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ゲームで切り込む暗黙知的なスキルやノウハウ

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第1回 社会・ビジネスゲームラボ シンポジウムの際のスライドです.

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ゲームで切り込む暗黙知的なスキルやノウハウ

  1. 1. ゲームで切り込む暗黙知的なスキルやノウハウ 第1回 社会&ビジネスゲーム研究会 シンポジウム ゲームで切り込む 暗黙知的なスキルやノウハウ 2017年11⽉18⽇ ⻘⼭学院⼤学 経営システム⼯学科 ⽔⼭ 元 mizuyama@ise.aoyama.ac.jp 1
  2. 2. ゲームで切り込む暗黙知的なスキルやノウハウ (最低限の)⾃⼰紹介 2 ⻘⼭学院⼤学 理⼯学部 経営システム⼯学科 「集合知システム研究室」を運営 バックグラウンドは「⽣産システム⼯学」 ⽇本経営⼯学会の研究プロジェクト 「集合知メカニズム研究会」を主宰 ビジネスゲームに初めて触れたのは ⼤学3回⽣のとき
  3. 3. ゲームで切り込む暗黙知的なスキルやノウハウ ゲームを⽤いた研究 3 ⼈が関与するシステムの シミュレーションの プラットフォームとして 多数の⼈々から知識や 知的貢献を引き出す ⼿段として 組織やチームの ⽣産性を向上させる ための仕掛けとして スキルやチームワーク の本質を解明するための 仮想的な実験環境として ゲーム
  4. 4. ゲームで切り込む暗黙知的なスキルやノウハウ 今回考えるゲームのクラス 4 ゲーム 現実に起こり得る状況をモデル化して 構成した仮想環境の中で,架空の振る 舞いとその帰結を体験するもの ゲームプレイはある種の疑似体験である
  5. 5. ゲームで切り込む暗黙知的なスキルやノウハウ 講義(座学)とゲームの対⽐ • ゲームには⼈を惹きつけ,熱中させる効果があり,それ によって学習へのモティベーションが⾼められる. • ゲーム内での疑似体験を通じて,頭の中の「知っている 知識」を「使える知識」に変換することができる. • 講義で扱えるのは形式化された知識に限られるのに対し て,ゲームでは,疑似体験を通じて暗黙知的なスキルや ノウハウも体得できる可能性がある. 5 We learn from EXPERIENCE (& reflection)! Kolbʼs theory of experiential learning
  6. 6. ゲームで切り込む暗黙知的なスキルやノウハウ Experiential Learning Cycle Concrete Experience Reflective Observ ation Abstract Conceptua lization Active Experiment ation 6
  7. 7. ゲームで切り込む暗黙知的なスキルやノウハウ Learning from Experience • 時間軸に沿って,⼀⼈称視点から,知識を活⽤する過程 を体験することができる(物語的な知識). • 知識の活⽤を,時間制約下でのオンラインな⾏為(場に 埋め込まれた認知⾏為)として体験できる. • 知識を活⽤する際に⾃分の中に浮かび上がってくるであ ろう⼼的状況も疑似体験することができる. • 未知や未経験に起因する過度の不安や嫌悪感(あるいは, 過度の期待感や過信)が解消される. 7
  8. 8. ゲームで切り込む暗黙知的なスキルやノウハウ 疑似体験であることの得失 • 低コストかつ効率的に経験を積むことができる. • 安全に失敗や試⾏錯誤を経験することができる(成功だ けでなく失敗の仕⽅を学ぶことも有⽤). • 現実の⾃分の⽴場だけではなく,それとは異なるロール も体験してみることができる. • ゲーム内の仮想環境は現実を単純化したものにすぎない. – 疑似体験から得られる情報は実体験よりも乏しい? – したがって,得られる学びも浅くなる? 8
  9. 9. ゲームで切り込む暗黙知的なスキルやノウハウ 疑似体験は実体験の劣化コピー? 9 モデルの複雑さ 得られる 情報量 可能な 体験数 学習させたいスキルやノウハウに 応じて仮想環境を適切にデザイン することで,単純なモデルから 得られる情報量を⾼められる. 実体験からの学習(takes long time) デザインされた疑似体験からの学習
  10. 10. ゲームで切り込む暗黙知的なスキルやノウハウ 疑似体験の価値を⾼めるポイント 単純化することの積極的な意義 • ⾏為の前提や帰結として認知可能な時空間を,実体験の 場合よりも拡⼤することができる. • 対象スキル・ノウハウに無関係な変数を捨象できる. ⽂脈を操作できることの利点 • 現実の⽂脈をそのまま再現するだけでなく,⽂脈を捨象 したり,異なる⽂脈に置き換えたりすることができる. • ⽂脈に依存した先⼊観に縛られない判断,他の⽂脈での 知⾒の援⽤などが可能になる. 10
  11. 11. ゲームで切り込む暗黙知的なスキルやノウハウ スキル・ノウハウの⼊出⼒関係 11 アルゴリズム や制御則 判断・ 意思決定や ⾝体動作 過去からの 経緯も含めた 状況認識や 体性感覚 ゲームの仮想環境に埋め込んでおくべき変数 ≒ 機械学習のために必要な学習⽤データの変数
  12. 12. ゲームで切り込む暗黙知的なスキルやノウハウ スキル・ノウハウの分類 形式知的 暗黙知的 認知的 ルールやアルゴリズム としてマニュアル化で きる判断や意思決定 マニュアルとして記述 しつくせない判断や意 思決定 ⾝体的 作業標準書に記載され るような標準化された ⾝体動作 熟練技能者,スポーツ 選⼿,舞踊家などの, ⾔葉では説明しにくい 巧みな⾝体動作 12
  13. 13. ゲームで切り込む暗黙知的なスキルやノウハウ 「わかる」と「できる」 わかる・できる学習 • 先に,スキル・ノウハウ を形式的なルールやアル ゴリズムとして学ぶ. • その後,その実践体験を 繰り返して使える知識と して体得していく. できる・わかる学習 • 先に,試⾏錯誤的な体験 を通じてスキル・ノウハ ウを⾝につける. • その後,それを解釈する ことで,その裏にある原 理・原則に納得していく. 13 If-then rules, algorithms, etc. Black box
  14. 14. ゲームで切り込む暗黙知的なスキルやノウハウ 暗黙知学習ゲームのジレンマ • 学習のためのゲームでは,対象とするスキル・ノウハウ の⼊出⼒関係に関わっている変数をゲームの仮想環境に 埋め込んでおく必要がある. • 形式知的なスキル・ノウハウは,その⼊出⼒関係が把握 されているため,ゲームの仮想環境に埋め込むべき変数 は明らかである. • ⼀⽅,暗黙知的なスキル・ノウハウは,その⼊出⼒関係 がブラックボックスであり,どのような変数を仮想環境 に埋め込めばよいかもあいまいなままである. 14
  15. 15. ゲームで切り込む暗黙知的なスキルやノウハウ 暗黙知に切り込むためのアプローチ 15 プレイヤの学習デザイナの学習 スキル・ノウハウの習得スキル・ノウハウの解明
  16. 16. ゲームで切り込む暗黙知的なスキルやノウハウ 外側の学習ループの考え⽅ • 仮説検証のサイクルと考える. – 数理的な解析と対⽐する. – デブリーフィングでの議論を参考にする. – 現実のスキルレベルが得点に反映されるか検証する. – 熟練者がもつ違和感(現実との差異)を参考にする. • 得点の向上が現実のスキルレベルの向上につながるゲー ムにしたい(上で検証しているのはその必要条件). • 解は⼀つではない.スキル・ノウハウをより詳細に補⾜ できるように,徐々にモデルを洗練させていけばよい (粒度の異なる複数のモデルを併⽤するのも有効か). 16
  17. 17. ゲームで切り込む暗黙知的なスキルやノウハウ 飲⾷店の座席案内スキルの事例 17 Waiting Room Dining Room
  18. 18. ゲームで切り込む暗黙知的なスキルやノウハウ 飲⾷店の座席案内スキルの事例 18 Waiting Room Dining Room
  19. 19. ゲームで切り込む暗黙知的なスキルやノウハウ 飲⾷店の座席案内スキルの事例 1st Round • 動的な組合せ最適化問題として定式化し,解法を提案 • 顧客の不満度や退店時間の主観的な予測がポイント 2nd Round • 主観的な予測の側⾯を盛り込んだゲームを開発 • 実経験の有無が得点に反映されることを確認 3rd Round • 予測に必要な情報の収集の仕⽅にもポイントがある • その側⾯をゲームに盛り込み,webアプリ化 19
  20. 20. ゲームで切り込む暗黙知的なスキルやノウハウ 飲⾷店の座席案内スキルの事例 1st Round 2nd Round 3rd Round 20 野中朋美, 清⽔⾹那, ⽔⼭ 元: 顧客の予測退店時刻を考慮した飲⾷店における動的な座席割当てシステム, ⽇本機械学会論⽂集, Vol.82, No.842, p.16-00166 (2016) H. Mizuyama, A. Yoshida and T. Nonaka: A Serious Game for Eliciting Tacit Strategies for Dynamic Table Assignment in a Restaurant, Proc. of the 47th International Simulation and Gaming Association Conference: ISAGA 2016, Sep. (2016) ⻄村⽂秀, 野中朋美, ⽔⼭ 元: ゲームを⽤いた座席案内ノウハウの抽出, 2017年度⼈⼯知能学会全国⼤会, May (2017)
  21. 21. ゲームで切り込む暗黙知的なスキルやノウハウ 飲⾷店の座席案内スキルの事例 Experiment 1 • 経験者6名,未経験者19名に,それぞれ2回ずつゲーム をプレイしてもらった. • 経験者の平均スコアは899.2,未経験者の平均スコアは 785.5となり,有意差も確認された(p値:0.019 ). Experiment 2 • ある程度習熟した後,標準ルール(FCFS)と独⾃⼿法 とで1回ずつゲームをプレイしてもらった. • 独⾃⼿法の⽅が⾼得点( p値:0.047 )で,その特徴は 4つのクラスタに分類できた. 21
  22. 22. ゲームで切り込む暗黙知的なスキルやノウハウ サプライチェーン運⽤スキルの事例 22 本社 顧客 下⼯程 ⼯場 上⼯程 ⼯場 材料 発注 材料 納⼊ 製品 発注 製品 納⼊ 商品 発注 商品 納⼊ 地震で⼀部の⼯場が停⽌するなど の⾮定常的な変動に直⾯した際に 協働的に計画を再構築するスキルColPMan Game
  23. 23. ゲームで切り込む暗黙知的なスキルやノウハウ サプライチェーン運⽤スキルの事例 23
  24. 24. ゲームで切り込む暗黙知的なスキルやノウハウ サプライチェーン運⽤スキルの事例 1st Round • Table DiscussionとSimulationを組合せてゲーム化 • 議論を問題の発⾒と解決の過程としてプロトコル分析 2nd Round • プレイ中の情報共有をチャット化し,データとして捕捉 • どのような情報がいつ誰と共有されるかの観点から分析 3rd Round • 情報共有のタイプ別に各プレイヤの意思決定を定式化 • 数理的な結果を実際と対⽐させてデブリーフィング 24
  25. 25. ゲームで切り込む暗黙知的なスキルやノウハウ サプライチェーン運⽤スキルの事例 1st Round 2nd Round 3rd Round 25 T. Furukawa, T. Nonaka and H. Mizuyama: A GWAP Approach to Analyzing Informal Algorithm for Collaborative Group Problem Solving, 4th AAAI Conference on Human Computation & Crowdsourcing: HCOMP 2016, (2016) T. Furukawa, T. Nonaka and H. Mizuyama: Capturing Information Sharing Strategy in a Problem-Solving Team Playing ColPMan Game, 5th AAAI Conference on Human Computation & Crowdsourcing: HCOMP 2017, (2017) H. Mizuyama, T. Nonaka, Y. Yoshikawa and K. Miki: ColPMan: A Serious Game for Practicing Collaborative Production Management, Simulation and Gaming in the Network Society, Springer, pp.185-197 (2016) T. Nonaka, K. Miki, R. Odajima and H. Mizuyama: Analysis of Dynamic Decision Making Underpinning Supply Chain Resilience: A Serious Game Approach, 13rd IFAC/IFIP/IFORS/IEA Symposium on Analysis, Design, and Evaluation of Human-Machine Systems, Sep. (2016) T. Furukawa, T. Nonaka and H. Mizuyama: A Framework for Mathematical Analysis of Collaborative SCM in ColPMan Game, IFIP Advances in Information and Communication Technology, Vol.514, Springer, pp.311-319 (2017)
  26. 26. ゲームで切り込む暗黙知的なスキルやノウハウ サプライチェーン運⽤スキルの事例 Game Experiments • 1チーム(5⼈)に,⾮定常的な変動が⽣じる場合と⽣じ ない場合を混在させて,8ゲームをプレイしてもらった. • 定常的な状況下での情報共有は徐々に減少していく.こ れは⾮定常的な変動への対応を難しくする可能性がある. Numerical Analysis • 在庫情報の共有パタンを6つに分類し,プレイヤの意思 決定を定式化し,その結果を数理的に解析した. • ⾮定常的な変動の有無,安全在庫量の多寡などの状況に 応じて,有利な共有パタンが異なることを確認した. 26
  27. 27. ゲームで切り込む暗黙知的なスキルやノウハウ まとめ • ゲームプレイはある種の疑似体験であり,それを通じた 学習のためには,対象スキル・ノウハウに応じてゲーム の仮想環境を適切に設計することが望まれる. • 暗黙知的なスキル・ノウハウはそれ⾃体がブラックボッ クスなため,適切な仮想環境の設計もあいまいになる. • したがって,スキル・ノウハウ(の学習にふさわしい仮 想環境)の解明も並⾏して進める必要がある. • 実事例での共同研究は随時募集中です.関⼼を持たれた ⽅はぜひご連絡ください! 27
  28. 28. ゲームで切り込む暗黙知的なスキルやノウハウ Thank you! Questions & Comments are welcome Hajime Mizuyama @AGU mizuyama@ise.aoyama.ac.jp

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