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都市域の哺乳類の生息状況把握に向けた自治体の収集したロードキル記録の特徴

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2019年5月
日本造園学会全国大会
緑地管理と生き物の実態

Published in: Environment
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都市域の哺乳類の生息状況把握に向けた自治体の収集したロードキル記録の特徴

  1. 1. 2019-05-26 1 セッション:緑地管理と生き物の実態 都市域の哺乳類の生息状況把握 に向けた自治体の収集した ロードキル記録の特徴 筑波大学 自然地域計画研究室 神宮 翔真
  2. 2. 2019-05-26 2 1.はじめに -自治体が収集するRK記録の活用 都市域を含んだ市区町村単位での野生哺乳類の生息状況把握の重要性 • 生物多様性地域戦略の策定のための基礎データ • (鳥)獣被害防止のための現状把握 • 外来生物対策における早期の発見 ⇒ 自治体が収集する哺乳類のロードキル (RK,道路上での轢死体 )記録の活用が提案  全国の自治体でRK記録は収集・蓄積  全国的な密度指標の推定の試み 現状では全国レベルでの活用 市区町村単位での活用には? :345/650 :158/650 :147/650 自治体におけるRK記録の収集状況 立脇ら(2016)
  3. 3. 2019-05-26 3 都市域を含んだ市区町村単位での野生哺乳類の生息状況把握の重要性 • 生物多様性地域戦略の策定のための基礎データ • (鳥)獣被害防止のための現状把握 • 外来生物対策における早期の発見 ⇒ 自治体が収集する哺乳類のロードキル (RK,道路上での轢死体 )記録の活用が提案  全国の自治体でRK記録は収集・蓄積  全国的な密度指標の推定の試み 現状では全国レベルでの活用 市区町村単位での活用には? 1.はじめに -自治体が収集するRK記録の活用 RK記録にもとづく哺乳類の密度指標 Tatewaki et al. (2018)
  4. 4. 2019-05-26 4 1.はじめに -自治体が収集するRK記録の課題 • 全国的に道路清掃・廃棄物対策を管轄する部署の収集 ほとんどは自然環境保全に関わる部署・機関へ共有されることなく廃棄 ⇒ 保全への活用を前提としたデータではない • 基本的に道路利用者である市民による通報に依存 定期的・一定範囲の巡回による記録ではない ⇔ 高速道路上のRK記録 ⇒市民の目に付きやすい場所に記録が偏る可能性(バイアス) 研究の目的:自治体が収集するRK記録とはどのような特徴を持つか どのように活用できるのか,バイアスがあるかを検証する 事例: 茨城県つくば市 における RK記録 方法:  RK記録地点の道路種別と周辺土地利用 との関係を分析  分析の結果を先行研究の知見と比較
  5. 5. 2019-05-26 5 2.研究事例地の概要 ・ • 中・大型野生哺乳類の分布:10(11)種  ニホンアナグマ,アライグマ,ニホンイタチ ニホンイノシシ,ホンドギツネ,ホンドタヌキ,ニホンリス ニホンノウサギ,ハクビシン,ムササビ,ホンドテン? 茨城県つくば市 • 東京の北東50km,人口23万人,面積284km2 • 北部に水郷筑波国定公園,他は標高20~30m • 多様な土地利用がモザイク状に分布  森林地域:43km2(筑波山地域に22km2) :80km2 :54km2  DID(人口集中地区): 17km2 • 2つの高速道路,6つの一般国道…  主要な地域を結ぶ一般国道,県道, 一部の市道(692km)  地域ネットワークを形成する市道(5,279 km)
  6. 6. 2019-05-26 6 2.研究事例地の概要 ・ • 中・大型野生哺乳類の分布:10(11)種  ニホンアナグマ,アライグマ,ニホンイタチ ニホンイノシシ,ホンドギツネ,ホンドタヌキ,ニホンリス ニホンノウサギ,ハクビシン,ムササビ,ホンドテン? 茨城県つくば市 • 東京の北東50km,人口23万人,面積284km2 • 北部に水郷筑波国定公園,他は標高20~30m • 多様な土地利用がモザイク状に分布  森林地域:43km2(筑波山地域に22km2) :80km2 :54km2  DID(人口集中地区): 17km2 • 2つの高速道路,6つの一般国道…  主要な地域を結ぶ一般国道,県道, 一部の市道(692km)  地域ネットワークを形成する市道(5,279 km) 国土数値情報ダウンロードサービス
  7. 7. 2019-05-26 7 2.研究事例地の概要 ・ • 中・大型野生哺乳類の分布:10(11)種  ニホンアナグマ,アライグマ,ニホンイタチ ニホンイノシシ,ホンドギツネ,ホンドタヌキ,ニホンリス ニホンノウサギ,ハクビシン,ムササビ,ホンドテン? 茨城県つくば市 • 東京の北東50km,人口23万人,面積284km2 • 北部に水郷筑波国定公園,他は標高20~30m • 多様な土地利用がモザイク状に分布  森林地域:43km2(筑波山地域に22km2) :80km2 :54km2  DID(人口集中地区): 17km2 • 2つの高速道路,6つの一般国道…  主要な地域を結ぶ一般国道,県道, 一部の市道(692km)  地域ネットワークを形成する市道(5,279 km) OpenStreetMap
  8. 8. 2019-05-26 8 2.研究事例地の概要 • 中・大型野生哺乳類の分布:10(11)種  ニホンアナグマ,アライグマ,ニホンイタチ ニホンイノシシ,ホンドギツネ,ホンドタヌキ,ニホンリス ニホンノウサギ,ハクビシン,ムササビ,ホンドテン? 茨城県つくば市 • 東京の北東50km,人口23万人,面積284km2 • 北部に水郷筑波国定公園,他は標高20~30m • 多様な土地利用がモザイク状に分布  森林地域:43km2(筑波山地域に22km2) :80km2 :54km2  DID(人口集中地区): 17km2 • 2つの高速道路,6つの一般国道…  主要な地域を結ぶ一般国道,県道, 一部の市道(692km)  地域ネットワークを形成する市道(5,279 km)
  9. 9. 2019-05-26 9 3.研究方法 -(1)RK記録地点情報の取得 RKの発生 発見 通報 位置特定 出動 回収 記録 処理 報告 RK発生~記録までの流れ 前提: 市民による通報 があった場合 RKが記録される条件 道路: 高速道路・私道 を除く全て 対応時間: 元日を除く 08:30~17:00 記録内容: 出現地点,日時 動物種名,写真
  10. 10. 2019-05-26 10 3.研究方法 -(1)RK記録地点情報の取得 研究に用いたRK記録の取得 情報源: ①市民からの通報時の記録 ゼンリン住宅地図へのメモ 一ヶ月で廃棄 補足情報: 市担当者への聞き 取り調査を毎月1回 取得期間: 2017年4月1日 ~2018年7月31日 記録の精査: • RKではない記録の除外 …通報時の記録におけるメモ 発生状況に関する聞き取り 地図上での地点から • 誤同定の修正 …報告書の写真記録から報告者が 最終判断 ②業者の報告書 市への報告用 動物種名,写真 数年で廃棄
  11. 11. 2019-05-26 11 3.研究方法 -(2)RK記録地点の分析 ①RK記録地点の道路種別 …RK発生の物理的要因=道路の交通量,速度* ②RK記録地点の周辺土地利用 …RK発生の環境要因=道路周辺の土地利用* × × *園田ら(2011)
  12. 12. 2019-05-26 12 3.研究方法 -(2)RK記録地点の分析 ①RK記録地点の道路種別 …割合を算出  A(太線):主要な地域を結ぶ 2車線以上,交通量大,制限速度大  B(細線):地域ネットワークを形成 2車線未満,交通量小,制限速度小 ②RK記録地点の周辺土地利用 …最短距離を算出  森林地域:森林に相当する地域 :農地に相当する地域 :すでに市街地を形成 している区域  DID:人口密度の高い地域 重ね合わせ処理によって道路種別を判断 QGIS(version 2.18.6) 点とポリゴンにおける最短距離の 計算機能を用いて算出 QGIS(version 2.18.6)
  13. 13. 2019-05-26 13 4&5.結果と考察 -収集された記録の内訳 先行研究をふまえると… • 少:山地や連続性の高い森林にのみ生息する種 • 多:都市の孤立した森林にも生息する種 ✕: 哺乳類の RK記録地点森林の孤立度による哺乳類の種組成 園田ら(2008) より報告者作成 記録の内訳 *先行研究で 言及せず
  14. 14. 2019-05-26 14 種によって周辺土地利用への距離に特徴あり 4&5.結果と考察 - 周辺土地利用:種 より森林の近く より都市の近く 各クラスターにおける周辺土地利用までの距離 *クラスター間で有意差あり(p<0.01) RK 記録地点から各土地利用への最短距離による種のクラスタリング 平均値 中央値 標準偏差 平均値 中央値 標準偏差 DID* 2,732.7 2,784.9 1,713.0 2,216.2 1,983.0 1,786.0 市街化区域* 669.9 349.1 767.8 435.8 190.5 581.7 森林地域* 190.9 147.5 199.7 289.7 234.3 242.9 農業地域 240.5 177.8 256.2 257.2 182.5 257.0 土地利用 クラスター1(N=277) クラスター2(N=714) 国土数値情報ダウンロードサービス
  15. 15. 2019-05-26 15 種によって周辺土地利用への距離に特徴あり 4&5.結果と考察 - 周辺土地利用:種 より森林の近く より都市の近く 各クラスターにおける周辺土地利用までの距離 *クラスター間で有意差あり(p<0.01) RK 記録地点から各土地利用への最短距離による種のクラスタリング 平均値 中央値 標準偏差 平均値 中央値 標準偏差 DID* 2,732.7 2,784.9 1,713.0 2,216.2 1,983.0 1,786.0 市街化区域* 669.9 349.1 767.8 435.8 190.5 581.7 森林地域* 190.9 147.5 199.7 289.7 234.3 242.9 農業地域 240.5 177.8 256.2 257.2 182.5 257.0 土地利用 クラスター1(N=277) クラスター2(N=714) 国土数値情報ダウンロードサービス
  16. 16. 2019-05-26 16 市民の目の多いところよりも自然度の高い土地利用により影響を受ける • 市民からの報告があがりやすそうな,DIDへの近さが影響していない • 森林地域・ の自然度の高い土地利用への近さに影響している 4&5.結果と考察 - 周辺土地利用:全種 RK 記録地点から各土地利用への最短距離の分布(全種,0~1,000m) *カーネルによる密度推定を使用 密度 距離(m)
  17. 17. 2019-05-26 17 RK記録の地点がその道路の交通量や速度による 分類に影響されている(=先行研究に一致) • 8割以上のRKがAの道路で記録 • 総延長の差と市民からの報告のされやすさを考慮 すればBの道路に記録が多くなりそうだが…? 4&5.結果と考察 - 道路種別  B:網羅的なネットワーク 2車線未満,交通量小,制限速度小 RK 記録地点の道路種別分布の距離  A:主要な地域を結ぶ 2車線以上,交通量大,制限速度大 OpenStreetMap
  18. 18. 2019-05-26 18 +α まとめ つくば市が収集したRK記録の多くは… • 都市やその周辺の孤立した森林がある • 交通量,制限速度の高い主要な道路 という条件を満たすような環境  市民による通報がベースというバイアスはあまり問題でない
  19. 19. 2019-05-26 19 +α 今後の課題と提案 生態学的な分析,RKホットスポットの発見,目撃情報の補完… ノウサギ,タヌキ,ハクビシンの出現には明らかな差異⇒原因は? 保護地域,森林の管理,果樹… 筑波大北東のホットスポットの一例⇒今後の対策? オオミズナギドリの記録⇒台風で迷鳥? 密度 大 小

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