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生態学的データの空間的・分類群間
偏りを解消するための取組み
国立研究開発法人農業環境技術研究所
GBIF日本ノードJBIF
大澤 剛士<arosawa@affrc.go.jp>
2016/3/21
日本生態学会第63回全国大会 シンポジウムS...
結論
オープンデータの文化
データを公開し、共有する
これが根差すことを目指す
今日の話
当たり前のことを当たり前に
ただし具体的に話します
・データギャップの現状
・それに対する対応方法
課題の明確化・共有
生態学研究
② 仮説の設定
③ 検証実験、調査
① 科学的な問い
仮説検証
問いの更新
新たな研究
保全科学研究
② 実現可能な
課題(仮説)の設定・検証
③ 現状で得られる知見の提示
① 社会的ニーズ
現場の活用
いわゆる”出口”
ものすごい短時間で
何か答えが求められるかも?
知らない、行ったことがない
現場のことを聞かれるかも?
専門外の分類群のことを
聞かれるかも?
解決案
・様々なコラボ
・データの再利用
データベースの利用
分類学者やハイアマチュア
情報科学者とのコラボ
専門外の分類群を扱う
巨大データや新しい手法を使う
様々な公開データ
データベース利用研究
・ Osawa et al. (2013) PLOS One: e79978
・ Osawa et al. (2016) Land Use Policy54: 78-84
絶滅危惧植物の分布地図
耕作放棄地の分布地図
解析...
データの再利用
既存データベースの利用
研究アプローチの
一つとなった
空間の
ギャップ
分類群の
ギャップ
時間の
ギャップ
身近な詳細
都市部
人間の活動域
超ド普通種
マニアックな分類群
分類が進んでいない
過去のデータ
未来のデータ
しかし、データベースも
万能ではない
現状をちょびっと紹介
(http://science-net.kahaku.go.jp/)
国内の自然史標本を検索
全国の博物館から計400万件
現状をちょびっと紹介
全レコード 4,025,855
動物界 2,041,158
植物界 1,864,133
菌界 82,844
現状をちょびっと紹介
緯度経度データあり:1,505,824レコード(約37%)
メッシュデータあり:702,189レコード(約17%)
2000年を境にレコードが
大きく減少傾向
現状をちょびっと紹介
現状をちょびっと紹介
(http://www.gbif.org/)
世界中から計6.5億件の
生物多様性情報を収集・公開
現状をちょびっと紹介
(GBIF Annual report 2014)
地理的な偏り分類群の偏り
大部分は鳥の観察情報 全くデータがない地域がある
解決案
・様々なコラボ
・データの再利用
データベースの利用
コラボは(比較的)容易
① 研究データの再利用
目指すはデータ再利用
データベース拡充
② 目的が違うデータを活用
③ データの利用性向上
① 研究データの再利用
既に利用されたデータを
再利用して別の研究を
目指すはデータ再利用
データベース拡充
Sleeping Dataの掘り起こし
戦前
1945-49
1950-59
1960-70
ラベルや目録を読み解き
標本から過去の分布データを作成
標本コレクションの利用
現在の分布
過去の分布
・ Osawa, Watanabe et al. (2014) Entomol. Sci 17:425-431
空間・時間のギャップを
一部でも埋めることができた
標本コレクションの利用
② 目的が違うデータを活用
研究データ以外であっても
十分使える場合がある
目指すはデータ再利用
データベース拡充
市民科学者との共同
駅のツバメ調査
一種のイベント的に実施された
駅のツバメ営巣調査
駅のツバメ調査
空間のギャップを一部でも
埋めることができた
・ 大阪バードフェスティバル2013
・ Osawa (2015) Env. Man 55(5):1160-1167
③ データの利用性向上
集まったデータも、利用可能
(Publication)にしないと、
存在しないも同然
目指すはデータ再利用
データベース拡充
データペーパー
データペーパーを引用することで、
そのデータを利用した研究ができる
Google Scholarとかで発見できる
 整備したデータセットそのものを
引用可能な論文として公表する形態
データペーパーって何?
・ Osawa (2013) Ecol.Res. 28(4):541
・ Voraphab,Osawa et al. (2015)
Ecol. Res. 30(3):415.
・ Osawa et al. (2015) Ecol.Res. 54...
オープン化された
国際データベース
(http://www.gbif.org/)
Global Biodiversity
Information Facility (GBIF)
インターネットを介して世界中の
生物多様性情報を
共有しようという国際的取り組み
(www.gbif.jp/v2/)
GBIF日本ノードJBIF
インターネットを介して世界中の生物多様性情報を
共有しようという国際的取り組みの日本活動
様々なデータギャップを
埋められるかも?
Global Biodiversity
Info...
文化?
オープンなデータベースが目指すもの
誰もがデータを取得し、それを
公開し、皆で共有していく“文化“を構築
“文化”とは
誰もが当たり前に従うような
ふるまいの“規範”
今の“文化”
人のデータは使うけど
自分のは出さんで~
何で大切なデータを
公開せないかんの?
保守タイプ
ハイエナタイプ
今の“文化”
研究データは
“研究者個人のもの”
貴重なデータは
研究者個人の資産です
日本の研究業界における「文化」
これを変えていく努力が必要
・公的研究機関の原資は税金
・データベースを使うのなら
その拡充に貢献するべき
・自分にとって役立たなくても
誰かにとっては貴重な場合も
あるべき姿
生物多様性情報の
オープン化
皆でデータを拡充し、自由に使う
ことで社会的ニーズへ対応し、
新しい発見を生む
目指す姿
(https://openstreetmap.jp/)
OPEN STREET MAP(OSM)
地図についてはオープン化の
文化が根付いている
“文化”とは
研究者に限らない。生物多様性情報を
収集し、共有することを
当たり前のふるまいに
● 保全科学の社会的ニーズに応えるために
データベース活用は有効
● データペーパーはじめ、データの公開・
共有に向けた様々な仕組みがある
● だが、それを利活用するのは人間。
それが当たり前の“文化”を構築しよう
まとめ
今日の話に関連する「生物多様性情報学」
これに関する特集が今月発行の
日本生態学会誌に掲載されます。
宣伝
(研)農業環境技術研究所
大澤 剛士<arosawa@affrc.go.jp>
GBIF日本ノードJBIF
http://www.gbi...
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Esj93 20160321osawa

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生態学会63回全国大会 シンポジウム02「保全科学が挑む情報のギャップ」大澤のスライドです

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Esj93 20160321osawa

  1. 1. 生態学的データの空間的・分類群間 偏りを解消するための取組み 国立研究開発法人農業環境技術研究所 GBIF日本ノードJBIF 大澤 剛士<arosawa@affrc.go.jp> 2016/3/21 日本生態学会第63回全国大会 シンポジウムS02 「保全科学が挑む情報のギャップ」
  2. 2. 結論 オープンデータの文化 データを公開し、共有する これが根差すことを目指す
  3. 3. 今日の話 当たり前のことを当たり前に ただし具体的に話します ・データギャップの現状 ・それに対する対応方法 課題の明確化・共有
  4. 4. 生態学研究 ② 仮説の設定 ③ 検証実験、調査 ① 科学的な問い 仮説検証 問いの更新 新たな研究
  5. 5. 保全科学研究 ② 実現可能な 課題(仮説)の設定・検証 ③ 現状で得られる知見の提示 ① 社会的ニーズ 現場の活用 いわゆる”出口”
  6. 6. ものすごい短時間で 何か答えが求められるかも? 知らない、行ったことがない 現場のことを聞かれるかも? 専門外の分類群のことを 聞かれるかも?
  7. 7. 解決案 ・様々なコラボ ・データの再利用 データベースの利用
  8. 8. 分類学者やハイアマチュア 情報科学者とのコラボ 専門外の分類群を扱う 巨大データや新しい手法を使う
  9. 9. 様々な公開データ
  10. 10. データベース利用研究 ・ Osawa et al. (2013) PLOS One: e79978 ・ Osawa et al. (2016) Land Use Policy54: 78-84 絶滅危惧植物の分布地図 耕作放棄地の分布地図 解析した絶滅危惧種の例 タコノアシ Penthorum chinense デンジソウ Marsilea quadrifolia ミズアオイ Monochoria korsakowii ミズニラ Isoetes japonica 圃場整備地の分布地図
  11. 11. データの再利用 既存データベースの利用 研究アプローチの 一つとなった
  12. 12. 空間の ギャップ 分類群の ギャップ 時間の ギャップ 身近な詳細 都市部 人間の活動域 超ド普通種 マニアックな分類群 分類が進んでいない 過去のデータ 未来のデータ しかし、データベースも 万能ではない
  13. 13. 現状をちょびっと紹介 (http://science-net.kahaku.go.jp/) 国内の自然史標本を検索 全国の博物館から計400万件
  14. 14. 現状をちょびっと紹介 全レコード 4,025,855 動物界 2,041,158 植物界 1,864,133 菌界 82,844
  15. 15. 現状をちょびっと紹介 緯度経度データあり:1,505,824レコード(約37%) メッシュデータあり:702,189レコード(約17%)
  16. 16. 2000年を境にレコードが 大きく減少傾向 現状をちょびっと紹介
  17. 17. 現状をちょびっと紹介 (http://www.gbif.org/) 世界中から計6.5億件の 生物多様性情報を収集・公開
  18. 18. 現状をちょびっと紹介 (GBIF Annual report 2014) 地理的な偏り分類群の偏り 大部分は鳥の観察情報 全くデータがない地域がある
  19. 19. 解決案 ・様々なコラボ ・データの再利用 データベースの利用
  20. 20. コラボは(比較的)容易
  21. 21. ① 研究データの再利用 目指すはデータ再利用 データベース拡充 ② 目的が違うデータを活用 ③ データの利用性向上
  22. 22. ① 研究データの再利用 既に利用されたデータを 再利用して別の研究を 目指すはデータ再利用 データベース拡充
  23. 23. Sleeping Dataの掘り起こし
  24. 24. 戦前 1945-49 1950-59 1960-70 ラベルや目録を読み解き 標本から過去の分布データを作成 標本コレクションの利用
  25. 25. 現在の分布 過去の分布 ・ Osawa, Watanabe et al. (2014) Entomol. Sci 17:425-431 空間・時間のギャップを 一部でも埋めることができた 標本コレクションの利用
  26. 26. ② 目的が違うデータを活用 研究データ以外であっても 十分使える場合がある 目指すはデータ再利用 データベース拡充
  27. 27. 市民科学者との共同
  28. 28. 駅のツバメ調査 一種のイベント的に実施された 駅のツバメ営巣調査
  29. 29. 駅のツバメ調査 空間のギャップを一部でも 埋めることができた ・ 大阪バードフェスティバル2013 ・ Osawa (2015) Env. Man 55(5):1160-1167
  30. 30. ③ データの利用性向上 集まったデータも、利用可能 (Publication)にしないと、 存在しないも同然 目指すはデータ再利用 データベース拡充
  31. 31. データペーパー
  32. 32. データペーパーを引用することで、 そのデータを利用した研究ができる Google Scholarとかで発見できる  整備したデータセットそのものを 引用可能な論文として公表する形態 データペーパーって何?
  33. 33. ・ Osawa (2013) Ecol.Res. 28(4):541 ・ Voraphab,Osawa et al. (2015) Ecol. Res. 30(3):415. ・ Osawa et al. (2015) Ecol.Res. 541.30(5):757 ・ 大澤・和田(印刷中)Bird Research →大澤・猪原(2008)保全生態学研究13:179-186 → Voraphab, Osawa et al. (投稿中) → Osawa et al. (2013) PLOS One: e79978 Osawa et al. (2016) Sci.Total Env. 542:478-483 → Osawa (2015) Env. Man 55(5)1160-1167 データのリサイクル データペーパー 原著論文
  34. 34. オープン化された 国際データベース
  35. 35. (http://www.gbif.org/) Global Biodiversity Information Facility (GBIF) インターネットを介して世界中の 生物多様性情報を 共有しようという国際的取り組み
  36. 36. (www.gbif.jp/v2/) GBIF日本ノードJBIF インターネットを介して世界中の生物多様性情報を 共有しようという国際的取り組みの日本活動 様々なデータギャップを 埋められるかも? Global Biodiversity Information Facility (GBIF)
  37. 37. 文化? オープンなデータベースが目指すもの 誰もがデータを取得し、それを 公開し、皆で共有していく“文化“を構築
  38. 38. “文化”とは 誰もが当たり前に従うような ふるまいの“規範”
  39. 39. 今の“文化” 人のデータは使うけど 自分のは出さんで~ 何で大切なデータを 公開せないかんの? 保守タイプ ハイエナタイプ
  40. 40. 今の“文化” 研究データは “研究者個人のもの” 貴重なデータは 研究者個人の資産です
  41. 41. 日本の研究業界における「文化」 これを変えていく努力が必要 ・公的研究機関の原資は税金 ・データベースを使うのなら その拡充に貢献するべき ・自分にとって役立たなくても 誰かにとっては貴重な場合も あるべき姿
  42. 42. 生物多様性情報の オープン化 皆でデータを拡充し、自由に使う ことで社会的ニーズへ対応し、 新しい発見を生む 目指す姿
  43. 43. (https://openstreetmap.jp/) OPEN STREET MAP(OSM) 地図についてはオープン化の 文化が根付いている
  44. 44. “文化”とは 研究者に限らない。生物多様性情報を 収集し、共有することを 当たり前のふるまいに
  45. 45. ● 保全科学の社会的ニーズに応えるために データベース活用は有効 ● データペーパーはじめ、データの公開・ 共有に向けた様々な仕組みがある ● だが、それを利活用するのは人間。 それが当たり前の“文化”を構築しよう まとめ
  46. 46. 今日の話に関連する「生物多様性情報学」 これに関する特集が今月発行の 日本生態学会誌に掲載されます。 宣伝 (研)農業環境技術研究所 大澤 剛士<arosawa@affrc.go.jp> GBIF日本ノードJBIF http://www.gbif.jp/v2/

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