Successfully reported this slideshow.
We use your LinkedIn profile and activity data to personalize ads and to show you more relevant ads. You can change your ad preferences anytime.

Shonai ishi10a2

605 views

Published on

  • Be the first to comment

  • Be the first to like this

Shonai ishi10a2

  1. 1. 2009.11.29第 28 回庄内医師集談会頭痛の外来診療    特に薬物乱用頭痛について 黒木  亮 くろき脳神経クリニック 酒田市富士見町3丁目 1
  2. 2. まとめ• 「薬物乱用頭痛」 16 例(含む疑診)のうち、 14 例が 元々は片頭痛患者であった。• 治療は簡単ではないが、鎮痛剤の減量と予防薬の投与 により、確診 10 例中 6 例で薬物乱用から離脱出来た。• 頭痛予防薬として抗てんかん薬(デパケン)が有効だ った。• 確実な診断(頭痛の性状、薬物使用状況確認、二次性 頭痛の除外)と患者教育( MOH 、鎮痛剤の知識、頭 痛ダイアリー)が重要。
  3. 3. 薬物乱用頭痛発生の理論• 痛み調整系がコントロールを失い、痛み閾値が低下 したもの• 慢性頭痛患者はセロトニン性中枢性痛覚抑制系に障 害がある• 鎮痛剤連用によりさらに障害される( down regulation )=痛覚閾値が低下する• エルゴタミン連用者は辺縁系、視床下部・下垂体・ 副腎系、青斑核のレセプターに変化があるという
  4. 4. 結語• 「薬物乱用頭痛」 (MOH) は正しい診断と適切な治 療で改善する。• MOH 患者は、指導教育しても脱落しやすい傾向が ある。• 片頭痛患者は病院よりも診療所を受診する可能性 が高く、「医源性」の症例も少なくない。• 頭痛治療に関わっている診療所医師が「薬物乱用 頭痛」について正しい知識と経験を持つ事も必要 (安易な鎮痛剤処方を慎むべき)。
  5. 5. 2010.11.28第 29 回庄内医師集談会(鶴岡) 薬物乱用頭痛、その後 黒木  亮 くろき脳神経クリニック 酒田市富士見町3丁目
  6. 6. 薬物乱用頭痛とは(1) 国際頭痛分類第 2 版「 8. 物質またはその離脱による頭痛」• 8.1 急性の物質使用または曝露による頭痛• 8.2 薬物乱用頭痛 (MOH)• 8.3 慢性薬物使用による有害事象としての頭痛• 8.4 物質離脱による頭痛
  7. 7. 薬物乱用頭痛とは(2)MOH (Medication Overuse Headache)• 8.2.1 エルゴタミン乱用頭痛• 8.2.2 トリプタン乱用頭痛• 8.2.3 鎮痛薬乱用頭痛• 8.2.4 オピオイド乱用頭痛• 8.2.5 複合薬物乱用頭痛• 8.2.6 その他の薬物乱用頭痛• 8.2.7 薬物乱用頭痛の疑い
  8. 8. 薬物乱用頭痛患者の見分け方1 . 頭痛が頻回に起こる2. 痛み止めが効きにくい / 効かない3. 2 日に1回以上のペースで数ヶ月に渡っ て鎮痛剤を服用している4. 片頭痛の要素を持っている事が多い
  9. 9. 痛み止めをどれくらい服用しているか?NSAIDs やトリプタン製剤などの•種類•量 / 回数•期間•効果を詳細に聴取する
  10. 10. 全頭痛患者: 1356 例( H20.3.3 〜 H22.11.27)★ ( 二次性または分類不能を除く) • MCH :           684 例 (50. 4%) • 片頭痛:        425 例 (31.3%) • 混合性頭痛:  133 例   ( 9.8% ) • 群発頭痛:          7 例   (0.5%)
  11. 11. 症例132 才、女性病歴: 25 才頃から頭痛が多くなった。  片頭痛タイプ。市販薬飲んでいた。  27 才妊娠出産。この時期は頭痛は軽かった。  それ以降、また頭痛持ちになった。 2年程前からAクリニック受診。片頭痛の診断でレルパックスとロ キソニン処方。頭痛があるとすぐに飲む。 H21 年3月〜毎日ロキソニン内服(日に2、3回)。  レルパックスもほぼ毎日服用(言えばくれる)。現症:神経脱落症状なし   脳 MRI で器質的疾患を否定。
  12. 12. 症例1治療:1)薬物乱用頭痛であることの説明・教育。2)極力鎮痛剤を控える必要がある。3)デパケン R(200) 2錠分2から開始。  テルネリン (1) 3錠分3、デパス (0.5) 1錠就寝前も追加。4)鎮痛剤は SG 顆粒に変更。徐々に使用を控えるように 指導。片頭痛タイプにはゾーミッグを処方。5)経過をみながらデパケン R(200) 3錠 / 日に増量。トリプ タノール (10) 1錠分2、ミグシス (5) 2錠分2も追加。
  13. 13. 症例1経過:  1ヶ月程で、1日中まったく頭痛のない日が出現するよう になる。鎮痛剤の使用頻度が減少する。典型的な片頭痛が主 体となってくる。トリプタン製剤の使用頻度が増えると、教 育指導および「予防薬」増量。 13
  14. 14. 症例1N:16T:6N:2T:1
  15. 15. 症例251 才、女性病歴:頭痛は小学校高学年からある。妊娠出産後、 35 才頃から生理の前に頭痛が多くなった。片頭痛タイプ。 加えて頸椎椎間板ヘルニアや転倒による肩骨折のため 整形外科より鎮痛剤処方され毎日服用していた。受診 少し前から頭痛が酷く、ボナフェック座薬効かず家族 が服用していた片頭痛頓挫薬で少し楽になった。現症:神経脱落症状なし 脳 MRI で器質的疾患を否定。
  16. 16. まとめ1• 開院以来2年 9 ヶ月の間に、分類可能な一次性 頭痛 1356 例を診察した。• 最も多いのは筋収縮性頭痛 684 例 (50. 4%) 。• 続いて片頭痛 425 例 (31.3%) 。• 安易な鎮痛剤服用による「薬物乱用頭痛」を 27 例 (2.0%) 経験した。
  17. 17. まとめ2• 初診時だけでなく再診時にも繰り返して、鎮痛 剤乱用の弊害を説明指導した。• 鎮痛剤の処方を徐々に減らし、頭痛の性状に合 致する対症薬、予防薬を投与した。• 患者の自覚を促し、使用薬剤量を減らす上でも 「頭痛ダイアリー」は有用であった。• 薬物離脱の継続には定期的受診を勧める。
  18. 18. 症例2治療:1)薬物乱用頭痛であることの説明・教育。2)極力鎮痛剤を控える必要がある。3)デパケン R(200) 2錠分2から開始。 すぐに薬疹出現し中止。ミグシス (5) 2錠分2処方。4)鎮痛剤はロキソニン処方。極力使用を控えるように指導。 片頭痛タイプにはゾーミッグを処方。5)経過をみながらミオナール (50) 2錠分2も追加。
  19. 19. 症例2経過:   NSAIDs はほとんど服用しなくなり、ゾーミッグで対処。  生理時期には頭痛が起こりやすいが、まったく頭痛のない 日が次第に増えて、2週間以上トリプタン製剤も NSAIDs も服用しない事もある。 19
  20. 20. 症例 2N:0T:7N:1T:1
  21. 21. 症例3N:2T:7N:3T:3
  22. 22. 薬物乱用頭痛とは(3)  薬物乱用頭痛( MOH )診断基準( 2005 )A. 頭痛は1ヵ月に 15 日以上存在し、 C および D を満た すB. 頭痛の急性治療および対症療法(あるいはその両方) のために使用された1つ以上の薬物を3ヵ月を超えて 定期的に乱用しているC. 頭痛は薬物乱用のある間に出現もしくは著明に悪化す るD. 乱用薬物の使用中止後、 2 ヵ月に以内に頭痛が消失、 または以前のパターンにもどる
  23. 23. 薬物乱用頭痛とは(4)慢性片頭痛と薬物乱用頭痛の付録診断基準の追加について (2006)A8.2 薬物乱用頭痛の診断基準 ( Appendix 8.2 )• A  頭痛は1ヵ月に 15 日以上存在する.• B  8.2 のサブフォームで規定される 1 種類以上の急性期・対 症的治療薬を 3 ヵ月を超えて定期的に乱用している                    1.   3 ヵ月以上の期間、定期的に1ヵ月に 10 日以上エルゴタミン、  トリプタン、オピオイド、または複合鎮痛薬 を使用している                                        2.  単一成分の鎮痛薬、あるいは、単一では乱用 には該当しないエルゴタミン、トリプタン、オピオイドのいずれかの組み合 わせで合計月に 15 日以上の頻度で 3 ヵ月を超えて使用している.• C  頭痛は薬物乱用により発現したか、著明に悪化している.
  24. 24. MOH 患者の治療成績• 16 例(男3、女 13) 中、 1 回または2回しか来院せず中断 が6例(よって、確実な診断例は 10 例)• 10例中6例で MOH 離脱し、現在も通院中。• 離脱出来なかった4例中2例は他院での鎮痛剤服用を中止 出来ず、治療から脱落。• 再来しなくなった、離脱出来なかった計 10 例は市販薬を購 入したり、他院に移って処方を受けている可能性がある。• MOH の離脱に成功しても、再発率は高いので継続して患者 教育と綿密な治療計画が大切。

×