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【2000年代前半/沖縄編】平成生まれのためのUNIX&IT歴史講座
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法林浩之
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Apr. 20, 2019
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【2000年代前半/沖縄編】平成生まれのためのUNIX&IT歴史講座
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Technology
2019年4月20日(土)、OSC沖縄での発表資料です。
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【2000年代前半/沖縄編】平成生まれのためのUNIX&IT歴史講座
1.
#UNIX歴史講座 #osc19ok jus研究会沖縄大会 〜2000年代前半編〜
2.
本日の資料は こちらで公開します https://www.slideshare.net/hourin/ もしくは 「slideshare 法林」で検索
3.
法林 浩之 @hourin ● 日本UNIXユーザ会 幹事
(元会長) ● さまざまなコミュニティとイベントを開催 ● 全国各地のイベントで研究会を開催 ● フリーランスエンジニア ● 最近はさくらインターネットの仕事が多い ● TechLIONなど多彩なイベントを開催 ● くわしくは「法林浩之」で検索
4.
1983年設立 日本におけるUNIXや OSSコミュニティの草分け 日本UNIXユーザ会 (jus)
5.
jusの会報 主に活動報告を掲載 jus幹事が編集 設立当初から現在に至るまで継続
6.
試合に至る経緯 ● 昔の/etc/wallは紙媒体 (現在はPDF) ●
jus事務局に眠る古文書の電子化を推進中 ● 作業中に/etc/wallが全巻発掘され電子化 ● /etc/wallに書かれた活動記録を紹介することで、 当時のUNIX業界やIT業界の状況を伝えたい ● 35年分を一度に紹介するのは無理なので、 各回ごとに5年ぐらいの範囲を設けて紹介
7.
おことわり ● 今日の内容は当時のIT業界のごく一部 ● jusの活動記録から見た当時の状況説明 ●
jusの活動範囲外の出来事は載っていない ● 時間の関係で割愛する話題も多い ● NGワード ● (俺の思い出の)あの出来事が載っていない ● なつかしい
8.
昭和生まれの皆さんへ 発表内容の補足情報を ハッシュタグを付けて 投稿してください #UNIX歴史講座 #osc19ok
9.
今回の対象時期 2000年代前半 2000-2004年前後の /etc/wallから紹介
12.
日本のオープンソースコミュニティが 一堂に会した最初の展示会 オープンソースまつり
13.
オープンソースまつり ● OSSコミュニティが集まったイベントとして は日本初 ● 1999年と2001年の2回開催 ● 大量に赤字を出したので2回で終了 ●
2002年に関西オープンフォーラム(KOF)、 2004年にOSCが始まり現在に至る
14.
オープンソースまつりのセミナー(1)
15.
オープンソースまつりのセミナー(2)
18.
関西オープンフォーラム (関西オープンソース+フリーフェア) ● 関西のオープンソースやITコミュニティが集まる イベント ● 当初はオープンソースに加えてMacやWindowsの フリーウェアも対象とした ● 数年後に対象を「オープンソースとITコミュニティ」 に変更したが、略称のKOFを維持し現在に至る ● jusが共催したのでオープンソースまつりに近い ● オープンソースだけでなくIT全般のコミュニティが 定期的に集まるイベントとしては日本で初めて? ● 関東では2004年にOSCが始まり全国に広がる
19.
第1回(2002年)のプログラム ● 展示会:企業やコミュニティなど大小17組織 ● セミナー、講演会、討論会 ● BOF (同好の士が集まって自由討論) ● ステージ (展示会場内でのトークショー) ● 2日間で約1000人の来場者
23.
2000年前後はオープンソースが 新語として扱われていることがわかる
25.
YARPC 19101 ● PerlとRubyを対象とするカンファレンス ●
jusの行事としては、Perl Conference(1998年)、 Ruby Workshop(1999年)に続く言語イベント ● 19101は、2000年問題に未対応のプログラムが 2001年を迎えたときの表示 ● 当時、Perlは全盛期、Rubyは流行前(Railsがまだ ない)、Pythonは存在すら知られていない ● YAPCは現在も各地で開催中 ● jusの言語イベントはLLイベント(2003年-)に 受け継がれる
26.
日本初のライトニングトーク開催
27.
YARPC 19101のLT(1)
28.
日本へのLT伝来については 前田さんの発表資料が詳しい https://www.slideshare.net/KaoruMaeda/lightning-talks-13792958
29.
YARPC 19101のLT(2)
30.
出典:http://www.rubycolor.org/takahashi/takahashi/img0.html このとき初めて 高橋メソッド によるプレゼン が行われる
32.
LLイベント ● Lightweight Language(軽量プログラミング 言語)のコミュニティによるカンファレンス ● 2003年から毎年夏に開催 ● 最盛期は1000人が参加 ● 2000年代後半以降は各言語コミュニティ単体 のカンファレンスがさかんに ● 現在はイベント名称をLearn Languages (複数の言語を学ぼう!)と再定義し継続中
33.
LLとオブジェクト指向について (2003年 LL Saturday)
34.
LLとblog (2004年 LL
Weekend) この頃からブログが普及
35.
LLを仕事に (2004年 LL
Weekend)
36.
当時はLLを使う仕事は少なかった (特にRubyとPython)
38.
BSD/Linux Day ● Internet Weekにおけるjus提供試合として、 2001-2003年に開催 ●
BSDやLinux、およびその上で動くソフト ウェアについて議論するセッションを実施 ● 1テーマにつき複数のソフトウェアを選び 関係者を招聘
39.
BSD/Linux Day (2001年)のプログラム(1)
40.
BSD/Linux Day (2001年)のプログラム(2)
41.
BSD/Linux Day (2001年)のプログラム(3)
43.
IPv6 ● IPv4アドレスの枯渇を予測して、次世代の インターネットプロトコルとして策定 ● 1995年に最初のRFC発行 ● KAME:BSD系UNIX用の参照実装 ● 活動期間:1998-2006年 ● http://www.kame.net/ ●
USAGI:Linux用の参照実装 ● 活動期間:2000-2006年 ● http://www.linux-ipv6.org/ ● IPv6自体の普及は2010年代以降
44.
プライバシー対応が社会問題に
46.
「インシデント」は当時まだ 一般的な言葉ではなかった
47.
当時はメールサーバと Webサーバが主な標的
48.
Mac OS X
(現在のmacOS)が この時代にリリースされる
49.
VMwareなどの仮想化ソフトウェアが登場
50.
2000年代前半のまとめ ● オープンソースの概念が広まった時代 ● 各地にOSSコミュニティ(主にLinuxユーザ コミュニティ)が立ち上がった時代 ●
FreeBSDとLinuxの勢力が拮抗していた時代 ● スクリプト系言語が勢力を拡大した時代 ● IPv6の基礎が確立された時代 ● 仮想PCが使われ始めた時代
51.
今後の予定 6/1(土) OSC北海道 1990年代前半編 その後も各地で開催予定
52.
皆さんに お伝えしたいこと
53.
今の流行技術も 20年後には 歴史講座の題材
54.
今すぐこの時代の まとめを作る必要はない でも今を記録に残すことは やっておいた方がいい
55.
他の年代の資料も こちらで公開中 https://www.slideshare.net/hourin/ もしくは 「slideshare 法林」で検索
56.
ありがとうございました つづきは懇親会で!