1.
二分木クラスを作って
GoogleTestでチェックしてみた話
Gou Sawada
2016/1/17

2.
【自作二分木クラスの機能】
あるノードをdeleteするとき、
そのノードに左の子があれば、
左の子の深さを１減じる（rootに近づける）。
左の子にも子ノードがあれば、同じ処理を再帰的に行う。
※「ESCR C++：組込みソフトウェア開発向けコーディング作法ガイド［C++言語版］」
によると、再帰呼出しを行ってはならない（実行時の利用スタックサイズが
予測出来ないため）とあるが、ここではとりあえず無視する。
左の子がない場合は
右の子の深さを１減じる。

3.
【自作二分木クラスの機能】
各ノードは
「親へのポインタと、
親に対して左の子／右の子どちらであるかの属性」
「左の子へのポインタ」
「右の子へのポインタ」
の情報を持つ。

4.
【自作二分木クラスの機能】
子ノードの深さを１減じる（rootに近づける）とき、
その子ノードの
「親へのポインタと、
親に対して左の子／右の子どちらであるかの属性」
「左の子または右の子へのポインタ」
の情報を適切に親ノードから受け継ぐ。

5.
【テストしたいこと】
あるノードをdeleteするとき、
木の再構成が想定通りであること。
「親へのポインタと、
親に対して左の子／右の子どちらであるかの属性」
「左の子へのポインタ」
「右の子へのポインタ」

6.
【Eclipse(Win)にGoogle Testを適用】
このサイトを参考にしました。
http://blog.myspoon.info/2013/08/eclipse-cdtgoogle-test.html
http://www-utheal.phys.s.u-tokyo.ac.jp/~yuasa/wiki/index.php
/Eclipseで自動Makeするときのincludeや外部ライブラリの設定

7.
【テストコードのサンプル】
TEST(BTCDeleteTest,test1) { //←（テストケース名、テスト名） 名前が被らないように複数作成可
（中略）
//BTCは二分木の各ノードを示す配列
delete BTC[1]; //deleteするとデストラクタで二分木の再構成をする
EXPECT_EQ(nullptr,BTC[0]->getParentNode()); //親なし？（BTC[0]はroot）
EXPECT_EQ(nullptr,BTC[0]->getChildNodeLeft()); //左の子 なし？
EXPECT_EQ(BTC[2],BTC[0]->getChildNodeRight()); //右の子BTC[2]？
EXPECT_EQ(CHILD_NODE_NONE, BTC[0]->getPrv_left_right()); //自分自身は左の子でも右の子でもない？
EXPECT_EQ(BTC[2]->getParentNode(),BTC[0]); //親 BTC[0]？
EXPECT_EQ(BTC[2]->getChildNodeLeft(), nullptr); //左の子なし？
EXPECT_EQ(BTC[2]->getChildNodeRight(), nullptr); //右の子なし？
EXPECT_EQ(CHILD_NODE_RIGHT, BTC[2]->getPrv_left_right()); //自分自身は右の子？
・・・

8.
【テスト組合せ網羅の確認】
1
2
3
ホワイトボックスの観点で網羅できている
組合せ
条件１ 条件２ 条件３
あり（自分が左の子）
あり（自分が右の子）
あり（孫ノードなし）
あり（孫ノードあり） ↓該当のテスト名
delete対象ノードの
左の子ノードが
ないとき、右の子ノード
delete対象ノードの
左の子ノード
delete対象ノードの
親ノード
なし(root) なし なし
あり（孫ノードなし）
あり（孫ノードあり）
1
1
1
1 2
1
1
1
1
2
2
2
2
2
3
3
3
3
3 3
2
1
1
1
3
2
1
1
1
3
1
2
3
1
2
3
1
2
3
-
test2
test2
test1
test1
test3
test9
test4
test8
test3
test8
test5
test6
test4
test5

9.
【テスト実行結果（コンソールに表示）】
[==========] Running 9 tests from 1 test case.
[----------] Global test environment set-up.
[----------] 9 tests from BTCDeleteTest
[ RUN ] BTCDeleteTest.test1
[ OK ] BTCDeleteTest.test1 (0 ms)
[ RUN ] BTCDeleteTest.test2
[ OK ] BTCDeleteTest.test2 (0 ms)
[ RUN ] BTCDeleteTest.test3
[ OK ] BTCDeleteTest.test3 (0 ms)
[ RUN ] BTCDeleteTest.test4
[ OK ] BTCDeleteTest.test4 (0 ms)
[ RUN ] BTCDeleteTest.test5
[ OK ] BTCDeleteTest.test5 (0 ms)
・・・

10.
【テスト実行結果（コンソールに表示）】
[ RUN ] BTCDeleteTest.test6
[ OK ] BTCDeleteTest.test6 (0 ms)
[ RUN ] BTCDeleteTest.test7
[ OK ] BTCDeleteTest.test7 (0 ms)
[ RUN ] BTCDeleteTest.test8
[ OK ] BTCDeleteTest.test8 (0 ms)
[ RUN ] BTCDeleteTest.test9
[ OK ] BTCDeleteTest.test9 (0 ms)
[----------] 9 tests from BTCDeleteTest (0 ms total)
[----------] Global test environment tear-down
[==========] 9 tests from 1 test case ran. (1 ms total)
[ PASSED ] 9 tests.
※失敗した場合はソースファイル名と行数を表示します

11.
【所感】
何らかの変更を行った際の回帰テストとして使える。
一度作ってしまえば実行するだけなので楽。
結果NGのとき、バグがテスト対象にあるのか
テストコードにあるのか調査しなければならない。
→新規作成のモジュールの場合、テストコードも新規なので
どちらにバグがあるか？ 両方にあることも・・・
やっぱりユニットテスト用？
結合テスト以降に使うのは無理があるか・・・？

12.
【所感】
テスト資産を残す、という意識づけにおいても有効？
テスト資産を残さない、残っていても再利用できない
ではテストの効率化・開発品質の向上はできない。
テストが嫌い、苦手なプログラマに
常にテストを意識させることができる？
→テスト技術の向上

13.
ありがとうございました。