【No21】施業を軸とした森林再生ビジネスの可能性

732 views

Published on

  • Be the first to comment

  • Be the first to like this

【No21】施業を軸とした森林再生ビジネスの可能性

  1. 1. ソーシャルアジェンダ100:林業振興 施業を軸とした森林再生ビジネスの可能性 Social Agenda Lab. 研究員
  2. 2. <ul><li>この資料内で取り上げる事例・データ・資料等に関しては、一部、インターネット、書籍をはじめとする、各種文献による情報をもとにしたものが含まれています。 </li></ul><ul><li>資料の作成には、本リサーチ・プロジェクトに参加したボランティアメンバーが最善の努力を払って取り組んでおりますが、万が一、事実関係に対して齟齬や誤認がある場合、あるいは、本資料の内容が最新の事実でない場合などがありましたら、お手数をおかけいたしますが、下記事務局までご連絡をいただければ幸いです。 </li></ul><ul><li>この資料の内容の一部または全部を引用・転載される際には、「ソーシャル・アジェンダ・ラボ リサーチプロジェクト 100 報告書」と出典を明記いただきますよう、お願い申し上げます。なお、この資料の内容の一部または全部を引用・転載したことによって、万が一、損害や不利益等が発生した場合も、事務局では一切責任を負いかねますので、何卒ご了承願います。 </li></ul><ul><li>ソーシャル・アジェンダ・ラボ リサーチ・プロジェクト 100 事務局 </li></ul><ul><li> 特定非営利活動法人 ETIC. </li></ul><ul><li> 渋谷区神南 1-5-7   APPLE OHMI ビル 4 階 </li></ul><ul><li>  03-5784-2115 </li></ul>一般公開用資料 ご注意
  3. 3. 目次 <ul><li>森林・林業の現状 </li></ul><ul><li>森林・林業周辺の社会課題 </li></ul><ul><li>ケーススタディ </li></ul><ul><li>社会起業としての参入イメージ </li></ul><ul><li>付表 </li></ul>
  4. 4. 1. 森林・林業の現状 ①
  5. 5. 1. 森林・林業の現状 ② 出所: http://www.shinrin-ringyou.com/data/mokuzai_kyoukyu.php 国土の 2/3 を占める森林において、生産目的の人工林を中心に “ 森林蓄積”は増加中。 一方、林業従事者数は減少に歯止めが かからない状態が継続。 (平成21年度森林・林業白書より作成)
  6. 6. <ul><li>戦後植林樹の伐採適齢級対象本数はピークに </li></ul>1. 森林・林業の現状 ③ 林業従事者が高齢化し、減少する中、伐採適齢樹はピークを迎える。これからの10年間において、適切に対応しなければ森林荒廃は後戻りできない状況になる恐れがある。 出所: H21 森林白書 森林の荒廃 水源林の破壊
  7. 7. 1. 森林・林業の現状 ④ 製材業者 製材業者 製材業者 ハウス メーカー 工務店 その他 加工業 ■ 川上 の課題 ・伐出可能な木の増加 ・市場のニーズを把握しきれない ・山主と施業者の分離 ・施業者の不足 出所: http://www.dbj.jp/reportshift/topics/pdf/no127.pdf  より加工 ■ 川中 の課題 ・取引先仕様に合わせ生産した  結果、在庫増大 ■ 川下 の課題 ・市場縮小 ・差別化のため独自仕様を策定   自社企画の製材品を利用 多様なステークホルダーがさまざまな課題を内包する。 卸 卸 卸 森林所有者 森林所有者
  8. 8. 参考)森林の多面的機能 <ul><li>日本の森林の貨幣価値は年間 70 兆円 </li></ul><ul><ul><li>1ha(100×100m) あたり 280 万円 </li></ul></ul><ul><li>経済機能と公益的機能 </li></ul><ul><ul><li>公益的機能は評価不可能な部分も ->実際の環境資源としての評価額は試算額を上回る </li></ul></ul>出所: http://www.shinrin-ringyou.com/forest_japan/shinrin_hyouka.php  より加工 機能 評価額 経済資源として 0.67 兆円 / 年  ・木材  ・きのこ類(特用林産物)    等、資材・食料・燃料 環境資源として 70 兆円 / 年  主な内訳 表面浸食防止 水質浄化 水資源貯留 表層崩壊防止 洪水緩和 28.3 兆円 14.6 兆円 8.7 兆円 8.4 兆円 6.5 兆円 等
  9. 9. 2. 森林・林業周辺の社会課題 <ul><li>「(間伐)手遅れ林」の発生 </li></ul><ul><ul><li>経済林としての品質低下 </li></ul></ul><ul><ul><li>森林機能そのものの低下 </li></ul></ul><ul><li>人材不足 </li></ul><ul><ul><li>「 緑の雇用」をはじめとした雇用促進政策 </li></ul></ul><ul><ul><li> と現場のミスマッチ </li></ul></ul><ul><ul><li>長期的経営観点に立った施業の難しさ </li></ul></ul><ul><ul><ul><li>ステークホルダーの多さ </li></ul></ul></ul><ul><ul><ul><li>生産性の低さ </li></ul></ul></ul>仮説 林業課題の全体を俯瞰しつつ、 一部 の課題解決をひとつの突破口として位置づける。
  10. 10. 3. ケーススタディ (株)トビムシ 西粟倉 100 年の森基金 出資3割 経営不参加 出資3割 経営実働 施業の実働
  11. 11. 4. 社会起業としての林業への参入イメージ <ul><li>森林への関心を高め、森林活動へ巻き込むことが必要 </li></ul><ul><li>適切な施業提案 </li></ul><ul><li>施業利益の確保 </li></ul>森林所有者 <ul><li>資金調達 </li></ul><ul><li>経営の効率化 </li></ul><ul><li>経営資源管理 </li></ul><ul><li>労働力確保 </li></ul>森林施業者 <ul><li>教育施設などの公共建築 </li></ul><ul><li>住宅 </li></ul><ul><li>家具、雑貨 </li></ul><ul><li>その他(燃料など) </li></ul>市場 <ul><li>山で働きたい </li></ul>個人 <ul><li>社会貢献 </li></ul>投資家
  12. 12. 参入イメージ例 ①市場の需要喚起 市場(例) 既存の製材所、組合、 林業家等 製品を「製造」、「生産」 する技術を保有 デザイン力、 ニーズ把握力、 営業力等の欠如 幼稚園等 教育設備 幼児玩具 土産 生活雑貨 インテリア 住宅 ① 上り ② 下り ① 上り事業:市場ニーズの伝達サポート どこにどんなニーズがあるのかを伝達 デザイナーや商品取扱店を紹介 ② 下り事業:営業サポート 市場ニーズにあった商品の売り込みをサポート
  13. 13. 参入イメージ例 ②林業の担い手サポート 就労希望者 森林施業者 (森林組合など) 絶対的な労働力不足 間伐作業 搬出作業 草刈作業 林道整備 商品企画 ・どこで募集しているのか ・どうやったらなれるのか ・不安  体力的な・・・  生活面で・・・  人間関係・・・ 自社の従業員として雇用し、森林施業者の作業を請け負う。 期間を経て請負現場の正社員へ。
  14. 14. 参入イメージ例 ③森林所有、経営参画 市場・投資家 森林所有者、森林施業者 ・経営資源管理 ・資金調達 ・経営の効率化 ・土地の集約化 等 サポート 資金 事業参加し、内側からサポート。 カンフル剤としての短期参画( 10 年程度)に付加価値を置く。 雇用 販路 ノウハウ、 ネットワーク 土地主
  15. 15. 付表
  16. 16. 付表① 日本の木材供給量と自給率 <ul><li>戦後の復興に伴う木材需要の高まり拡大造林政策の実施 </li></ul><ul><ul><li>広葉樹の天然林->針葉樹の人工林 </li></ul></ul><ul><ul><li>針葉樹:成長早く経済効果高い </li></ul></ul><ul><ul><li>燃料革命と造林ブーム </li></ul></ul><ul><li>木材輸入自由化(昭和 39 年) </li></ul><ul><ul><li>国産材の高騰の中、外材の安定供給のメリットが評価 </li></ul></ul><ul><ul><li>変動相場制実施により、国産材価格が下落(昭和 55 年がピーク) </li></ul></ul><ul><li>森林面積は国土の 2/3 。しかし </li></ul><ul><ul><li>現在の自給率は3割弱 </li></ul></ul><ul><ul><ul><li>拡大造林政策の成果である、成長した森林が活用されていない現状 </li></ul></ul></ul>出所: http://www.shinrin-ringyou.com/data/mokuzai_kyoukyu.php
  17. 17. 付表② 森林の所有者 <ul><li>国有林:民有林=3:7 </li></ul><ul><ul><li>公有林:地方自治体所有の森林 </li></ul></ul><ul><ul><li>社有林: 住宅メーカー等の素材生産の場をはじめ、環境貢献活動に活用 </li></ul></ul>出所: http://www.shinrin-ringyou.com/forest_japan/kokuyu_minyu.php  より加工 社有林の例: ニッセイの森(全国 169 箇所 381ha ) 東京ガスの森(長野県 194ha ) トヨタの森(愛知県) 東京電力(尾瀬 6,199ha ) 速水林業の森(三重県 1,070ha ) 住友林業(四国・九州・北海道・和歌山 約 40,000ha ) 住友林業 まなびの森(富士山南麓 90ha ) 王子製紙 王子の森(日本各地 20 万 ha ) 東海パルプ社有林・井川社有林(約 24.430ha )
  18. 18. 付表③ 林業の担い手 出所: http://www.shinrin-ringyou.com/ringyou/koureika.php  より加工
  19. 19. 付表④ 私有林 <ul><li>拡大造林、残された負担 (2006/04/04, 読売新聞) </li></ul>東京都八王子市に住む主婦、荻原和江さん(62)は、檜原村にスギ2万3300本を所有している。それが今、悩みのタネだ。 1959年(昭和34年)に父、谷七さんが植えた。30年契約で山主と結んだ植林用地貸借契約はその後延長されたが、国産材価格の暴落で、木を伐採して売ることができないからだ。 12歳の時から奉公に出て職人になり、八王子でネクタイに柄をつける捺染(なっせん)業を営んでいた父は、「いきづまった時に」と一人娘の和江さんのためにスギ林を残した。植林や手入れに払った費用は計300万円になる。「父の遺志を無駄にしたくないのですが」と和江さんは、ため息をつく。 荻原谷七さんのように山主から土地を借りて木を植え、伐採期に収入を分け合う分収林契約を結ぶ人が増えたこのころ、関東地方の山村を回った林業試験場の職員、紙野伸二さん(83)(元東京農大教授)は、植林への関心の高さに驚いた。 「スギを植えれば、銀行預金よりもうかるというのは本当か」「何年たてば収入になるのか」。公民館に詰めかけた地下足袋の男たちや割烹(かっぽう)着の主婦らから、質問攻めにあったという。 戦後、建材や紙の材料として、木材は飛ぶように売れた。1955年(昭和30年)から10年間で、木材価格はほぼ2倍になった。 植林ブームを後押ししたのが、1954年(昭和29年)に本格化した「拡大造林政策」だ。この年から、人工林伐採跡への再造林の場合は補助金の額が引き下げられたが、天然林の伐採跡にスギ、ヒノキなどの針葉樹を植えて人工林を広げる拡大造林の場合には、国と県から費用の半額という従来通りの補助が受けられた。 木材価格の急騰は物価上昇の引き金にもなった。ハゲ山が増えて山の荒廃も懸念され、木材供給の増大と植林を求める世論の圧力は高まっていた。 1955年(昭和30年)、河野一郎農林相は、国が責任を持って民有林を人工林に変えていくという「国営造林」構想を打ち出した。紆余(うよ)曲折を経て、都道府県が公社を設立し、山主と分収林契約を結んで造林を進め、奥地などは森林開発公団(現在の緑資源機構)が造林を行う体制ができた。  林野庁の統計によると、1960(昭和35)~2003(平成15)年度に行われた拡大造林は、累計で約625万ヘクタール。現在の人工林1000万ヘクタールのかなりの部分が生み出された。  高知県檮原(ゆすはら)町の川上寿一郎さん(57)は、山師として、滋賀県北西部で長い出稼ぎ生活を送った。最初はナラ、ブナなどの天然林を伐採・搬出したが、1976年(昭和51年)からの20年間は、もっぱらスギを植え続けた。滋賀県の林業公社の孫受け仕事。20年したら間伐材を切り出す見通しだったが、価格低迷で金にならないため、「切った間伐材は山の肥になった(ころがしておいた)」という。  国産材価格の低迷で、事業見通しが狂ったのは、滋賀県の林業公社だけではない。38都道府県にある計42の林業公社が抱える農林漁業金融公庫、都道府県などからの長期借入残高は、なんと1兆円(未払い利子分を除く)を超える。  1996年(平成8年)、林野庁は、広葉樹林と針葉樹林が混ざる複層林を増やすとする森林資源基本計画を打ち出した。拡大造林政策にようやく終止符が打たれたが、膨大なスギ林と借金が残った 。

×