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牛久自然観察の森を事例とした農用林から公園緑地化した林野における管理の課題

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日本造園学会大会発表
2018年5月27日

Published in: Environment
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牛久自然観察の森を事例とした農用林から公園緑地化した林野における管理の課題

  1. 1. 神宮 翔真 牛久自然観察の森を事例とした農用林から 公園緑地化した林野における管理の課題 0 筑波大学大学院 生命環境科学研究科 ○ 武 正憲 筑波大学芸術系 佐方 啓介・伊藤 太一 筑波大学生命環境系 ② 里山の土地と資源の利用
  2. 2. 背景 1 2018-05-27 本研究における「里山」=農村における林野 とする 林野=農用林 集落住民による 林産物利用の場 1960年代までの林野 現在の林野 林野=管理放棄 市民の利用 行政主体の管理 林野=公園緑地 利用・管理なし アンダーユースの問題 問題の解決のために…
  3. 3. 参考)1950年代の農用林写真(林野庁) (ニューラルネットワークによる自動色付け) 研究の目的 2 目的:公園緑地の管理において,その場所が農用林だった頃 から何を引き継ぎ,何を引き継げなかったか? 引き継いだものを維持していくための課題は何か? を明らかとする そのために,農用林から公園緑地化した林野に着目し それぞれで実施された植生管理を比較する 2018-05-27 公園緑地での植生管理の一例
  4. 4. 3 研究事例地の概要 2018-05-27 茨城県牛久市の結束(けっそく)集落の農用林,その 農用林跡地を活用した牛久自然観察の森に着目 1948年撮影の空中写真 結束集落(白線の内部) 2013年撮影の空中写真 結束集落(牛久自然観察の森を含む) ※国土地理院撮影の空中写真をもとに作成 2013年前後=公園緑地時代1950年前後=農用林時代
  5. 5. 4 分析対象の林野とその植生の分布 2018-05-27 農 用 林 時 代 公 園 緑 地 時 代 空中写真など 自然観察の森の 林野地区の定義 植生が形成する景観 境界が判別 できる植生の まとまり ↑ 94ヶ所 ↓ ほぼなし 植生の 粗密度 ↑モザイク状に分布 ↓樹林のみに画一化 ※国土地理院撮影の空中写真をもとに作成
  6. 6. 5 農用林時代における植生管理 2018-05-27 地上画像は1950年代の農用林写真(林野庁)をニューラルネットワークによる自動色付けをしたもの モザイク構造:伐採・植林を伴う4つのステージによる 柴地 植林後
  7. 7. 実施される管理:定期的な伐採・植林と日常的な林床の手入れを林野全体で 6 農用林時代における植生管理 2018-05-27 ←集落住民への聞き取り から,当時の作業内容 を把握 1950年代の農用林写真 (自動色付け済み) より当時の様子を表すで あろうものを選択 聞き取り結果から推定 される伐採・植林の様子 聞き取り結果から推定 される林床の手入れの様子 樹種:スギ・マツ・クヌギを主とした3種類 樹木の粗密度:草地~樹林(密)の4種類 林床植生:常に林床の手入れが入り林野のどこもほぼ存在しない,1種類 ⇒ 植生のまとまりは12パターンのみだが,94ヶ所(平均面積0.3ha) に分けられて配置さることによる「多様性」
  8. 8. 7 2018-05-27公園緑地時代における植生管理 実施される管理:ゾーニングにもとづき,ゾーン毎(19区域)に異なる 目標植生を維持するための管理 樹種・樹木の粗密度・林床植生:ゾーン毎に異なる ⇒ 植生のまとまりにパターンはないが,19ヶ所(平均面積1.1ha)の ゾーン毎に異なる植生が配置されることによる「多様性」 ただし,管理の方針により,19ヶ所のゾーンはA~Dの4つ区分された 区分 1 シイの森 2 ウグイスの林 3 アカネズミの森 4 フクロウの森 1 畑 2 ノウサギの丘 3 ネイチャーセンター 4 コブナの流れ 5 カッパ沼 区分内の区域 A B 1 導入 2 タケノコの林 3 梅林 1 ヒグラシの林 2 コムラサキの森 3 タマムシの森 4 オトシブミの林 5 タヌキの林 6 コジュケイの林 7 バッタの原 C D ゾーンの名称 ゾーンの配置
  9. 9. 8 2018-05-27 B:林野以外の植生 C:特定の林野植生 A:手付かずの生態系 公園緑地時代における植生管理 D:「里山」の植生 • 整備された観察路 沿いを除いて利用 を想定しない • 人の手を入れない 生態系保全 • 林野以外の植生 • 来園者の自然体験 の場とする • 休憩施設を含む • 公園的空間 • 特定の林野植生 • 来園者の自然体験 の場とする • 特定の林野植生 • 来園者の自然体験 の場とする • かつての「里山」 を目指した管理を 実施すると明記 管理方針による4つ区分
  10. 10. 9 2018-05-27 450 管理実施回数(N=182) ゾーン毎の管理作業実施の密度分布 草刈り (93) 51%落葉枝除去作業 (41) 23% 低木剪定 (30) 16% 倒木処理(12) 7% 間伐(6) 3% N=182 全体の管理作業実施の内訳 公園緑地時代における植生管理 • かつての「里山」の植生を維持するには管理を集中させる必要 • 林床の手入れはできているが,伐採はほとんど実施できていない
  11. 11. まとめ 10 2018-05-27 2つの時代の林野では「多様」の意味が異なっていた ・農用林 3種類の樹種,4種類の樹木の粗密度によって,最大12パターンの植生 植生のまとまりが94ヶ所にモザイク状に配置され,「多様」 ・公園緑地 ゾーン(19区域)毎に異なる樹種,樹木の粗密度,林床植生… それぞれ異なる植生のまとまりが19区域に配置され,「多様」 農用林から公園緑地では… 林野の利用目的が変化 ⇒ 管理手法が変化 ⇒ 形成される景観が変化 しかし公園緑地でも,一部はかつての農用林の景観を再現することを目的とする 公園緑地では,「里山」に多様な役割を求める
  12. 12. まとめ 11 2018-05-27 公園緑地の「里山」として,農用林からは… 景観の再現がなされたが,維持するためには 公園緑地全体の管理作業の多くを割り当てる必要 それでも,伐採・植林の実施が課題となる 従って… 日々の林床の手入れ + 定期的な樹木の伐採 を可能とするような選択と集中が求められる
  13. 13. 12 ありがとうございました

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