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2 PCAS

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日総研セミナースライド 2 PCAS

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2 PCAS

  1. 1. 心拍再開後の 患者管理のポイント
  2. 2. 2.心拍再開後の患者管理 • PCASとは? • PCASの管理〜ER編:導入 • 循環に関わる薬剤の整理 • PCASの管理〜ICU編 1:機器 • PCASの管理〜ICU編 2:集中治療
  3. 3. PCASとは? 68歳 男性 突然駅で倒れ,周囲にいる人により通報され BLSが行われた.救急隊到着後,搬送中に ROSCとなる. 到着時 自発呼吸無し,HR100, BP150/80 GCS1-1-1, 体温36.5℃
  4. 4. 次にどうしましょう?
  5. 5. Post Cardiac Arrest Syndrome 心停止後症候群 低酸素脳症 心筋障害 全身(微少)血管の 再灌流障害・反応 本来の疾患 Post Cardiac Arrest Syndrome: A Review of Therapeutic Strategies Dion Stub et al.: Circulation. 2011;123:1428-1435
  6. 6. 脳障害
  7. 7. 過剰フリーラジカル 虚血や外傷による血液脳関門(BBB)の破綻 血管透過性亢進 ミトコンドリア機能の障害 炎症惹起 サイトカイン増加 破壊的な炎症反応の継続 局所脳温上昇 ・・・
  8. 8. 心停止後症候群 目標温度選択 Nielsen N, et al. N Engl J Med.2013; 369: 2197-2206. 心原性院外心停止、心拍再開後患者において、33℃を目標とした低体温療法は,36℃を目標として体温管理した群と比較して、 死亡率や神経学的転帰において有益性は認められなかった. 2015年改訂版 心停止後にROSCが得られ、昏睡状態(言葉による指示に対し意味のある 反応を示さない状態) にあるすべての成人患者に対し、32 – 36℃から目 標体温 を選び、その体温に達したら少なくとも 24 時間維持する TTM を 施行すべきである。 TTM : Targeted Temperature Management
  9. 9. 目標体温 32〜36℃の間の一定温度 (特定の症例に対して何℃が良いかは不明) 低体温療法 (32〜34℃)を考慮 • 心停止時間<30分 (Kaneko T, et al. JIC 2015 3:28) 常温療法(36℃)を 考慮 • 高い出血リスク(手術後、外傷後) • 心停止後経過時間>12時間 (低体温療法の有益性が示されていない) • 寒冷凝集素(通常<31℃で活性化)存在 →体表冷却法は四肢末梢温度<31℃に なるので避ける。 心停止後症候群 目標温度選択 Rittenberger JC, et al. Neurocrit Care. 2015; 23: 119-128.を参考に作成
  10. 10. 2.心拍再開後の患者管理 • PCASとは? • PCASの管理〜ER編:導入 • 循環に関わる薬剤の整理 • PCASの管理〜ICU編 1:機器 • PCASの管理〜ICU編 2:集中治療
  11. 11. ROSC後の管理 12 誘導 ECG・心エコー • 原因としてACSや致死的不整脈は重要! • ECGで鑑別 • 心エコーは、原因および心機能を評価する上 で有用(かつ移動なしに実施可)
  12. 12. 吸入酸素濃度と換気量の適正化 • いかなる状況においても、低酸素症は回避 • 高酸素症も回避するが、確実に測定されるま で100%酸素吸入を使用 • PaCO2を生理的な正常範囲内に維持
  13. 13. 循環管理 • 心停止後の状況や既存の合併症などによって も影響を受けるため、特定の循環管理目標を 推奨する十分なエビデンスはない • 循環管理の目標(例;平均血圧、収縮期血圧)を 設定する – 低血圧(SBP〜90mmHg、MAP〜65mmHg) を避ける
  14. 14. • MAP80mmHg以上に保つと、死亡率と退院時の 神経学的所見が改善 • SBP〜90mmHgでは100mmHg以上に維持した場 合と比べると、高い死亡率と機能予後の悪化が みられた • MAP65〜mmHg以上に保つと生存率が増加、1年 後に良好な神経学的転帰であった Resuscitation. 2009;80:418–424. Resuscitation. 2008;79:410–416. Resuscitation. 2007;73:29–39
  15. 15. 体温管理療法(低体温療法など) • 院外でのVFによるROSCで昏睡状態の成人患 者に対しては体温管理療法を行う (24時間以上、32〜36°C) • 院内心停止および院外のPEA、心静止による ROSCには体温管理療法を考慮
  16. 16. 再灌流療法 • ECGで虚血?→早期の心カテーテル検査・治 療を考慮 • 昏睡状態は,緊急冠動脈影とPCIの禁忌要件 とするべきではない
  17. 17. てんかん発作への対応 • てんかん発作がみられたら治療を! • 痙攣性てんかん発作だけでなく,非痙攣性て んかん発作が含まれる • 非痙攣性てんかん発作のためには脳波検査 • 痙攣の予防は不要
  18. 18. 原因の検索と治療 H&T’s • Hypoxia 低酸素 • Hypothermia 低体温 • Hypovolemia 循環血液量の減少 • Hydrogen-ion アシドーシス • Hypo/Hyper-Kalemia カリウム異常 • Trauma 外傷 • Tension pneumothorax緊張性気胸 • Tamponade タンポナーデ • Thrombosis 血栓症:(心筋梗塞・肺塞栓)
  19. 19. 血圧目標 SBP> 100 mmHg、MAP > 80 mmHg (脳灌流圧維持) (SBP< 90 mmHg、MAP< 65 mmHgは是正考慮) 徐脈: 基本的にそのままで TTM:循環管理 低体温療法自体は低血圧を起こさない 心原性ショック 循環血液量減少性 ショック 血液分布異常性 ショック 閉塞性ショック 寒冷利尿
  20. 20. Benjamin M. Scirica Therapeutic Hypothermia After Cardiac Arrest Print ISSN: 0009-7322. Online ISSN: 1524-4539 Copyright © 2013 American Heart Association, Inc. All rights reserved. is published by the American Heart Association, 7272 Greenville Avenue, Dallas, TX 75231Circulation doi: 10.1161/CIRCULATIONAHA.111.076851 2013;127:244-250Circulation. http://circ.ahajournals.org/content/127/2/244 World Wide Web at: The online version of this article, along with updated information and services, is located on the http://circ.ahajournals.org//subscriptions/ is online at:CirculationInformation about subscribing toSubscriptions: http://www.lww.com/reprints Information about reprints can be found online at:Reprints: document.Permissions and Rights Question and Answerthis process is available in the click Request Permissions in the middle column of the Web page under Services. Further information about Office. Once the online version of the published article for which permission is being requested is located, can be obtained via RightsLink, a service of the Copyright Clearance Center, not the EditorialCirculationin Requests for permissions to reproduce figures, tables, or portions of articles originally publishedPermissions: by HIDEKI ARIMOTO on December 2, 2013http://circ.ahajournals.org/Downloaded from by HIDEKI ARIMOTO on December 2, 2013http://circ.ahajournals.org/Downloaded from Therapeutic Hypothermia After Cardiac Arrest Benjamin M. Scirica Circulation. 2013;127:244-250
  21. 21. 導入時 適応 方法 至適時間,温度 維持時 鎮静方法 導入期間 合併症 復温時 復温方法 復温速度 晩期合併症 1~2days 1~2days
  22. 22. 体温 (℃) 39 38 37 36 35 34 33 32 0.1℃/hr 鎮静鎮痛筋弛緩 シバリング認識・対策 24〜48時間 32-36℃ 適応? 導入期 維持期 復温期 迅速に冷却 発症 ROSC後 4時間までに到達 血圧、血糖、カリウムに注意 要観察・治療項目(血圧、酸素飽和度、血 中二酸化炭素濃度、循環血液量、血糖、 カリウム、てんかん発作) 常温管理 TTMの全体見取り図(導入期、維持期、復温期) 寒冷利尿
  23. 23. PCASのEGDT
  24. 24. PCASのアルゴリズム ROSC 気道および呼吸の管理 循環の管理 鑑別疾患・中枢神経系 の管理 集中治療 SpO2を94%以上に管理:人工呼吸管理 EtCO2モニタの使用,過換気を避ける BP90mmHg〜に管理:補液,昇圧剤 12誘導ECGで心筋虚血の評価:心カテ 指示に従うか:体温管理の必要性 心拍再開後ケア テキストより
  25. 25. 2.心拍再開後の患者管理 • PCASとは? • PCASの管理〜ER編:導入 • 循環に関わる薬剤の整理 • PCASの管理〜ICU編 1:機器 • PCASの管理〜ICU編 2:集中治療
  26. 26. ICU/CCUでのポイント 各種薬剤の使い方
  27. 27. よく使われる心血管作動薬の基礎 まず,これだけの基礎! 交感神経 α作用 血管平滑筋(収縮→血圧上昇) 腸管括約筋収縮,瞳孔散大筋など・・・ β作用 心筋(心拍数、心収縮力増加) 気管支平滑筋の弛緩
  28. 28. α受容体? β受容体? HEART 2011/12 Vol.1 No.4
  29. 29. ここで整理・・・ α作用としては,末梢に働き血圧に影響 β作用としては,心臓に働きポンプ作用に影響 ERでよく使われるものとして・・・, ドパミン ドブタミン ノルアドレナリン アドレナリン
  30. 30. (おまけ)ガンマ計算の基礎 ガンマ(γ)・・・μg(1000xmg)/kg/min 1mlあたりの濃度を計算 1.1mgを20mlに溶かしたなら 1 mg/20 ml 2.mgをμgに変換 1x1000 μg/20 ml 3.体重で割る(たとえば60kg) 1x1000 μg/20 ml/60 kg 4. 1時間は60分だから60で割る(シリンジポンプはml/時) 1x1000 μg/20 ml/60 kg/60 分 = 0.014μg/kg/分/ml シリンジポンプで持続の場合 1.0ml/時なら0.014μg/kg/分!
  31. 31. Dopamine:ドパミン 1A=100mg/5ml α/β1/β2=+/++/- ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)の前駆物質として 陽性変力作用(心筋の収縮性を強める作用)を有す る。 ドーパミン受容体、β受容体、α受容体を刺激 1〜10μg/kg/分(=ガンマ)くらいで使用 5〜10ガンマ α<β 10〜ガンマ α>β
  32. 32. Dobutamine:ドブタミン 1A=100mg/5ml α/β1/β2/=+/+++/++ 強力なβ1刺激作用!(α作用は軽度〜むしろ下げる) 心筋収縮力と心拍出量の増加が見られる。末梢血管抵抗 の増加がみられず(逆に末梢を開くため血圧は下がる)、 心筋への負担も少ない。 高用量10ガンマ以上の投与にならないと十分な血管収縮 は起こりにくいと考えられている。心臓の酸素消費量がド パミンほど増加しない、不整脈の発生頻度が低いことから 虚血性心疾患で好まれる。 3〜20μg/kg/分(=ガンマ)くらいで使用
  33. 33. Noradrenaline:ノルアドレナリン 1A=1mg/1ml α/β1/β2=+++/+++/- 末梢血管を特に収縮 血圧は著明に上がる(・・が,後負荷も増える) 0.05〜0.5ガンマくらいで使用
  34. 34. Adrenaline:アドレナリン 1A=1mg/1ml α/β1/β2=++/+++/+++ 末梢血管・心筋を特に収縮 (気管支は拡張) 血圧・脈拍は著明に上がる (後負荷もやはり増える→肺水腫), 持続なら0.05〜0.5ガンマくらいで使用 おなじみCPRでは1mgを3〜5分毎投与です
  35. 35. 2.心拍再開後の患者管理 • PCASとは? • PCASの管理〜ER編:導入 • 循環に関わる薬剤の整理 • PCASの管理〜ICU編 1:機器 • PCASの管理〜ICU編 2:集中治療
  36. 36. 体温管理方法の実際
  37. 37. 体温管理の導入 • 4℃の生食・細胞外液を急速投与 • 咽頭冷却 • その他(体温維持装置を使う場合,次項)
  38. 38. 細胞外液の急速静脈投与冷却法 4℃に冷却した細胞外液 1〜2リットル急速投与!
  39. 39. 急速投与するための工夫
  40. 40. 咽頭冷却装置 気管挿管チューブに沿わせて使用 導入時のみの使用
  41. 41. 体温管理(TTM)の冷却維持方法 体表面冷却法: Surface cooling 血液直接冷却法: Core cooling
  42. 42. Surface cooling:ブランケット 手動によるブランケットを用いた方法
  43. 43. Surface cooling:Arctic Sun 体外パッドを貼り付けた温度の自動制御が可能 本体定価 398万円 ジェルパッド 10万円
  44. 44. 日本人なら通常男性S〜M,女性XS〜Sで対応可能
  45. 45. ポイント 浮き上がらないように密着させる パッドが重ならないように 皮膚が弱い場合は皮膚側に被服材を使用するのも手
  46. 46. ・パッド内に水 、体外より体温 、復温 測定することに 温へ自動的に水 ことが可能 回数 コントロールパネル 本体とコネクタを接続 膀胱温や食道温測定カテーテルから温度を入力
  47. 47. スタートを押すことで、設定 34℃にて低体温治療が開始する。
  48. 48. Core Cooling: 血液冷却
  49. 49. サーモガード
  50. 50. 体温管理療法(平温) 低体温療法 保険償還価格 19,900円 89,100円
  51. 51. Core Cooling: 体外循環(ECMO)
  52. 52. 各冷却法の比較 方法 ブランケット Arctic Sun 血管内冷却 カテーテル CHD ECMO 冷却方法 体表冷却 体表冷却 血液冷却 血液冷却 血液冷却 目標温までの到達 時間 3〜5時間 3時間 1〜2時間 1〜2時間 10〜20分 体温自動調節機 能 なし あり あり なし なし 侵襲 軽度 軽度 軽度 軽度 高度 循環のサポート 不可 不可 不可 不可 可 スタッフの熟練度 必要 知識程度 知識程度 必要 必要
  53. 53. 低体温療法の保険点数(1日につき) L008-2: 12,200点 • 低体温療法は、心肺蘇生後の患者に対し、直腸温 35°C以下で 12時間以上維持した場合に、開始から3日間に限り算定する。 • 重度脳障害患者への治療的低体温の場合は算定不可 • 当該点数を算定するに当たり、かならずしも手術は不要 • 低体温迅速導入加算は、目撃された心停止発症後15分以内に医 療従事者による蘇生術が 開始された心停止患者に対して、心拍 再開の15分後までに咽頭冷却装置を用いて低体温を 導入した場 合に算定できる。低体温迅速導入加算の算定に当たっては、診療 報酬明細書に 症状詳記を添付する – 心肺蘇生中に咽頭冷却装置を使用して低体温療法を開始した場合 は、低体温迅 速導入加算として、5,000点を所定点数に加算する。
  54. 54. Gillies MA, et al Resuscitation (2010) 81;1117-1122 血液冷却が増えている傾向がある
  55. 55. Gillies MA, et al Resuscitation (2010) 81;1117-1122 体温変動が少ない (p=0.003) 復温期の制御に優れる (p=0.04) シバリングが少ない (p=0.008) 過冷却が少ない (p=0.05) 冷却不足が少ない (p=0.04) 表面冷却はTTM管理では不利?
  56. 56. 体温管理の精度は違うが予後は同じ Circulation. 2015;132:182-193.
  57. 57. 2.心拍再開後の患者管理 • PCASとは? • PCASの管理〜ER編:導入 • 循環に関わる薬剤の整理 • PCASの管理〜ICU編 1:機器 • PCASの管理〜ICU編 2:集中治療
  58. 58. 蘇生ガイドライン2015の復習 • 呼吸管理 • 循環管理 • 血糖管理 • 体温管理
  59. 59. 呼吸管理 成人におけるROSC後の酸素投与量 ROSC 後のあらゆる状況下の成人において、 • 低酸素症の回避を推奨する (強い推奨、非常に低いエビデンス) • 高酸素症の回避を提案する (弱い推奨、非常に低いエビデンス) • 動脈血酸素飽和度または PaO2が確実に測定されるま で100%吸入酸素濃度の使用を提案する (弱い推奨、非常に低いエビデンス)
  60. 60. 呼吸管理 ROSC後の換気設定 ROSC 後のバンドル治療の一部として、PaCO2 を生理 的な正常範囲内に維持することを提案する (弱い推奨、非常に低いエビデンス) PaCO2 〜23 mmHg, 〜35 mmHg: 転帰不良 45〜 mmHg, 50〜 mmHg: 転帰不良
  61. 61. 循環管理 ROSC後の循環管理 バンドル治療の一部として循環管理の目標値(例;平 均血圧、収縮期血圧)設定を考慮することを提案する (弱い推奨、低いエビデンス) 特定の循環管理目標値を推奨する十分なエビデンス は存在しない。ROSC後の状況および既存の合併症な どによっても影響されるので、これらの目標は、個々 の患者によって考慮する (弱い推奨、低いエビデンス)
  62. 62. 循環管理 ROSC後の抗不整脈薬 ROSC後に、ルーチンに抗不整脈薬の予防的投与を 行うことについて、何の推奨も提案も行わない 心血管作動薬 ROSC後の成人患者において、血管収縮薬あるいは 変力作用薬の循環不全および生存退院率へのそれ ぞれの効果を比較検討した臨床試験はない。
  63. 63. 血糖管理 ROSC後の血糖管理 ROSC後の成人患者に対して、標準的血糖管理プロト コールを変更しないことを提案する (弱い推奨、中等度のエビデンス) 厳格な血糖管理群(72~108 mg/dl) Vs 中等度血糖管理群(108~144 mg/dl) 予後に差は無し
  64. 64. 低体温療法のupdate ROSC後のST上昇を伴うすべての患者,ST上昇を伴 わないが血行動態が不安定または電気的に不安 定で心血管病変が疑われる患者に対し,緊急の冠 動脈造影が推奨される 心拍再開直後の低血圧の同定・是正が推奨される
  65. 65. 低体温療法のupdate 病院外からの冷却急速輸液によるルーチンの低体 温療法は推奨されない ROSC後に昏睡の患者では,32〜36℃の間で目標 体温を一つ選び,それに達成してから24時間以上, 低体温療法を継続する TTM終了から72時間以上経過してからの予後予測 が推奨されている。TTMを施行しない患者の場合, ROSCから72時間以内の予後予測は推奨されない
  66. 66. 低体温の生体への侵襲 Thoresen M; Pediatr Res 50: 405–411, 2001
  67. 67. Thoresen M; Pediatr Res 50: 405–411, 2001 低体温療法中はストレスを緩和する必要 ↓ 循環動態・酸素消費量を考慮 交感神経刺激を抑える必要性 無鎮静では血清コルチゾール値が上昇
  68. 68. 心停止後におけるTTMの管理として・・・ 体外循環,低体温など高度の侵襲があるため 十分な鎮静・鎮痛が必要 鎮痛 : Analgesia 鎮静 : Sedation 筋弛緩 : Neuromuscular Block Agents: NMBA 麻酔の三原則 PADとは異なる!?
  69. 69. TTMでの鎮静 • 目標温まで迅速に到達する • 体温が安定している • シバリングのコントロール • 患者が苦痛に感じない • 合併症が少ない
  70. 70. Chamorro C; Anesth Analg 2010;110:1328-35
  71. 71. ICUでの鎮静について
  72. 72. 局所加温(skin warming) Mg 4g 鎮静 1) プロポフォール, 2) MDZ 鎮痛 1) フェンタニル,2) モルヒネ シバリング時 Bair HuggerⓇ等による加温 鎮痛,鎮静の増量 筋弛緩薬
  73. 73. 鎮静薬(sedation)
  74. 74. Midazolam (ドルミカムⓇ) 中枢神経のγアミノ酪酸(GABA)受容体に結合して、Clチャンネルを開き興奮性ニューロ ンを抑制する。特徴として脂溶性が高く脂肪組織などに再分布するため作用時間は短 い. 長時間の鎮静を行う場合は持続静注を行うが、0.03mg/kg/hrから開始し鎮静効果を みて適宜増減する. 48〜72時間以上の持続投与を行うと、蓄積した代謝産物(1- hydroxylmethylmidazolam)の作用や、脂肪組織から薬剤が血中に再動員され覚醒が 遷延する.
  75. 75. Propofol (プロポフォールⓇ) 作用点はベンゾジアゼピン系薬と同様にGABA受容体であるが、結合部位は異なると 考えられている. 短時間作用性,脂肪移行性が高く、長時間の持続静注を行うと半減期は延長して300 〜700分に達するが、覚醒遅延が問題となることは少ない. 低血圧などの循環抑制、呼吸抑制があるが、肝・腎機能の低下した症例に対しても比 較的安全な薬剤とされる. 筋融解や代謝性アシドーシス、心不全、不整脈などの全身症状(propofol infusion syndrome)も知られている.
  76. 76. Dexmedetomidine (プレセデックスⓇ) 鎮静・鎮痛作用を有する選択的α2アゴニスト. 脳内の青斑核に分布するα2受容体に作用し、その結果神経末端のノルアドレナリン 放出を抑制し、大脳皮質など上位中枢の興奮・覚醒レベルを抑え効果を発現する. 半減期が短いため通常持続静注(0.2〜0.7μg/kg/hr程度)で用いる. 徐脈がみられるため、低体温療法時は一時ペーシングや薬物療法などによる対策が 必要となることがある。
  77. 77. 末梢血管を拡張させることにより,中枢温・末梢温の差を軽減する? →間接的な抗シバリング作用?
  78. 78. 鎮静薬の比較 Polderman KH, Herold I: Therapeutic hypothermia and cotrolled normothermia in the intensive care unit: Practical considerations, side effects, and cooling methods. Crit Care Med 37: 1101-20, 2009
  79. 79. 予後,合併症は変わらず Propofolはキレはいいけど,循環に影響・・・好み(患者)の問題
  80. 80. 鎮痛薬(analgesia)
  81. 81. Fentanyl 速効性があり最適とされる. 鎮痛効果はmorphineの50〜100倍、持続時間 が短いため持続静脈内投与で使用(投与量:1 〜2μg/kg/hr) 心筋収縮力抑制作用や血管拡張作用が少ない
  82. 82. Morphine 人工呼吸中の鎮静効果を期待して用いる場合は5〜10mgの静脈内投与が行われ、 作用は4〜5時間持続する 作用時間が長いため持続静脈内投与より間歇的投与が良いとされる 血管拡張作用、ヒスタミン遊離作用のため低血圧が起こりやすい 腎障害がある場合は、モルヒネ代謝産物が蓄積しやすく作用が遷延する
  83. 83. 非麻薬系鎮痛薬 bupurenorphine(レペタンⓇ): 鎮痛効果はmorphineの25〜40倍であるとされ、持続時 間は6〜9時間と長い。morphine同様に間欠的投与が望ましい.opioidとの拮抗作用 あり Pentazocine(ペンタジンⓇ,ソセゴンⓇ): 15mgの投与で3〜4時間の鎮痛が得られる。 15〜30mgを筋肉内または静脈内投与する。呼吸抑制、末梢血管収縮作用があり、血 圧・肺動脈圧を上昇させることにより心筋酸素消費量を増加させる 心停止後症候群の使用についてはデータ不足
  84. 84. 鎮痛薬の比較 Polderman KH, Herold I: Therapeutic hypothermia and cotrolled normothermia in the intensive care unit: Practical considerations, side effects, and cooling methods. Crit Care Med 37: 1101-20, 2009 心筋収縮力抑制作用や血管拡張作用が少ないため、循環状態が不安 定な場合はmorphineよりfentanylの使用が推奨される
  85. 85. 筋弛緩薬(NMBA)
  86. 86. 筋弛緩薬 Polderman KH, Herold I: Therapeutic hypothermia and cotrolled normothermia in the intensive care unit: Practical considerations, side effects, and cooling methods. Crit Care Med 37: 1101-20, 2009 利点: 100% 効果有り. 欠点: 抗シバリング作用は無い むしろ不十分な鎮静,てんかん発作を隠してしまう 長期使用によりcritical illness neuropathy, myopathyなどの副作用
  87. 87. 筋弛緩薬の特徴 利点 酸素消費量を減らす 胸郭のコンプライアンスの改善 ファイティングの防止 炎症性サイトカインの減少 シバリングのコントロール When Should Sedation or Neuromuscular Blockade Be Used During Mechanical Ventilation? Suzanne Bennett MD and William E Hurford MD Introduction The Triad of Agitation Pain Anxiety Delirium Deep Sedation and Anesthesia Neuromuscular Blocking Agents Summary Sedation has become an important part of critical care practice in minimizing patient discomfort and agitation during mechanical ventilation. Pain, anxiety, and delirium form a triad of factors that can lead to agitation. Achieving and maintaining an optimal level of comfort and safety in the intensive care unit plays an essential part in caring for critically ill patients. Sedatives, opioids, and neuromuscular blocking agents are commonly used in the intensive care unit. The goal of therapy should be directed toward a specific indication, not simply to provide restraint. Standard rating Respir Care 2011;56(2):168 –176. 欠点 無気肺の出現 横隔膜の挙上 肺胞の虚脱
  88. 88. Chamorro C; Anesth Analg 2010;110:1328-35 低体温療法導入の例 導入はNMBA使用 モニタリングとして BIS TOF: train of four EEG を推奨
  89. 89. TOF: train-of-four http://www.vm.a.u-tokyo.ac.jp/geka/research/anes/vecro/
  90. 90. SCCMにおける筋弛緩薬の位置付け These agents control the muscular symptoms of shivering, but their use normally is reserved as a last therapeutic option. Society of Critical Care Medicine; Aug 2008
  91. 91. 皮膚などのレセプター 脊髄 視床下部 オートレギュレーション 生体での体温調節
  92. 92. シバリング対策
  93. 93. 体温の動向の把握 Coolant温が低下開始 ↓ 発熱を疑う 原因精査 ↓ 鎮静・鎮痛・解熱剤増量 必要時抗菌薬 Coolant温がmax cooling ↓ 著明な発熱 ↓ 血圧上昇、シバリング 放置すると・・・ 平温療法でも シバリングは起きる
  94. 94. 『フィードフォワード』 寒冷による深部温度低下 を見越した予防制御 寒冷環境における体温調節 皮膚血管収縮 (熱放散抑制) シバリング (熱産生) 『フィードバック』 深部体温低下を 是正する機構 皮膚温度受容器 深部温度受容器 (脳) 視床下部 寒冷刺激 環境温低下 深部体温(脳温)低下
  95. 95. Surface counter warming 皮膚を温めることにより,末梢中枢温の格差を小さくしてシバリングを押さえ る
  96. 96. Bedside Shivering Assessment Scale Score 0 シバリングとして咬筋(そしゃく筋),頸部,胸部に筋収縮が見られず, かつ電気生理学的にシバリングを認めない(心電図を使用) 1 電気生理学的にシバリングを認めるが(心電図を使用),臨床的な シバリングの所見を認めない 2 頸部および/または胸部に限局したシバリング 3 上肢(頸部や胸部も含む)の激しい活動を伴うシバリング 4 体幹・上下肢の激しい活動を伴うシバリング Badjatia N, Strongilis E, Gordon E, et al. Metabolic impact of shivering during therapeutic temperature modulation: the Bedside Shivering Assessment Scale. Stroke. 2008;39(12): 3242-3247. doi:10.1161/STROKEAHA .108.523-654.
  97. 97. シバリング対応の例 シバリング アセトアミノフェン 650mg 4時間毎注入 局所加温(カウンターウォーミング) 硫酸Mg 4gボーラス静注 (目標 3-4 mg/dl) ミダゾラム 増量 かつ/もしくは Dexmedetomidine 持続静注 0.2mcg/kg/hr かつ/もしくは Fentanyl 持続静注 25mcg/hr 気管挿管(未施行の場合) Propofol 静注 もしくは Midazolam 静注 筋弛緩薬 投与 BSAS 1〜 BSAS 1〜 BSAS 1〜 BSAS: Bedside Shivering Assessment Scale Neurocritical care. 2015 Dec;23 Suppl 2;S48-68. doi: 10.1007/s12028-015-0158-1.
  98. 98. 末梢温・中枢温の測定 鎮静が不十分 末梢循環不全(嫌気性代謝,アシドーシス・・・) シバリングの原因 etc…
  99. 99. 末梢温・中枢温の解離
  100. 100. 血管拡張薬(dilator)
  101. 101. α遮断作用 Hydralazine(アプレゾリンⓇ) Dexmedetomidine(プレセデックスⓇ) Droperidor(ドロレプタンⓇ),Chlorpromazine(コントミンⓇ) 鎮静作用,α遮断作用など 中枢温の温度差が拡大すると、生体では体温をコントロールすべくシバリ ングが発生する 循環が安定しているならば ,末梢血管拡張を考慮する 嫌気性代謝↓
  102. 102. クロルプロマジン使用例 クロルプロマジン 5mg投与
  103. 103. Dex使用例
  104. 104. Dex 0.5μg/kg/hrで投与開始 Dex使用下の末梢・中枢温の経時的変化 中枢温 末梢温 Fentanyl 1μg/hr
  105. 105. DexとOpioid併用による抗シバリング相乗作用
  106. 106. 鎮静薬の低体温下での 鎮静,鎮痛薬に対する影響
  107. 107. This study demonstrated that midazolam metabolism is reduced by mild short duration of hypothermia in normal healthy volunteers. These results provided the basis for estimating changes in midazolam clearance under mild hypothermic conditions. Hostler et al. ; Drug Metabolism and Disposition:38:781–788, 2010 Midazolamは低体温時には血中濃度が上昇する
  108. 108. Leslie K et al. Anesth Analg 1995;80:1007-14 Propofolも低体温時には血中濃度が上昇する
  109. 109. Fritz HG et al. Anesth Analg 2005;100:996–1002 Fentanylも低体温時には血中濃度が上昇する
  110. 110. Tortorici MA ; Crit Care Med 2007 35, No9 低体温療法中はPK/PDが変化
  111. 111. 今後の鎮静薬として・・・
  112. 112. Dexmedetomidine (Dex) 鎮静 中枢性αaA受容体を刺激し交感神経系を抑制 • 血圧・心拍数低下の機序 鎮痛 抗シバリング 末梢血管を拡張させることにより,中枢温・末梢温の差を軽 減する
  113. 113. Benjamin M. Scirica Therapeutic Hypothermia After Cardiac Arrest Print ISSN: 0009-7322. Online ISSN: 1524-4539 Copyright © 2013 American Heart Association, Inc. All rights reserved. is published by the American Heart Association, 7272 Greenville Avenue, Dallas, TX 75231Circulation doi: 10.1161/CIRCULATIONAHA.111.076851 2013;127:244-250Circulation. http://circ.ahajournals.org/content/127/2/244 World Wide Web at: The online version of this article, along with updated information and services, is located on the http://circ.ahajournals.org//subscriptions/ is online at:CirculationInformation about subscribing toSubscriptions: http://www.lww.com/reprints Information about reprints can be found online at:Reprints: document.Permissions and Rights Question and Answerthis process is available in the click Request Permissions in the middle column of the Web page under Services. Further information about Office. Once the online version of the published article for which permission is being requested is located, can be obtained via RightsLink, a service of the Copyright Clearance Center, not the EditorialCirculationin Requests for permissions to reproduce figures, tables, or portions of articles originally publishedPermissions:
  114. 114. Surface Counter Warming Mg Sedation Analgesic agents Shivering時 Bair HuggerⓇ等による加温 鎮痛,鎮静の増量 筋弛緩薬
  115. 115. 低体温療法時の鎮静に関する薬剤の例 鎮静薬 Midazolam (ドルミカムⓇ) 0.03〜0.10 mg/kg/時 Propofol (1%プロポフォールⓇ) 0.5〜3.0mg/kg/時 Dexmedetomidine(プレセデックスⓇ) 0.2〜0.7μg/kg/時 鎮痛薬 Fentanyl (フェンタニルⓇ) 0.7〜10μg/kg/時 Morphine (塩酸モルヒネ) 5〜10mg間欠投与 筋弛緩薬 Vecuronium (マスキュラックスⓇ) 0.05〜0.08mg/kg/時 Pancuronium (ミオブロックⓇ) 0.02〜0.03mg/kg/時 Rocuronium (エスラックスⓇ) 0.4mg/kg/時 血管拡張薬 Hydralazine (アプレゾリンⓇ) 0.5〜3.0μg/kg/min Chlorpromazine (コントミンⓇ) 5〜10mg投与
  116. 116. 低体温療法時の鎮静に関する薬剤の例 鎮静薬 Midazolam (ドルミカムⓇ) 0.03〜0.10 mg/kg/時 Propofol (1%プロポフォールⓇ) 0.5〜3.0mg/kg/時 Dexmedetomidine(プレセデックスⓇ) 0.2〜0.7μg/kg/時 鎮痛薬 Fentanyl (フェンタニルⓇ) 0.7〜10μg/kg/時 Morphine (塩酸モルヒネ) 5〜10mg間欠投与 筋弛緩薬 Vecuronium (マスキュラックスⓇ) 0.05〜0.08mg/kg/時 Pancuronium (ミオブロックⓇ) 0.02〜0.03mg/kg/時 Rocuronium (エスラックスⓇ) 0.4mg/kg/時 血管拡張薬 Hydralazine (アプレゾリンⓇ) 0.5〜3.0μg/kg/min Chlorpromazine (コントミンⓇ) 5〜10mg投与
  117. 117. 復温について
  118. 118. 復温目標体温 36.5°C 復温速度 0.1°C/hr (≤ 0.25 °C/hr) 復温期間 一般的に36 時間必要(33.0℃からの場合) 電解質変化 ↑K 内分泌変化 ↓ 血糖 心血管変化 低血圧 シバリング シバリング防止プロトコル継続 復温したら筋弛緩薬中止、その後、鎮静鎮痛 常温管理: 96時間 • 37.5°C以上:再冷却開始 • 37.8°C以上: 生理食塩液0.5 – 1.0 L負荷 TTM:復温、その後の常温管理 *低体温に伴い薬物クリアランスが減少するので、 鎮静薬、鎮痛薬などの効果遷延に注意!
  119. 119. 体温 (℃) 39 38 37 36 35 34 33 32 0.1℃/hr 鎮静鎮痛筋弛緩 シバリング認識・対策 24〜48時間 32-36℃ 適応? 導入期 維持期 復温期 迅速に冷却 発症 ROSC後 4時間までに到達 血圧、血糖、カリウムに注意 要観察・治療項目(血圧、酸素 飽和度、循環血液量、血糖、 カリウム、てんかん発作) 常温管理 TTMの全体見取り図 (導入期、維持期、復温期)
  120. 120. ROSC後のSeizure(てんかん発作)
  121. 121. ROSC後のてんかん発作への対応 ROSC後の患者に対して、 てんかん発作の予防をルーチンには行わないことを提案する (弱い推奨, 非常に低いエビデンス) てんかん発作の治療を推奨する (強い推奨,非常に低いエビデンス) • ジアゼパム,マグネシウム,プラセボで有意差無し • チオペンタール,フェノバルビタールでの有意差無し バルビツレートでの循環抑制を示唆
  122. 122. PCAS後のてんかん発作 • 全身痙攣重積状態 – Generalized Convulsive Status Epileptics: GCSE 臨床的あるいは電気的てんかん活動が少なくとも5 分以上続く場合,あるいはてんかん活動が回復なく 反復し5分以上続く場合 • 非痙攣性てんかん重積状態 – Non-convulsive Status Epileptics: NCSE • 欠神発作 Absence seizures • 複雑部分発作 Complex partial seizures
  123. 123. NCSEの例 Lorazepam 1mg投与 Continuous Electroencephalogram Monitoring in the Intensive Care Unit Anesth Analg 2009;109:506–23
  124. 124. Neurocrit Care (2012) 17:3–23 Lorazapam ミダゾラム ジアゼパム フェニトイン,ホスフェニトイン フェノバルビタール バルプロ酸Na レベチラセタム てんかん重積時の薬剤
  125. 125. てんかん重積時のアルゴリズム(例) てんかん治療ガイドラインより

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