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2016 年 2 月 16 日作成
2016 年 2 月 17 日公開
2016 年 2 月 19 日修正
神奈川の県立図書館の今後にご関心を持つすべての方々へ
神奈川の県立図書館を考える会
第四次政策提言
いっそうの産業の活性化につながる...
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館総合展運営委員会の協力を得て、「県立川崎図書館の行方を問う」と題するシンポジウム
を開催しました。シンポジウムには、パネリストとして県会議員や川崎市議会議員に登壇
いただきました。そこでは、KSP を場所としてではなく政策として理解するこ...
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【提言要旨】
1.新県立川崎図書館構想
(1)新たなイノベーション創出支援機関との機能連携
KAST が 2017 年 4 月に県産業技術センターと統合され、地方独立行政法人県立産業技術総
合研究所として基礎科学から中小企業の産業化支援まで...
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【提言本文】
いっそうの産業の活性化につながる県立川崎図書館を目指して
-KSP への移転を前提にした「地域図書館機能連携型」の整備計画の提案
1.新県立川崎図書館構想
(1)新たなイノベーション創出支援機関との機能連携
神奈川県では、県立...
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産業技術センターは、工業試験所(1929 年創設)・繊維工業指導所(1933 年創設)・工芸
指導所(1937 年創設)・家具指導センター(1974 年創設)の 4 機関が 1995 年に産業技術
総合研究所として統合してできた試験研究機関...
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③ 技報・企業レポートについて
技報や企業レポートなどについては、これまで、川崎図書館と産業技術センターでおの
おの収集していますが、両者を相補うことで、タイトルの拡充、欠号の補填充実が期待さ
れます。
(2)企業活動支援の総合図書館へ 公...
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川崎市立歴史博物館川崎市都市発展記念館
公害の歴史を都市の発展の中に位置づけ、未来を見据えるのであれば、川崎市市民ミ
ュージアムの博物館機能を再整理し、富士見地区等臨海部に「川崎市立歴史博物館・都
市発展記念館」を整備し、その中に「県立川崎...
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海老名の産業技術センターの図書館と県立川崎図書館の「融合」によるシナジー効果に
ついては、既述のとおりですが、小田原の生命の星地球博物館の図書館、横須賀の県立保
健福祉大学、横浜の同大学実践教育センター、平塚の看護大学校(2017 開設予定...
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2.KSP への移転を前提とした具体的・現実的なプログラム
「地域専門図書館機能連携型」の整備計画
-KSP への移転を前提に、他の産業支援施設等も活用した「地域図書館機能連携型」の整
備計画を提案します。
第三次の提言でもふれましたが、K...
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④附属社史資料館・国際社史研究センター
川崎駅周辺の企業経営者などが集う施設のワンフロアーに、商工会議所等地元経済界の
協力のもとに設置します。閲覧スペースを企業人の集うラウンジと合体するなど、幅広い
図書館利用につながるよう工夫をしなが...
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特に、海老名の現産業技術センター図書館を県立川崎図書館の分館・産業情報ライブラ
リーとして整備することは、機能面だけでなく、立地面からも理にかなったものです。政
策提言 2「神奈川の県立図書館再整備における用地選定 」でも、県央海老名地域...
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なブランチを富士見地区の合築施設に設けます。藤嶋昭記念こども科学図書館に加え、科
学展示スペースなども「KAST 環境と生命の科学展示館」(註 14)
として整備し、移設します。
本格的な科学情報ライブラリーと科学展示により、これまで県立...
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した。最近の中小企業のニーズを考え,海外文献を重視したことも大きな特色の 1 つである。」芝
忠「神奈川県技術情報センターの開設」情報管理 VoI.25 NO.4 July 1982
註 5:グッド長橋広行「県立図書館再編 私はこう思う ...
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県立図書館(紅葉丘)については、その専門性の確立が課題とされてきましたが、金沢文庫や
教育センターの付設図書館や県立学校の図書館との棲み分け中で専門性を獲得し、それらを分館
としての位置づけを与えることで、社会・人文のリサーチライブラリー...
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書館の側から、連携協力の核となる県立図書館がもとめられたのと同じです。
もう一点、図書館に必要なゲートウェイ機能として、都市のゲートウェイ、ポータル機能があ
ります。都市の体験型の観光のゲートウェイとして、図書館の有効性が指摘されています...
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神奈川の県立図書館を考える会第4次政策提言

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神奈川の県立図書館を考える会第4次政策提言

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神奈川の県立図書館を考える会第4次政策提言

  1. 1. 1 2016 年 2 月 16 日作成 2016 年 2 月 17 日公開 2016 年 2 月 19 日修正 神奈川の県立図書館の今後にご関心を持つすべての方々へ 神奈川の県立図書館を考える会 第四次政策提言 いっそうの産業の活性化につながる県立川崎図書館を目指して ―KSP への移転を前提にした「地域専門図書館機能連携型」の 整備計画の提案 【はじめに-提言の背景】 2012 年秋に神奈川県が「神奈川県緊急財政対策」で県立図書館、川崎図書館について「機 能の純化・集約化を含めた検討」を発表し、その後「閲覧・貸出といった直接サービスの 廃止」「川崎図書館の県立図書館への集約化」の方針を表明しました。 この方針は、広く県民の間に神奈川県立の 2 つの図書館のあり方に関する議論を巻き起 こしました。 その後、県民市民の声、新聞各紙による報道、県議会議員による議会質問等を経て、県 は 2013 年 12 月に新たな方針を示しています。 県立図書館(紅葉丘)については、一部建て替えを視野に入れた再整備、県立川崎図書 館については、かながわサイエンスパーク(KSP)(川崎市高津区)への移転 というもので す。 県立図書館(紅葉丘)については、2015 年度に調査費が計上され、施設面での拡充の検 討が進められています。 県立川崎図書館については、どうでしょうか。 黒岩県知事は 2013 年 12 月 2 日の県議会代表質問で自民党桐生議員の質問への答弁で、 「移転先は KSP(高津区坂戸)が総合的に適地であるとの判断にいたった」「KSP は交通の 利便性に加え、バイオや IT など先端技術産業が集積し、県の科学技術拠点である神奈川科 学技術アカデミー(KAST)が入居している。川崎図書館の機能と KAST の機能を融合させる など、いっそう産業の活性化につながる図書館にしていきたい」と述べています。 残念ながら、知事の期待する「いっそう産業の活性化につながる図書館」について検討 は進んでいないようです。 私ども神奈川の県立図書館を考える会では、昨年 11 月の第 17 回図書館総合展で、図書
  2. 2. 2 館総合展運営委員会の協力を得て、「県立川崎図書館の行方を問う」と題するシンポジウム を開催しました。シンポジウムには、パネリストとして県会議員や川崎市議会議員に登壇 いただきました。そこでは、KSP を場所としてではなく政策として理解することの重要性が 指摘されました。 また同総合展で神奈川県資料室研究会の主催するフォーラム「神奈川県立川崎図書館の 望ましい姿」に「考える会」の主宰者がアドバイザーと参加しています。 これらのシンポジウムやフォーラムに寄せられた意見や考える会のこれまでの 40 回にお よぶ定例会・シンポジウム等での議論を踏まえて、ここに第四次提言「いっそうの産業の 活性化につながる県立川崎図書館を目指して」を取りまとめました。 KSP への移転を前提に、他の産業支援施設等も活用した「地域専門図書館機能連携型」の 整備計画を提案します。 ご高覧いただければと存じます。
  3. 3. 3 【提言要旨】 1.新県立川崎図書館構想 (1)新たなイノベーション創出支援機関との機能連携 KAST が 2017 年 4 月に県産業技術センターと統合され、地方独立行政法人県立産業技術総 合研究所として基礎科学から中小企業の産業化支援までを担うことになります。 県立川崎図書館には、科学と産業両面でこの新たな組織との機能融合が求められます。 科学という側面では、新組織の基礎研究や人材育成機能との連携のなかで、その基礎的 な科学雑誌や科学図書の充実が求められています。 産業という側面では、国際化学文献資料、海外学術雑誌、技報・企業レポート資料、規 格資料などの蓄積を生かした中小企業の技術支援機能の強化が期待されています。 (2)企業活動支援の総合図書館へ 公害資料や社史を活かす 県立川崎図書館には、「川崎公害裁判訴訟記録」をはじめ、公害克服の歴史や優れた環境 技術に関する図書や資料の蓄積があります。その世界への発信は企業の支援にもつながり ます。展示や解説の機能を持った川崎公害資料館・環境技術展示館の整備が求められます。 また、世界有数の社史資料を企業経営や日本研究、企業研究に生かすため、閲覧や展示施 設、研究機能が必要です。社史資料館・国際社史研究センターの整備が求められています。 (3) 専門図書館のネットワークの強化 企業や研究機関等の図書室・資料室、県の試験研究機関等の図書館のネットワークのハ ブ機能は、県立川崎図書館に必須の機能です。その充実が求められます。 (4)産業と文化が交差する地域での県立川崎図書館の新設 将来的には県立川崎図書館を核にして 3 万㎡程度の科学と産業の総合専門図書館を富士 見地区など産業と文化の交差する地域に整備することが望ましいと考えます。 2.KSP への移転を前提とした具体的・現実的なプログラム 現実的なプログラムとして、KSP への移転を前提に、他の産業支援施設等も活用した「地 域専門図書館機能連携型」の整備計画を提案します。 ① 本館 科学情報ライブラリー → KSP(高津区) ② 海老名別館 産業情報ライブラリー → 産業技術センター(海老名市) ③ 附属川崎公害資料館・環境技術展示館 → 富士見地区※ (川崎区) ④ 附属社史資料館・国際社史研究センター → 富士見地区※ (川崎区) ※富士見地区では、現図書館の近傍に既存の公共施設等を活用して整備
  4. 4. 4 【提言本文】 いっそうの産業の活性化につながる県立川崎図書館を目指して -KSP への移転を前提にした「地域図書館機能連携型」の整備計画の提案 1.新県立川崎図書館構想 (1)新たなイノベーション創出支援機関との機能連携 神奈川県では、県立川崎図書館のかながわサイエンスパーク(KSP)への移転について、 公益財団法人「神奈川科学技術アカデミー」(KAST)との機能の融合によって、いっそう産 業の活性化につながる図書館を目指すものであると説明しています。 その KAST が 2017 年 4 月に県産業技術センターという県の産業技術系の試験研究機関と 統合して、地方独立行政法人に移行することになりました。県立産業技術総合研究所とし て基礎研究や人材育成から中小企業の技術支援までを担うことになります。(註 1) この新たなイノベーション創出支援機関の設立にともなって、科学と産業の情報ライブ ラリーを標榜する県立川崎図書館には、現在の KAST の機能だけではなく、産業技術センタ ーの機能にもまたがって図書館の役割を示すことが求められています。 KAST、産業技術センターに求められる図書館の機能・役割とは何でしょうか。 1)KAST に求められる図書館 -KAST に求められる図書館の機能・役割は、その理系人材の育成機能に相応しい、幅広い科 学的な感性や素養を身に付けるための蔵書やレファレンス、展示や解説の機能です。 KAST は 1989 年に KSP の開設と併せて設置され、大学院レベルの研究・教育機関として、 先端的かつ高度な科学技術分野における研究の推進と技術移転、創造性のある人材の育成、 学術文化活動の振興などを行ってきました。 KAST は次の三つの機能を持っています。①イノベーションセンター、②高度計測センタ ー、③教育情報センターです。 このうち③の教育情報センターは、青少年から大学生・社会人まで一貫した人材育成を 目指すもので、光触媒ミュージアムの中には、藤嶋昭元理事長の寄贈による「こども図書 コーナー」が設けられています。 KAST に求められる図書館の機能・役割は、その理系人材の育成機能に相応しい、幅広い 科学的な感性や素養を身に付けるための蔵書やレファレンス、展示や解説の機能です。 県立川崎図書館には、基礎的な科学雑誌や科学図書の系統的体系的な蔵書があります。 そのこども向けの科学図書も含めて、KAST の人材育成機能との連携が望まれます。 いっそうの産業の活性化につながる図書館とは、創造性のある人材の育成、学術文化活 動の振興につながるものでなければなりません。 2)産業技術センターに求められる図書館 ― 産業技術情報センターには、県内中小企業等の技術支援機関として、基礎となる情報セン ター機能の充実が期待されます。特に、国内外の逐次刊行物の収集とレファレンス、国内外の規 格資料の収集とレファレンス、技報や企業リポートの収集・整理は、重要な機能です。
  5. 5. 5 産業技術センターは、工業試験所(1929 年創設)・繊維工業指導所(1933 年創設)・工芸 指導所(1937 年創設)・家具指導センター(1974 年創設)の 4 機関が 1995 年に産業技術 総合研究所として統合してできた試験研究機関で、2006 年に今の産業技術センターに改称 されました。県内中小企業等の技術支援機関として、①ものづくり支援、②研究開発、③ 人材育成、④技術情報、交流連携の 4 つの柱で事業に取り組んでいます。 そして、産業技術センターには 2,000 ㎡の規模の立派な図書館があります。この図書館 は 1982 年に当時の工業試験所内に設置された「神奈川県技術情報センター」を母体にして います。当時の工業試験所は、①試験、②研究、③指導の 3 つの柱の下で事業を展開して いましたが、その敷地の一画に 3 階建て、1,420 ㎡の施設をつくり、④情報業務を展開しま す。技術情報センターは、技術相談・図書閲覧・情報交流・情報検索等の諸機能を担う工 業試験所の全所横断的な組織です。全所協力して、県内中小企業や技術者、一般県民のた め、役立つ技術情報を収集・加工・提供しようとするものでした。(註 3) この 4 本目の柱を加えた柱立ては、現在の産業技術センターに引き継がれています。 特に技術を実用化し、製品化する局面、その際に知的所有権などをきちんと守る手立て を確保する、そういった面での基礎となる情報センター機能はますます重要になってきて います。求められる機能は、①国内外の逐次刊行物の収集とレファレンス、②国内外の規 格資料の収集とレファレンス、③技報や企業リポートの収集・整理などです。 ① 雑誌(逐次刊行物)について 「神奈川県技術情報センター」の図書室では、当時の県立川崎図書館との役割分担を意 識して、雑誌を中心に海外文献を重視した蔵書構築をしてきました。(註 4) 所蔵する逐次刊行 物は 3,757 タイトル、うち 918 タイトルが外国雑誌です。 現在、県立川崎図書館では神奈川県資料室研究会に参加する企業や日本化学会の協力を 得て、外国雑誌等の蔵書を充実しています。化学や素材、電気や機械、さらにバイオなど の逐次刊行物に優位性を持っています。 一方、産業技術センターは wood、fiber や textile など、県立川崎図書館にないような分 野の蔵書も充実しています。昨今、注目を集めている分野です。 産業系の逐次刊行物のライブラリーとして、両図書館の機能を連携、融合させることの 有効性が指摘されています。 ② 規格資料について 規格は、技術支援機関の図書室に不可欠です。産業技術センターの図書館にも JIS など の日本の基本的な規格が整備されています。 県立川崎図書館は規格資料が充実していることでも知られています。JIS や ASTM(ア メリカ)、DIN(ドイツ)などのほか、業界の独自規格なども蒐集しており、また、司書の 充実したレファレンスによって、所在情報を案内しています。 このような蔵書や機能、人材についても、産業技術センターの図書館機能に融合する中 で、いっそうの活用が見込まれます。
  6. 6. 6 ③ 技報・企業レポートについて 技報や企業レポートなどについては、これまで、川崎図書館と産業技術センターでおの おの収集していますが、両者を相補うことで、タイトルの拡充、欠号の補填充実が期待さ れます。 (2)企業活動支援の総合図書館へ 公害資料と社史を活かす -川崎市の協力を得て「神奈川県立川崎図書館附属川崎公害資料館・環境技術展示館」を整備 することを提案します。川崎の公害克服の歴史や優れた環境技術の世界への発信は企業の支援に もつながります。 -国内屈指、世界有数の社史資料を企業経営や日本研究、企業研究に生かすため、閲覧スペー スや談話スペース、展示施設、研究機能を持った、県立川崎図書館附属社史資料館・国際社史研 究センターを整備することを提案します。 1)県立川崎図書館附属 川崎公害資料館・環境技術展示館 県立川崎図書館には、「川崎公害裁判訴訟記録」を預かっています。公害訴訟の弁護団で 資料を整理・製本して、寄託していただいたものです。全 485 冊、図書館の一階の奥のと ころにコーナーを設け、きちんと閲覧できるようにしてあります。しかし、それで、公害 を将来に伝えたいという原告団、弁護団の方々の思いに十分に応えているでしょうか。 全国の公害発生地域にはその歴史を未来に伝える資料館が設けられています。富山県立 イタイイタイ病資料館、 新潟県立環境と人間のふれあい館―新潟水俣病資料館― 、水俣 市立水俣病資料館、そして、 四日市公害と環境未来館。 四日市の近鉄四日市の駅のそば、都市の発展と人々の生活に焦点を当てた市立博物館の 4 階に「公害と環境未来館」はあります。そこには、四日市公害の様々な資料が展示され、 語り部ボランティアの方の説明を聞くことができます。映像資料も充実しています。四日 市公害の歴史、裁判の記録、企業や行政による公害の克服の歴史もきちんと学ぶことがで きます。加害企業も展示に協力し、克服の取り組みを紹介しています。海外からも多くの 視察や見学があり、公害の歴史、克服の歴史を学んでいます。映像資料の中で、川崎公害 訴訟弁護団の篠原義仁さんが登場します。四日市訴訟の意義や川崎の公害訴訟の取組みに ついて語っています。規模は展示スペースで 700 ㎡、収蔵庫などのバックヤードを入れて も 1000 ㎡程度です。 川崎にもそのような施設があっていいのではないでしょうか。 県立川崎図書館には、工業系の専門図書館として収集してきた戦前からの京浜工業地帯 の形成や全国の公害に関する文献や資料があります。 科学と産業の情報ライブラリーという県立川崎図書館の機能や役割からは、企業などの 協力を得て、公害克服の技術、環境技術の展示や解説も期待されます。川崎公害の場合は 工場排水、排気とあわせて、自動車の排気も大きなテーマです。幅広い環境技術の展示公 開が可能です。
  7. 7. 7 川崎市立歴史博物館川崎市都市発展記念館 公害の歴史を都市の発展の中に位置づけ、未来を見据えるのであれば、川崎市市民ミ ュージアムの博物館機能を再整理し、富士見地区等臨海部に「川崎市立歴史博物館・都 市発展記念館」を整備し、その中に「県立川崎図書館附属川崎公害資料館・環境技術展 示館」を設置することも考えられます。 2)県立川崎図書館附属 社史資料館・国際社史研究センター 県立川崎図書館の社史のコレクションは、国内屈指、世界有数の蔵書です。世界的にも 高く評価されています。(註 5) しかし、社史室に行ったことがあるが、すごいものがあるんだろうな、と思いながら、自分 では見つけられずに、ただ眺めるだけで帰ってきた、という方も多いのではないでしょうか。 テレビや雑誌で県立川崎図書館の社史がたびたび紹介されます。興味を持って、社史室 を覗いても、展示や解説があるわけではありません。 服部之総の著した花王石鹸の社史など、定番の社史については、常設で、きちんと展示 解説を行う、また、時々のテーマに即して、特別展などを企画する、そのような取組みが 求められています。 また、社史の学術的価値が見直され、社史の研究、社史に基づく日本研究、企業研究が 進んでいます。国内外の社史研究の資料を収集整理し、社史研究の動向などをサーベイす ることも大きなテーマです。 閲覧スペースや談話スペース、展示施設、研究機能を持った、県立川崎図書館附属社史 資料館・国際社史研究センターを整備することはできないでしょうか。 (3)専門図書館のネットワークの強化 ―小田原の生命の星地球博物館、横須賀の県立保健福祉大学、横浜の同大学実践教育センター、 平塚の看護大学校(2017 開設予定)、農業技術センターなどの図書館との連携を強化し、生命科 学や食と健康の分野も網羅する科学と産業の総合専門図書館を目指します 県立川崎図書館は企業や研究機関などの専門図書館・資料室の図書館のネットワークの ハブ機能(註 6) を担ってきました。そのネットワークの中で、企業の方々の活動に支えられ、 社史や技報、学術雑誌、学会資料などで全国有数の質と量の蔵書を構築し、専門的な図書 館サービスを提供してきました。企業等の蒐集した図書や雑誌をデポジットライブラリー という形で県立川崎図書館の蔵書にすることで、広く中小企業や県民の利用に供すること ができるようになっています。 この専門図書館のネットワークを可能にしたのは、県の試験研究機関や博物館などに付 設された図書館の存在です。付設図書館の図書との相互貸借・相互利用によって、県立川 崎図書館はネットワークの核に相応しい専門的な図書館サービスを提供してきました。(註 7) さらに、これらの付設図書館機能を県立専門図書館に位置づけ、蔵書構築やサービスの総 合調整を県立の図書館が行うことで、より高い専門性と総合性を確保できないでしょうか。
  8. 8. 8 海老名の産業技術センターの図書館と県立川崎図書館の「融合」によるシナジー効果に ついては、既述のとおりですが、小田原の生命の星地球博物館の図書館、横須賀の県立保 健福祉大学、横浜の同大学実践教育センター、平塚の看護大学校(2017 開設予定)、農業技 術センターの図書館などに県立川崎図書館の分館としての役割を与えて、生命科学や食と 健康の分野も網羅する科学と産業の総合専門図書館を構想することができます。(註 8) 各付設図書館は、設置施設と県立川崎図書館の両方の図書館の位置づけを持つクロスフ ァンクショナルな組織になります。少なくとも公共図書館として必要な人員や機能は県立 川崎図書館の責任で確保します。専門図書館に相応しい司書を配置し、蔵書管理のルール やシステムを整備し、KL ネット(神奈川県図書館情報ネットワーク・システム)での相互 利用を可能にする必要があります。最新の情報技術と物流技術の活用により県立川崎図書 館の分館、附属図書館では即日に図書の閲覧等ができなければなりません。(註 9) 附属健康科学図書館・未病学習センター・医食同源普及センター 県立大学(横須賀)、実践教育センター(横浜)、看護大学校(平塚)の図書館を附属健 康科学図書館・未病学習センター・医食同源普及センターとして整備します。 大学図書館と県立川崎図書館の分館の両方の位置づけをもつ、クロスファンクショナル な組織として運営し、健康産業、未病産業や住民の健康づくり活動を支援します。 (4)産業と文化が交差する地域に「新県立川崎図書館」を -将来的には県立川崎図書館を核にして 3 万㎡程度の総合専門図書館を富士見地区などの産 業と文化の交差する地域に整備することが望ましいと考えています。 現在の県立川崎図書館は横浜市内の廃校舎を活用した収蔵庫を含めて 5,000 ㎡の規模で すが、閉架図書雑誌の開架化に伴う閲覧スペースの拡充、展示や開設スペースの確保等の ために施設、設備の拡充が必要になります。現在は、食堂等を廃止して、収蔵スペースに 充てていますが、今日の図書館ではレストランやラウンジ等の施設が標準化されています。 私たちは、(1)や(2)に述べた機能を実現するためには、県立川崎図書館を核にして 3 万㎡程度の総合専門図書館を富士見地区などの産業と文化の交差する地域に整備すること が望ましいと考えています。(註 10) 新県立川崎図書館の規模 科学情報ライブラリー 2,000 ㎡ 産業情報ライブラリー 6,000 ㎡ 附属公害資料館・環境展示館 2,000 ㎡ 川崎市都市発展記念館 4,000 ㎡ 附属社史資料館・国際社史研究センター 2,000 ㎡ ホール、会議室、展示施設等 4,000 ㎡ レストラン、エントランス、トイレ他 10,000 ㎡ 計 30,000 ㎡
  9. 9. 9 2.KSP への移転を前提とした具体的・現実的なプログラム 「地域専門図書館機能連携型」の整備計画 -KSP への移転を前提に、他の産業支援施設等も活用した「地域図書館機能連携型」の整 備計画を提案します。 第三次の提言でもふれましたが、KSP に 5~600 ㎡で、残りは紅葉丘の県立図書館の収 蔵庫という結末が危惧されます。 黒岩知事の「川崎図書館の機能と KAST の機能を融合させるなど、いっそう産業の活性化 につながる図書館にしていきたい。」という思い、県民との約束を実現するための具体的・ 現実的なプログラムを示さなければなりません。 私たちは、KSP への移転を前提に、産業技術センター図書館等、各地の専門図書館も活用 した「地域専門図書館機能連携型」の整備計画を提案します。 ①本館 科学情報ライブラリー → KSP(高津区) ②海老名別館 産業情報ライブラリー → 産業技術センター(海老名市) ③附属川崎公害資料館・環境技術展示館 → 富士見地区※ (川崎区) ④附属社史資料館・国際社史研究センター → 富士見地区※ (川崎区) ※富士見地区では、現図書館の近傍に既存の公共施設等を活用して整備 ① 県立川崎図書館 本館 科学情報ライブラリー 藤嶋昭記念こども科学図書館 県立川崎図書館の本部機能は、KSP 内に確保します。海老名別館や附属図書館等の一体 的な運営、配置した職員の司書等の育成と活用の調整機能を担います。 科学情報ライブラリーを KSP に整備します。KAST の人材育成機能等と連携して、現行 のこども図書館等を活用し、1,000 ㎡程度を確保します。県立川崎図書館の児童・青少年向 け科学図書は、光触媒ミュージアムの「こども図書コーナー」と合わせ、藤嶋昭記念こど も科学図書館として整備します。 ② 県立川崎図書館 海老名別館 産業情報ライブラリー (国際化学文献資料センター、 海外学術雑誌ライブラリー、技報・企業レポート資料センタ ー 規格資料センター) 産業情報ライブラリーのスペースは、産業技術センター図書館(2,000 ㎡)を活用します。 県立川崎図書館は実質 2,000 ㎡ですので、重複の文献の整理等で対応は可能です。 なお、横浜市内の高校の廃校を活用した収蔵センター(デポジットライブラリー)1,500 ㎡については、今後も活用することになります。収蔵資料については、海老名別館の機能 等とあわせて再整理します。 ③ 附属川崎公害資料館・環境技術展示館 富士見地区近辺での確保が望ましいことから、市役所新築工事や富士見地区の再整備の 中で、県と市の共同事業で整備します。面積は 2,000 ㎡程度。
  10. 10. 10 ④附属社史資料館・国際社史研究センター 川崎駅周辺の企業経営者などが集う施設のワンフロアーに、商工会議所等地元経済界の 協力のもとに設置します。閲覧スペースを企業人の集うラウンジと合体するなど、幅広い 図書館利用につながるよう工夫をしながら整備します。また、商工会議所など経済界との 連携によって、日本企業への国際理解を深めるための事業を展開します。 神奈川県資料室研究会の活動スペース等は、この中に確保します。 川崎市立労働会館の活用(註 11) 富士見地区再編整備計画の区域に隣接して、川崎市立労働会館があります。 労働会館には労働資料室が付設され、労働組合史など労働関係の資料を収集・保存して います。国際会議のできる同通機器が整備された会議室もあります。 県立川崎図書館附属社史資料室・国際社史研究センターを労働会館に設置することも考 えられます。労働資料室と連携・分担することで、おのおのの性格がより明確化され、 相乗効果が期待できます。 また、附属川崎公害資料館・環境技術展示館の設置場所としても十分検討に値します。 結びにかえて できることから、理想を見据えて 今まで、私たちは一貫して県立川崎図書館の KSP への移転について、その代替案を提起 してきました。今回、初めて、KSP への移転を前提とするプログラムを提起しました。現 実的で具体性のある案であると思っています。今回の提言をまとめあげる過程で考える会 の参加者から、疑問や異論、反論もありました。現実に妥協することなく、県立川崎図書 館の理想の姿、あるべき姿をきちんと提起し続けるべきではないか、という意見です。 議論の中で、私たちが確認したのは、決して、理想の姿、あるべき姿を放棄したわけで はないということです。「3 万㎡の新県立川崎図書館」を明確に掲げ、その道筋を示した提 言であるということです。 しかし、もう一つ大事なことは、現実的具体的な案「地域専門図書館機能連携型」の整 備計画を、「3 万㎡の新県立川崎図書館」のつなぎとして構想しているわけではないという ことです。 むしろ、3 万㎡の新総合専門図書館は、地域専門図書館の機能連携が実現してこそ、初め て、その役割を果たすことができると考えています。 地域専門図書館との機能連携の強化、KSP、産業技術センター等への移転・融合化を経 て、否、に積み重なって、新県立図書館の整備が実現すると考えています。 ①地域専門図書館の機能連携の強化 地域専門図書館の機能連携の強化はすぐにでも取り組むべき課題です。県立川崎図書館 の専門図書館ハブ機能を強化し、県立の試験研究機関の付設図書館への運営体制の充実、 蔵書管理のルールやシステムの整備、KL ネットへの参加などを進めることが期待されます。
  11. 11. 11 特に、海老名の現産業技術センター図書館を県立川崎図書館の分館・産業情報ライブラ リーとして整備することは、機能面だけでなく、立地面からも理にかなったものです。政 策提言 2「神奈川の県立図書館再整備における用地選定 」でも、県央海老名地域での県立 図書館の整備については、その有効性を主張したところです。(註 12) KSP への移転を待た ず、すぐにでも取り掛かるべきです。また、附属社史資料室・国際社史研究センターや附 属川崎公害資料館・環境技術展示館の整備についても、公共施設や公共的団体の既存施設 の活用等を念頭に県や市、関係機関の協議を早急にすすめることが望まれます。 ②KSP,産業技術センター等への移転・融合化 施設との機能連携を進め、図書館の役割を明確にした上で、KSP や産業技術センター等 の産業支援施設への移転・融合化を行います。 ③新県立川崎図書館の整備 KSP や産業技術センターへ等への移転融合が実現し、地域専門図書館機能連携が進む中 で、ハブ、ゲートウェイとして全体を象徴する新県立川崎図書館が求められます。(註 13) 附属社史資料室・国際社史研究センターや附属川崎公害資料館・環境技術展示館との一 体性を確保できる場所に科学情報ライブラリーや産業情報ライブラリーを中心とする新県 立川図書館本館(新本館)を整備することが理想です。 また、新本館の整備が、KAST や産業技術センターの新たな事業展開につながることが 望ましいと考えています。 KAST はすでに、殿町などに研究分野に応じて適地にブランチを設けています。さらに 教育情報センターとその事業(KAST フォーラム、かながわサイエンスカフェ、KAST 理 科実験室、青少年科学技術フェスティバル、なるほど体験出前教室など)について、新た 地域専門図書館の機能連携の強化 県立川崎図書館:専門図 書館のハブ機能の強化 県立の試験研究機関: 付設図書館への運営体制 の充実、蔵書管理のルー ルやシステムの整備、KL ネットへの参加 KSP、産業技術センター等への移転・融合 2018年~ KSP⇒本部・科学情報Lib 産業技術センター ⇒海老名別館・産業情報 Lib 市立労働会館 ⇒附属川崎公害資料館・環 境技術展示館附属社史資料 館・国際社史研究センター 新県立川崎図書館の整備 2018年~ 整備計画、手法の検討 2020年~ プロポーザル等⇒工事 2026年~ 開館:KASTの富士見地区 での事業展開
  12. 12. 12 なブランチを富士見地区の合築施設に設けます。藤嶋昭記念こども科学図書館に加え、科 学展示スペースなども「KAST 環境と生命の科学展示館」(註 14) として整備し、移設します。 本格的な科学情報ライブラリーと科学展示により、これまで県立川崎図書館や KAST で実 施してきたサイエンスカフェや科学や技術の企画展示などのさらなる展開が期待されます。 産業情報ライブラリー機能については、新館と海老名別館の機能分担と機能連携によっ て産業情報ライブラリーを再構築します。海外学術雑誌ライブラリー(横浜市内のデポジ ットライブラリー)も新館に移します。 できることから、理想を見据えて、これが私たちの新しい提案の考え方です。 註 1:2015 年 6 月の第三次の提言で、県立川崎図書館がこの新たな地方独立行政法人の設立に参 画することを提案しています。 「2 組織運営のあり方を見直したうえでの再整備 神奈川県では、新たなイノベーション創出支援機関の創出を図る事業が進められています。こ の事業では、公益財団法人神奈川科学技術アカデミー(KAST)(川崎市高津区、川崎市川崎区に 拠点所在)と神奈川県産業技術センター(神奈川県海老名市)を一体化させ、地方独立行政法人 として新たなイノベーション創出支援機関の創出にあたるという方向性で検討が進められてい ると聞いています。 この新たなイノベーション創出支援機関に、神奈川県立川崎図書館が参画して、「科学と産業の 情報ライブラリー」としての機能をより有効に発揮していくということも一つの可能性として考 えられるのではないでしょうか。 このような方式をとることで、柔軟かつ大胆な政策や人事が行えるようになり、産業創出や産 業支援、知的財産の活用等が、神奈川県立図書館が築き上げてきた情報資産と一体的に活用され るようになります。この方策をとることで、私どもが第二次提言で示した「世界基準のサイエン ス・産業支援ライブラリー」の実現も可能となるはずです。」 註 2:②の高度計測センター機能は、KSP のインキュベーターとしての機能を支えるもので、当 初は高度技術支援財団(KTF)という KAST とは別の組織で運営され、産業技術センターの京浜臨 海部の支部としての機能を併せ持っていました。新独立行政法人の中で、高度計測センターの組 織的位置づけなども見直される可能性があります。 註 3:建設費は 4 億 7,500 万円で、運営にかかる費用は人件費を除いて年間、5 千万(うち、図 書館費 2 千 5 百万円)、職員は非常勤等も併せて 30 人を擁していました。なお、この建物は、 海老名に統合移転後、海洋開発研究機構の建物の一部として現在も使われています。 註 4:当時の担当者は次のように書き残しています。「県立の図書館が 2 館あって, うち川崎図 書館は理工学図書,特許資料の収集で知られているので,「センター」は雑誌に重点を置くことと
  13. 13. 13 した。最近の中小企業のニーズを考え,海外文献を重視したことも大きな特色の 1 つである。」芝 忠「神奈川県技術情報センターの開設」情報管理 VoI.25 NO.4 July 1982 註 5:グッド長橋広行「県立図書館再編 私はこう思う 海外の研究者にも重要」 神奈川新聞 2013 年 3 月 20 日 註 6:県立図書館には、地域の市町村図書館等と相互に密接な連携を保ちながら、全県域を対象 とした図書館サービスの向上を図る役割があります。図書館のネットワークのハブとしての機能 、、、、、、、、、、、、、、、、、、、 です。 2012 年の県の緊急経済対策では、この機能に着目して、「県立図書館の閲覧・貸出といった直 接サービスの廃止」「川崎図書館の県立図書館への集約化」の方針が打ち出されました。この方 針に対して、県立川崎図書館の担っていた専門図書館のネットワークのハブ機能 、、、、、、、、、、、、、、、、、 の重要性を指摘 する意見が多く寄せられました。 県立川崎図書館では、1960(昭和 35)年に館外貸出を始めていますが、その翌年から、職場 グループ等に対する図書の「団体貸出」を開始し、1963(昭和 38)年からは、神奈川県資料室 研究会と連携して、県内の企業、研究所等の資料室相互の連絡や研究・研修を始めています。 1964(昭和 39)年からは、工場巡回文庫の開始、1970(昭和 45)年には移動図書館車による 「青雲文庫」により、寮生活勤労者に配本を開始しました。 1983(昭和 58)年には、県の試験研究機関等との科学技術文献相互利用制度を開始します。 青雲文庫や職場グループへの団体貸出は現在、実施していませんが、神奈川県資料室研究会や 科学技術文献相互利用は県立川崎図書館の機能を支えています。 註 7:試験研究機関の付設図書館については、県立川崎図書館で経験を積んだ専門的な司書が図 書館の設置計画の策定や運営にあたって重要な役割を果たしてきました。 註 8:県立図書館(紅葉丘)についても、専門図書館群の中で歴史・人文系の総合図書館機能を 果たすことが期待されています。 例えば、中世歴史博物館である県立金沢文庫には、中世史を中心に 6 万冊の蔵書を擁し高度 のリファレンス機能を持っています。 県立女性センターには、山川菊栄文庫など女性史や社会改革思想に関する書籍が系統的に蒐集 され、その蔵書は 10 万冊に及んでいました。女性センターの廃止に伴い、その書籍は県立図書 館に移管され、収蔵されています。女性に関する専門図書館として継続的な資料の収集を行い、 問題解決型の専門的なレファレンス機能が維持されることが期待されています。 そのほか、教育センターにも 4 万冊の教育図書館が付設されています。140 校の県立高校にも 各校に数万冊を擁する図書館があり、常勤の司書が配置されています。学校図書館の蔵書や司書 に求められる専門性は県立図書館の機能を補完するものです。
  14. 14. 14 県立図書館(紅葉丘)については、その専門性の確立が課題とされてきましたが、金沢文庫や 教育センターの付設図書館や県立学校の図書館との棲み分け中で専門性を獲得し、それらを分館 としての位置づけを与えることで、社会・人文のリサーチライブラリーとしての総合性を獲得で きます。 また、女性センターから移管された図書館についても、分館としての自立性を与え、男女共同 参画センターの図書館や事業との連携をはかることで、女性に関する専門図書館としての機能を 維持することが可能となります。 註 9:現在、県立の施設で KL ネットシステムに参加している施設は、かながわ男女共同参画セ ンター(かなテラス)、県政情報センター、神奈川県立保健福祉大学、神奈川県立保健福祉大学 実践教育センターの図書館です。 そのほかで、図書館機能を持っている県立施設には次のようなものがあります。温泉地学研究 所、環境科学センター、衛生看護専門学校、平塚看護専門学校、衛生研究所、がんセンター、こ ども医療センター、産業技術センター、産業技術短期大学校、水技術センター、畜産技術センタ ー、農業技術センター、金沢文庫、生命の星地球博物館、総合教育センター、歴史博物館、公文 書館、国際言語文化アカデミア、地球市民かながわプラザ、ライトセンター。 註 10:昨年 11 月の図書館総合展で神奈川県資料室研究会の主催するフォーラム「神奈川県立川 崎図書館の望ましい姿」でフロアから、県立川崎図書館の機能を考えると、少なくとも 3 万㎡規 模の施設が必要であるという意見がだされました。 近年整備された開架 30 万冊以上の都道府県立図書館についてみると、愛知県図書館 19,604 ㎡、大阪府立中央図書 30,770 ㎡、岡山県立図書館 18,193 ㎡、福井県立図書 18,436 ㎡、宮城県 図書館 18,101 ㎡、大分県立図書 23,002 ㎡で、その延べ床面積は 1 万 8 千から 3 万㎡程度です。 県立川崎図書館では、収蔵図書資料の性格から、展示や解説のスペースが必要です。 註 11:川崎市立労働会館は、1981 年の竣工で延床面積は 10,000 ㎡、50m×50mの 5 階建ての建 物です。一階は 2,500 平米、700 人収容の大ホールは 5 階まで吹き抜けになっており、2~5 階部 分の床面積は一階の 4 分の 3、1,900 ㎡程度です。 労働会館の業務は労働資料室のほか、ホールや会議室の貸し館、セミナーの自主開催などです。 富士見地区の再整備の中で、貸しホールなどの機能の見直しが求められる可能性があります。 註 12:2014 年 6 月の第三次の提言で、紅葉ヶ丘の県立図書館の紅葉ヶ丘を前提とした再整備案 での代替候補地として、海老名や厚木などの県央地域の有効性を主張しています。 註 13:様々な専門図書館が充実する中でこそ、専門図書館全体をハブ、ゲートウェイの機能を 果たす象徴的な図書館が求められます。それは市町村立図書館が充実してくるなかで、市町村図
  15. 15. 15 書館の側から、連携協力の核となる県立図書館がもとめられたのと同じです。 もう一点、図書館に必要なゲートウェイ機能として、都市のゲートウェイ、ポータル機能があ ります。都市の体験型の観光のゲートウェイとして、図書館の有効性が指摘されています。産業 観光資源の豊富な臨海部、富士見地区はゲートウェイ図書館に最適です。 註 14:様々な分野で、図書館や博物館、アーカイブスの連携(MLA 連携、あるいは MLAK 連携:K は公民館)の有効性が指摘されています。この科学展示の博物館の立地によって、富士見地区は、 科学と産業の MLA 連携拠点になります。 以上。 参考:神奈川の県立図書館を考える会 本会のあらまし 神奈川の県立図書館を考える会は、2012 年 11 月 8 日(木)に、主宰者である岡本真(企 業経営者)の呼び掛けに寄り発足しました。 呼びかけは、主にインターネットのソーシャルネットワーキングサービス Facebook 上で 行われ、当初段階で約 150 名が、現段階では約 300 名が参加しています。 会としては、厳密な会則等は設けず、参加者各自が社会的な地位に左右されることなく、 対等な議論を行うように努めて、毎月定例会を開催するほか、政策提言シンポジウムや政 策検討ワークショップを複数回開催しています。 <主宰者について> 主宰者の岡本真は神奈川県横浜市において、知識・情報の活用に関するコンサルティン グやプロデュースを行う企業を経営している者です。ただし、本会の活動はあくまで一県 民、一市民として個人的に行っています。 <関連情報・連絡先> 関連情報: Facebook ページ(広報用)https://www.facebook.com/KanagawaLib Facebook グループ(議論用)https://www.facebook.com/groups/130704170413865/ 連絡先: 〒231-0012 神奈川県横浜市中区相生町 3-61 泰生ビル さくら WORKS<関内>408 アカデミック・リソース・ガイド株式会社 内 神奈川の県立図書館を考える会 主宰者・岡本真 電話:070-5467-7043(不在時は留守番電話へのご用件の吹込みを必ずお願いします) メール:mokamoto@arg-corp.jp なお、ご連絡は極力、メールでお願いいたします。

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