確保する手段 – 多様なイノベーションの促進 – 企業魅力(ブランディング)の向上 • 幅広い顧客への満足度向上 – あらゆるユーザの視点にたった企業戦略と研究開発 • 社会変化への対応 – 女性活躍推進法への企業目標 – 女性のキャリア推進に対する企業責任 24 Itoh Laboratory, Ochanomizu University ※IT企業の女性研究者・技術者・人事担当者からのヒアリング内容の要約
  26. 26. 女子学生にどんな学生生活を期待するか • 基本的には男子と大差ない – インターンシップやグローバル体験をしてほしい • 強いていえば女子に以下を勧めたい – 男性多数社会のビジネス方法論の調査 – 女性のキャリア・ワークライフバランスなどの観察 – 自分の環境で女性が特別扱いされていないか確認 – 詐欺師症候群(自分が詐欺師に思えてくる過小自己評価)に注意 – 同性がいない場所にある興味にも積極的に着手 – その他(主にプライベート面) 25 Itoh Laboratory, Ochanomizu University ※IT企業の女性研究者・技術者・人事担当者からのヒアリング内容の要約
  27. 27. ありがとうございました 本講演内容に関するご質問は いつでもメールで承ります itot @ is.ocha.ac.jp 皆さまのご活躍を祈念いたします 26 Itoh Laboratory, Ochanomizu University

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