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コンテンツと著作権の基礎の基礎

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2015年5月30日
Oculus勉強会 OcuBen#2「MobileVRの可能性を考える」
https://ocuben.doorkeeper.jp/events/24708
特別講演 14:25 - 15:25
タイトル:「コンテンツと著作権の基礎の基礎」
内容:日本国の著作権法、民法等に関する講義資料
制作者:あしやまひろこ @hiroko_TB

Published in: Law
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コンテンツと著作権の基礎の基礎

  1. 1. コンテンツと著作権の基礎の基礎 適切にコラボレーションを加速するために あしやまひろこ @hiroko_TB / www.hirokotb.com
  2. 2. 免責事項 • 今回は、無料で発表するものであり、一切の内 容の正確性・妥当性等を保証しません。 • 私自身、弁護士等の有資格者ではなく、仕事 の都合で法務業務の経験があるまでです。 • あくまで参考意見として聞いて下さい。
  3. 3. お題
  4. 4. 紙とペンで 自分の一番好きな人 または、あこがれの人を または「嫁」 書いてみましょう! 上手さは関係ありません!
  5. 5. 自己紹介 名前:あしやまひろこ 野生のパフォーマー、研究者 など 所属:テクノコスプレ研究会
  6. 6. 主要な作品 • 同人誌『女装と思想』 (定期刊行) • モヤットスクリーン (立体スクリーン) • ゆかり温泉 (体験型アトラクション) • 女の子の匂いの香水 (香水調合)
  7. 7. 本題に入る前に
  8. 8. 法律とは • 「法律は道徳の最小限」 ドイツの公法学者 Georg Jellinek(ゲオルグ・イェリネック) • 法律は、道徳や常識を言葉にしたもので 常識的に変なことが書かれているわけではない!
  9. 9. 道徳・倫理 法律
  10. 10. 1.いつでも誰でも著作権者!
  11. 11. 絵が書けた人挙手!
  12. 12. その絵の使い方 • 作者本人が大切にしまっておく • 友達にあげる • コミケで売る • ホームページに掲載する …etc.
  13. 13. その絵を 勝手に利用された嫌ですよね!
  14. 14. 絵を描く、文章を書く、音楽を作る、 創作活動は大変なこともあるし、 作品は作者にとって大切なもの 莫大な開発コストや時間が かかっていることも 作り手の思いを考えてみましょう
  15. 15. 2.著作権の基礎的概念
  16. 16. まず参照すべきは? • 権利等に関しては「著作権法」をまずは参照 • 取引を具体的に行う場合「民法」が該当 • 商人間取引の場合「商法」も該当
  17. 17. 保護される対象 • 著作権の保護対象 「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、 文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」 (著作権法2条1項) 本やCDの様な「物」を必ずしも必要としない! • Cf. 特許権は「自然法則を利用した技術的思想」 (特許法2条1項)
  18. 18. 著作権法第十条 この法律にいう著作物を例示すると、おおむね次のとおりである。 一 小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物 二 音楽の著作物 三 舞踊又は無言劇の著作物 四 絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物 五 建築の著作物 六 地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物 七 映画の著作物 八 写真の著作物 九 プログラムの著作物 2 事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道は、前項第一号に掲げる著作物に該当しない。 3 第一項第九号に掲げる著作物に対するこの法律による保護は、その著作物を作成するために用 いるプログラム言語、規約及び解法に及ばない。この場合において、これらの用語の意義は、次の各 号に定めるところによる。 一 プログラム言語 プログラムを表現する手段としての文字その他の記号及びその体系をいう。 二 規約 特定のプログラムにおける前号のプログラム言語の用法についての特別の約束をいう。 三 解法 プログラムにおける電子計算機に対する指令の組合せの方法をいう
  19. 19. 権利が保護されている • 著作権=自然に発生する(無方式主義) 著作物が作られた瞬間に発生 登録・公示の必要がない • 特許権=権利保有者が申請して 手続きを踏んだときに発生
  20. 20. 法人が主体の場合と映画の場合 • (職務上作成する著作物の著作者) • 第十五条 法人その他使用者(以下この条において「法人等」という。)の発意に基づきその法人等の業務 に従事する者が職務上作成する著作物(プログラムの著作物を除く。)で、その法人等が自己の著作の名義 の下に公表するものの著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、そ の法人等とする。 • 2 法人等の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成するプログラムの著作物の著作者 は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、その法人等とする。 • 第四款 映画の著作物の著作権の帰属 • 第二十九条 映画の著作物(第十五条第一項、次項又は第三項の規定の適用を受けるものを除く。)の著 作権は、その著作者が映画製作者に対し当該映画の著作物の製作に参加することを約束しているときは、当 該映画製作者に帰属する。
  21. 21. 著作者に発生する権利 • 著作者人格権 →精神的に傷つけられないため • 財産的権利 →経済的に損しないため
  22. 22. 権利をわかりやすくするために • 著作者人格権 →精神的に傷つけられないため 自分の書いた「嫁」のイラストに勝手に鼻毛を書き足されたら当 然怒りますよね? 例えばそういった苦痛から保護するものです。 • 財産的権利 →経済的に損しないため 他人が勝手に自分の書いたイラストをコピーして売ったら、自分 が苦労して作ったもので勝手に他人が利益を得ているのは納得 いかないですよね?
  23. 23. 著作者に発生する権利 • 著作者人格権=譲り渡すことは出来ない 公表権・氏名表示権・同一性保持権 • 財産的な著作権=譲る、売ることができる 複製権、上演権、演奏権、上映権、公衆送信権、口 述権、展示権、頒布権、譲渡権、貸与権、翻訳・翻 案権、二次的著作物の利用権
  24. 24. 人格権の注意 • 著作者の人格を守る人格権は譲れません! (人権に近い考え方) • 公表権:自分の著作物をいつ、どのように公表するか? • 氏名表示権:著作者名を表示するか、そのとき、どのよう な名前(実名・ペンネーム)で表示するか? • 同一性保持権:著作物の内容又は題号を自分の意に反 して勝手に改変されない権利
  25. 25. 買い取る場合どうする? • 人格権を「行使しない」ことを相手に約束さ せることは可能。 • 契約(契約書が事実関係を確認する上で確 実)を結び、人格権を行使しないことを著作 者に認めてもらうことも可能。
  26. 26. 財産的な著作権の注意 • 自由に売ったり、渡したりすることができます • (参考)契約上の注意点として「著作権」と書いただけ では、第27条、第28条の権利(翻訳・翻案・二次的 著作物の利用に関わる権利)が含まれません。(著作 権法第61条2項) そのため「著作権(著作権法第27条及び第28条に規 定される権利を含むがこれに限られない。)」と書く
  27. 27. 財産権部分の注意 • 原作者は、 1)二次創作を許可・不許可にする権利 (翻案権)を有する! • 2)二次的著作物(同人作品)に関する 一切の権利 (二次的著作物に対する権利)を有する!
  28. 28. 3.二次創作から著作権を考える
  29. 29. 二次創作は(許可がないかぎり) 基本的にブラック! • もし、無許可で同人活動をしている場合…… • 原作の同一性保持権、翻案権等を侵害している • 元ネタの権利者(原作者等)は一切の権利を保有している • ただ、無断で作った二次的著作物でも、そこに発生する権利は 二次創作者は権利を持つ(ただ、その権利は原作者も有する) グレーゾーンと言われているが、単に権利者が訴えてないだけ
  30. 30. おさらい 権利者は、 • 1)原作を勝手に改変されない権利(同一性保持 権)を有する! • 2)二次創作(翻案)をそもそも許可・不許可にする 権利を有する! • 3)二次的著作物(同人作品)に関する一切の権利 (二次的著作物の利用権)を有する!
  31. 31. 二次創作許可は特殊事例! ピアプロ・キャラクター・ライセンス(要約)http://piapro.jp/license/pcl/summary
  32. 32. ピアプロ=権利者が その権利の一部を利用しているだけ! ☓ユーザーがキャラクタを自由に 利用できるようにしている ○ライセンサーが、その管理して いる著作物の権利を利用して、 その許諾条件を定めている (主に翻案の許諾) その根拠は著作権法や民法
  33. 33. 特殊なライセンスが無い限り 著作権法に準拠する • もし、キャラクターを利用したい場合は 著作権を侵害しないように! • 二次創作(例えばMMDモデル) の利用には、二次創作の作者と、その元ネタの権利 者の許諾の両方が必要
  34. 34. 原作の 権利者 の権利 二次創作 (二次的著作物) 二次創作者 の権利 二次創作 (二次的 著作物) 著作物 (原著作物)
  35. 35. 先ほどの絵を思い出しましょう • 自分の書いた絵を勝手にパクった人に対して 自分の権利も主張したいですよね? • 自分の書いた絵を勝手に改変されたら 差し止めしたいですよね? • それを当然に認めているだけにすぎません!
  36. 36. オープンソースと比較すると • 自由な再配布 → 複製権(財産権) • ソースコード公開 → 公表権(人格権) • 派生物の許諾 → 翻案権(財産権)・同一性保持権(人格権) • 同一性保持要求可能 → 同一性保持権(人格権) • 許諾先の差別禁止 → 民法上の自由契約 • 再配布時追加ライセンス不要 → 民法上の自由契約 • 特定製品依存禁止 → 民法上の自由契約 • 排他性の排除 → 民法上の自由契約 • 技術的中立性 → そもそも芸術作品(技術は特許)
  37. 37. オープンソース的な考えで、 他者の権利を侵害した 著作物を扱うと怖い・・・!
  38. 38. 4.オリジナルを依頼するときの注意
  39. 39. 適切に権利を確認しよう! • 他者の権利を侵害していないか? (オリジナルか?) • 作者さんにしっかり確認しましょう • もし知らずに二次的著作物を利用していると 権利者から差止請求を受ける可能性が…… • 権利を完全に移譲するのか、 利用を許諾されるだけか?
  40. 40. ワンポイントアドバイス • 権利を完全に移譲する(買取)ならば 1)著作者人格権の行使を止めてもらう 2)著作権(27条28条の権利を含む) の移譲を確認する • 権利を許諾されるのならば 1)どのような利用に関して許諾を貰うかを正確に定 義する
  41. 41. ワンポイントアドバイス • ちゃんと法律を勉強して、どんな権利があるか を確認しましょう • もし契約を結ぶ場合、相互に認識のズレが無 いように、言葉には気をつけましょう。きちんと 定義しましょう。
  42. 42. 一般的アドバイス • 法律(民法)が取引のルールの基礎 • 著作物に関しては「著作権法」をまずは参照! • ピアプロライセンス等は、権利者が、著作権法 に守られている権利を、権利者が使っているだ け!
  43. 43. 一般的アドバイス • 契約書等を自分で書くのは自由 • 他人に無料で書いてもらう、相談するのも自由 • 一般的に「契約書」や「規約」には著作権は無い(著作物ではないと考 えられる)ので、契約書や規約をコピペして流用することは問題ない事 が殆ど(昭和62年5月14日東京地裁判決 等参照) • 有料で法律に関する一切の相談・依頼をするときは、 必ず資格者(弁護士、書士等)に依頼する →無資格者による有料の法律行為(非弁行為)は、 法律で禁止されている!(弁護士法等参照)
  44. 44. 最後に • とにもかくにも、法律を知ることは大事! 「著作権法」とできれば「民法」をおさえましょう ありがとうございました @hiroko_TB あしやまひろこ

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