新しく開発した呼吸同調装置と携帯用酸素濃縮器の併用        Title     効果      Author(s)   阿久津, 敏恵       Journal    東京女子医科大学雑誌, 61(7):585-590, 1991   ...
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—Hit#082 199103 Japanese 新しく開発した呼吸同調装置と携帯用酸素濃縮器の併用効果 [A Newly Developed Demand Oxygen Delivery System For Portable Oxygen Concentrator]

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—Hit#082 199103 Japanese 新しく開発した呼吸同調装置と携帯用酸素濃縮器の併用効果 [A Newly Developed Demand Oxygen Delivery System For Portable Oxygen Concentrator]

  1. 1. 新しく開発した呼吸同調装置と携帯用酸素濃縮器の併用 Title 効果 Author(s) 阿久津, 敏恵 Journal 東京女子医科大学雑誌, 61(7):585-590, 1991 URL http://hdl.handle.net/10470/7745Twinkle:Tokyo Womens Medical University - Information & Knowledge Database. http://ir.twmu.ac.jp/dspace/
  2. 2. 55 〔東女医大誌 第61巻 第7号頁585∼590平成3年7月〕 原 著 新しく開発した呼吸同調装置と携帯用酸素濃縮器の併用効果 東京女子医科大学 第1内科三教室(主任:滝沢敬夫教授, 指導:金野公郎教授) ア ク ツ トシ エ 阿 久 津 敏 恵 (受付 平成3年3月18日) ANewly Developed Demand Oxygen Delivery System for Portable Oxygen Concentrator Toshie AKUTSU Department of Medicine I(Head:Prof。 Takao TAKIZAWA, Director:Prof. Kimio KONNO) Tokyo Women’s Medical College The portable oxygen concentrator has recently developed by our research group。 This oxygen concentrator is a membrane type, using a newly・developed polymer of poly[1一(tr量methylsilyl)一1− propyne]with a oxygen permeability, of 61×10−8 cm3(STP)cm/cm2 s cmHg. The oxygen and nitrogen selectivity was 1.80. The dimension of the apparatus are 325×180×150 mm and it we量ghs about 5.7 kg. The generated oxygen concentration is about 30%and the maximum flow rate is 41/min. Anewly developed demand oxygen delivery system(DOS)contains reservoir which stores oxygen during expiratory phase. The sensor which detects a negative pressure with童n the nares via nasal canula at the initiation of inspiration makes to open the valve and to trigger the administration of oxygen. When DOS was connected to oxygen concentrator, oxygen flow rate increase from 41/min to 6 1/min. Six hypoxemic patients with chronic respiratory failure were studied. The oxygen saturation increased from 92.5%to 94.3%with DOS. This study indicates that newly developed demand oxygen delivery system is useful for耳ome oxygen treatment for patients with chronic respiratory failure. 緒 言 安全であり,おが国の住宅事情にも適しているが,慢性閉塞性肺疾患(COPD)による慢性呼吸不全 現行のいずれの機種も定置型で,電源・重量・形に対する長期酸素療法の有用性は,ひろく認めら 状の点で,その使用範囲は著しく限定され,携帯れ,最近のThe British Medical Research Coun− 性という点で問題があった.cilの見解でも,非酸素投与群と比較して夜間酸素 著者らは,酸素透過性の高い新しい膜素材を用投与群の生存期間の延長が認められたと報告して い,小型軽量の膜型酸素濃縮装置の開発とその臨いる1).また,The N octurna10xygen Therapy 床応用を行ってきたが3),この装置でも最大酸素Tria1の研究でも12時間の夜間酸素投与群より, 濃度が30%とその濃縮能において限界がある.そ持続酸素投与群で,著明な生存期間の延長を報告 こで本研究においては,その欠点を改善する目的している2). でバッファタンクを内蔵し,呼吸時相の感知によ酸素供給源としては,液体酸素や圧縮酸素,酸 り吸気時のみに酸素を流出し,呼気時にはバッ素濃縮装置があるが,圧縮酸素や液体酸素はいず ファタンク内に酸素を貯留する呼吸同調酸素供給れも容量が限られてお.り,定期的な補充が必要で 器の開発を行い,本器併用による酸素濃縮装置にある.一方,酸素濃縮装置は取り付けが簡便で, 対する臨床効果の検討を行った. 一585一
  3. 3. 56 表1 Polymerの透過係数および選択性 Permeation Selectivity モ盾???D×1『10 Polymer 02 N2 02/N2 Poly〔1一(trimethylsilyl)・1−propyne〕 * 6100 , 352 200 32。3 15.8 14.7 3,400 1.80 cimethyl silicone @ 181 P.94 rilicone/polycarbonate @ 87 Q.3 ooly・4−methylpentene−1 @ 7.83 S.1 oolyphenylene oxide @ 3.81 S.1 dthyl cellulose @ 4.43 R.3 串が本装置ポリマーである, cm3(STP)・cm/cm2・sec・cmHg 串J,Am. Chem. Soc.,105,7473(1983) 対象および方法1.対象慢性呼吸不全患老で長期酸素吸入を必要とし,本研究に同意した症例を対象とした.参加施設は 日 i _ l I 02ENRICHED AIR AIR 丘1東京女子医科大学第1内科,木原病院の2診療施 自 PUMP l I設である.対象は42∼72歳平均年齢57.7歳で, MEMBRANE FILTER SEPARATION男性3例,女性3例の計6例である.症例の内訳 図1 酸素濃縮装置の構造は,慢性肺気腫2例,陳旧性肺結核1例,サルコ (30℃) 6イドーシス1例,膿胸1例,肺脈管筋腫症1例で 宕ある. 蚕 /σ/ 5 ヨ /2.方法 9 41>装置 壼 /ii ち 3(1)携帯型酸素濃縮装置 し本研究において使用した携帯用酸素濃縮装置は 呈 量 2 / 自膜分離型で使用した膜素材は,poly一[1一 窪 岩 1 / i}(trimethylsily1)一1−propyne]ポリマーである.表 ㍍ / i: 00’ I I1に示すごとく本ポリマーの透過係数は他のポリ 10 20 30 40 50 60 Differential pressure(cmHg)マーに比し約17倍と高く,分離係数は2.0∼2.2である4). 図2 差圧と透過流量本装置の構造を図1に簡単に示すが,防塵膜,酸素濃縮モジ丘一ル,真空ポンプからなる. マミにより調節可能となっている.形状は325×図2に酸素濃縮モジュールの差圧と流量の関係 150×180mmで,重量は約5.7kgである.動力源はを示すが,40cmHgで約4L/minの流量が得られ バッテリー作動で約2時間,バッテリーを組み込る.本装置では膜素材の透過性が従来の同機種に んだ専用カートとの接続により約3時間作動可能比較して約17倍高く,本体部分は従来のものに比 となる.室内配線,自動車内12Vシガレットライ較して非常に小型軽量化された. ターとの接続により継続使用も可能である.発生する酸素濃度は図3に示すように温度に影 すでに報告したが,本装置を慢性肺疾患患者12響されるが,通常状態で約30%であり,流量は最 例を対象とし,安静時に使用したところ,動脈血大流:量4L/minで,流出口部に取り付けた調節ツ ガス分析ではPaO2は吸入前平均59.1Torrから 一586一
  4. 4. 57 § ヨ34 量 一〇、。一Q一。_ 墓32 ○、 2 830 5 望28 6 10 15 20 25 30 35 40 宕 Ambie配temperature ξ 6 署 蓮 o/ 5 o/ き 0/ o/ ノ0/ 写真1 圧センサー用チューブおよび鼻カニューラ 『: 4 § 皇 3 鍵 魯 し 3 10 15 20 25 30 35 40 AmbienUempera加re 図3 運転室内温度と性能(減圧度54cmHg,モジュー ル) 呼吸センサー用 @ チューブ 謠oロ 写真2 圧力式呼吸同調酸素供給器(左)と携帯用酸 圧力センサー 素濃縮装置 バクテリア tィルター みられたが,PaCO2の上昇, pHの変化は示さな oルブ 制御回路 かった3). (2)圧力式呼吸同調酸素供給器 バツプア 開発した呼吸同調酸素供給器の概要を図4に示 ^ンク す.呼吸時相の感知に使用した圧センサーは,キャ パスタンス式圧力センサーで,鼻カニューラに取 り付けた細いビニールチューブ内に発生するわず 取入口 ↑ かな圧変化を感知する仕組みとなっている.吸気 濃縮気 の開始時にカニューラ内の陰圧度を感知し,電子 図4 圧力式呼吸同調酸素供給器 回路の制御によりバルブが開き,呼気時にバッ ファタンク内に貯留されていた濃縮気ガスが放出 され流量が増大する.酸素吸入後平均68.5Torrに上昇し, PaCO2は平均 写真1に圧センサー用のチューブを取り付けた44.1Torrから酸素吸入後平均43.6Torr, pHは平 鼻カニューラを示す.圧センサーの吸気圧のトリ均7.406から平均7.417と有意なPaCO2の改善が ガーレベルは,一〇.4mmH20(0∼一5mmH20間 一587一
  5. 5. 58で調整可能)で圧力レンジは0/50.8mmH20である.設定された時間以上有効な信号が制御装置に伝達されない場合には,バルブが開き,濃縮器か 轡_紳_門_r・上 ● (concentrator)らの恒常的流出に切り替わる仕組みとなってい V /secる. (concentrator)呼吸同調装置を併用した携帯用酸素濃縮装置を V 1L写真2に示す. l l i : l i;. i.ピ: 1 ・ . . ・ i2)検査項目および方法 図6 酸素濃縮装置の呼吸同調検索は以下の手順に従い行った.空気呼吸時, 上段に口腔フロー,中段に濃縮気フロー,下段に濃縮 気ボリュウムを示す.1呼吸での濃縮気ボリュウムが動脈血ガス分圧あるいは酸素飽和度を測定後,呼 約0.3mlであり呼吸数20回であるから,1分間の流量吸同調装置を連結した酸素濃:縮装置から,まず呼 は6L/minとなる.吸同調を行わない恒常流の状態にて濃縮気を吸入し,次に呼吸同調を行い,継続的に動脈血酸素飽 100 n=6和度をミノルタ社製パルスオックスにて測定記録した.酸素飽和度は,平均値±標準偏差で表示し,Wilcoxonの符号付き順位和検定によって統計処 潔理し,p<0.05を有意差とした. 農また,呼吸同調酸素供給器の作動状態は図5に 藷 9D 護 建示す方法によって記録した.被検者の口側には死 % 把 薫腔量の少ないマスクを装着し,吸呼気流量を測定し,鼻カニューラと酸素供給装置の間に気速計と 80圧トランスデューサーをつな:ぎ濃縮装置の濃縮気 空 酸 +酸 気 素 呼素流量および積分値による濃縮気量も記録した. 呼 濃 吸濃 吸 縮 緊縮 器 調器 結 果 図7 呼吸同調装置の併用による酸素飽和度の変化吸気開始から呼吸同調装置内に内蔵されたバッファタンクのバルブ開放,濃縮気ガス流出までの所用時間は図6の中段に示すごとく約250msec 呼吸時平均89.8%(±4.23)から,濃縮装置単独で,さらに濃縮気流量も定常流4L/minに比較し 使用時,平均92.5%(±3.06)に上昇し(p<0.05),図6の下段に示すごとく6L/min以上に流量の増 さらに濃縮装置に呼吸同調酸素供給器を併用した加を見た. 場合には平均94.3%(±2.44)に上昇した(p<動脈血酸素飽和度は,図7に示すように,空気 0.05).1例が,呼吸困難を訴え,呼吸同調の開始 とともに呼吸パターンが乱れ,頻呼吸になった. 時間経過とともに呼吸困難は消失したが,定常流 Ψmo[曲 (濃縮気単独作動時)と比較して酸素飽和度の上昇 C はみられなかった. Vconcer1trator 考 察 ∫“→Vconcentrator 長期持続酸素吸入患者のADLを拡大しqual一 00S 董ty of lifeを向上させるためには,携帯用酸素供給 装置が不可欠であり,酸素使用量を節約する試み COπce「淀rator も行われ,鼻ひげ型あるいはペンダント型の 図5 濃縮気流量の測定装置 oxymizerが知られている.これは器具に付いて 一588
  6. 6. 59いる30∼40mlのりザーバーに呼気時に酸素ガス いても今後さらに検討を加える予定である.を貯え,それを吸気時に一気に吸入することによ 結 語り効果をあげるもので,Tiepらは,このリザー (1)開発した呼吸同調酸素供給器の概要についバーを安静時,運動時に用い,酸素の一定流量下 て示した.で2∼4倍の効果を認めている5).著者も携帯用 (2)本装置の臨床応用により,動脈血酸素飽和酸素濃縮器との併用により同様の効果を認めてい 度は,空気呼吸時平均89.8%,携帯用酸素濃縮装る. 置単独使用時92.5%,呼吸同調酸素供給器の併用リザーバー法の他に,センサーとしてサーミス 時平均94.3%と上昇した.ターを組み込み,吸気初期の気流を感知し酸素を (3)本装置の併用により携帯用酸素濃縮装置の吸入させる方法もあり,Rinowらは,連続投与と 臨床的有用性がさらに拡大することが示唆され比較して,運動時には52%,安静時には55%の酸 た.素の節約ができると述べている6).一方我が国でも,佐々木らは熱電対をセンサーとして用い,呼 稿を終えるにあたり,滝沢敬夫教授の御校閲に深謝吸時野性を高めた独自の装置を開発し,30%以上 致します.また終始,多大なる御指導,御校閲を賜りの酸素節約効果を上げている7). ました金野公郎教授,吉野克樹先生に深謝いたしま す.呼吸同調型の酸素供給器具において重要なことはバルブの作動が良好なこと,バルブが作動しな 実験に御協力を戴きました東京女子医科大学第1いときF(呼吸数が非常に多いか感知できないとき) 内科学教室内科弾機早臥の諸氏ならびに長野計器製 作所に厚く感謝いたします.の安全対策がなされていることである.呼吸時相 本論文にて使用した携帯用酸素濃縮器は,平成2年の感知センサーとしてサーミスタを使用した場 10月17日,医用機器として厚生省薬事法の正式の認可合,口呼吸では作動せず,外界の温度が34℃以上 を得た.でも作動しない8). 本論文の要旨の一部は,第30回日本胸部疾患学会総著者は,まず胸部,腹部の換気運動インピーダ 会において発表した.ンス変化を感知するセンサーを用いたが,固定性 文 献が悪く,また体位変換により誤差明し臨床応用上 1)Medical Research Council Working Party:問題点がみられた.今回用いたキャパスタンス式 Long term domiciliary oxygen therapy in chronic hypoxic cor pulmonale complicatingの圧センサーは,濃縮装置の濃縮気ガスフローと chronic bronchitis and emphysema. Lancet 1:鼻口腔フローは,図6に見るごとく約250msecの 681−686, 1981潜時はあるが,追従性は良好で,かつ安定性も確 2)Noctumal Oxygen Therapy Trial Groロp: Continuous or nocturnal oxygen therapy in認された.また,酸素濃縮装置と呼吸同調装置を hypoxemic chronic obstructive lung disease. A併用した場合には濃:縮気ガスの流量の増大が確認 clinical trial. Ann Intem Med 93:391−398,1980され,さらに動脈血酸素飽和度の上昇もみられ, 3)Masuda T, Isobe E, Higashimura T:Poly本装置の臨床的有用性が確認された.呼吸困難を [1一(trimethylsilyl)4−propyne]:Anew high pol・ ymer synthesized with transition metal cata−訴えた1例は,定常流(濃縮気単独作動時)と比 lysts and characterized by extremely high gas較して酸素飽和度の上昇はみられなかったが,こ permeability. J Am Chem Soc 105:7473−7474,の要因として吸気開始と呼吸同調酸素供給器から 1983の濃:早蒔ガスフローの流出に約250msecの潜時 4)Akutsu T, Yoshino K, Konno K et al: Deve亘一 〇pment and clinical apllication of a portableがあるため,濃縮気が主として鼻口挙手の死腔換 oxygen concentrator. Front Med Biol Engng気部分に分布し,肺胞レベルでの混合性が不十分 2:293−301, 1990であった可能性がある. 5)Tiep BI, Nicotra B, Carter R et al:Evalua−さらに睡眠時や長期使用時における安定性に付 tion of a low・flow oxygen conserving nasal 一589一
  7. 7. 60 canuula. Am Rev Respir Dis 130:.500−502,1984 調査研究班」昭和63年度研究報告書:187−190, 6)Rinow ME, Sa蓋tzman A:Effectiveness of a 1989 new oxygen demand valve in chronic hypox・ 8)Robert D,1、eger P, Perrin F:Evaluation of. emia. Chest 90:204−207,1986 an interm.ittent flow oxygen system, Bull Eur 7)佐々木孝夫,鱒岡直人,佐藤 暢:呼吸同調酸素 Physiopathol Respir 22:315−318,1986 供給装置の臨床試験.厚生省特定疾患「呼吸不全 一590一

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