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スポーツの理論を健康づくりへ

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スポーツの理論を健康づくりへ

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スポーツの理論を健康づくりへ

  1. 1. 体脂肪を考える 図─1は,運動能力と健康に関する体力要素(Pate, 1983)を示したものである.この体力の分類には,運 動をするために重要な体力と健康のために重要な体力 要素に分けられており,健康には「心肺持久力・筋力・ 筋持久力・身体組成・柔軟性」が重要であるといえる. 特に身体組成は,私達の日常生活習慣に大きくかか わっている. 肥満に関する計算方法としては,BMI(Body Mass Index)が世界共通の指標として用いられておりBMI =体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で求められる. その評価は18.5以下が「やせ」22が「普通」25が「過体 重」30が「肥満」となっている. しかし,BMIは,身長と体重からの評価であり, スポーツ選手など筋肉量が多い者にとっては「肥満」 と評価される場合があることも事実である.したがっ て,BMIでの評価から「適正体重の算出」も重要であ るが,体の中身(身体組成)である「体脂肪」というも は じ め に 情報化社会である現代は,健康にかかわる様々な情 報が容易に得られるようになり人々の健康づくりに大 きな貢献を果たしている.一方では,あまりにも多い 情報量により,各自にあった適正な情報を判断する能 力も必要となり,各自のライフスタイルなどに応じた オーダーメイドの健康づくりが重要になってくる.ま た,適正な情報を知っていたとしてもそれを行動に移 し実践していくことが大切であり,「知ってはいるも のの行動が伴わない」というケースは多くみられるよ うに思われる. 本稿では,「スポーツ現場から社会へ」というテー マでスポーツの理論を健康づくりへ応用した事例を紹 介し,より実践に結び付かせるためにコーチング(ス ポーツ指導)の視点から提言したい. 都 民 公 開 講 座 スポーツと健康 順天堂医学 . 2011, 57 P. 456〜461 スポーツや健康にかかわる様々な情報が容易に得られる現代において,自身の身体やライフスタ イルに応じたオーダーメイドの健康づくりを実践することが大切である.そのためには,科学的根 拠に基づいた適正な情報を判断し得ていく能力も必要と考えられる. 本稿では,スポーツ現場における様々な知見を社会へ還元するという主旨のもと,スポーツの理 論を健康づくりへ応用した事例を紹介し,コーチング(スポーツ指導)の視点から,より実践的な 体力や健康づくりについて提言したい. 体力要素には,運動能力や健康に関する要因に分類され,健康には心肺持久力・筋力・筋持久力・ 身体組成・柔軟性が重要であるといえる.一般的に,肥満に関する指標としてはBMI(Body Mass Index)が用いられることが多い.しかし,体重だけの評価は,あくまでも目安である.特にスポー ツ選手達にとっては,体重だけではなく,身体組成という視点は非常に重要で筋力や体脂肪の関係 を考えなければならない.このことはスポーツ選手以外の人々にとっても同様であり,体脂肪につ いて正しい理解をしていく必要がある. シェイプアップとは,運動により体脂肪を減らし,筋肉量を増やすことである.近年の中高年者 の体力レベルは年々向上傾向にあり,有酸素運動だけではなく,より積極的な筋力トレーニングの 実践も必要である.また,近年では中高年者に対しての筋力トレーニングの効果などが明らかに なっており,加齢による筋肉量の減少に対し,効果的なアプローチ方法であるといえる.また,シェ イプアップを考える場合,運動強度というものが重要である.本稿では,筆者が実験的に行った大 学の授業例を報告し,有酸素運動や筋力トレーニングの実践的な運動処方などについて提言したい. キーワード:体脂肪,シェイプアップ,筋力トレーニング,ウォーキング スポーツ現場から社会へ ─スポーツの理論を健康づくりへ─** 青 木 和 浩* Kazuhiro AOKI *順天堂大学スポーツ健康科学部 **第 28 回都民公開講座〔June 18, 2011 開催〕 〔July 25, 2011 原稿受領〕 456
  2. 2. のも合わせて評価することにより,筋肉と体脂肪の関 係などから体の中身を正確にとらえることができる. 本学のスポーツ健康科学部では,このような観点か ら体脂肪の測定を授業(実習)の中で実施している. 具体的には,体脂肪の測定方法として用いられている ことが多い「生体電気インピーダンス法」,「皮脂厚計 (ピンチキャリパー)」を用いた測定方法の実施などで ある.また,本学部ではより専門的な測定方法として 「水中体重法」「空気置換法」などの高度な測定も実施 している.本学部の学生の多くはスポーツ選手である ため,これら専門的な測定を実施しないと生態電気イ ンピーダンス法では誤差が出てきてしまうことも多く みられるという問題もある.  表─1に体脂肪率の評価基準と性差を示した.この 評価基準からいえることは,体脂肪には男女差がある ということである.具体的には男性に比べ女性のほう が約10% 高いという事実である.したがって,体脂 肪率が30% であっても,男性と女性では受け止め方 が違ってくることを十分に理解することが大切であ る.一方,本学部のスポーツ選手達は,体脂肪率が高 いという問題よりも低いという者が多く存在してい る.あまりにも「体を絞りすぎた」結果,必須脂肪も 少なくなってくる状況に陥ると女性では生理不順や男 性では疲労骨折などのスポーツ障害にもつながってく るため注意が必要である. シェイプアップ・筋力トレーニングの重要性 「シェイプアップ」とは,運動指導により身体組成 を筋肉質に整える(体脂肪を減らす)ことである 1) .一 般的なアプローチ方法としては,①摂取カロリーを抑 える,②生活活動代謝量を増やす,③基礎代謝量を増 やすなどが考えられる.特に運動指導の場面では②, ③の部分が重要である. 運動による体重や体脂肪の減少は,一般的に1回の 運動で200kcal消費することを目安とするケースや最 終的な目標を300kcal消費することが理想とするケー スがみられる 2) .さらに,実験的に行った研究のなか でも有酸素運動を用いて週2回以上で1回の運動によ り200〜300kcalの消費での効果が高いことが報告さ れている 3)4) .しかし,現代社会では運動を行う機会 が少なく1回の運動で運動量を確保するのは難しいよ うである.そこで,このような人たちは「生活活動代 謝を増やす」ということを頭に置き,日常生活の中で こまめに動くことや運動時間を小分けなどにしてでも 運動量を増やすことが必要に思われる. その一方で「加齢」に目を向けると,加齢による基 礎代謝量や除脂肪体重の関係には同じような減少がみ られている.つまり,加齢による筋肉量の低下は「中 年太り」の原因であるといえる.加齢と筋力の研究報 告として,上半身よりも下半身のほうが筋力は低下し やすいこと 5) や20〜30歳代女性の上肢の筋力トレーニ ング,60歳以降の下肢筋力トレーニング効果など女 性やシニア世代の有効性が示されている 6)7) .また, 新体力テスト施行後の12年間の体力(合計点)の年次 推移をみると40歳以降では男女とも緩やかな向上傾 向を示している 8) .このことは,中高年者の方々の運 動処方は,単に有酸素運動だけではなく,よりアク ティブに自身の筋力を高めるという「筋力トレーニン グ」の実施も着目する必要があると考えられる.した がって,中高年者の「筋力トレーニング」は,より健 康的な体つくりをめざすうえでも重要であるといえ る. 「筋力トレーニング」をスポーツ科学の見地から専 門的に説明をすると「エキセントリック(eccentric)」 と「コンセントリック(concentric)」というキーワー ドがポイントとなる.このキーワードは,筋収縮の様 図─1 運動能力と健康に関する体力要素(Pate, 1983) 敏捷性 筋パワー 心肺持久力 筋力 筋持久力 身体組成 柔軟性 スピード 平衡性 健康関連体力 Health─related Fitness 運動能力 Motor Fitness 表─1 体脂肪率の評価基準と性差   成人男子 成人女子   40% 病的肥満 病的肥満 40%   中等度の肥満   30% 軽度の肥満 30%   中等度の肥満 標準的脂肪量   20% 軽度の肥満 25% 前後 20%   標準的脂肪量 スポーツ選手   10% 15% 前後 13% 4% スポーツ選手 必須脂肪 12% 3% 必須脂肪   457順 天 堂 医 学 57巻 5 号(2011)
  3. 3. 式を示したものある.両者を簡単に説明すると,エキ セントリックは「筋が引き伸ばされている状態」であ り,コンセントリック「筋が縮んでいる状態」である. このエキセントリックの局面を重視した筋力トレーニ ングは高い効果があることからスポーツ競技の現場で は,この局面を重視したトレーニングを実践してい る.図─2はトレーニング例を示したものである.「ダ ンベルカール(主に使われる筋肉:上腕二頭筋など)」 の運動であるならば,ダンベルを上げる局面が「コン セントリック」であり,ダンベルを下す局面が「エキ セントリック」である.一般的にはダンベルを上げる 局面を意識する人が多いようであるが,実はダンベル を下ろす局面を意識することが重要である.同様に 「スクワット(主に使われる筋肉:太腿四頭筋など)」 についても,腰を上げる局面(コンセントリック)よ り下げる局面(エキセントリック)を意識することが 大切となる.多くの人々が筋肉痛に見舞われた経験が あると思うが,その際,階段を降りるのと登るのでは どちらが辛いかというと「降りる」ときであるという 経験した方も多いと思われる.山下りや階段を降りる という「エキセントリック」な局面は筋肉に大きな負 担がかかることを考慮することにより,ウォーキング などもより効果的なトレーニング手段になるといえ る. シェイプアップの実践例 体脂肪を燃焼させるためには,有酸素運動が必要で あり一般的なシェイプアップの方法として,ウォーキ ングを用いられることは多い.ウォーキングを行う 際,運動強度の手がかりになるのは「心拍数」である. 簡易的な負荷強度の算出として,自身の最高心拍数 (220−年齢)の60〜70% 程度の心拍数でウォーキン グを行うというのが目安である.しかし,各自の足の 状態や健康状態に留意し,無理のない負荷で「気持ち よく行う」ということが大切である. 本稿では,筆者が女子大学生を対象とした授業とし て「シェイプアップ」を行った事例を紹介し,実践す るうえでの問題点や効果について述べたいと思う.特 に授業を通して「知ってはいるけど,実践は難しい」 という苦い経験や実践に結び付く工夫をした点なども 説明したい. 「シェイプアップ」の授業当初は一般的である 「ウォーキング」を実施した.しかし,授業では単に ウォーキングの時間の指示のみであり,このような授 業ではまったくトレーニング効果がなかった.その理 由は,各自のペースだと運動負荷強度が確保されてい ないという印象を受けた.次に「エアロビクス」や「筋 力トレーニング」を実施したが,学生の志向性により その効果の違いがみられた.つまり,その運動が好き な学生は興味をもち,一定の効果がみられたが,興味 が少ない学生にとっては「苦痛」にしか感じず,女子 大学生が興味をもってシェイプアップを実践するとい う課題は難しく,教科書通りではいけないという経験 をした.そこで,自身が陸上競技のコーチングをして いるという経験から女子大学生のシェイプアップに陸 上競技におけるスポーツ理論を応用した.具体的に は,ウォーキングにペースなど細かい指示を行い計画 に沿って実施したところ,女子学生が満足しながら シェイプアップに成功することができた.以下,その 詳細について説明したい. シェイプアップの授業は,女子大学生1年生32名 図─2 トレーニング例(ダンベルカール・スクワット) 【ダンベルカール】 【スクワット】 コンセントリック エキセントリック エキセントリック コンセントリック ダンベルを上げる ダンベルを下げる しゃがむ あがる 458 青木:スポーツ現場から社会へ
  4. 4. を対象に2004年4月から7月まで実施した.表─2に実 際の授業内容を示した.授業では,形態・体力に関す る測定,ウォーキング方法や筋力トレーニングの指導 を行った.ウォーキングのコースは大学近隣の公園内 の歩行者専用道路を利用した.公園内には,1周が約 1.2kmの登り下りの起伏のある周回コースがあり, ウォーキングやランニングのコースとして多くの利用 者がみられる.第3回目〜第8回目までは,ウォーミ ングアップとして大学から公園まで集団でウォーキン グを行い,その後,公園内において,各自のペースで 約50分間実施し,公園から大学までをクーリングダ ウンとした.その際の運動強度としては,シェイプ アップに最も効率がよいといわれている「最高心拍数 の50〜70%」(約120〜130拍/分) 9)10) を全員遵守させ た.第9回〜13回は,ウォーキング実施前に,腕立て・ ディッピング・腹筋などの筋力トレーニングを行い, ウォーキングは強度を心拍数140拍/分に増して実施 した.毎時間とも,ウォーキング終了後,十分な休憩 をとり体重・体脂肪の測定を実施し,各自の記録用紙 に記録した. 測定項目は,形態について体重,体脂肪率,体力に ついて握力,長座体前屈を測定した.また,授業最終 時には日常生活や身体に対する意識の変化についてア ンケート調査を行った. 1.授業開始時と終了時における形態・体力の変化に ついて 授業開始時と終了時における体重,体脂肪率,握力, 長座体前屈の変化について表─3に示した.体重の平 均は52.37±7.976kgから51.04±7.564kgと有意に低 くなっていた(p<0.001).体脂肪率における平均は 26.53±5.713%から24.37±4.733%と有意に低くなっ ていた(p<0.001).そして,握力の平均は24.1± 4.12kgから24.3±3.95kgと有意な差がみられなかっ た.しかし,長座体前屈の平均は44.9±7.25cmから 49.1±7.96cmと有意に増えていた(p<0.001). 本授業におけるウォーキングでの消費カロリーに ついてみてみると,第3〜8回の授業では,主に公園 内でできるだけ長い時間を歩けるように分速120〜 132mで約50分の実施であり,そのときの受講生の消 費カロリーは約350kcalであった.また,第9〜13回 の授業では,筋力トレーニングを行った後に,公園内 でできるだけ早歩きができるように分速137〜150m で約40分の実施し,その時の受講生の消費カロリー 表─2 「シェイプアップ」の授業内容 回数 授業内容 距離(km) 時間(分) 備考 1 ガイダンス       2 授業前測定・ウォーキング指導 2.4 30   3 ウォーキング 4.2 45〜50 距離重視 4 ウォーキング 5.4〜6.6 5 ウォーキング 5.4〜6.6 6 ウォーキング 5.4〜6.6 7 ウォーキング 5.4〜7.2 8 ウォーキング 5.4〜7.2 9 筋力トレーニング・ウォーキング 4.8〜6.0 35〜40 スピードアップ 10 筋力トレーニング・ウォーキング 4.8〜6.0 11 筋力トレーニング・ウォーキング 4.8〜6.0 12 筋力トレーニング・ウォーキング 4.8〜6.0 13 筋力トレーニング・ウォーキング 4.8〜6.0 14 授業後測定       15 各自のデータを考察        *距離は公園1周が約1.2kmとして計算した **距離・時間は公園内での主運動によるもの 表─3 授業開始時と授業終了時における形態・体力の変化   体重(kg) 体脂肪(%) 握力(kg) 長座体前屈(cm)   前 後 前 後 前 後 前 後 平均値   52.37   51.04   26.53   24.37   24.1   24.3   44.9   49.1 標準偏差     7.976     7.564     5.713     4.733     4.12     3.95     7.25     7.96 最大値 80.0 76.5 45.1 39.0 31 32 63 64 最小値 40.6 40.5 14.9 13.6 13 14 33 35 有意水準 *** ***   *** ***:p<0.001 459順 天 堂 医 学 57巻 5 号(2011)
  5. 5. は約320kcalであった 11) .さらに,大学から公園まで は行きがウォーミングアップ,帰りがクールダウンと して往復約1kmのウォーキングも行った.一般的に 成人の歩行速度は,ゆっくり歩いている人で1分間に 60m,普通に歩いているときで1分間に75mといわ れている 2) .本授業における歩行速度はその倍近くの 分速120〜150mであり,女子大学生にとっては,週1 回の授業でも運動の強度などを工夫することによって も効果があることがうかがわれた.  2.授業を通じての意識の変化について 全授業終了後における授業を通じて日常生活,自分 の体・こころに対する意識変化について表─4に示し た.意識の面の変化においては,授業終了時に日常生 活の中での変化がみられた項目として,「歩くスピー ドが速くなった」と62.5% の者が実感しており,次い で「体が動きやすくなった」が40.6% であった.次に, 体に対する意識変化のなかで「細くなった」と実感し た項目として,「ウエストの変化」が40.6%,次いで「足 の変化」が28.1% であった.また,こころに対する意 識変化がみられた項目として,「運動が好きになった」 が50.0%,次いで「考え方が前向きになった」が 37.5% であった.授業を通して,体重や体脂肪の変 化など目にみえる変化がみられたことで,「やればで きる」という積極的な思考の者が増えたと思われる. 本授業においては形態面の変化を目標に掲げ,モチ ベーションを高く保てるように,毎週の体重・体脂肪 の測定やその変化をグラフ化するなど様々な工夫を試 みた.すると多くの学生は半期間ではあるがモチベー ションが高いまま,授業を継続することができた. これらのことから,週に1回の90分間の体育実技 ではあっても,強度の高い有酸素運動(ウォーキング) や簡単な筋力トレーニングを行うことによって,体重 や体脂肪の減少が可能であり,さらに二次的効果とし て,筋力の維持や柔軟性の向上がみられることがわ かった.このことは現行の体育実技においても大学生 の体力を維持・向上させることが十分に可能であるこ とを示唆している. お わ り に 以上のことから,有効なシェイプアップの理想とし ては,有酸素運動と無酸素運動を組み合わせた実施が 望まれる.しかし,両方の運動を十分に実践できない 人も多いので,各運動のポイントを示したい. 「有酸素運動」では長時間継続的できる運動が大切 である.「ウォーキング」などは実践しやすい運動と いえる.しかし,長時間の運動実施が困難な人はこま めに動く努力や小分け運動の実施をすすめたい. 「無酸素運動」では「筋力トレーニング」が重要であ る.太りにくい体つくりにするためダンベルカール・ スクワット・腹筋などで筋力アップを図りたい.特に 中高年者は筋力低下防止のためにも実践していただき たい. 次に,現実的に達成可能な「健康のためのトレーニ ングのすすめ」を提言させていただく. その1:心拍数を上げる運動を行う(ウォーキング など) その2:筋力トレーニングをする(特に下半身) その3:体重だけではなく体脂肪も測定する その4:定期的な健康診断 その5:決して無理をしない(太らないことも大切) 科学的な根拠に基づきながらも,各自のライフスタ イルに応じて流動的に実践することが重要である.ま た,スポーツ選手たちが毎日練習日誌をつけるよう に,一般の方々でも自身の健康や体力,トレーニング を日誌などに記載しておくことも重要である.データ の蓄積は自身の記録でもあり,最大の情報源である. 是非ともデータを活用した運動プログラムを実践して いただきたい. 文 献 1) 武井正子:からだとこころにエアロビクス.東京;大修館 表─4 全授業終了時における意識変化  日常生活の中での意識変化 (%)   はい いいえ どちらでも 階段を上るのが楽になった 37.5 12.5 50.0 歩くスピードが速くなった 62.5   0.0 37.5 体が動きやすくなった 40.6   0.0 59.4 疲れにくくなった 15.6 21.9 62.5  体に対する意識変化 (%)   細くなった 太くなった 変わらない 顔の変化 15.6 0.0 84.4 腕の変化 12.5 3.1 84.4 足の変化 28.1 3.1 68.8 バストの変化   3.1 0.0 96.9 ウエストの変化 40.6 0.0 59.4 ヒップの変化 25.0 0.0 75.0  こころ(精神)に対する意識変化 (%)   はい いいえ どちらでも ストレスが減った 21.9 34.4 43.7 精神力がついた 25.0 18.8 56.2 運動が好きになった 50.0   6.3 43.7 考え方が前向きになった 37.5   3.1 59.4 460 青木:スポーツ現場から社会へ
  6. 6. 書店,1990:79〜80. 2) 小野三嗣:ウォーキングエクササイズ.東京;大泉書店, 1995:18〜19. 3) 北川 薫:身体組成とウエイトコントロール.東京;杏林 書院,1991:104〜114. 4) 石田良恵:肥満を科学する.東京;モダン出版,1999: 84〜87. 5) 福永哲夫:中高年の筋量と筋力.体育の科学,2000;50: 864〜870. 6) Hunter GR, Bryan DR, Wetzstein CJ, et al:Resistance training and intra─abdominal adipose tissue in older men and woman. Med Sci Spoets Exerc, 2002;34: 1023〜1028. 7) Lemmer JT, Ivey FM, Ryan AS, et al:Effect of strength training on resting metabolic rate and physical activity:age and gender comparisons. Med Sci Spoets Exerc, 2001;33:532〜541. 8) 文部科学省:平成21年度体力・運動能力調査報告書. 2010:29〜30. 9) 漆原光徳:体脂肪を燃やす大学ダイエット講義.東京;二 見書房,1999:134〜137. 10) 近藤 衛,厨 義弘:スポーツと健康・体力.東京;学術 図書,1995:179〜181. 11) 名取礼二:健康・体力づくりハンドブック.東京;大修館 書店,1985:331. 461順 天 堂 医 学 57巻 5 号(2011)

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