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認知行動コーチングによるキャリア支援と自己成長主導性

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認知行動コーチング Relationship between Cognitive Behavioural Coaching for Career supports and Personal Growth Initiative

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認知行動コーチングによるキャリア支援と自己成長主導性

  1. 1. 認知行動コーチングによる キャリア支援と自己成長主導性 Relationship between Cognitive Behavioural Coaching for Career supports and Personal Growth Initiative 東北大学大学院 徳吉陽河 ・岩崎祥一 日本心理学会第78回大会 2014 同志社大学 京都
  2. 2. 2016/6/28 2 既に学術の世界で確立している「心理学的 研究法」や「心理療法」などの基本的なモデ ルを援用し、伝統的な心理学から,新しい 「ポジティブ心理学」などを活用して,「個 人の目標達成」,生活や仕事における「Well- being」「QOL」の向上,「業務遂行力(パ フォーマンス)」を向上させるためにある。 (Palmer & Whybrow,2007) 2
  3. 3. 認知行動コーチング(CBC)とは 『認知行動コーチング(CBC)』 は,コーチィ(クライエント)の 現実的な目標を達成ができるよう にする認知的フレームワークをも とに,認知,行動,イメージ,問 題解決技法や方策を 組み合わせて使う統合的 アプローチとされている (Palmer & Whybrow,2007) 3
  4. 4. 認 知 行 動 コ ー チ ン グ の 質 問 票 を活用して大学生の「キャリア支援」を実施 ①セルフ・コーチング (自己記入式質問票のツール) ②ピア・コーチング形式 (大学生同士による対話) 【今回の研究目的】
  5. 5. 【研究の目的と仮説】 ◆本研究では「認知行動コーチング(CBC)」を元に した「IS-REBC-II」質問票を利用して大学生のキャ リアの支援を目的とする。(ピア・コーチング形式) ◆介入の検証には「自己成長」に関連する心理尺度の 多因子モデル版である「PGIS-II日本語版(德吉・岩 崎,2014)」を活用した。PGIS-IIはカウンセリング やライフ・キャリアなどの転機(トランジション)に おける自己成長や変化への動機づけの指標として作 成。 ◆【仮説】CBCは「未来に向けた前向きな自己成長へ の動機づけに関わる」と考えられるため,今回の介入 によりPGIS-II日本語版の合計値が上昇するとした。
  6. 6. Method 【実 験】3群に無作為に分類 (1)事前テスト:PGIS-II日本語版 (2)3群に無作為に分類 ◆Ⅰ【クライエント群】 ①「セルフ・コーチング」(ワークシートに記入) ②「ピア・コーチング」を受ける ◆Ⅱ【コーチ群】 ①質問票に基づいて,クライエントを支援する。 ◆Ⅲ【統制群】:10分間,何も行わないように指示。 (3)事後テスト:PGIS-II日本語版
  7. 7. IS-REBC-II: 目標の自由回答形式質問票 「G-ABCDEF モデル」(Palmer & Szymanka, 2007) の理論を利用して,自由回答形式の質問票を作成。 認知行動コーチングにおける領域の認知行 動療法,理性感情行動療法(REBT)などで有名なアル バート・エリスが提唱したABC理論を拡張させた G-ABCDEFモデル(Palmer, 2007)。 ◆「IS-REBC-II」では「スケーリング」がで きるように改良した。量的な分析が可能になった。 ◆質問紙の構成 【IS-REBC-II】
  8. 8. G-ABCDEF モデル(Palmer & Szymanska,2007) G(Goals):目標の設定(アジェンダの設定) A(Activating event):機会となる出来事 B(Beliefs):信念・思い込み C(Consequences):結果としての状況 D(Disputation):批判・反論できること E(Effective new approach): 効果的な新しい方法(+3リスト法) F(Future focus): 未来への焦点づけ
  9. 9. 【テーマ】は「キャリア」に設定 ■以下の質問に対して,コラムの中に,自分の回答をお書きください。 この課題に関しては,記入できるところのみ記述してください。 ※ 1 ~ 10 の 数 字 に は , 当 て は ま る 数 字 に ○ を お 書 き 下 さ い 。 ※テーマ:これからの人生におけるキャリア(就職,進路)について回 答ください。 ----------------------------------------------------------------------------------------------------------- □1.「人生におけるキャリア(就職,進路)など,これから,挑戦して みたいこと,やってみたいこと」について,目標は明確になっています か。 全く明確になっていない 1---2---3---4---5---6---7---8---9---10 かなり明 確になっている ----------------------------------------------------------------------------------------------------------- □1-2. 「人生におけるキャリア(就職,進路)」について,これから「挑 戦してみたいこと」「やってみたいこと」など,具体的な「目標」は何です か?(記述・質問) ( )
  10. 10. 研究(1)Personal Growth Initiative Scale II 自己成長主導性尺度Ⅱ (Robitscheck et al, 2012) 「自己成長」に関連する心理尺度の多因子 モデル版である。元は,「ウェルダ-ネス・プ ログラム」の効果検証のために作成。 (1)積極的な成長 (2)変化への準備 (3)資源の活用 (4)計画性
  11. 11. Personal Growth Initiative Scale-II 「自己成長主導尺度(PGIS-II)日本語版」 (徳吉・岩崎,2014:原著:Robitscheck, 2012) 「自己成長」に関連する心理尺度の多因子モ デル版である。元は,カウンセリング,ウィ ルダネス・プログラム・職業支援などの転機 における自己成長の変化のための効果検証の ために作成された。 (1)意図的な成長 (2)変化への準備 (3)資源の活用 (4)計画性
  12. 12. PGIS-II日本語版(合計)とキャリア選択 自己効力感尺度との相関分析
  13. 13. Pre-Test ◆クライエント群 ①質問票の記述 ②コーチからの対話的 支援を受ける。 N=63 Mean age=19.1 (SD=1.3) 男性45名,女性18名 Post-Test ◆Data analysis 1: 共分散分析: 3条件を独立変数,Pre時の得点を共変量,Post時の得点を従属変数 2:分散分析:測定時の単純主効果の検定 3: 効果量 (Cohen’s d) 【Questionnaire】 PGIS-II日本語版 (Personal Growth Initiative Scale- II) 【Questionnaire】 PGIS-II日本語版 Figure 1 Flow chart of this study. ◆統制群 【実験参加者】:大学生 ◆コーチ群 クライエント支援 N=21N=21N=21◆無作為割り当て
  14. 14. ◆介入の結果:PGIS-II 日本語版合計 ◆【効果量】:Cohen’s d : Control =-.19, Coach=.22, Client=.51 ◆【共分散分析】:「3条件」の交互作用は有意 F(2,59)=5.2, p<.01) 3.3 3.5 3.3 3.2 3.6 3.6 2.8 3.0 3.2 3.4 3.6 3.8 Control Coach Client PGIS-IITotalScore Pre Post Control < Client ** **p<.01 d=.51**
  15. 15. ◆結果:PGIS-II 「積極的な成長」 因子 ◆【効果量】:Cohen’s d : Control=-.03, Self=.12, Interview=.26 ◆【共分散分析】:「3条件」の交互作用は有意差なし(n.s.) 3.7 3.9 3.8 3.7 4.0 4.1 3.4 3.6 3.8 4.0 4.2 Control Coach Client PGIS-II積極的な活動 Pre Post
  16. 16. ◆結果:PGIS-II 「変化への準備」 因子 ◆【効果量】:Cohen’s d : Control =-.08, Self=.07, Interview=.42 ◆【共分散分析】:「3条件」の交互作用は有意傾向 F(2,59)=2.8, p=.07) 2.9 3.3 3.2 2.8 3.3 3.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 Control Coach Client PGIS-II変化への準備 Pre Post
  17. 17. ◆結果:PGIS-II 「計画性」 因子 ◆【効果量】:Cohen’s d : Control =-.40, Self=.06, Interview=.58 ◆【共分散分析】:「3条件」の交互作用は有意 F(2,59)=7.0, p<.01) 3.3 3.4 3.1 2.9 3.4 3.5 2.5 3.0 3.5 4.0 Control Coach Client PGIS-II計画性 Pre Post d=ー.40* Control < Client ***p<.05,**p<.01 d=.58*
  18. 18. ◆結果:PGIS-II 「資源の活用」 因子 ◆【効果量】:Cohen’s d : Control =.04, Self=.48, Interview=.12 ◆【共分散分析】:「3条件」の交互作用は有意傾向 F(2,59)=3.1, p=.05) 3.4 3.3 3.2 3.4 3.8 3.3 3.0 3.2 3.4 3.6 3.8 4.0 Control Coach Client PGIS-II資源の活用 d=.48** **p<.01
  19. 19. ◆介入に対する効果の感想とコメント (1)ペア・ワークが楽しかった。 (2)進路のことを考えるきっかけになった。 (3)職業に対する考えについて自分自身がしっかり している点やしっかりしていない点に気づいた。 (4)自分の進路を考え直す,よい機会になった。 (5)希望の職業が見つかった。 (6)とても興味深い実験でした。 (7)自分のことを振り返り,今の自分が何をすべき かが明確になってよかった。 (※注: 一部省略)
  20. 20. 考 察 ◆「CBCの質問票(IS-REBC-II)」及びライフキャリ アやカウンセリングに関わり,自己成長に向けた 動機づけの尺度である「PGIS-II日本語版」を利用 したCBCによる介入の検証を行なった。 ◆介入の事前事後により,PGIS-II日本語版の 「合計」,「計画性」に有意差がみられ,効果量は 中程度であった。また,「介入のコメント」などから, 今回の「IS-REBC-II」を活用したCBCによる「キャリ ア支援」の介入について,概ね効果があることが 示唆された。
  21. 21. 【引用文献】 Reference ◆花井洋子(2008).キャリア選択自己効力感尺度の構成 関西大学大学院 人間科学 69,41-60. ◆Palmer, S. & Szymanska, K. (2007). Cognitive. Behavioural Coaching: an integrative approach. In S. Palmer & A. Whybrow. (eds), Handbook of Coaching Psychology: a guide or practitioners. London: Sage. ◆Robitschek, C., Ashton, M. W., Spering, C. C., Geiger, N., Byers, D., Schotts, G. C., & Thoen, M. (2012). Development and psychometric properties of the Personal Growth Initiative Scale – II. Journal of Counseling Psychology, 59, 274-287. ◆德吉陽河・岩崎祥一 (2014). 自己成長主導性II(PGIS-II) 日本語版の開発と心理的測定 心理学研究 85(2), 178-187. ◆徳吉陽河・岩崎祥一(印刷中). 認知行動コーチングの 介入プログラム開発と効果検証― 応用心理学研究
  22. 22. 統制群 (CO) コーチ群 (CA) クライエン ト群(CL) 群 多重 比較 尺度 Pre Post d Pre Post d Pre Post d F PGIS-II 合計点 M 3.3 3.2 -.19 3.5 3.6 .22 3.3 3.6 .51 5.2 ** CO<CL** SD .52 .64 .60 .80 .60 .60 CO<CA† 積極的 な行動 M 3.7 3.7 -.03 3.9 4.0 .12 3.8 4.1 .26 1.4 SD .89 1.0 .60 1.0 1.1 .90 変化へ の準備 M 2.9 2.8 -.08 3.3 3.3 .07 3.2 3.5 .42 2.8 † SD .86 .85 1.0 .90 .80 .90 計画性 M 3.3 2.9 -.40 3.4 3.4 .06 3.1 3.5 .58 7.0 ** CO<CL** SD .71 .85 .80 .90 .70 .90 資源の 活用 M 3.4 3.4 .04 3.3 3.8 .48 3.2 3.3 .12 3.1 † CO<CA† SD 1.2 1.2 1.1 1.1 .90 1.0 CL<CA† Table 1 CBCの介入による結果と共分散分析,効果量及び多重比較まとめ 分散分析で測定時 (Pre, Post) について,単純主効果において有意(p< .05)が示されたものは 赤字。Cohenのd値が.50以上の場合は赤字。†p<.1, ***p< .001, **p< .01, *p< .05.
  23. 23. ※おおむね,解釈は以下を参考にした。 |.20|≦小さい効果<|.50| |.50|<中程度の効果<|.80| |.80|≦大きい効果 ※なお,介入の実験にはGlass Δ なども使われる。 【参考文献】 Mick Cooper (2008) Essential Research Findings in Counselling and Psychotherapy. London: Sage. (清水 幹夫, 末武 康弘, 田代 千夏, 村里 忠之, 高野 嘉之, 福田 玖美.(2012). エビデンスに もとづくカウンセリング効果の研究 岩崎学術出版社) 【参考】:Cohen’s d 効果量 Effect Size

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