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サービスブループリント導入ガイド A Guide to Service Blueprinting Japanese Edition

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サービスブループリント導入ガイド A Guide to Service Blueprinting Japanese Edition

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Adaptive Path社が作成した A Guide to Service Blueprinting を翻訳し、「サービスブループリント導入ガイド」として公開しました。
https://www.graat.co.jp/blogs/cl4zajle31prj0cznb9b26y46

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  1. 1. A Guide to Service Blueprinting WRIT TE N BY Nick Remis and the Adaptive Path Team at Capital One サービス ブループリント 導⼊ガイド ⽇本語訳 A Guide to Service Blueprinting Graat(グロース・アーキテクチャ&チームス株式会社)
  2. 2. This license allows you to remix, tweak, and build upon this work non-commercially, as long as you credit Adaptive Path and license your new creations under identical terms. For more information on what you can do with the content and ideas contained in this guide, go here: creativecommons.org/licenses/by-nc/3.0/ or send a letter to Creative Commons, 444 Castro Street, Suite 900, Mountain View, CA, 94041, USA. License for Creative Commons images used in this book: creativecommons.org/licenses/by-sa/2.0/legalcode. Exhibit I Blueprint for a Corner Shoeshine adapted by permission of Harvard Business Review. (Blueprint for a Corner Shoeshine) From “Designing Services that Deliver” by G. Lynn Shostack, January 1984. Copyright © 2016 by Harvard Business Publishing; all rights reserved. First Edition Published November 2016 Adaptive Path Pier 1, Bay 2 San Francisco, CA 94111 adaptivepath.org First Edition Published November 2016 Adaptive Path Pier 1, Bay 2 San Francisco, CA 94111 adaptivepath.org This license allows you to remix, tweak, and build upon this work non-commercially, as long as you credit Adaptive Path and license your new creations under identical terms. For more information on what you can do with the content and ideas contained in this guide, go here: creativecommons.org/licenses/by-nc/3.0/ or send a letter to Creative Commons, 444 Castro Street, Suite 900, Mountain View, CA, 94041, USA. License for Creative Commons images used in this book: creativecommons.org/licenses/by-sa/2.0/legalcode. Exhibit I Blueprint for a Corner Shoeshine adapted by permission of Harvard Business Review. (Blueprint for a Corner Shoeshine) From “Designing Services that Deliver” by G. Lynn Shostack, January 1984. Copyright © 2016 by Harvard Business Publishing; all rights reserved.
  3. 3. サービス ブループリント 導⼊ガイド
  4. 4. コンテンツ
  5. 5. 06 09 19 39 49 イントロダクション サービスブループリント の世界へようこそ はじめに - Jamin Hegeman セクション1: 概要 サービスブループリント の概要 サービスデザインとは? 10 12 13 14 17 サービスブループリントとは? 結論 サービスブループリント の未来 セクション3: 導⼊ サービスブループリント の使い⽅ セクション2: 作成 サービスブループリント の作り⽅ 最後に - Patrick Quattlebaum プロトタイプとしてのブループリント 40 42 44 46 ビジョンを⽀える フロントステージVSバックステージ 20 22 27 30 構成要素 正確性のレベル 32 34 36 37 詳細化レベル(ズームレベル)を決める サービスブループリントの進化 サービスブループリントを使う理由 現状と将来のブループリント ブループリントからロードマップへ サービスパターン 協働 サービスブループリントを作成する 要素をつなげる 情報を追加する
  6. 6. イントロダクション サービス ブループリントの 世界へようこそ 6
  7. 7. カスタマーエクスペリエンスに注⽬することは今まで以上に重要になってきています。顧客が望むことに対して⾃分たちの サービスがどのように機能しているのかを理解することはきわめて⼤切なことだからです。 私たちAdaptive Pathでは、サービスブループリントをサービスデザインの第⼀歩と位置付けています。サービスブループ リントは、エクスペリエンスマップと並んで究極のサービスデザインツールであり、広く普及しているサービスデザインの 成果物です。 現状のサービスがどのように機能しているか、⾔い換えれば、将来実現するサービスのビジョンに向けて何が 必要になるかを視覚化することでさまざまな視点やサイロ、プロジェクトを統合する使い勝⼿のよいツールです。サービス ブループリントを知るのは簡単ですが、習得するのは難しいものです。半⽇で材料をまとめて、プロジェクトを始動するこ とはすぐにできます。ただし、範囲を変更し、詳細を追記し、書き起こしたサービスを維持、管理するのには数週間、数ヶ ⽉、もしくは数年単位の時間がかかります。私たちが主に注⼒するのはサービスデザインなので、プロジェクトの⼤半でブ ループリントを使⽤します。これは、プロジェクトの内容がまったく新しいサービス全体を通した定義であろうと、サービ スモーメントのクローズアップであろうと変わりません。組織内のサービスとプロセスの理解を深めるために利⽤すること もあります。もちろんこのツールには限界がありますが、まずは基本的なフレームワークの中で作業をしてから何かを追加 したり試したりするのが最善だと考えています。とはいえ、ブループリントは進化しています。実際、これまでにも従来の フォーマットに興味深い改変がありました。 このガイドでは、サービスブループリントの基本として、サービスブループリントとは何か、利⽤すべき理由、作成⽅法、 使⽤⽅法と維持・管理⽅法についてお伝えします。 さらに、これからサービスブループリントに着⼿する場合でも、すでに 作成しはじめていてこれから磨いていこうという場合でも役⽴つベストプラクティスやアドバイスもご紹介します。参考に なれば幸いです。 ̶JAMIN HEGEMAN 7
  8. 8. セクション1:概要 サービス ブループリントの 概要 9 まず、サービスデ ザインとは何かを 掘り下げましょう
  9. 9. 10 サービスブループリント導⼊ガイド サービスデザインとは? サービスデザインとは、デザインの⼿法と技能を応⽤して、 プロダクト、コミュニ ケーション、やり取り(たとえば、サービスタッチポイント)、 業務運⽤、組織構 造などの定義とオーケストレーションを⾏うものです。サービスデザインでは、カ スタマーエクスペリエンスだけでなく、ビジネスエクスペリエンスにも⽬を配るこ とが求められます。 サービスデザインは、多くの⼈が考えるユーザーエクスペリエンスデザイン (UXD)とは異なるものです。サービスデザインは、顧客、スタッフ、ビジネスと いった複数ユーザーの視点から提供価値とエクスペリエンスを検証します。その際、 チャネルやメディアはほとんど取り扱いません。サービスデザインは、提供するエ クスペリエンスとそれを⽣み出すオペレーションやテクノロジーを連携させます。 サービスデザインは⼈間中⼼設計 の分野と多くのツールや⼿法が共 通しています。ただし、サービス デザインが持つ複数ユーザーの視 点やアプローチは、サービスエク スペリエンスの多⾯性に伴う複雑 性を管理するのに有効です。サー ビスエクスペリエンスの多⾯性と は、エクスペリエンスにかかわる 複数のデジタルタッチポイント、 チャネル、ビジネスサイロなどを 意味します。 そして、サービスデザインは新 しいものではないということも認 識しておくとよいでしょう。サー ビスを提供する事業者は⻑年サー ビスをデザインしてきているから です。ただ、その取り組みにおい ては、デザイナーや⼈間中⼼のア プローチを常に取り⼊れていたわ けではありません。 顧客 スタッフ プロダクト オペレーション 構造 カルチャー サービスでの やり取り ス タ # フ の エ ク ス ペ リ エ ン ス と オ ペ レ . シ 0 ン カ ス タ マ . エ ク ス ペ リ エ ン ス サ . ビ ス デ ザ イ ン
  10. 10. サービスデザインの基本原則 ⼈間中⼼ ⼈に注⽬してデ ザインします。 顧客にとどまら ず、スタッフや ビジネスのエク スペリエンスに まで広げてデザ インします。 概要 11 共同作成 オーケストレー ション 具体化 俯瞰 関係者と顧客が サービスエクス ペリエンスのデ ザインと提供に 関与するように します。 サービスを提供す る組織のさまざま な要素とプロセス を、最適なサービ ス提供のためにど のように連携させ るべきかを検討し ます。 オフラインとデ ジタルのタッチ ポイントを通じ て無形のサービ スの提供価値と やり取りを⽬に ⾒え、体験でき るものにします。 部分的なモーメ ントやサービス 体験、エクスペ リエンスのス テージだけでな く、エクスペリ エンスの全体に ⽬を向けます。
  11. 11. 12 サービスブループリント導⼊ガイド サービスブループリントとは? ブループリントは、サービスのコンポーネントを詳細に視覚化してそれら を分析、導⼊、維持・管理するためのツールです。 ブループリントは、フロントステージ(顧客に⾒える部分)とバックス テージ(⾒える部分の裏側)両⽅の、⼈・タッチポイント・プロセス・テ クノロジーのオーケストレーションを視覚化します。ブループリントは、 現状のサービスエクスペリエンスを表すためにも使われますし、新規また は改善後のサービスの定義や導⼊を⽀援するためにも利⽤されます。サー ビスブループリントはプロセスを⽂書化する⽅法と似ている⼀⽅で、エク スペリエンスを実現するためにどのようなオペレーションをしているかを ⽰しながら、カスタマーエクスペリエンスに絶えず注⽬しています。 サービスブループリントを作成する活動は、様々な職種の⼈が共同作業 する場を創り出します。設計、開発、オペレーション、ビジネス分析、現 場のスタッフなど、様々な職種の⼈々が、それぞれの責任範囲をどのよう に連携させれば全体最適につながるかを調整します。コミュニケーション ツールとしてのサービスブループリントは、組織内の依存関係に注⽬し、 ロードマップの作成と改⾰の試⾏、エクスペリエンスの創出のための基盤 を提供してくれます。サービスブループリントは、機能間の協働と調和を 促進し、組織が描いた顧客とスタッフのエクスペリエンスを実現、維持で きる可能性を⾼めてくれます。 「ブループリントは サービスデザインの ゲートウェイドラッグ です。」 —Patrick Quattlebaum⽒
  12. 12. サービスブループリントの進化 サービスブループリントは新しいツールではありません。1984年の Harvard Business Review に掲載されたLynn Shostack⽒の論⽂『Designing Services That Deliver(提供するサービスのデザイン)』で初めて提唱 され、その後、進化を続けてきました。それまで、サービス提供は、 漠然とした⼀過性のものと⾒なされてきました。これを、⽂書化、測 定、管理し、組織的に改善できるものとして体系化する上で、同⽒の ⼿法が貢献しました。年⽉を経て、サービスブループリントは劇的に 進化しました。著名なリーダーやサービス改⾰者(Mary Jo Bitner⽒な ど)の助けもあり、今⽇のブループリントは、サービス提供がどのよ うに⾏われているかオペレーションの詳細を記録しながら、カスタ マーエクスペリエンスをうまく表現しています。 ブループリントは、ほかのビジネ スモデリング⼿法による細部には まりこむことなく、サービスのオ ペレーションの複雑性を記録しま す。 そして、現在でも、サービスブ ループリントは、より幅広いコン テキストで頻繁に使⽤されること で、視覚的にも構造的にも進化し 続けています。 今⽇、私たちが作成するサービスブループリント は、視覚的、構造的には異なっていてもLynn Shostack⽒が当時、「Exhibit I Blueprint for a Corner Shoeshine(説明1 街⾓の靴磨きのブループ リント)」で提唱したものと同じ要素を多く含ん でいます。それは、時間、流れ、視認性の境界線 (the line of visibility)、⾏動、オペレーションの コンポーネントです。 概要 13
  13. 13. 14 サービスブループリント導⼊ガイド サービスブループリントを使う理由 デジタルのプロダクトとタッチポイントが急増したことにより、サービスエクスペリエ ンスは複雑性を増し、組み⽴てることが難しくなりました。たとえば、銀⾏や⼩売店、 ⾏政とやり取りする⽅法について20年前と⽐較してみてください。 今⽇におけるサービスのエクスペリエンスとエコシステムの複雑性を解決するため、 サービスブループリントは、サービスのコンポーネントを視覚化し、連携させ、プロト タイプを作るのに役⽴ちます。ブループリントは、多くの理由から価値がありますが、 ブループリントが持つ特に重要なメリットは次の3点だと考えています。 サービスをブループリントで視覚化することは、相互の連結点、依存関係と弱点と いったサービスの動的なパーツをすべて理解するのに役⽴ちます。これらを協働する⼈ たちや関係者に視覚的に伝えることで以前の抽象的な概念を具体化し、直接扱いやすく なります。 サービスブループリントは、サービスエクスペリエンスについてのエンドツーエンド (およびクロスサイロ)の視点を連携させることで、サービスがどのように機能してい るかについての共通理解をもとに組織を結束させるのに役⽴ちます。これは特に複数の チーム、グループ、部⾨が⼀体となってサービスビジョンを実現する際に有効です。エ クスペリエンスのパーツを意図したとおりに正しく組み合わせるのに役⽴ちます。 さらにサービスブループリントは、まだ精度が低い状態で、サービス提供⽅法を迅速 にプロトタイピングするのに⾮常に優れたプロセスです。デザインプロセスのどの段階 においても、ブループリントは、さまざまなソリューションに対するインサイトを記録 し、ビジネスとオペレーションの実現性を模索するキャンバスとして利⽤できます。同 時に、顧客の動きとサービス体験のアーキテクチャを可視化し、両者の連携を促進する ための⽂書としても使えます。
  14. 14. サービスブループリントの価値 これらを視覚化 • (以前は)漠然としていたエ クスペリエンス • サービスコンポーネント、テ クノロジー、オペレーション 間の連結点と依存関係 • サービス提供に必要な要素 • 現状のサービス提供の弱点と 機会 • エンドツーエンドのエクスペ リエンスに潜む⽋陥やサービ スの弱み 概要 15 これらを連携 これらのプロトタイプを作成 • サービスを構築し、提供する 際のクロスサイロの考え⽅を 提供することによる、複数の 視点 • より広いコンテキストで⾃分 の仕事を確認できる共有の キャンバスを使⽤する複数の 協働する⼈たち • 各チームが⼀度構築した要素 をどのようにつなげるかの理 解 • エクスペリエンスを検証する ため、共通の顧客の流れとや り取りを⾏うポイント • タッチポイント間の連携の必 要性および連携の仕⽅ • エクスペリエンスの変⾰に必 要なオペレーションプロセス の変更と影響 • 開発に投資する前のオペレー ションの実現性
  15. 15. 16 サービスブループリント導⼊ガイド アイディエーション 将来像のブループリント ストーリーボード ジャーニー 調査 タッチポイント 現状のブループリント
  16. 16. 現状と将来のブループリント ブループリントは、デザインプロセスのどの段階でも必要に応じて利⽤できますが、 サービスエクスペリエンスとオペレーションの記録に注⼒するため、デザインプロ セスの序盤と終盤では特に有効です。 プロジェクトの最初の段階では、私たちは現状提供されているエクスペリエンス を記録するために現状のブループリントを好んで使⽤しています。現状のブループ リントは、サービスの現状についてチームが理解を合わせ、観察にもとづいた組織 のナレッジを記録し、既存のサービスの機会と弱点を発⾒するのに役⽴ちます。こ れは組織にとって⾮常に有効な時間です。今まで⾒てきた多くのチームは、それぞ れがどのように関わり合い、協⼒して全体を作っているのかを確認する機会を持っ たことがなかったからです。 デザインプロセスの終盤では、サービスの将来像を視覚化するためにブループリ ントを利⽤できます。ブループリントは、チームでの効果的なコミュニケーション、 タッチポイントの設計、オペレーション上のニーズの記録、ロードマップの策定、 計画資料の作成に役⽴ちます。 新しいエクスペリエンスのブループリントを作っておけば、建築において設計図 が建物の維持管理を助けてくれるのと同じように、ブループリントが未来のチーム によるエクスペリエンスの維持を助けてくれます。 概要 17 現状を記す利点 • 既存のオペレーションのプロ セスとエクスペリエンスのプ ロセスを記録 • サービスの弱点と顧客のペイ ンポイントを特定 • 既存サービスについてクロス サイロの視点で理解 将来像を記す利点 • エクスペリエンスとオペレー ションの将来像の記録と伝達 • クロスサイロの調整とタッチ ポイント作成の計画 • オペレーションのプロトタイ プ作成と開発
  17. 17. セクション2:作成 サービス ブループリントの 作り⽅ 19 既成概念を打ち壊 し、エクスペリエ ンスのオーケスト レーションを加速 する
  18. 18. 20 サービスブループリント導⼊ガイド フロントステージvsバックステージ サービスデザインとサービスブループリントの中⼼には、フロントステー ジとバックステージという考え⽅があります。⾔い換えれば、顧客から⾒ えるサービス部分と⾒えないサービス部分です。 たとえば、レストランを考えてみてください。顧客から⾒えるフロント ステージのサービス要素はたくさんあります。注⽂を受けるウェイター、 メニュー、提供される⾷事、そして⾷事すること。ただし、そこには同時 に顧客からは⾒えないバックステージのサービス要素もあります。たとえ ば、調理しているシェフ、機械化された注⽂システム、⾷品会社から届い た⾷材などです。このバックステージの活動をどの程度顧客に⾒せるかが サービスエクスペリエンスの驚きと喜びを作り出す決め⼿になります。顧 客を喜ばせるサービスで有名な企業において、⾒えないところで絶え間な く機能している様々なサービスオペレーションについて考えてみましょう。 AmazonやNetflixのおすすめはあなたの好みに合う商品を教えてくれます。 フォーシーズンズのホテルスタッフは顧客ひとりひとりの要望に優雅に応 えてくれます。 たくさんの新しいフードデリバリーサービスは、ボタンを タップするだけでできたての⾷事を届けてくれます。これらのサービスを 実現している仕事ぶりやシステムを⽬にすることはないでしょう。これら のサービスが⽣み出す価値は、顧客が欲しいと思ったときに魔法のように さっと現れます。 「バックステージのシステ ムとオペレーションを意図 的にデザインしなければ、 それらの扱いを顧客にアウ トソースすることになりま す。」 —Kendra L. Shimmell⽒ プロからのアドバイス 1 多くのサービスエクスペリエンスの 変⾰は、バックステージの変更から 始まります。オペレーションとプロ セスの変更は、スタッフと顧客双⽅ のエクスペリエンスにたくさんの効 果をもたらします。
  19. 19. 構成要素 顧客と顧客の⾏動は、ブループリントの⼀番上の⾏(スイムレーン)に記載します。なぜな ら、私たちは、常に顧客にフォーカスを合わせておきたいからです。私たちは顧客に何をし てほしいのか?私たちはどのように顧客のエクスペリエンスを明らかにして⾏くのか?これ らに照準を合わせ続ければ、顧客中⼼のレンズを通してエクスペリエンスとその提供⽅法を 理解することができます。 次の2⾏では、顧客がサービスに関して、だれと、何を、いつ、どのようにやり取りするの かを⽰します。2⾏⽬のスイムレーンでは、顧客が⾏動を起こすか、スタッフが顧客へ応答す る際のデジタル、アナログ、もしくはあいまいなタッチポイントについて詳細に記します。 スタッフの役割や⾏動は3⾏⽬に記載し、顧客がフロントステージで⽬にするものを⽰します。 ブループリントの4⾏⽬以降に、裏側のオペレーションを記します。サービスエクスペリエ ンスを⼈々やプロセス、テクノロジーがどのように実現しているかを⽰します。 22 サービスブループリント導⼊ガイド プロからのアドバイス 2 ブループリントの要素を作成するときは、特に タッチポイントについてかなり詳細に記載する ことが有効です。これは、ブループリントをわ かりやすくするということにとどまらず、プロ ジェクトの導⼊フェーズの際の効果的なガイド として利⽤するのに役⽴ちます。 たとえば、あるタッチポイントを単に「アプ リ」とするのではなく、「商品選択画⾯」や 「確認画⾯」などにするとよいでしょう。こう することで、エクスペリエンスを⼀緒に構築す るパートナーと情報をもとにした会話ができる ようになります。
  20. 20. サービスブループリントの要素 作成 23 顧客の⾏動 タッチポイント スタッフの⾏動 サポートプロセス サービスを提供されている間の顧客の⾏動や⼼理状態を指します。 サービスは複数の顧客に対応するので、各顧客の⾏動要素に顧客 の名前を明記します。 顧客とサービスがやり取りをする⼿段を指します。テクノロジー による誘導から、サービススタッフとの会話まで多くの形式があ ります。タッチポイントは、サービスに含まれるマイクロモーメ ントと1対1で対応させることを推奨します。こうすることで、 チームは、エンドツーエンドのサービスに含まれる「サービス モーメント」を検討しやすくなり、複雑性が隠蔽されることを防 ぎます。 フロントステージスタッフとバックステージスタッフの⾏でそれ ぞれを記録します。⼤半のサービスは複数のスタッフが関係して おり、各要素にはそのタスクを⾏っている⼈の職種を⽰すことが 特に重要です(シェフ、接客係、案内係など)。 スタッフとサービスモーメントを⽀える重要なツールとシステム を指します。これには、⼿書きのノートのようなアナログツール やアプリ、社内プロセス、スタッフ教育、情報システムが含まれ ます。サービスのコンテキストや複雑性に応じて、サポートプロ セスの⾏は分割するとわかりやすいかもしれません。 フ ロ ン ト ス テ ' ジ バ * ク ス テ ' ジ 顧客が質 問してか ら注⽂す る 顧客と接客 係との会話、 ドリンクメ ニュー、⾷ 事のメ ニュー 接客係がメ ニューに 関する質問 に答え、 注⽂を受け る 接客係が 注⽂を システム に⼊⼒ 予約シス テム、 ノート パッド 顧 客 の ⾏ 動 タ ' チ ポ イ ン ト フ ロ ン ト ス テ 1 ジ ス タ ' フ バ ' ク ス テ 1 ジ ス タ ' フ サ ポ 1 ト プ ロ セ ス
  21. 21. サービスブループリントの構造 時間 エクスペリエンスのステージ スイムレーン 視認性の境界線 サービスブループリントは、時間の 経過を左から右に記載します。エク スペリエンスに週単位と分単位など 異なる時間軸が含まれる場合は、こ うした違いを明記します。ブループ リントを⾒る際、時間の感覚を失い がちだからです。 エクスペリエンスのステップを意味 のあるかたまりごとに区切ったもの が「ステージ」です。ステージは、 ブループリントを構造化する上で役 ⽴ちます。ここで定義したステージ は、サービス全体を体系的に整理し た他のナレッジ(ジャーニーマップ など)と共有することができます。 サービスブループリントの中⼼はス イムレーンです。この⾏によって サービスエクスペリエンスの要素す べてが表現され、整理されます。 サービスデザインとサービスブルー プリントでは、フロントステージと バックステージの区分を視認性の境 界線(Line of Visibility)とよびます。 顧客に⾒せることにした要素と、そ れをいつ顧客に⾒せるかはエクスペ リエンスに⼤きな影響を及ぼします。 顧客がレ ストラン に⼊店 顧客が案 内係を待 つ 顧客が案 内係の出 迎えを受 ける 顧客が予 約を確認 顧客が テーブル まで歩く 顧客がメ ニューを ⾒る 顧客が挨 拶を受け、 今⽇のお すすめを 聞く 顧 客 の ⾏ 動 ⼊店 注⽂ レストランのサービスブループリント:ドリンクと前菜 案内板、 外観から 受ける印 象 案内板、 待ち⼈数 を⽰すサ イネージ 顧客を出 迎える 予約確認 ⼝頭と ジェス チャーで の説明 ドリンク メニュー、 ⾷事のメ ニュー 顧客と接客 係との会話、 ドリンクメ ニュー、⾷ 事のメ ニュー 案内係が 顧客を出 迎える 案内係が予 約を確認し、 テーブルの 準備を確認 案内係が 顧客に テーブル を⽰す 接客係が顧 客に挨拶し、 今⽇のおす すめを紹介 タ ' チ ポ イ ン ト フ ロ ン ト ス テ 1 ジ ス タ ' フ アシスタ ントが テーブル の上を⽚ 付ける 後⽅の接 客係が テーブル をセット 後⽅の接 客係が案 内係に準 備完了を 伝える 案内係が 接客係に 顧客の来 店を知ら せる 予約シス テム キッチン にある今 ⽇のおす すめの ボード バ ' ク ス テ 1 ジ ス タ ' フ サ ポ 1 ト プ ロ セ ス やり取りの境界線 視認性の境界線
  22. 22. やり取りの境界線 サービスモーメント 顧客が直接やり取りできるものとで きないものの間に境界線を引くこと が役⽴つ場合があります。この線を やり取りの境界線( Line of Interaction )とよびます。 複雑なサービスでは、顧客と従業員 がたくさんのタッチポイントでやり とりするため、どのツールがだれの ためのものなのかを決めるのが難し くなる可能性があります。やり取り の境界線は違いを明確にし、ブルー プリント上で区分を⽰してくれます。 縦の列は、サービスモーメントを表 しています。サービスエクスペリエ ンスの特定のモーメントで起きる、 フロントステージ、バックステージ 両⽅のサービス活動すべてを含んで います。視認性の境界線より上では エクスペリエンスの後半まで何も動 いていないとしてもバックステージ で動作が開始したタイミングでバッ クステージの⼯程を記載することが 重要です。たとえば、顧客がレスト ランに到着する前から接客係がテー ブルの準備を始めていることなどで す。 顧客が質 問してか ら注⽂す る 顧客が注 ⽂したも のを待つ 顧客が注 ⽂したド リンクを 受け取る 顧客がド リンクを 楽しむ 顧客が注 ⽂したも のを待つ 顧客が注 ⽂した前 菜を受け 取る 顧客が前 菜を楽し む ドリンクを受け取る 前菜を受け取る 顧客と接客 係との会話、 ドリンクメ ニュー、⾷ 事のメ ニュー 顧客と接 客係の会 話 顧客と接 客係の会 話 接客係が ドリンク を提供す る 接客係が 前菜を提 供する 接客係がメ ニューに 関する質問 に答え、 注⽂を受け る 接客係が 注⽂を システム に⼊⼒ バーテン ダーがド リンクを ⽤意 接客係が バーから ドリンク を取る 接客係が キッチン から前菜 を取る 予約シス テム、 ノート パッド シェフが前 菜を作り、 キッチンの キューに注 ⽂を⼊れる 作成 25
  23. 23. UX Week 2015の参 加者たちが現状のブ ループリントを作成 しています。 これは、機会領域を 発⾒し、彼らが再設 計しようとしている 体験について、理解 を深めるために⾏っ ています。
  24. 24. 協働 サービスブループリントから得られる重要なメリットの中には、サイロを超えてサービスエ クスペリエンスを視覚化できるという点があります。視覚化するためには、共通のキャンバ スを作り、そのキャンバス上で組織内のさまざまな役割の⼈たちが、⾃分⾃⾝と、⾃分たち の責任範囲にあるエクスペリエンスのパーツを確認できるようにします。この進め⽅には組 織内の多様なナレッジが求められるため、サービスブループリントの作成には部⾨横断的な 参加者が必要となります。 サービスブループリントを作成する際には、多様性のあるチームと視点を集めるようにし てください。このグループの構成の仕⽅は、ブループリントをデザインプロセスのどこで利 ⽤するかによって変わります。ブループリントを作成する領域と詳細化するレベルに応じて 精通しているメンバーを選んでください。「詳細化レベル(ズームレベル)を決める」につ いては、P.34で詳しく説明しています。 勤務地も重要です。チームが実際にひとつの場所に集まって最初のドラフトを作成するの がベストです。これは、組織内で効果的な機会になります。 プロからのアドバイス 3 サービスブループリントは⽣きたドキュメント です。 サービスがどのように機能しているかについて 新たに把握したことがあれば、ブループリント を更新して、理解した内容と、エクスペリエン スおよびそれを⽀えるオペレーションを改善す る機会がある部分について反映しましょう。 作成 27 関係者が部⾨横断でお互いの業務が他部⾨とどのように 連携しているかを確認する機会はめったにないからです。 機能横断で協働することで、組織のナレッジが活⽤され、 最初のドラフトを素早く作成することができます。その 際には、グループで対⾯して作成するのがおすすめです が、ExcelやGoogle スプレッドシート、Miroなどデジタル ツールを利⽤してリモートで共同作業を⾏うことでも同 様の結果を得られます。
  25. 25. さまざまな職種から なるチームが将来像 のブループリントを 協⼒して作成してい ます。導⼊の障壁に なり得る要素を発⾒ したり、意図したエ クスペリエンスに関 する懸念事項も合わ せてサービスモーメ ントを記したりして います。
  26. 26. A cross-disciplinary team works together on a future-state blueprint, looking for potential hurdles before implementation and documenting service moments with outstanding questions regarding the intended experience。
  27. 27. 30 サービスブループリント導⼊ガイド サービスブループリントを作成する 「より優れたコンテキスト で機能しているプロセスを ⾒本にすべきである。」 —Nick Remis 協働作業を進める上での⼀般原則として、ブループリントを作成するとき は、構造化された⼿法を採⽤することをおすすめしています。これは、適 切なツールと適切なメンバーを選ぶこと、進め⽅を明⽰すること、メン バーの活動を最初から最後まで助けること、などを含みます。「サービス ブループリントの作成プロセス」(次ページ)の図には、確実に良い結果 につながるプロセスを詳しく記載しています。 ブループリントは対⾯で作成することが望ましいですが、デジタルでの ワークショップでも同じ⼿順で作成できます。その場合は、紙や付箋の代 わりに、同時に視覚的な図を作成できる共同編集ツールを活⽤する必要が あるでしょう。また、オンラインのセッションでは対⾯よりもさらに参加 者をきちんと誘導し、助ける必要があります。オンラインセッションを開 催する場合には、各拠点にファシリテーターをアサインして、参加者をサ ポートするのが効果的です。
  28. 28. サービスブループリントの作成プロセス 作成 31 メンバーを集める 備品を準備する フェルトペンや付箋、模造紙な ど必要なものを準備します。オ ペレーション上のインサイトや タッチポイントの実例、将来の タッチポイントのイメージなど も含みます。 まずバックボーンを作る 1 2 3 ブループリントに登場してもら う必要のある専⾨性を持つ⼈た ちを特定し、同じ場所に集めま す(オフラインまたはオンライ ン)。 サービスエクスペリエンスの始 まりから着⼿し、最初に顧客の ⾏動のスイムレーンを埋めます。 これがブループリントの肝にな ります。 注意を向ける 他の部分を埋める 顧客の⾏動のスイムレーンから 始めて、モーメントごとに下の ⾏を埋めていき、ブループリン トのすべての要素を記⼊します。 共有する 4 5 6 次に、時間ややり取りの境界線、 ⼈、プロセス、テクノロジーの 流れ、サービス提供の質に関わ るそのほかのインサイトを加え ていきます。 ブループリントの中⾝を記⼊し たら、精査して、サービス開発 の関係者に共有します。
  29. 29. 32 サービスブループリント導⼊ガイド 正確性のレベル 「ブループリントの正確性 は、理解の正確性と⼀致し ています。ビジネスに精通 している⼈たちと協働し、 適宜詳細を加えていってく ださい。」 —Kendra L. Shimmell⽒ サービスブループリントに含める情報量を考慮に⼊れると、正確性のレベ ルはどの程度必要かを検討することは重要です。これは、⾃分たちがデザ インプロセスのどの段階にいるのかとチームのコミュニケーションニーズ に応じて決まります。 ほかのデザインツールと同様、正確性が低い状態から始めて、⾏き詰ま らないところまで進めるのがよいでしょう。精度を⾼めると、厳密になり すぎ、更新が難しくなります。結果として、ブループリントを繰り返し利 ⽤することができなくなります。ブループリントを作成するプロセスでは、 私たちは3つの正確性のレベルを使い分けています。3つにはそれぞれのメ リットがあります(次ページの「正確性の3つのレベル」の図をご参照くだ さい)。 Adobe InDesignのデータ結合機能を使えば、付箋や共同編集したスプレッ ドシートの内容を、推敲したサービスブループリントに素早く移⾏できま す。この⼿順については、 Adaptive Pathのブログをご確認ください。
  30. 30. 正確性の3つのレベル 付箋 ブループリントを作成しはじめたばか りの段階では、付箋を使⽤するのが最 適です。関係者が協働して作成し、 サービスについての初期の理解を簡単 にブラッシュアップできます。 作成 33 スプレッドシート 印刷したポスター スプレッドシートは、付箋の情報を共 有⽤のドキュメントに簡単に変換でき るツールです。離れた場所にいるチー ムメンバーも特別なツールを必要とす ることなく、⾮同期でブループリント の要素を作成できます。私たちも、ブ ループリントの構成要素や⽤語を微調 整する段階で、スプレッドシートをよ く利⽤しています。 イテレーションを重ね完成が⾒えてく ると、推敲された成果物ができます。 この正確性のレベルにおいては、⼀般 的に、各⾏の⾊を変える、視認性の境 界線を記載する、サービスの流れを詳 しく書く、エンドツーエンドのエクス ペリエンスのステージに名前を付ける、 といったことが⾏われます。
  31. 31. 詳細化レベル(ズームレベル)を決める ブループリントを作成するにあたり、サービスの範囲を検討するだけでなく、詳細に記載す るレベルについても検討することが重要です。これを「詳細化レベル(ズームレベル)」と よびます。もし、広範にズームアウトしすぎると、ブループリントは⼀般化されすぎて有益 なものではなくなるでしょう。同様に、詳細にズームインしすぎると、早々に⾏き詰まり、 ブループリントを⾒る⼈たちにとっても情報量が多く負荷がかかる結果、ブループリントを 利⽤しなくなるでしょう。ゴールは、役⽴つ量の情報を記載して、関係者を圧倒することな くサービスエクスペリエンスの機能を明らかにすることです。 適切な詳細化レベル(ズームレベル)を決めるには、⾃分たちのプロジェクトやサービス を前に進めるために何が必要かを考えるとよいでしょう。たとえば、サインアッププロセス の有無が知りたいのか、それともサインアッププロセスの全ての⼿順を知る必要があるのか、 といったことです。まずはブループリントの作成を始めてみましょう。その後、⽴ち戻り、 現状の「詳細化レベル(ズームレベル)」が、プロジェクトを進めていく上で有⽤なものか どうかを評価します。サービスの導⼊が間近である、またはブループリントを他の⼈に引き 渡す時期が近づいているなどの場合には、特定のユースケースや要件に対応するもっと詳細 な情報が必要になるかもしれません。戦略や概念の設計といった初期の段階では、顧客の⾏ 動やその他の詳細化は後回しにしてもよいでしょう。 「詳細化レベル(ズームレベル)」を適正化するには、複数のサービスブループリントを 作成して、細部が異なる別のステージや、理想的なパスとは違う極端なケースを記述してみ ましょう。たとえば、レストランでの⾷事の典型的な顧客のパスを記載したとします。その 後、⽴ち戻り、注⽂を間違えた場合のブループリントを追加で作成します。 さらに、⼀番典型的な顧客のパスから順を追うようにすることも、忘れないでください。 典型的なパスから外れるケースを発⾒した場合は、メモしておき、必要に応じて、例外的な ケースについてのブループリントを作成することを検討します。 34 サービスブループリント導⼊ガイド プロジェクトのコンテキストと開発の段 階によって詳細化レベル(ズームレベ ル)を決定します。 「ズームアウト」は、詳細には触れずに 多くのエクスペリエンスを扱います。 「ズームイン」は、カバーする範囲を減 らしてエクスペリエンスの細部を扱いま す。 エクスペリエンスの全体像 取り上げるエクスペリエンス
  32. 32. 複数のフェーズに分 かれていたり、同じ エクスペリエンスが 繰り返し発⽣したり するようなサービス について記述すると きは、複数のブルー プリントを作成する と、関連する領域を 調べ、可視化するの に役⽴ちます。複数 のブループリントを 利⽤すれば、情報の 密度を変えることな くこれを⾏うことが できます。 サービスジャーニー
  33. 33. 36 サービスブループリント導⼊ガイド 要素をつなげる ブループリントにサービスのすべての要素を記⼊したら、それらがどのよ うに連携しているかを⽰します。これらを、要素をつなげることで⾏いま す。⽮印線は、要素を線でつなげていきます。ブループリント内の要素間 のつながりを線でつないで⽰し、⽮印を使ってやり取りが向かう⽅向を⽰ します。これらの線は特定のやり取りがどこで発⽣し、結果としてどこに 影響を与えるか、何のトリガーになるかを⽰します。 要素を線でつなげていくほど、システムが明らかになっていきます。こ のプロセスでは、⽋けていた要素と情報を明らかにし、⾒落とさないよう にします。 プロからのアドバイス 4 ブループリントの共同作成時間が⾜ りなければ、要素を線でつなぐ作業 は、ブループリント作成のセッショ ン後に個⼈の作業として⾏う場合も よくあります。追加し終えたら、確 認と調整のためにグループにブルー プリントを共有しましょう。 顧客が テーブル まで歩く 顧客がメ ニューを ⾒る 顧客が挨 拶を受け、 今⽇のお すすめを 聞く ⼝頭と ジェス チャーで の説明 ドリンク メニュー、 ⾷事のメ ニュー 顧客と接客 係との会話、 ドリンクメ ニュー、⾷ 事のメ ニュー 案内係が 顧客に テーブル を⽰す 接客係が顧 客に挨拶し、 今⽇のおす すめを紹介 顧客が質 問してか ら注⽂す る 顧客と接客 係との会話、 ドリンクメ ニュー、⾷ 事のメ ニュー 接客係がメ ニューに 関する質問 に答え、 注⽂を受け る やり取りが始まる要素から線でつなぎ始 めて、ブループリント内の要素間をたど り、プロセスの終点で⾃然に終わります。
  34. 34. 情報を追加する ブループリントにサービスエクスペリエンスを記録してみると、既存のサービスに 機能が⾜りているか、良い顧客体験を提供できているかが、ブループリントにうま く表されていないと思う場合があります。その場合、定量調査または定性調査を通 じて得られた追加情報を重ねていくことを試しながら、ブループリントに情報を加 えていきます。情報を追加する際、それらの新しい情報がブループリントを使った コミュニケーションを助けるものなのか、阻害するものなのかを常に評価するよう にしてください。 最もよくある追加情報の種類は、重要なモーメント、対応していないモーメント、 そして、サービスの弱点です。これらの情報を追加することで、改善が特に必要な 要素に効率よく注⼒できるようになります。 作成 37 取り込むと役に⽴つ追加データ: • 重要なモーメント • まだ対応していない、または ⽋けている要素 • サービスの弱点 • 満⾜度指標 • 機会のある領域 • 顧客とスタッフのペインポイ ント • 顧客が喜ぶモーメント • 各モーメントの所要時間 重要なモーメント 対応していないモーメント サービスの弱点
  35. 35. セクション 3:導⼊ サービス ブループリントの 使い⽅ 39 ロードマップ作り に付箋が威⼒を発 揮する
  36. 36. 40 サービスブループリント導⼊ガイド プロトタイプとしてのブループリント 「サービスブループリントは 本質的には、ペーパープロト タイプです。」 —Jamin Hegeman 何かがどのように機能するかを把握するのは、実際に構築されてみな いと難しいものです。サービスも同様です。将来像のブループリント を作成したら、それは精度が低いとしてもサービスのペーパープロト タイプです。お⾦をかけて構築せずとも、サービスブループリントを 使ってエクスペリエンスを実演するか、フローのウォークスルー(い わゆるサービスストーミング)を⾏ってみれば、早い段階で問題に気 づき、紙⾯上ですぐに調整することができます。実際のコールセン ターよりも付箋を動かすほうが簡単ですよね。 エクスペリエンスのプロトタイプを作成する際、ブループリントは 2つの⾯で機能します。ひとつは、プロトタイプから⽣じるアイディ アの記録、もうひとつは、実際に機能するスクリプトの提供、という ⾯です。 サービスストーミングや共同作業、エクスペリエンスのプロトタイ プ作成といった、その他のプロトタイピング⼿法と併⽤することで、 ブループリントは、エクスペリエンスを迅速に繰り返しブラッシュ アップするのに役⽴ちます。私たちは、ブループリントを使って、 サービスストーミングなどのサービスを⽣み出す活動の成果を記録し ます。その後、タッチポイントの作成とエクスペリエンスのプロトタ イプを組み合わせるのにブループリントを利⽤します。この⽅法に よって、チームはデザインしているエクスペリエンスについて、着想 の段階からオペレーション⾯や実際のエクスペリエンス⾯での理解の 段階にすぐに移ることができるようになります。 記録する ⽅向づける
  37. 37. さまざまな視点から サービスを試し、定 義するためにブルー プリントは他の⼿法 と組み合わせて使⽤ すべきでしょう。 Adaptive PathのUXI トレーニングの参加 者たちは、サービス 全体のフローとその フローに沿って、顧 客が何を感じ、考え、 それによってどのよ うに⾏動するのかに ついて、サービスス トーミングを使って プロトタイプを作成 しています。
  38. 38. ビジョンを⽀える ブループリントは強⼒なツールですが、オペレーションに注⽬しているため、エクスペ リエンスを形にして、そのビジョンを他の⼈にわかりやすく伝えるには別の成果物によ るサポートが必要です。 私達は、通常、サービスブループリントとエクスペリエンスストーリーを組み合わせ て使います。エクスペリエンスストーリーは、エクスペリエンスと感情を視覚的に表現 することで、コアバリューと重要なモーメント、望ましい感情を⽰します。⼀⽅で、ブ ループリントでは、オペレーションの詳細が⽰されます。エクスペンスストーリーは、 ストーリーボード、イラスト、ビデオ、またはナレーション付きのウォークスルーなど、 42 サービスブループリント導⼊ガイド サービスエクスペリエンスでの実物を特 に重視するプロジェクトでは、エクスペ リエンスストーリーとブループリントの 組み合わせに設計図を追加しています。 体験に命を吹き込み、それがもたらす価値を⽰せるもの であれば、どんな形式でも構いません。サービスブルー プリントとエクスペリエンスストーリーの組み合わせは 強⼒です。なぜなら、オペレーションに着⽬したブルー プリントでサービスを確認しながら、顧客とその他の関 係者がどのようにサービスを体験するのかを理解するの は難しい場合があるからです。 サービスのビジョンを作り上げるときには、ブループ リントとエクスペリエンスストーリーをしっかり連携さ せます。同じユーザージャーニーの段階を共有し、それ ぞれの創造を推進し合いながら作成を進めます。その後、 重要なタッチポイントの詳細を追加しながら、両者の連 携を確⽴します。連携ができたら、発展計画を作成し、 ブループリントの要素をどのように開発し、導⼊するの かを⽰します。 将来像のエクスペリエンスについて、エクスペリエン スストーリーやタッチポイントのコンセプトなどの成果 物を使って、関係者やパートナーに共感してもらうこと をおすすめします。エクスペリエンスを⽣み出すことに 興味を持ってもらえたら、サービスブループリントと ロードマップを使ってどのようにエクスペリエンスを作 り、提供するのかを⽰しながら、会話を進めていきます。
  39. 39. サービスビジョンから導⼊計画へ サービスを表す成果物 望ましいエクスペリ エンスをサポートす るために設計された 具体的なものを指し ます。たとえば、画 ⾯設計やタッチポイ ントのフロー、コン セプトのスケッチか ら、⾼い精度で作ら れたインタラクティ ブなプロトタイプま でを含みます。 導⼊ 43 エクスペリエンスストーリー ブループリント ロードマップ 顧客の視点に⽴って、 エクスペリエンスを 顧客がどのように感 じるか、どのような 価値を受け取るかを 表現します。エクス ペリエンスストー リーは、エクスペリ エンスの重要なモー メントを記録し、協 働する⼈たちを動機 づけるための「北極 星(⽬指すべき⽅ 向)」を⽰すことを ⽬的としています。 ここまでで、ブルー プリントとは何か? を理解していただけ ていれば幸いです。 ロードマップは、 サービスのビジョン から始まり、それを 実現するまでのプロ ジェクトや、やるべ きことのアウトライ ンを描きます。ロー ドマップは、MVPが 理想形のエクスペリ エンスに進化するま での過程を⽰すべき ものです。
  40. 40. ブループリントからロードマップへ イノベーションに注⽬すると、必然的にこの質問に⾏きつきます。「私たちのサービス を形にするには何が必要なのか?」ブループリントがなければ、必要なプロジェクトや 変更を特定しようとしても、くじけてしまいます。現状と将来像のブループリントがあ れば、ふたつを⽐較することで、サービスがどのように変化する必要があるのかとその 変化の実現⽅法を特定できます。そして、この理解にもとづき、特定のプロジェクトや その責任者、時期、その他の詳細を定義し、アサインできます。私たちは通常、これら の詳細を記載したプロジェクトカードを作成し、プロジェクトの順番や依存関係を計画 するワークショップで使⽤しています。この結果として、サービスがどのように変わっ ていくのかを⽰すロードマップが作成されます。 44 サービスブループリント導⼊ガイド この活動に取りかかる際には、⼩規模で影響⼒のある メンバーからなるグループを作るのが最善です。メン バーは、ワークショップ結果に従って発⾜することにな る複数のプロジェクト全体を⾒渡す⽴場の⼈たちである ことが理想的です。重要な意思決定者が参加してブルー プリントの⽐較を⾏うことにより、⾃信を持った選択が 可能になり、スピーディに動くことができます。 プロジェクトカードには、今後実⾏する可能性のある プロジェクトの特定に役⽴つ項⽬を記載します。たとえ ば、プロジェクト名、タッチポイント、チャネル、依存 関係、責任者などで、記⼊しやすいようにあらかじめ項 ⽬ごとの記⼊欄を⽤意しておきます。プロジェクトカー ドを使うと、現状と将来像のブループリントを⽐較して いるときに各プロジェクトに関して発⾒する類似の情報 を確実に記録できます。また、この⽅法なら、ワーク ショップ実施後すぐに導⼊計画やロードマップ作成に必 要な活動に移ることができます。プロジェクトカードを 使って、優先順位付けや順序設定を繰り返し⾏うのです。 スタッフ教育や⼈⼿による⼯程の変更のために必要な プロジェクトのことも忘れないようにしてください。こ うした活動は導⼊計画に組み込むべきです。
  41. 41. 導⼊ 45 サービスブループリントを使った プロジェクト全体計画 • 現状と将来像のブループリン トを作成する。 • サービスビジョンを実現する のに必要な変更を特定する。 • 特定した変更を⾏うためのプ ロジェクトを定義する。 • 定義したプロジェクトを完遂 するためのロードマップ、ま たは開発計画を作成する。 • プロジェクトの完了に向けて 共同作成者をサポートする。 ロードマップ 将来像のブループリント 現状のブループリント プロジェクトカード タッチポイント 作 成 計 画 ⽐ 較
  42. 42. サービスパターン サービスブループリントを作成するもう⼀つのメリットは、サービスパ ターンを特定するのに利⽤できる点です。つまり、より⼤きなサービス エクスペリエンスの中でみたときに要素が繰り返されている、やり取り のパターンが似ているということを発⾒できます。こうしたことがわか ると、新しいエクスペリエンスを作成するたびにその要素を改めて作成 する必要がなくなります。さらに、デザインと導⼊のスピードを上げな がら、現状と将来像のエクスペリエンスを連携させるのにも役⽴ちます。 たとえば、銀⾏が⼝座の預⾦額を確認する、ローンの⽀払いが正常に ⾏われたかを確認する、などの確認というエクスペリエンスは、共通の サービスパターンに由来しています。サービスパターンを記録するとき には、パターンの⽬的、既存のタッチポイント、対応しているユース ケース、そのオペレーションのコンポーネントを説明しているブループ リントのセクションなどの情報を記載します。記載する情報は、⾃分が 担っているサービスに応じて調整したくなると思います。サービスがデ ジタルを中⼼としたものであるなら、コードの該当箇所を記録したり、 記録とコードを紐付けたりすることも検討するとよいでしょう。サービ スパターンを利⽤することは、新しいサービスエクスペリエンスを作成 する際の効率を⾼めるのと同時に、エクスペリエンスの⼀貫性を向上し、 サービスエクスペリエンス全体の整合性をとることにつながります。 サービスパターンは、企業が提供している既存のエクスペリエンスのラ イブラリと考えることができます。ライブラリ部品の組み合わせを変え たり拡張したりすることで、新しいエクスペリエンスを作ることができ ます。サービスブループリントを作成し、利⽤し始めると、共通部分を 特定し、サービスパターンとして定義し、組織の他の部⾨と共有するこ とが容易になります。 46 サービスブループリント導⼊ガイド 特定 収集 利⽤
  43. 43. Adaptive Pathと Capital Oneのデザイ ナーが、新しいエク スペリエンスを作ろ うとしています。既 存のブループリント に記載された前段階 のサービスパターン を使って、新しいエ クスペリエンスを実 現しようとする試み です。
  44. 44. 結論 サービス ブループリントの 未来 49 未来に関するブ ループリントを作 成してみることは、 未来を予測するの に最適です
  45. 45. サービスブループリントの⼿法は、30年以上前に紹介されて以来、進化してきました。このガイドは現時点でのスナップ ショットを表しています。ブループリントを作成し、利⽤する⽅法については⽇々、多くの⼈が改善を続けています。 これを書いている時点では、ブループリントが向かう先として3つのトレンドを定義できそうです。ひとつは、デジタル ツールを活⽤する試みが増えていることが、共同作業と維持・管理に役⽴っているということです。⼤規模で、働く場所が 分散しているチームであっても、デジタルツールがあれば、より容易に柔軟にブループリントを取り扱うことができます。 ふたつ⽬は、プロセスエンジニアリングなどの分野が、ブループリントの有効性に注⽬し始めていることです。こうした分 野において、リーンプロセス設計やバリューストリームマッピングと、顧客体験の設計とを連携する上で、ブループリント がうまく機能することが知られるようになってきました。このことは、エクスペリエンスとオペレーションのそれぞれに従 事する⼈たちの共同作業の機会を増やすことになります。最後に、ブループリントの構造そのものが進化し続けているとい うことです。サービスブループリントを、ジャーニーマップ、ストーリーボード、建築設計図などの様々な作成物と組み合 わせる試みが⽣まれています。これは、サービスがどのように提供され、顧客がそれをどのように体験するか、両者の依存 関係を表現したいという、サービスに従事する⼈々の要望を反映しています。ブループリントが⽀持され、多様性を増して いくのを⾒るのは楽しいことです。こうした取り組みにより、サービスブループリントは機能横断的なチームのための重要 な⼿法になっていくことでしょう。 トレンドについてはこれくらいにして、最後に、このガイドを執筆した⽬的が伝わっていることを願っています。このガ イドの⽬的は、ブループリントの基本を紹介することによって、みなさんが創造⼒と独創性を発揮して、⾃分たちならでは の⼿法を作り出してくれることです。数⼈のメンバーと付箋、テーブルや壁があれば始められます。まずはそこから始めて みてください。そして、サービスエクスペリエンスをもっと⼈間味のあるものにしていきましょう。 ̶PATRICK QUATTLEBAUM 51
  46. 46. サービスエクスペリエンスを作成する際に直⾯する問題を解決するにあたり、 このガイドが興味深く、参考になる、有益なものであることを願っています。 ここでの情報は、サービスブループリントにおける確定事項としてではなく、 サービスブループリントを作成するための基本としてとらえることをおすすめ します。 私たちは、みなさんがサービスブループリントのツールをどのように改善し、 実務にどのように取り⼊れたのかを知りたいと考えています。 contactus@adaptivepath.com まで、ぜひご意⾒をお寄せください。 このガイドの作成にあたり、ご協⼒いただいたすべての⽅に感謝します。特に Bryn Bowman、Dianne Que、 Jessica Saia、Katie Walker Wilsonの各⽒には⼼から の謝意を表します。 Adaptive Pathのチームについて 講師、戦略⽴案、デザイン、アイディア提案の経験豊富な専⾨家集団です。 2014年からCapital Oneの傘下に加わり、⼈々の⽣活を向上させる⾦融サー ビスの設計に携わっています。 LXやUX Week、The Service Experience Conference、Service Experience Intensivesなどのトレーニングイベントやカンファレンスでみなさんにお 会いできることを楽しみにしております。 HEAD OF SERVICE DESIGN Kendra L. Shimmell HEAD OF ADAPTIVE PATH Brandon Schauer AUTHOR Nick Remis EDITORS Patrick Quattlebaum Jamin Hegeman EDITORIAL OPERATIONS MANAGER Minh Tran CREATIVE DIRECTOR Iran Narges DESIGNERS Tim Gruneisen Ece Ciper ILLUSTRATOR Ece Ciper PHOTOGRAPHERS Iran Narges Nick Remis The Adaptive Path Team
  47. 47. デジタルサービスの設計は、顧客体験(CX)だけでなく、従業員の体験(EX) やシステムの機能まで含めて全体の整合性を整理する必要があります。サービ スブループリントは、このためのツールとして⾮常に適しています。 Adaptive Pathチームが作成した本資料は、サービスブループリントを理解する うえで⾮常に有⽤だと考え、Graat(グロース・アーキテクチャ&チームス) にて⽇本語訳を⾏いました。みなさまの理解の助⼒なれば幸いです。 原⽂はCC BY-NC 3.0(表⽰ - ⾮営利 3.0 ⾮移植)で提供されているため、本資料 も同様のライセンスとなります。利⽤にあたっては以下を確認ください。 https://creativecommons.org/licenses/by-nc/3.0/deed.ja Graat(グロース・アーキテクチャ&チームス)について Graatは「社会を⽀え続ける企業が持つITとチームの⼒を引き出し、DXを 推進することでしなやかな社会を実現する」ことをミッションとするコン サルティング企業です。⼩売、通信、ヘルスケアなどの業界において、エ ンタープライズ領域でDX実現するためにアジャイル開発プロセスやマイ クロサービスアーキテクチャの導⼊を⽀援しています。 https://www.graat.co.jp/ 翻訳 浅⽊ 麗⼦ ⽵内 理恵 常盤 ⾹央⾥ ⽇本語訳について
  48. 48. サービスブループリント導⼊ガイドの初版を公開しました! このガイドでは、優れたサービスエクスペリエンスを作成する際に使⽤する ツールであるブループリントの価値を⽰し、その作成プロセスに光をあて、そ の価値をどのように組織の成果に結びつけるかに関するインサイトを紹介して います。 ブループリントとは何かを知りたい?ここにあります。作成⽅法を知りたい? ここに。関係者を巻き込み次の段階に進む⽅法を知りたい?それもここにあり ます。 ここには、基本的な要素から、発展計画を作成する際の細かい点まで、ブルー プリントの作成と活⽤に必要なすべてがつまっています。このガイドが私たち ⾃⾝にとってそうであるように、みなさんにとっても有益であることを願って います。

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