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2014年度中部大学共同研究報告

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伊能社中の中部大学との共同研究報告
「市民によるデジタルアースアーカイブの実証的研究開発」

今や月額100円でサーバーをレンタルでき、中学生・高校生がお小遣いで全世界に向けて情報発信できる時代。伊能社中では、中学生・高校生が地域の情報発信の担い手となり、地域コミュニティの形成・住民発オープンデータの普及を推進するための研究を行いました。今回、実施したモデルケース(デジタルアース)を全国へと拡大させていくことを目指しています。

Published in: Education
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2014年度中部大学共同研究報告

  1. 1. 環境・エネルギー分野における 市民によるデジタルアースアーカイブ の実証的研究開発 NPO法人伊能社中   仙石 裕明 2015年2月26日 中部大学 中部高等学術研究所 国際GISセンター
  2. 2. 教育の情報化に向けて、学校教育におけるデジタル地図 の普及活動・利活用支援を行っているNPO法人です。 ワークショップの開催 地図教材の普及活動地図教材ソフトの開発
  3. 3. 共同研究者 仙石裕明 特定非営利活動法人 伊能社中 副理事長・博士(環境学) 渡邉英徳 首都大学東京 准教授 河合豊明 文教女子大学附属高等学校 教諭 飛鳥井拓 教育系(図書)出版社 編集部 太田弘   慶應義塾普通部 教諭 大島英幹 特定非営利活動法人 伊能社中・博士(政策・メディア) 田村賢哉 特定非営利活動法人 伊能社中 理事長・修士(文学) 尾崎正志 奈良大学大学院 修士課程2年 井出健人 京都大学大学院 修士課程2年
  4. 4. AGENDA •研究概要 •研究背景と目的 •研究方法 •結果と考察 •展望と課題
  5. 5. 研究概要 地域の魅力・課題を、地域住民が持続的に 発見・共有・発信できる体制の構築 市民による持続的な環境コミュニケーションの実現
  6. 6. 研究背景 地域情報化の現状 http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/local_support/ict/# センサやインターネットを活用した地域情報化が進展 医療、介護、子育はじめ多分野にICTが普及
  7. 7. 研究背景 住民の持つ情報や意識の情報化 実際に地域の環境問題や資源・エネルギー問題に直面 するのは現地に住む市民である。 市民の認知や問題意識については、地域SNS(庄司 ら,2007)やソーシャルメディアの導入(谷村ら,2014)が 確認されているが、市民側から持続的に市民の問題認 識やローカルな情報を発信・共有する体制はまだ普及 していない。

  8. 8. 研究背景 環境・エネルギーに関する情報の取得や入力は、 GIS(地理情報システム)や統計ソフト等の専門知識・ 技能を用いることが多く、市民にとって情報発信・ 共有がしにくいものが多い。 ! 一般市民が情報発信・共有しやすいシステムおよび 運用体制が必要である。 専門知識を要さない情報発信・共有体制の必要性
  9. 9. 研究目的 本研究では、市民が環境情報を持続的に発信・共有 して、デジタルアースとしてアーカイブすることを目 的とする。 ! そのために必要となる基礎的な運営体制やシステム を実践を通じて知見を集約し、汎用的に実践可能な 方法論を構築することを目指す。
  10. 10. 研究の方向性 最終成果として、NPOや市民団体が運用できること を目指し、フレームワークおよびソースコードの公 開を行う。 ! また、本研究の価値として、市民が環境情報を持続 的に発信・共有するうえで、母体となる市民活動 を、研究対象とする。
  11. 11. http://nagasaki.mapping.jp/ 既往研究:長崎アーカイブ 渡邉英徳,坂田晃一,北原和也,鳥巣智行,大瀬良亮,阿久津由美,中丸由貴,草野史興: 「 Nagasaki Archive : 事象の多面的・総合的な理解を促す多元的デジタルアーカイブズ」; 日本バーチャルリアリティ学会論文誌第16巻第3号,page 497-505,2011年
  12. 12. デジタルアースプラットフォーム 浦安アーカイブ http://iknowshachu.org/Archive/urayasu/ ! 神戸星陵台アーカイブ http://iknowshachu.org/Archive/kobe/ ! 水戸アーカイブ http://iknowshachu.org/Archive/mito/ 本研究において、市民が情報発信・共有した環 境情報に基づいて3地域のアーカイブを開発。
  13. 13. ※1 本プラットフォームは共同研究者である首都大学東京渡邊英徳准教授の協力を得て、開発を行った。 ※2 ブラウザのライブラリの関係のため、Firefox・safariでの閲覧を推奨 ワークショップで作成されたファイルを指定のディ レクトリに格納し、ソースコードの指定箇所を編集 するだけで、容易にプラットフォームの編集・デー タの追加・削除が可能
  14. 14. データのダウンロード  OpenTextMap  http://opentextmap.org/ ダウンロード専用サ イトとして。スマート フォン・タブレットか らも利用可能
  15. 15. OpenTextMap  http://opentextmap.org/ 他のデータもアップ ロード可能。 データのダウンロード 
  16. 16. 研究方法 本研究では市民が情報発信しやすい体制を実証的にケース スタディを行った。今年度の研究では、ソーシャルメディ アを用いた場合と、ICT能力のある専門スタッフとの恊働に よる場合の2通りのデジタルアースの構築について扱った。 ! なお、本研究ではワークショップを開催し、テーマを設け て市民の情報発信・共有の実証の場を設けた。
  17. 17. ソーシャルメディアを用いた 市民デジタルアースの構築 デジタル アース公開 地図情報に集約 機材・環境の準備 デジタルアースの 開発・設置 市民発オープン データ公開 Twitterよりジオタグを付与し たツイート 投稿されたジオ タグツイートの集 約体制 ワークショップ 事前準備
  18. 18. ICT能力のある専門スタッフとの恊働による 市民デジタルアースの構築 デジタル アース公開 デジタル化(専門スタッフ) パブリックデータ 地理院地図, 国土数値情報 デジタルアースの 開発・設置 市民発オープン データ公開 地域情報マッピング(市民) デジタル化を行う 手順およびスタッ フの準備 ワークショップ 事前準備
  19. 19. 実施概要 地域情報マッピ ング手法 1.現地調査+ジオ タグツイート 2.現地調査+地図 マッピング 3.ガリバーマップ にマッピング 対象地 浦安市 神戸星陵台 水戸市 対象者 中学生 24名 中学生 140名 一般市民 8名 スタッフ 14名 19名 4名 内容 災害発生時におけ る施設・設備の被 害予想や防災情報 施設・設備や歩きや すさなど生活環境に 関する情報 水戸の自然・文化 資源に関する情報 準備物 ipad(3G) 6台 地図A3 6枚 シール、付箋、カメラ 地図B0 12枚 協力者 浦安市役所 浦安市教育委員会 神戸市立星陵中学校 Code for Ibaraki ソーシャルメディアを用いた 市民デジタルアースの構築 ICT能力のある専門スタッフとの恊働による 市民デジタルアースの構築
  20. 20. 1.災害・防災情報の発信・共有 浦安市立の中学校から選抜された24名を対象に宿泊型防災 研修を浦安市と合同で開催。震度7の大地震が発生した場合 のシナリオに従って、地域の被害状況を調査・報告する訓練 を実施。 1グループ4名から構成される6グループにipad(3Gモデル)を 提供。ipadのTwitterから被害状況・現地での気づきを投稿
  21. 21. 震度7の大地震が発生した場合のシナリオについては、 あらかじめipadで確認できる状態で配布
  22. 22. ベースマップ(避難施設等) ソースデータ提供:浦安市 制作: 伊能社中  CC BY-NCで公開
  23. 23. 過去の航空写真 ソースデータ提供:国土地理院 航空写真 制作: 伊能社中  CC BY-NCで公開予定
  24. 24. 倒壊棟数! 震度6強の場合 震災時の被害想定 倒壊棟数(棟)  ■40以上 ■30-40 ■20-30 ■10-20 ■0-10 ソースデータ提供:株式会社ゼンリン 『住宅地図TOWNⅡ 建物』 制作: 東京大学 柴崎・関本研究室  CC BY-NCで公開
  25. 25. 倒壊棟数(棟)  ■40以上 ■30-40 ■20-30 ■10-20 ■0-10 倒壊棟数! 震度7の場合 震災時の被害想定 ソースデータ提供:株式会社ゼンリン 『住宅地図TOWNⅡ 建物』 制作: 東京大学 柴崎・関本研究室  CC BY-NCで公開
  26. 26. シナリオに沿って ipadから送られる 指示にしたがって ルートを巡回 その際に発見した 被害状況や設備・ 施設の状況、気づ きをTwitterから投稿 事情により画像は非掲載
  27. 27. 2.生活環境に関する情報の発信 神戸市立星陵台中学校の社会科の授業として、中学2年生140人を対 象に開催。全生徒が32グループに分かれて校区内の施設・設備や歩 きやすさに関する生活環境調査を行い、現地の状況や気づきをマッ ピングした。その後、専門スタッフ8名がデジタル化を行い、デジタ ルアースに掲載した。
  28. 28. 所用時間:合計2.5時間 (調査1.5時間, 入力1時間)
  29. 29. 消火設備:225点 AED:18点 水道・蛇口:69点 自動販売機:53点 病院:2点 公園:28点 倉庫:6点 掲示板:76点 合計 477点
  30. 30. 3.自然・文化資源に関する情報の発信 オープンデータデイ茨城2015において、一般市民10名を対 象に開催。参加者は水戸市の1/3850スケールの巨大地図(ガ リバーマップ)に、地域の自然・文化資源に関する情報を マッピング。専門スタッフ1名がデジタル化を行い、デジタ ルアースに掲載。
  31. 31. 参加者間で議論・共有しながら、 付箋に情報を記載してマッピング 凡例を分けて、マッピング ! 青色:未来 緑色:現在 赤色:過去
  32. 32. 実施結果 地域情報マッピ ング手法 現地調査+ジオ タグツイート 現地調査+地図 マッピング ガリバーマップ にマッピング 対象地 浦安市 神戸星陵台 水戸市 対象者 中学生 24名 (6グループ) 中学生 140名 (32グループ) 一般市民 8名 スタッフ 6名 19名 4名 時間 3.5時間 2.5時間 (調査1.5h, 入力1h) 1時間 プロット数 42(地点) ※完全に取得できた3グループ のtweetのみ対象 477(地点) 99(地点) 時間・1人あた りプロット数 4 (地点/グループ・h) 6 (地点/グループ・h) 12.4 (地点/人・h) ソーシャルメディアを用いた 市民デジタルアースの構築 ICT能力のある専門スタッフとの恊働による 市民デジタルアースの構築
  33. 33. ソーシャルメディアを用いた場合と、書き込みに よる場合と比較すると、 ! 書き込みの場合の方が全体として発信数が多く、 情報を発信することに集中しやすい傾向がある。 しかし、運営側の負担が大きい。 ! ソーシャルメディアを用いた場合ではリアルタイム に更新・蓄積されるため、遠隔で同時作業を行う 場合に臨場感のある共有ができる。 考察①
  34. 34. ガリバーマップに書き込みを行った場合は、他 の方法よりも最も地点情報を得られたことから、 既存情報の共有に長けているといえる。 ! ただし、参加者の知識・知見に依存するため、 子供や外部の市民には参加しにくい方法である。 考察②
  35. 35. 市民が持続的に環境情報を発信・共有可能な運 営体制として、ソーシャルメディアの活用とICT 支援スタッフとの恊働による実験を行った。 ! その結果、運営側の負担が大きいものの、ICT 支援スタッフとの恊働による情報発信・共有が、 市民にとって環境情報を発信・共有しやすいと いう考察が得られた。 まとめ
  36. 36. 今後の計画 今回収集できたデータの活用方法の具体化ならびに 手法の改善に取り組む。 対象地域として選定した神戸、水戸、浦安において 引き続き研究を実施し、経過を観察していきたい。 今年度中にワークショップを実行できなかった益田、 大分についても実施を計画。
  37. 37. 参考文献 •渡邉英徳,坂田晃一,北原和也,鳥巣智行,大瀬良亮,阿久津由美,中丸由 貴,草野史興(2011)「 Nagasaki Archive : 事象の多面的・総合的な理解 を促す多元的デジタルアーカイブズ」;日本バーチャルリアリティ学会論文誌 第16巻第3号,p497-505 •King, Stephen F. Author, Brown, Paul. (2007) Fix my street or else: using the internet to voice local public service concerns, ICEGOV '07 Proceedings of the 1st international conference on Theory and practice of electronic governance, p72-80 •谷村要,石橋裕基,畑耕冶郎,藤田昌弘(2014)自治体によるソーシャルメディ ア活用の課題と展望−地域SNSの導入状況の調査から−, 第31回情報通信学 会 •庄司昌彦・三浦伸也・須子善彦・和崎宏(2007)『地域 SNS――ソーシャ ル・ネットワーキング・サービス――最前線 Web2.0 時代のまちおこし実践 ガイド』アスキー
  38. 38. 補足
  39. 39. FixMyStreet アプリ入力画面 (Stephen. K, Paul. B, 2007)
  40. 40. 引用: 谷村要,石橋裕基,畑耕冶郎,藤田昌弘(2014)自治体によるソーシャルメディア活用の課題と展望−地域SNSの 導入状況の調査から−, 第31回情報通信学会

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