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What is Enterprise Agile

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『 エンタープライズアジャイル、海外動向と日本の現状』
2014/10/15 エンタープライズアジャイル活用勉強会
2014/12/17 IPAエンタープライズアジャイルのセミナー
2015/01/06 匠Method追加

概要:
アジャイル開発宣言から14年。海外の小規模チームではアジャイルがもはや主流となりました。現在の議論は、エンタープライズでのアジャイル適用や組織変革にテーマが移りつつあります。一方で、独自の産業構造を持つ日本では、なかなか進まなかったアジャイル採用がWeb企業を中心に最近急速に進んでいるように見えます。しかし、従来のユーザとベンダーに分かれたシステムインテグレーション領域では問題も残ったままです。本セッションでは、海外でのアジャイルの動向、エンタープライズアジャイルのSAFeとDADの概要を解説した後、日本のアジャイル開発の現状としてIPAから発表された調査やIT人材白書の資料から考察します。

Published in: Technology

What is Enterprise Agile

  1. 1. アジャイル開発の現状と未来 エンタープライズアジャイルの可能性 永和システムマネジメント副社⻑⾧長 チェンジビジョン代表 平鍋健児 h"ps://www.flickr.com/photos/71380981@N06/14548343789/
  2. 2. h"ps://www.flickr.com/photos/71380981@N06/14548343789/ エンタープライズ、と聞くと何を思い浮かべますか?ぼくはこんな感じ。
  3. 3. h"ps://www.flickr.com/photos/rapidliner/13563166414/ アジャイル、と聞くと何を思い浮かべますか?ぼくはこんな感じ。
  4. 4. h"ps://www.flickr.com/photos/78797573@N00/8867428603/ 家を建てるのとビルを建てるのは違う、という話をよく聞きます。
  5. 5. h"ps://www.flickr.com/photos/dailuo/5527858164/ でも、どちらも「⼈人が⼈人のために作っている」ことはホント。 現場の⼈人がいて、住む⼈人がいる。
  6. 6. p.6                             ⾃自⼰己紹介 •  ㈱永和システムマネジメント – 福井市(本社)、上野東京(⽀支社) – Ruby  と  Agileを使ったシステム開発 •  株式会社チェンジビジョン – 福井市(開発部)、上野東京(本社) – astah*  (旧:JUDE)  の開発 •  平鍋健児 – UML+マインドマップエディタ  astah*の開発 – 要求開発アライアンス、理理事 – 翻訳、XP関連書籍、『リーン開発の本質』 『IMPACT  MAPPING』等多数。 – 著書『アジャイル開発とスクラム』、『要求開発』 『ソフトウェア開発に役⽴立立つマインドマップ』
  7. 7. アジェンダ •  アジャイルの現在位置 •  Agile2014  を覗いてみる。 •  SAFe •  DAD •  これだけモデリング •  匠Method •  ⽇日本で考える
  8. 8. EnterpriseAgile SAFe/DAD… XP 2000 Agile 2001 SCRUM FDD, Crystal, DSDM, ASD 2010 アジャイルの現在位置 Evo Patterns TPS Deming Lean Kanban Lean Software Development 2014 LeanStartup 野中・竹内 • 大規模 • 組織改革 • Lean/Agile • Agile/UX
  9. 9. Agile2014
  10. 10. 世界最大のアジャイルカンファレンス、Agile2014
  11. 11. Agile20xxは、複数のトラックに分かれており、 それぞれのトラックにチェアーがいる。 Enterprise  Agile  はそのうち1トラック。
  12. 12. 大企業でのアジャイルに関連した課題 1チームの実践事例ではなく、 企業全体の組織構造、アジャイルを導入する パターン、方針、実践手法
  13. 13. 扱う課題群
  14. 14. エンタープライズアジャイル •  ⼤大企業(企業のサイズ)、 •  「チーム」から「組織」へ、 •  Agile  Transformation(組織変⾰革) •  ITを超えてアジャイルを採⽤用、 •  管理理職の役割は? •  ⼈人事査定は? •  オフショアやアトソーシングは?
  15. 15. 出典:  h"p://www.slideshare.net/ssuser968fab/agile2014-­‐report-­‐as-­‐a-­‐speaker-­‐and-­‐a-­‐reporter-­‐of-­‐the-­‐latest-­‐agile-­‐in-­‐the-­‐world 伊藤さんの参加レポート
  16. 16. 出典:  h"p://www.slideshare.net/ssuser968fab/agile2014-­‐report-­‐as-­‐a-­‐speaker-­‐and-­‐a-­‐reporter-­‐of-­‐the-­‐latest-­‐agile-­‐in-­‐the-­‐world
  17. 17. 伊藤さんの考察: •  実践者の関⼼心の変化(開発チーム内の改善から組織全体の改善へ)。 •  これまでのほとんどの提案は概念念論論。マインドセットの変⾰革の重要性を説く。 •  SAFe  の影響が⼤大きいく及んだ(5つのセッション) 出典:  h"p://www.slideshare.net/ssuser968fab/agile2014-­‐report-­‐as-­‐a-­‐speaker-­‐and-­‐a-­‐reporter-­‐of-­‐the-­‐latest-­‐agile-­‐in-­‐the-­‐world
  18. 18. 2⼤大  Enterprise  Agile  Framework SAFe=Scaled  Agile   Framework •  Dean  Leffingwell DAD  =  Disciplined  Agile   Delivery •  Scott  W.  Ambler
  19. 19. SAFe Dean  Leffingwell
  20. 20. 出典:  h"p://schd.ws/hosted_files/agile2014/24/1602_Agile_2014_Leadership_(no_video)_(2).pdf
  21. 21. 出典: SAFe入門  h"ps://www.ogis-­‐ri.co.jp/otc/hiroba/technical/IntroSAFe/IntroSAFePart2May2014.html 参考
  22. 22. 出典: トヨタウェイ   h"p://www.toyota.co.jp/jp/ environmental_rep/03/jyugyoin03.html 出典: “TPS  HOUSE”   h"p://www.emsstrategies.com/ dm050104ar]cle2.html 参考
  23. 23. 25 「リーン」と「アジャイル」の関係とは?:書籍でたどる「リーン」の本質   www.atmarkit.co.jp/ait/ar]cles/1311/15/news015.html
  24. 24. 26 「リーン」と「アジャイル」の関係とは?:書籍でたどる「リーン」の本質   www.atmarkit.co.jp/ait/ar]cles/1311/15/news015.html 「⼈人」を交換可能部品のように考えては決していけない。
  25. 25. DAD Scott  Amblerʼ’s
  26. 26. 出典:  h"p://schd.ws/hosted_files/agile2014/01/1288_Ambler_Enterprise_Agile.pdf
  27. 27. 変化する市場に 俊敏に答える企業 他部⾨門のニーズに 俊敏に答えるIT部⾨門 アジャイル・デリバリ チーム
  28. 28. Agile/Scrum  を開始地点として   l  開発に注目 l  価値提供のライフサイクル   l  自己組織化されたチーム   l  手順的   l  プロジェクトチーム指向 DAD  が基礎を固める   l  Risk-­‐value  driven  lifecycle   l  Delivery  focus   l  Self-­‐organiza]on  with   appropriate  governance   l  Goal  driven   l  Enterprise  aware l  大きなチーム   l  オフショアで分散開発 l  コンプライアンス   l  問題と技術の複雑さ   l  カルチャーの問題   l  組織に分散
  29. 29. DADの特徴
  30. 30. ⼤大きなライフサイクル視点。 4つの典型(ただし、テーラリング重要) 1. Scrum+RUP 2. Advanced  Lean 3. Lean  CD 4. Lean  Startup DADにはフェーズがある
  31. 31. 1.  Scrum+RUP
  32. 32. 2.  Advanced  Lean
  33. 33. 3.  Lean  CD
  34. 34. 4.  Lean  Startup
  35. 35. フェーズごとにゴール駆動
  36. 36. 例:初期の要求の識別 (方向付けフェーズ)
  37. 37. ちなみにモデリングの扱い
  38. 38. SAFe  と  DAD  共通点 •  アジャイル宣⾔言を⼤大切切に •  これまでの⼿手法のハイブリッド •  「リーン」コンセプトが浸透 •  リーダーシップの重要性 •  RUPの要素によってモデレートに •  アーキテクチャの視点
  39. 39. ⽇日本からも
  40. 40. ⼭山岸さんの「これだけ」モデリング 「これだけ」モデリングを使ってアジャイルに適用 (要求開発アライアンス、山岸理事長) h"ps://www.slideshare.net/hiranabe/enterprise-­‐agile-­‐modeling
  41. 41. IT戦略とプロジェクトの発生 現在のTo-­‐Be  IT 現在の   事業戦略 As-­‐Is  IT 将来のTo-­‐Be  IT 将来の   事業戦略 現在 XX年後 現実的目標のIT 現行システム 新規追加 機能的改修 時間軸 プロジェクト プロジェクト プロジェクト 改善 サーバ統合   セキュリティ強 化   クラウド適用 維持 保守切れ対応   OS変更 プロジェクト プロジェクト プロジェクト 破棄 事業戦略 への対応 現行IT人材 コスト削減   継続性確保   コンプライアン ス 育成 採用 パートナ戦略 必要IT人材 例えば3カ年計画 各プロジェクトが上位目的に基づいて企画されているか プログラムマネジメント視点とプロジェクトマネジメント視点 プロジェクト
  42. 42. UMLのダイヤグラム構成 •  13のダイヤグラムで構成(ただし、パッケージ図はクラス図の1種)   •  大きくは静的モデル(構造図)と動的モデル(振る舞い図)に分類される   静的モデル 動的モデル スケッチとしてのUML   設計ドキュメントとしてのUML   プログラム言語としてのUML
  43. 43. 現実的なエンタープライズアジャイル RDn ちゃんと地図は描く たまに地図を見る RD0 保守・運用のための 整備
  44. 44. 萩本さんの匠Method h"p://www.slideshare.net/hagimotojunzo/ss-­‐43148577
  45. 45. h"p://www.slideshare.net/hagimotojunzo/ss-­‐43148577/9
  46. 46. h"p://www.slideshare.net/hagimotojunzo/ss-­‐43148577/11
  47. 47. h"p://www.slideshare.net/hagimotojunzo/ss-­‐43148577/29
  48. 48. ⽇日本でエンタープライズアジャイル?
  49. 49. Information-technology Promotion Agency, Japan Software Engineering Center Copyright© 2012 Information-technology Promotion Agency, Japan. All rights reserved. Software Engineering Center 非ウォーターフォール型開発の
 普及要因と適用領域の拡大に関する調査
 
 ~非ウォーターフォール型開発の普及要因の調査~
 
 
 調査概要報告書
 
 https://www.ipa.go.jp/sec/softwareengineering/reports/20120328.html
 より抜粋して紹介
  50. 50. Software Engineering Center 54 SECSoftware Engineering for Mo・No・Zu・Ku・Ri 【参考】アジャイル型開発の普及状況(2) Scrum  Master等の推移から見るアジャイル型開発の普及状況 n  アジャイル型開発方法論で最も有名なScrumに関する資格者が、2005年以降急増 n  米国の取得者が群を抜いて多く、ついで英国が多い。日本は極めて少ない。 Copyright © 2012 IPA, All Rights Reserved. 出典: Scrum Allianceによる協力 Scrum Master等人数の経年変化 各国の現在のScrum Master等人数 (2012年3月) l CSM (Certified Scrum Master) Ø チーム全体の支援者 l CSPO(Certified Scrum Product Owner) Ø 製品の責任者 l CSP(Certified Scrum Professional) Ø スクラムの実践者 略称説明 単位(人) Scrum Master等の人数の経年変化                 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 TOTAL CSM 5 344 907 2,647 6,841 12,857 22,514 26,886 34,601 43,028 150,630 CSPO         83 503 1,891 3,514 5,325 8,629 19,945 CSP 1 2 14 26 38 116 264 366 534 501 1,862 TOTAL 6 346 921 2,673 6,962 13,476 24,669 30,766 40,460 52,158 172,437 各国の現在のScrum Master等人数 (2012年3月)     米国 英国 中国 デンマーク ブラジル 日本 TOTAL CSM 67,000 11,800 3,800 3,700 4,600 350 91,250 CSPO 8,000 1,800 400 750 900 120 11,970 CSP 1,100 0 30 30 60 6 1,226 TOTAL 76,100 13,600 4,230 4,480 5,560 476 104,446 単位(人) 単位(人)
  51. 51. 出典: 「グローバル化を支えるIT人材確保・育成施策に関する調査」概 要報告書 2011年 3月 (IPA) IT技術者の所属先 Prepackaged : パッケージソフトを購入 Custom : 外部発注作業 Own account : 自社開発ソフト 出典:「Bureau of Economic Analysis
 http://www.bea.gov/national/xls/soft-invest.xls」 73.4 88.2 96.3 Prepackaged Custom Own account 単位(Billions of dollars) 米国民間部門における
 ソフトウェア投資 72% 28% 25% N/A 25% 20% 50% 45% 55% 28% N/A 72% 75% 75% 80% 50% 55% 45% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% ITサービス企業 ユーザ企業
  52. 52. 56 ユーザ企業 システム部⾨門 ユーザ企業 システム 部⾨門 SIer ⽶米国の構造 ⽇日本の構造 横にスケールするAgile 縦にスケールするAgile Agileのスケール⽅方向 中堅ソフトハウス 契約を挟み多段の下請け構造の中で、どうしたらゴールを共有できるだろう?
  53. 53. IT⼈人材の 流流動性 IT人材白書2014:  h"p://www.ipa.go.jp/jinzai/jigyou/about.html Webビジネス企業での 中途採⽤用が圧倒的に 増えている ⼈人材流流動!!! 考察:  h"p://qiita.com/kenjihiranabe/items/05ac9d741edc1ee5276  
  54. 54. 世界のアジャイル動向
  55. 55. Software Engineering Center 59 SECSoftware Engineering for Mo・No・Zu・Ku・Ri 調査・分析結果 ~各国毎のまとめ~ n  調査分析結果から分かった、各国におけるアジャイル型開発の普及状況、成長 度合、特徴の概要 国名 普及状況 成長度合 大まかな特徴 米国 ◎ ○ 既に主流となっており、さらに普及が進んでいる 英国 ◎ ○ 既に主流となっており、さらに普及が進んでいる 中国 △ ○ まだ普及しているとは言いにくいが、伸びている ブラジル ○ ◎ 急激に普及が進み出した デンマーク ○ ○ 既に普及しており、さらに普及が進んでいる 日本 △ ○ 普及が遅れており、ようやく認知されはじめた △:普及したとはいえない ×:普及していない ◎:主流である ○:少し普及している 【凡例】 (普及状況) ◎  :上昇  ○:緩やかに上昇 △:横ばい    ×:上昇無し 【凡例】 (成長度合) Copyright © 2012 IPA, All Rights Reserved.
  56. 56. Software Engineering Center 60 SECSoftware Engineering for Mo・No・Zu・Ku・Ri 付録:インタビュー結果 インタビューリスト   名前 所属 米国      Mary Poppendieck Poppendieck.LLC独立コンサルタント。 『リーンソフトウェア開発』シリーズ著者 一色 浩一郎 Professor, Computer Information Systems Department, California State Polytechnic University, Pomona Israel Gat Cutter Consortium Fellow and Director  『The Concise Executive Guide to Agile』著者 中国 Shen Hao Co-Founder, Shanghai FlagInfo Information Technology Co., LTD 英国 Portia Tung Global Agile and Lean Coach at UBS Investment Bank
 Agile2009, 2010, 2011にて講演 ブラジル  Bruno Guicardi Ci&T社 COO。ブラジルで受託開発で成長している企業 デンマーク Bent Jensen BestBrains社Director。 政府のアジャイルプロジェクトを コンサルティング。アジャイル契約を開発、実施 日本 前川 徹 サイバー大学教授 『ソフトウェア最前線―日本の情報サービス産業界に革新をもた らす7つの真実』著者 細谷 竜一 株式会社オージス総研グローバルビジネス推進部 インタビューイーのリスト Copyright © 2012 IPA, All Rights Reserved. ※敬称略
  57. 57. Software Engineering Center 61 SECSoftware Engineering for Mo・No・Zu・Ku・Ri 付録:インタビュー結果 デンマークの状況 デンマークでは、アジャイルは採用が進み現在でも成長していると言える (strong and growing)。何らかのアジャイル手法を取り込んでいるプロジェクト は半数以上あるだろう。特に、ScrumはITに関与するすべての人が知ってお り、広く利用されている。アジャイルの採用率は高くなっており(予想 では50%)、大きな企業でも 取り組みが始まっている(例: Den Danske Bank -デンマークで最大の銀行 -、Maersk Line IT等) 。 政府から、アジャイル採用の推奨が出ている。マネジメントレベルで も、おおむね歓迎されている。例えば、進捗の透明性や動くソフトウェアを確 認できること、プロジェクトの途中でも計画を変えられること。さらに、アジャイ ルをソフトウェア開発だけでなく、製品開発全般に適用しようと実験している 会社もある(Danish Ultra Sound company BK-Medical 等)。普及要因として、 マネジメントと顧客は「速い開発」、「ビジネスとITの協調」のやり方を求めて いる。開発者は、正しい開発をしたい、と考えていて、よくある「掛け持ち」や 「高負荷」を避けたいと思っている。
 (デンマーク:Jensen) Copyright © 2012 IPA, All Rights Reserved.
  58. 58. Software Engineering Center 62 SECSoftware Engineering for Mo・No・Zu・Ku・Ri 付録:インタビュー結果 中国の状況 中国では、アジャイル型開発は徐々に認知が進んでいるが採用率は低く、20%く らいだろう。 しかし、年々採用率が上がっていることは間違いない。アジャイル が必要な普及要因は以下の2点。 1.  マーケットのニーズ:アジャイルは動くソフトウェアを短期間でリリースでき、 ソフトウェア企業の競争力をいっそう高める。あるいは、製品開発でもコスト を抑え、よりよい顧客満足を得ることができる 2.  Webを利用したサービスモデルの出現:Webのサービスではユーザからの 素早いフィードバックが欲しい 実際に、「プロジェクト」という形態から、プロダクト開発、 特にサービス開発、という風にソフトウェアの開発に変化 が起きている。顧客にとってアジャイルかどうかは意味をもたず、より品 質の高いソフトウェアが速く欲しい。品質の観点では、UIが大きな意味をもって きているために、動くソフトウェアを見ながらフィードバックを受け付けるアジャイ ルが必要。 (中国:Hao) Copyright © 2012 IPA, All Rights Reserved.
  59. 59. Software Engineering Center 63 SECSoftware Engineering for Mo・No・Zu・Ku・Ri 付録:インタビュー結果 英国の状況 英国では、アジャイルは着実にメインストリームの働き方に なってきた。よりよい手法であると認識されている。主要 な利点として、従来手法よりも、高い品質、効果(ROI)、 高い顧客満足と同時に、従業員満足があげられる。そし てなにより「仕事が楽しい」。英国でのアジャイルの採用はかなり急 速に進んでいる。アジャイルの大きな普及要因は、ビジネスとして同じ産業内の 他社に「遅れをとりたくない」ということが大きいのではないか。 また、現状をよく したいと積極的に考えている人がいること。さらに、オープンソースとリーンス タートアップの考え方が大きく影響を与えるだろう。 (英国:Tung) Copyright © 2012 IPA, All Rights Reserved.
  60. 60. Software Engineering Center 64 SECSoftware Engineering for Mo・No・Zu・Ku・Ri 付録:インタビュー結果 米国の状況 米国では、なんらかのアジャイル手法 (Scrum, XP, Crystal Clear, Kanban, など) の採用は、チームレベルでどんどん進んでいる。 これは疑いない動きだ。しかし、大規模開発等いくつか難しい 場面もある。米国は実利主義なので、うまくいくこと、 ケーススタディしてみてうまくいったことは採用する。この 実利主義と反省の繰り返しがアジャイルの普及を進めて いる。 (米国:Gat) Copyright © 2012 IPA, All Rights Reserved.
  61. 61. Software Engineering Center 65 SECSoftware Engineering for Mo・No・Zu・Ku・Ri 付録:インタビュー結果 ブラジルの状況 ブラジルでは、アジャイルは圧倒的(massive)。私たちの80%の顧客が アジャイルを取り入れており、そのうち半分がアジャイルを「メイン の開発手法」としている。普及要因は、やってみて実際の成功率。 従来のウォーターフォールよりもビジネスが成功しやすい。それか ら、これは推測だが、ブラジル人は強い管理が苦手。ソフトな管理 手法の方がマッチしている。また、これは経済が急速に発展して いることとも関係すると思う。急速な成長には柔軟な手法が合う。 また、ブラジルは北米と時差がなく、このことは、北米からのアウト ソースを受ける受託開発では大きな要因。アジャイルは顧客と高レベ ルなコミュニケーションが必要。質問があったときに顧客に電話等で不明点を明 らかにできることは、非常に重要。我々の会社は中国にも支社があるが、中国 では米国から受託できない。このように、顧客と開発チームはアジャイルでは、 時差が少ないことが要求される。 (ブラジル:Guicardi) Copyright © 2012 IPA, All Rights Reserved.
  62. 62. 海外でもアジャイルが普及にくい領領域
  63. 63. Software Engineering Center 67 SECSoftware Engineering for Mo・No・Zu・Ku・Ri 付録:インタビュー結果 海外でもアジャイルの普及が進みにくい領域がある(1) n  米国:企業の「IT部門」(IT department: 日本では「情報システ ム部」と呼ばれることが多い)で行われるプロジェクトは、あら かじめ決められたコスト、スケジュール、スコープがある。この ような組織では多くの場合に不可能な制約を、プロジェクトマ ネージャという管理者が導いている形態となっている。銀行、 保険、テレコムなど15年以上前に作られた会社では、ソフトウ ェアに依存したシステムを持っており、技術部分を内部のIT部 門に社内アウトソースしている(IT部門はコストセンターなのだ)。 IT部門の「技術の人」と、ラインの「ビジネスの人」はコミュニケ ーションが薄い。このITはさらに外部にアウトソースされること もある。こうなると、ITは全体ビジネスの一部にならない。この ような、ソフトウェア開発とラインのビジネスのギャップが大き い組織では、アジャイルやリーンは成功しない。また、(うまくいか なくても)ウォーターフォールがプロセスとして一般的には採用される。
 (米国:Poppendieck) Copyright © 2012 IPA, All Rights Reserved.
  64. 64. Software Engineering Center 68 SECSoftware Engineering for Mo・No・Zu・Ku・Ri 付録:インタビュー結果 海外でもアジャイルの普及が進みにくい領域がある(2) n 米国:チームレベルではアジャイルの採用がどんどん進んでいるが、大規模では、変 更管理が必要になり大変チャレンジングだ。その結果、アジャイルが既存ビジネス の予算管理プロセスやポートフォリオ管理と整合せず、採用が進んでいない 場合がある。事実、Stephen Denning(“Radical Management”著者)等様々な 人が実際にマネジメントレベルに大きな変革がないと、アジャイルは持続可 能ではない、と指摘している。私は個人的にアジャイルを信じているが、ソフ トウェア開発手法はその時代を反映しているので、市場やバリューチェーンが 2001年から大きく変わってしまった現在、新しい現実を反映するように、アジ ャイル自身が現在のコンテキストに合わせて進化する必要がある。ヘルス ケア、防衛、政府調達などの産業では下請け契約が多く、これは日本に限っ たことではない。入札、契約、下請け契約を従来の契約でおこなっている。防衛では 、情報セキュリティが重要なので、スクラム・マスターは機密取扱者としての人物調査 が必要になる。政府調達では、監査用のドキュメントづくりなどに追われるし、ヘルス ケアでも下請けが多く、既存手法を変えるのはむずかしい。これらの場面では、発注 者がアジャイルの採用に難色を示す。Google, Apple, foursquare, eBay そういった米 国の新興企業は注目されるが、ごく少数の特別な例である。40年以上たったCOBOL の既存コードをもっている企業も多く、これらの現実について光があたることはまれだ。   (米国: Gat) Copyright © 2012 IPA, All Rights Reserved.
  65. 65. Software Engineering Center 69 SECSoftware Engineering for Mo・No・Zu・Ku・Ri 付録:インタビュー結果 海外でもアジャイルの普及が進みにくい領域がある(3) n デンマーク:新規開発が多いが、銀行などではレガ シーシステムの拡張がほとんど。ここでは、アジャイ ルが難しい。
 (デンマーク: Jensen) n 中国:アジャイルは同一企業内の開発に向いている 。大きな会社では、(銀行や保険) やはりベンダーを 彼らのオフィスに呼んで開発を行う。契約形態は、 請負もあれば”time and material”(日本では準委任 に相当)もある。
 (中国:Hao) Copyright © 2012 IPA, All Rights Reserved.
  66. 66. Software Engineering Center 70 SECSoftware Engineering for Mo・No・Zu・Ku・Ri 付録:インタビュー結果 顧客の参画はアジャイル型開発の必須要件である n  デンマーク:顧客やプロジェクトのオーナーの参加は、プロジェクト の前提条件となっている。従来型では、事前の「要求フェーズ」と最後 の「文句出しフェーズ」の2回の参加だったのが、顧客負荷がプロジェクト 全体にわたって平均的に分散され、私の経験では、参画のトータル時間は 少なくなった。
 (デンマーク:Jensen) n  中国:契約をはさむ開発においても、顧客が積極的にプロジェクトに参画す るようになってきた。なぜなら、UIの洗練がどんどん現在必要になっている 。初期に使ってみたい。Webフレームワークを採用し、プロトタイプツール(例: Axure)を利用してなるべく早く顧客を巻き込む。
 (中国:Hao) n  ブラジル:顧客の参画は必須。プロダクトオーナーとビジネスユーザが 一旦アジャイルのメカニズムを理解すれば、プロジェクトに本気で関わって くれる。
 (ブラジル:Guicardi) Copyright © 2012 IPA, All Rights Reserved.
  67. 67. Software Engineering Center 71 SECSoftware Engineering for Mo・No・Zu・Ku・Ri 付録:インタビュー結果 日本に普及しにくい理由についての参考意見(1) n  米国は、ユーザー企業内での内製が多いというデータがある。技術者が 足りないと、プロジェクトが臨時で雇用する(外注でなく)。また、コンサルタ ントも非常に多い。実績主義なので、経歴で職を替わっても経験が次の 就職のプラスに働く(職を替わるときは、前職の人に reference をとること も多い)。このように、人材の流動性が高いことが、内製を支えているの では。逆に、政府調達はアウトソーシングとなっているためアジャイル率 が低かった。日本でのアジャイルが普及しない要因は、
 
 1.定額請負(仕様の固定)
 2.多重下請け構造 (上下関係、コミュニケーション、ユーザーと直接話しがで きない)
 
 の2点が圧倒的に大きいと思う。
 (日本:前川 徹) Copyright © 2012 IPA, All Rights Reserved.
  68. 68. Software Engineering Center 72 SECSoftware Engineering for Mo・No・Zu・Ku・Ri 付録:インタビュー結果 日本に普及しにくい理由についての参考意見(2) n  まず、根が深い理由は、日本の商習慣にあります。
 
 1.請負型開発の商習慣。委任型が少ない。
 2.多段式の開発習慣。少なくはなってきていますがまだまだ。
 3.PMOがベンダーサイドにあり、ユーザー・サイドでない。PMOが日本の ベンダー・サイドにあるのは、ユーザーの要求定義を日本のユーザーがし ないため、ベンダーが代わりにするからです。
 4.JUASの調査によると、CIOの役職名は50%以上の会社にありますが、 日本のCIOのIT業務に投入している時間は、1割以下。
 
 米国のCIOは、1日24時間、週に7日のフルタイムをIT業務に投入している のに比べて、日本のCIOがITに投入する時間が非常に低い。日本のCIO が社内で重要視されていないという現状が、浮かび上がってくる。 (米国:一色 浩一郎) Copyright © 2012 IPA, All Rights Reserved.
  69. 69. Software Engineering Center 73 SECSoftware Engineering for Mo・No・Zu・Ku・Ri 付録:インタビュー結果 日本に普及しにくい理由についての参考意見(3) n  日本型の一括請負の契約形態の中では、まず計画の立案と仕事/責任 の分担の明確化を行うことになり、ウォーターフォールじゃないとコントロ ールできないのではないか。さらに階層が深く硬直した取引関係の中で、 プロジェクト全体の構成員の中で 上下関係がはっきりしすぎており、これ もアジャイルから遠ざけている原因。雇用制度のために、特に別会社に 発注する形態を取らないとコストコントロールできないことも、上記状況を 強化する方向に作用するかと思います。 n  ブラジルは、歴史的にはホスト中心、ドメスティックSI中心の構造であり、 その点では日本と似ているにもかかわらず、現在はアジャイル開発が拡 大している。この理由は、北米からアウトソースされてくる仕事の影響が 大きいのではないでしょうか。また、好景気で市場が伸びており、優秀な 若者の起業チャンスが大きく、また業界全体としても新しいことにチャレン ジする余裕があることも後押ししていると感じます。私自身が米国留学中 、ときどきブラジル人留学生に会いました。最新のソフトウェア工学になじ んだ人たちが国に帰って業界の発展をけん引しようとするのは 自然なこ とかもしれません。日本人に比べればIT業界の人たちの英語の情報源に 触れる機会もはるかに多いです。
 (日本:細谷 竜一) Copyright © 2012 IPA, All Rights Reserved.
  70. 70. Software Engineering Center 74 SECSoftware Engineering for Mo・No・Zu・Ku・Ri 【むすび】   野中郁次郎氏からのメッセージ “新製品開発としてのスクラムの源流は80年代の日本の製造業に あり、それがソフトウェア開発の文脈で欧米から再発見されたも のがアジャイルと理解しています。現在の欧米型企業経営が、必 ずしも国民生活の質の向上に寄与していないことを鑑みると、私 たち日本人が、過去の知恵と若者の活力の両方を活かす形で、新 しい日本の持続的イノベーションのやり方をつむぎ出す必要があ ります。その力の源泉は、高い志を持った経営と、いきいきと働 くことができる現場環境にあるのではないでしょうか。日本に適 したアジャイル、スクラムの形を、描き出そうではありませんか 。そのためにはまず、経営、ミドルマネジメント、現場が話す場 を作り、お互いに共感することから始めなくてはなりません。” 平成24年4月16日 一橋大学名誉教授 野中郁次郎 Copyright © 2012 IPA, All Rights Reserved.
  71. 71. おわりに
  72. 72. h"ps://www.flickr.com/photos/dailuo/5527858164/ 「⼈人が⼈人のために作っている」
  73. 73. h"ps://www.flickr.com/photos/williamcromar/4916452966/ こんな建物もある。⼤大きくなっても⼀一貫性、息づかいが感じられる。
  74. 74. 参考資料料など •  「IT⼈人材⽩白書を読んだ」に⽇日本のIT⼈人材流流動のより詳しい考察 http://qiita.com/kenjihiranabe/items/05ac9fb741edc1ee5276 •  「IPA⾮非ウォーターフォール型開発の普及要因の調査」の中に海外での普及要因と、 ⽇日本の特殊性に関する記述がある。 http://www.ipa.go.jp/files/000004634.pdf •  Agile2014  report  (by  Ito  Hiroyuki) http://www.slideshare.net/ssuser968fab/agile2014-‐‑‒report-‐‑‒as-‐‑‒a-‐‑‒speaker-‐‑‒ and-‐‑‒a-‐‑‒reporter-‐‑‒of-‐‑‒the-‐‑‒latest-‐‑‒agile-‐‑‒in-‐‑‒the-‐‑‒world •  「リーン」と「アジャイル」の関係とは? http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1311/15/news015.html •  ⼭山岸さんの「これだけ」モデリング、アジャイルとモデリングの関係 http://blogs.itmedia.co.jp/hiranabe/2014/06/koredake-‐‑‒modeling-‐‑‒at-‐‑‒ redajp.html •  DAD  概要  (by  平鍋) http://qiita.com/kenjihiranabe/items/a59aa4f1a9f9545abcc2 •  SAFe(⽇日本語ページ) http://www.scaledagileframework.com/jp/ •  DAD(⽇日本語ページ) http://disciplinedagiledelivery.jp/ •  萩本さんの匠Method http://www.slideshare.net/hagimotojunzo/ss-‐‑‒43148577
  75. 75. Agile  Japan  紹介
  76. 76. AgileJapanのご紹介 日本全国のAgileがつながり考える場となる
  77. 77. メアリー・ポッペンディーク氏 黒岩恵氏
  78. 78. 野中郁次郎先生 Alan Shalloway氏
  79. 79. リンダ・ライジング  氏 當仲  寛哲  氏
  80. 80. The  Surprising  Science  Behind  Agile  Leadership  ~   アジャイルリーダーシップの背後にある驚くべき科学について  ~ Jonathan  Rasmusson  氏 基調講演 「全体最適のマネジメント改革」  ~  変えるのは現場ではない、マネジメントである  ~   岸良  裕司  氏  
  81. 81. 柔軟心 (にゅうなんしん) と 庭園デザインにおけるユーザーエクスペリエンス
  82. 82. 2013ベンダー発表 「大手ベンダーが組織的に取り組むアジャイル開発の普及展開
 ~お客様と共に時代を勝ち抜くための新しい「手札」を増やす~」 司会 司会 「グローバル」   (NTTデータ) 「品質」   (NEC) 「マネジメント」   (富士通) 各社の組織的な取り組みについて、それぞれテーマを絞って紹介しました
  83. 83. とても熱かった!!!   サテライト開催情報(地方10箇所、企業内3箇所) 全国で800名以上が参加した日本最大のアジャイルイベント
  84. 84. 2009年年から始まった「アジャイルジャパン」は7年年⽬目を迎えます。2009年年当時と⽐比較して、 ⽇日本でアジャイルの関⼼心が⼤大きく⾼高まっています。先進的なWeb系企業だけでなく、従来の⽇日 本型企業でもアジャイルが本格的に検討・実践され始めています。そこで、私たちは、アジャ イルジャパンというイベントを通して、⽇日本のビジネスとアジャイルを繋げることに本気で取 り組むことにしました。 今回の主なターゲット層は、ウォーターフォールを主体として⻑⾧長くソフト開発に携わっている 企業や情報システム部⾨門の⽅方々です。ウォーターフォールに不不向きな特性の案件が増えている、 発注者からアジャイルを求められるようになってきている、そういう事態に直⾯面している⽅方々 です。
  85. 85. 今回のテーマは「失敗から学ぶアジャイル、成功につなげるアジャイル」 これから、もっともっとたくさんの技術者、マネージャー、QAなどの⽀支援部⾨門がアジャイルを 学び、アジャイルに取り組む時代になります。しかし、新しいやり⽅方を⾝身につけるためには、 試⾏行行錯誤し、失敗を経験することは避けて通れません。アジャイルも同様です。幸いなことに、 アジャイルは、早めに失敗がわかり対処できる仕掛けを随所に備えています。プロジェクトの 序盤で早く⼩小さく失敗し、学び改善し、最終的な成功につなげる。それが可能です。 アジャイルジャパンでは、アジャイルの習得について、同じ悩みを持つ多くの⽅方々が、喜びや 苦労を語り合い、お互いの「失敗」から学び、お互いの成功につなげることを応援します。そ して、アジャイルを最⼤大限活⽤用しているWebサービス系企業の取り組みからも学べる、そうい う場を提供していきます。1980年年代に遡れば、ITが本格的に企業に⼊入り始めた頃も、様々な企 業が集まって知恵を出し合い、試⾏行行錯誤してきました。そして、新しいやり⽅方を築き上げ、そ の成果がこれまでの⽇日本のIT業界を⽀支えてきました。 今、これからの⽇日本を背負う中堅や若若⼿手の技術者、マネージャが、同じように新しいやり⽅方を 試す時です。 ぜひ、経営層の⽅方々は、積極的に若若⼿手のマネージャ・技術者をアジャイルジャパンに参加させ て頂きたいと思います。 様々な業種、分野から集まる実⾏行行委員の思いはひとつです。⽇日本のアジャイルを応援したい。 アジャイルジャパン実⾏行行委員会  委員⻑⾧長  和⽥田  憲明

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