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丹波の養蚕

Jan. 19, 2016
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丹波の養蚕

  1. たんば の ようさん 丹波の養蚕 丹波市春日町でかいこを育てています。 かいこがたまごからまゆになるまでを 見てみてください!
  2. 1.掃立 かいこのたまごを孵化させることを、掃立と言います。 白い小さなつぶつぶが、たまごのカラです。 糊付の台紙にパラフィン紙で パックされてきます。 開いた台紙の上に 刻んだ桑を与えます。 かいこが桑の葉に移ったら、羽ほうきで やさしく払って枠の大きさまで広げます。 か い こ の た ま ご が 孵 化 す る こ と を 掃 立 ( は き た て ) と 言 い ま す 。 か え っ た か い こ は 黒 く 毛 が 生 え て い て 、 ア リ の よ う な の で 、 蟻 蚕 ( ぎ さ ん ) と 言 い ま す 。 ふか はきたて はきたて
  3. 2.1令のかいこのようす いちれい
  4. 3.1眠 いちみん かいこは、まゆになるまでに4回脱皮をします。準備のために、桑を 食べるのをやめて、じっとしています。これを眠と言います。 色がほんの少し変わって、ぱつんとしていますね。 だっぴ
  5. 4.脱皮~2令起蚕 だっぴ にれい きさん 脱皮をおえたかいこは、皮ふがしわしわ。色もグレー。 だっぴ こ の か い こ は 、 ま だ ね て い ま す 。 このかいこは、 脱皮した後です。 かいこが脱皮すると、しばらくのあいだ じっとしています。 皮ふがかわくと、やがてまた桑を食べ はじめます。 ねて、おきたように見えるところから、 起蚕(きさん)とよばれます。
  6. かいこが眠にはいると、石灰をふ りかけます。これは、消毒のため。 そして、早くおきたかいこが、さ きに桑をたべてしまわないように するため。 みんなそろって、大きくなってね。 5.2令桑付け かいこが脱皮したら、そろうのを待って、桑を与えます。 にれい くわづけ かいこの上にあみをかけます。 そして、あみの上から桑を与えます。 脱皮しておなかがすいたかいこは、 あみの目をくぐって、桑の葉まで たどりつくのです。 だっぴ みん せっかい
  7. 6.2令除沙 にれい じょさ あみの上にあがったかいこを、あみと桑の葉ごと移動します。 そして食べ残しの桑を片付けます。 このおそうじを除沙(じょさ)と言います。 まだ脱皮をしていないかいこは、あみの 下にのこってしまいます。 成長の遅い子は、おくれこ、とか言われ 別にして育てられます。 だいぶ大きくなって、白くなった かいこたち。 まだまだ小さいので、きざんだ桑 の葉を食べています。 黒い点々は、かいこのふんです。 かいこのふんは、漢方薬にもなります。
  8. 7.2眠 2令は短く、すぐにまた次の眠に入ります。 すでにおやすみ中で、まっ白に石灰をかぶっていますね。 にみん
  9. 8.3令起蚕 3令になりました。みどりのあみをくぐって、桑を食べてい ます。この頃のあたたかさによって、飼育場に移動すること もあります。かいこが小さいときは、あたたかいおへやです。 さんれい きさん
  10. 9.3令と桑とり さんれい そろそろ、かいこたちの桑をたべるスピードが上がります。 春の桑は、こうして株のもとから切っておくと、また秋に 使えるまでのびてくるのです。
  11. 10.3眠 3回めの眠にはいりました。左の写真は、石灰がかかったところ。 右下の写真は、右側半分くらいの脱皮が進んだところです。 さんみん ←この写真で、2万3千頭のかいこです。 さらに大きく、育っていきます。 かいこは家畜なので、一匹二匹ではなく 一頭二頭と数えます。 全部がグレー色に見えるように なると、次の桑付けになります。
  12. 11.4令起蚕 4令からは、いよいよ飼育台に移動です。大きくなるにつれて、 場所もひろげてあげます。 よれい きさん さまざまな侵入者からかいこを守る ため、ネットを張った飼育台です。 ハチやヤモリ、へびもかいこを狙って やってきます。 4令からは桑を枝ごと与えます。 食べ残しの桑がすぐに腐らない ように、すきまができます。 この写真は、3令のあまった桑 なので、まだ葉っぱのみですね。
  13. 12.4令 4令のかいこたち。白くて、ちょっぴりひんやりとして、すべすべ。 かいこの手ざわりは、絹の手ざわりです。 よれい
  14. 朝、おなかをすかせたかいこたち。 ほとんど食べつくしています。 かいこが大きくなってきたので、 場所を広げてあげます。 枝を持って、移動させます。 葉っぱのない桑の枝は、かいこのなる木の ようですね。しっかりしがみついています。
  15. 13.4眠 おやすみのポーズのかいこ。こんなふうにあたまを持ち上げて、 じっとしています。脱皮するときのために、うしろの方の足は 糸を少しだけ吐いて、固定します。 よんみん
  16. 14.4眠の脱皮 まだねているかいこと、脱皮がおわったかいこ。どちらか わかりますか? よんみん おなかが すいたよ! ねむねむ …zzz ちなみに、脱皮したあとはこんな。 ぬぎたてホヤホヤです!
  17. 15.5令起蚕 いよいよ5令です!4眠は、かいこの一生中でも一番長く休む眠 になります。起蚕をそろえるための待ち時間も含めて、だいたい まる2日間かかります。 網をくぐって、新しい桑を食べるかいこたち。 ごれい きさん
  18. 16.5令 毎日大きくなるかいこたちです。桑を食べる量も倍々。 5令3日目の朝、一度にこのくらいの桑を与えます。 ごれい 手のひらの上のかいこの大きさ、 わかりますか? 枝もいれて30キロくらいの桑。 飼育台の上に、ローラーのついた 桑をのせる台があります。 ガラガラと動くので便利です。
  19. 17.遅れ子 かいこは生き物なので、成長に個体差があります。 小さい子たちは、遅れ子またはおそこと呼びます。 おくれこ 一番左側がレギュラーメンバー。同じ時に生まれても、こんなに差がつくことも あります。何度か眠をへて、成長の遅いかいこは別にして育てます。 繭を出荷するには、成長をそろえて飼うことがとても大切なのです。 こたいさ
  20. 18.体重測定 5令も後半にさしかかると、成長具合を重さではかります。 6日目、10頭で45gほど。うっすらとすけて見える緑 は桑の葉の色です。 たいじゅうそくてい
  21. 19.熟蚕 かいこは、大きくなって糸をはく準備ができると、少し様子が変わり ます。からだが半透明になり、ひとまわり縮んで見えます。 八の字に頭を振って、糸をはくのです。 じゅくさん 手のひらの上 に糸をはいて いますね!
  22. 20.上蔟 熟蚕がちらほら出てきたら、全部のかいこをひろって、繭を作るかい このマンションにお引っ越しします。 かいこ専用のマンションは、蔟(まぶし)と言って、昔はワラで編んで 作りました。今はボール紙でできたマス目のようになっています。 じょうぞく 網をかけて、上がってきたかいこたち。 これから、網の中の枝にくっついている かいこを振り落とします。 こんな機械を使います。 スイッチを入れると台が上下にガタガタ 動いて、この上に桑の枝をのせると、 かいこが下のビニールシートの上に 落ちてくるのです。 脳しんとうを起こさないように柔らかい 毛布をシートの下にしいています。 まゆ
  23. 蔟は10枚を1セットにして枠に はめてあります。 1枚156のマスがあります。 1本の枠で、最大1560個の繭が できる計算です。 実際は、7割くらいの入居率に なるように、調整します。 一つの枠にたくさんかいこを わりあてると、2頭で一つの繭 を作ってしまうからです。 これを玉繭(たままゆ)と言います。 玉繭からは糸が引けませんから、 できたら困るのですね。 かいこだけを箕(み)に入れて、横にした蔟の 足元に置いてやると、どんどん上に登って いきます。 さすがに、これだけいると、壮観ですね!
  24. 繭ができていっています。まわりの足場に糸をはいて、自分はだんだん中に入って いきます。外側の糸は太く、だんだんと細くなっていくのです。
  25. かいこが繭を作りはじめると、蔟を天井から吊り下げます。熟蚕になると上にの ぼる習性があるのです。吊り下げた蔟は、上の方が重くなるとかいこの重みで回 転します。すると、空いている下の部分が上になって、均等にかいこが入るので す。 まゆ まぶし じゅくさん
  26. 21.収繭 しゅうけん かいこが糸をはきはじめると、約2日間で繭ができあがります。 繭の中で、幼虫は脱皮して蛹(さなぎ)になります。 上蔟から1週間ほどで、繭を収穫します。 繭になりそこ ねたかいこ。 こういう不良 繭は手で取り 除きます。 まゆ
  27. 蔟から繭をひとつづつ押し出して 毛羽を取ってくれる機械です。 まゆエースという名前がついて います。手前のかごの中にきれい になった繭が落ちてきます。 スグレモノなのですが、現在もう 生産されていません。 収穫したての繭はほのかに温かく、 キラキラしています。 通常の養蚕農家さんは、この状態で 製糸工場へと繭を出荷します。 繭は熱風で蛹を殺して保存されます。 私は、冷蔵や冷凍で保存して、手作業 で繭から糸をひいていきます。
  28. かいこから繭まで、いかがでしたか? 染織工房こおり舎では、春・夏・晩秋 の3回、かいこを飼っています。 見学ご希望の方は、ご連絡ください。 丹波市春日町棚原1220本上田邸 染織工房こおり舎 原田 雅代(はらだ まさよ) 電話:090-3213-2288
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