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心理的安全性リーダーシップスキル自己効力感尺度

心理的安全性リーダーシップスキル自己効力感尺度の開発

[責任発表者] 德吉 陽河:1,2

本研究の目的は,心理的安全性リーダーシップスキル自己効力感尺度(PSL-SES)の開発である。PSL-SESは,相関分析,信頼性分析,古典的テスト理論や項目反応理論に基づいて分析が行われた。PSL-SESは,Edmondson (2014) が定義した心理的安全性を基盤にリーダーシップのスキル及び自己効力感の文脈において7つ項目で構成された。なお,ここでの「心理的安全性リーダーシップスキル自己効力感」の定義は,チームの心理的安全性を構築し,支援できるスキルと自己効力感である。PSL-SESはWEB調査にて行われた(N=3681,平均年齢=33,SD=9.3)。PSL-SESは,探索因子分析及び確証的因子分析,相関分析が実施された。その結果,PSL-SESの構成は1因子を示し,適合度はGFI=.92, AGFI=.84, NFI=.91, CFI=.91, RMSEA=.14であった。内的整合性(クロンバックのα係数)は.87であり,十分な値を示した。項目反応理論であるMokken Scale Analysis. を行ったところ,The PSL-SES におけるHtは.54を示し,項目として十分な値を示した。相関分析では,PLS-SESは,ユレヒトワークエンゲージメント尺度短縮版(Schaufeli, et al., 2019)との間で正の相関が認められた。
1:コーチング心理学協会, 2:ポジティブ心理カウンセラー協会

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心理的安全性リーダーシップスキル自己効力感尺度

  1. 1. 心理的安全性リーダーシップ スキル自己効力感尺度の開発 徳吉 陽河 YOGA TOKUYOSHI 日本心理学会 2020 第84回学術大会(東洋大学) Development and validation of Psychological Safety leadership skills and Self-efficacy Scale Key words: Psychological Safety leadership, Self-efficacy, Scale
  2. 2. 目的と背景 Edmondson (2014)は,組織行動学の領域において 「チームの心理的安全性(Psychological Safety)」と いう概念を提唱した。また,「心理的安全性の概念」は 「チームが,対人関係においてリスクのある行動をして も,安心できるというチームメンバーにおける共有され た意識」と定義されている。 我が国において,心理的安全性リーダーシップスキル や自己効力感に関わる尺度を構築することで,チームや 組織においての心理的安全性のリーダーシップスキルの 構造や関連性がわかり,その能力の向上に役立てられる と考え,尺度を構築することにした。
  3. 3. Psychological Safety leadership skills and Self-efficacy Scale PS01 チームのメンバーが失敗やミスをしても,許容し,次につなげられる ように支援することができる PS02 チームのメンバーで課題や難しい問題を指摘しあえる環境を構築する ことができる PS03 チームのメンバーがお互いに異なる意見を持っているとき,互いに議 論しあえる環境を構築できる PS04 チームのメンバーが,新しい挑戦をするときでも,安心させて行動を 促すことができる PS05 チーム間で助け合える環境を構築できる PS06 チームのメンバーが失敗しても,意図的におとしめるような行動はし ない PS07 チームメンバーたちのスキルや才能を尊重し,活かす環境を構築する ことができる
  4. 4. 方法 METHOD • 方法:WEB調査で実施。調査の協力に同意し たもののみを調査の対象とした。 *3681名(男性1692名、女性1989名) 平均年齢は33歳(SD=9.3) • 調査対象者は回答されたデータから20歳以上 及び「社会人」を選択した。重複や明らかに 不適切な回答をしているものを除いた。
  5. 5. 調査票の構成 Psychological Safety leadership skills and Self-efficacy Scale(PSL-SES) 1因子(7項目,5件法) ※↑今回の「目的変数」となる尺度 妥当性の検証に利用した尺度は以下の通り。 ①ユレヒト・ワークエンゲージメント尺度日本語短縮版 (Shimazu, A., Schaufeli, W. B., Kosugi, S. et al. ,2008). ②ブリーフレジリエンス尺度日本語版 ③BigFive+ONE ④日本版主観的幸福感尺度(Subjective Happiness Scale: SHS) (島井他,2004) ⑤簡易ストレス尺度(5段階評定)
  6. 6. 分析手順 ①【探索的&確認的因子分析】 ②【内的整合性(α係数,ω係数】 ③【項目分析】天井・床効果について 【項目反応理論】(Mokken Scale Analysis) ④【尺度の妥当性の確認】相関分析
  7. 7. 【結果】 スクリープロットによる平行分析 ◆スクリープロットに よる平行分析 (固有値1.0基準) で分析 ⇒1因子が妥当 ◆探索的因子分析 最尤法Promax回転 1因子構成で分析した
  8. 8. ■基本統計 Psychological Safety leadership skills and Self-efficacy Scale 平均値 SD EFA CFA Hi PS01 4.05 0.96 .60 .60 .52 PS02 3.35 1.13 .78 .78 .57 PS03 3.48 1.11 .79 .79 .57 PS04 3.61 1.05 .76 .76 .56 PS05 3.57 1.05 .81 .81 .59 PS06 4.37 1.00 .40 .40 .36 PS07 3.68 1.04 .74 .74 .56 注. SD:標準偏差, EFA:探索的因子分析の因子負荷量,CFA:確認的因子分析の因子負荷量,Hi: NIRTの項目ごとのH係数。
  9. 9. 【結果】 探索的因子分析 CFI=.91, TLI=.87, RMSEA =.14, 90%CI(.13, .15) 階層的因子分析(Omega)探索的因子分析(fa)
  10. 10. Psychological Safety leadership skills and Self- efficacy Scaleの各因子の得点,α係数,Ht係数 注. M:平均点,SD:標準偏差,Ht係数は合計のH係数 尺度 Mean SD α ω Ht(NIRT) Psychological Safety leadership skills and Self- efficacy Scale 26.1 5.5 .87 .91 .54 N=3681, 平均年齢=33歳、 SD=9.3
  11. 11. 性差(t検定,Cohen’s d) t = .958, df = 3533.3, p= .34 , Cohen’s d= .032 【PSL-SES】において,性別差はなかった。
  12. 12. 平均・SD及び項目分析 注. Rは逆転項目,M:平均点,SD:標準偏差, Hi: NIRTの項目ごとのH係数。Dis: IRTの識別力。 項目分析 平均点 SD 天井効果 床効果 PS01 4.1 1.0 5.0 3.1 PS02 3.3 1.1 4.5 2.2 PS03 3.5 1.1 4.6 2.4 PS04 3.6 1.0 4.7 2.6 PS05 3.6 1.1 4.6 2.5 PS06 4.4 1.0 5.4 3.4 PS07 3.7 1.0 4.7 2.6
  13. 13. ユレヒト・ワークエンゲージメント 尺度日本語短縮版 (Shimazu, A., Schaufeli, W. B., Kosugi, S. et al.,2008). • シャウフェリ教授によると【エンゲージメン トとは,特定の対象,出来事,個人,行動な どに向けられた一時的な状態ではなく,仕事 に向けられた持続的かつ全般的な感情と認知 である】とされている。 • ワークエンゲージメントとは,仕事に関連す るポジティブで充実した心理状態であり, • 【活力】【熱意】【没頭】 • 短縮版である「3項目版・3因子」を活用。
  14. 14. Brief Resilience Scale-Japanese version (BRS-J)ブリーフ・レジリエンス尺度日本語版 (徳吉・森谷,2015) • レジリエンスにおける本来の意味であ る“ストレスからの立ち直り” にかかわ る簡易的なレジリエンス尺度。 • 3項目短縮版,5件法で構成。 【質問項目】 Q1 私はつらい時があった後でも,素早く立ち直れる Q2 ストレスが多い出来事から立ち直るのに長くはかからない Q3 ささいな問題があっても,たいていやり過ごせる
  15. 15. PSL-SESとレジリエンス、ワー クエンゲージメントとの関係性 心理的安 全性リー ダーシッ プ レジリエ ンス 活力 没頭 熱意 心理的安全性リーダー シップ *** .36 .40 .34 .44 レジリエンス .36 *** .40 .25 .31 活力 .40 .40 *** .73 .81 没頭 .34 .25 .73 *** .81 熱意 .44 .31 .81 .81 *** 注. すべて,**p<.01
  16. 16. Big5+ONE ※今回利用するBig5のテスト。 【特徴】 5因子+1(各6項目,全36項目)であり,少 ない項目でありながら,すべて,クロンバッ クαは,.80以上と信頼性が高い。 ①TIPI-Jとの関連性が認められている。 ②社会人向けに調査も行っている。 ③プラス・アルファで、「自己ギャップ」尺 度が付随している。 16
  17. 17. 5因子性格モデル Big Five 17 【協調性】 【外向性】 【情緒安定性】 (神経症傾向) 【勤勉性】 (誠実性) 【開放性】
  18. 18. 【Bigfive+】と【 PSL-SES 】 相関係数 注. 相関係数が.30以上は太字。相関はすべて有意(p<.05) 外向性 情緒安定性 誠実性 協調性 開放性 自己 ギャップ 心理的安全性リー ダーシップ .46 .34 .38 .46 .51 -.35 レジリエンス .37 .56 .23 .19 .26 -.53 活力 .46 .25 .44 .32 .36 -.47 没頭 .34 .17 .48 .24 .38 -.37 熱意 .41 .20 .54 .31 .42 -.44
  19. 19. 日本版主観的幸福感尺度(Subjective Happiness Scale: SHS) (島井他,2004) 主観的な幸福感に関わる内容を測定できる。 日本版SHS は4 項目,7件法の尺度。今回は 1項目版のみ使用した。 【1項目版】 • SH1. あなたが現在感じている幸福の程度 1-----2-----3-----4-----5-----6-----7 非常に不幸 非常に幸福
  20. 20. ◆簡易ストレス尺度(5段階) ストレスについて,簡易的に5段階評定の質 問調査項目を加えて分析を行った。 ストレスについての5段階とは以下の通り。 (1)全くストレスを感じない (2)あまりストレスを感じることはない (3)普通 (4)ストレスを感じることがある (5)かなりストレスを感じる
  21. 21. PSL-SES尺度と幸福感、ストレス 注. すべて,**p<.01 心理的安全 性リーダー シップ 幸福感 ストレス 心理的安全 性リーダー シップ *** .27 -.22 幸福感 .27 *** -.41 ストレス -.22 -.41 ***
  22. 22. PSL-SESを目的変数とした 重回帰分析(ステップワイズ) 標準化偏回帰係数 標準誤差 t値 P値 トレランス 分散拡大要因 開放性 0.344694 0.096 24.9721 <0.001 0.75419 1.3259 誠実性 0.288525 0.081 20.3363 <0.001 0.71386 1.4008 レジリエンス 0.082021 0.024 5.3475 <0.001 0.61078 1.6373 熱意(エンゲージメント) 0.186885 0.037 8.6015 <0.001 0.3044 3.2852 情緒安定性 0.107641 0.082 7.3194 <0.001 0.66441 1.5051 外向性 0.094236 0.083 6.1073 <0.001 0.60354 1.6569 没頭(エンゲージメント) -0.08555 0.032 4.1667 <0.001 0.34089 2.9335 重相関係数 0.68718 決定係数(重相関係数の二乗) 0.47222 自由度調整済み重相関係数の二乗 0.47121
  23. 23. 考 察 • 【確認的因子分析】により,6因子構造 が認められた。 RMSEAの値は、低い値 であった。 • 【項目分析】では,一部、天井効果がみ とめられた。 • 【内的整合性の分析】【項目反応理論】 による結果は良好であった。 「信頼性分析」及び「項目反応理論」か らみて尺度として利用できることが確認 された。
  24. 24. PSL-SES妥当性の分析の結果と考察 ①【PSL-SES】は,レジリエンスと正の相関が認められた。 心理的安全性リーダーシップスキル尺度は、逆境力に関わる ことが示唆された。 ②【PSL-SES】は,ワークエンゲージメントの尺度、とりわ け、「熱意」と正の相関が認められた。心理的安全性リーダ ーシップスキル尺度は、ワークエンゲージメントに関わるこ とが示唆された。 ③【PSL-SES】は,Big5の外向性,協調性、開放性との間で 正の相関が認められた。心理的安全性リーダーシップスキル 尺度は、社交性、協調性、新規追求など、コミュニケーショ ンなどに関わることが示唆された。 ④【PSL-SES】は,簡易ストレスとの間で負の相関が認めら れた。心理的安全性リーダーシップスキル尺度は、ストレス 負の関係があることが示唆された。
  25. 25. ◆【展望】データをどう活用するか? 【関連することからのヒント】 「PSL-SES」は,心 理的安全性リーダーシップを持つ人材を育成する上で 役立つか検討していく必要がある。 心理的安全性リーダーなどの支援者に対しては、レジ リエンス・トレーニング、コミュニケーション・スキ ルの向上、ストレス対処などのトレーニングに活用で きるかもしれない。 また、心理的安全性リーダーシップ・スキルが、ワー クエンゲージメントを実際に高めたり、維持したりす る上で役立つか、さらなる検証を行っていく必要があ る。
  26. 26. 引用文献 • Edmondson, A.; Lei, Z. (2014). "Psychological Safety: The History, Renaissance, and Future of an Interpersonal Construct". Annual Review of Organizational Psychology and Organizational Behavior. 1: 23–43. doi:10.1146/annurev-orgpsych-031413-091305. • 島井哲志・大竹恵子・宇津木成介・池見陽 (2004).日本版 主観的幸福感 尺度(Subjective Happiness Scale: SHS)の信頼性と妥当性の検討,日本公 衆衛生雑誌,51(10),845-853. • Shimazu, A., Schaufeli, W. B., Kosugi, S. et al. (2008). Work engagement in Japan: Validation of the Japanese version of Utrecht Work Engagement Scale. Applied Psychology: An International Review, 57, 510-523. • 徳吉陽河・森谷満(2015). ブリーフ・レジリエンス尺度日本語版(BRS- J)の開発 日本心理学会第 79 回大会発表論文集, 354.

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