10数年運用されているシステムの紐解き方

10数年運用されている
システムの紐解き方
Media Do
#andpad_mediado
自己紹介
● 天野 庄平(@do_M_gaToru)
● 株式会社メディアドゥ
○ 2020年8月 中途入社
○ 電子書籍取次システムの開発に携わる
● 前職では受託開発会社で業務システムの開発(12年)
○ Java / VB.NET / PHP / etc
こういった経験はありませんか?
長年運用されている業務システムの開発に携わった時・・・
● ドキュメントが整備されていない
● 有識者が限られていて詳細な情報を聞く機会が少ない
● ステークホルダーがわからない
話したいこと
初めて出会う業務システムを
紐解き、向き合う
もくじ
1. メディアドゥ入社前までの経験
2. メディアドゥでの紐解き方
3. 最後に
もくじ
1. メディアドゥ入社前までの経験
2. メディアドゥでの紐解き方
3. 最後に
メディアドゥ入社前の経験
ここでお話しする内容は、
メディアドゥに入社するまでの経験談です。
初めて業務システムを紐解いた経験をご紹介します。
1人だけで作り続けられたシステム
● ベースのシステムは1人が長年開発を担当したシステム
● 仕様書は頭の中でドキュメントは不在
● 担当者がいなくなりインフラの老朽化などもあり刷新へ
1人だけで作り続けられたシステム ~刷新へ・・・予算がない~
● 刷新を担当する元請けベンダーにとってもツライ状況
● 残されたのはスパゲッティのみ
● スパゲッティをベースにしたコンバージョンを実施
● ドキュメントは画面イメージのみ作成
1人だけで作り続けられたシステム ~数年後、私、登場~
引き取った時点の課題
● 複雑・冗長なコード達
● 仕様がわからない仕様書
● 有識者は2名程度
● 開発予算が少ない
1人だけで作り続けられたシステム ~向き合い方~
● 複雑・冗長なコード達
○ ありのままを受け入れる
○ 改善したい衝動に駆られるが、運用は回っているので保留
○ 数年計画で改善していく
● 仕様がわからない仕様書
○ 優先度を決めてソースからリバース
○ 残ったものについては数年計画で改善していく
1人だけで作り続けられたシステム ~向き合い方~
● 有識者は2名程度
○ メンバーを育成
○ チームで開発できる体制を目指した
● 開発予算が少ない
○ 向き合って改善をしていったら予算が増えた
○ 新しい改善ができるようになった
これまでの経験から学んだ紐解き方・向き合い方とは
● システムの現状を受け入れる
● システムの課題を理解する
● システムの成り立ちを理解する
● システムの改善を行う
※システム=ソフトウェアだけではなく関わる人々も含めて
もくじ
1. メディアドゥ入社前までの経験
2. メディアドゥでの紐解き方
3. 最後に
メディアドゥでの紐解き方 ~電子書籍取次システム~
電子書籍流通を支える10数年運用されているシステム
メディアドゥでの紐解き方 ~課題・成り立ちを理解する~
担当し始めて思ったこと
● システムの目的は理解したけど全体感を把握する資料は?
● 誰がどのタイミングで使うんだろう?
● チーム外の人はこのシステムをあまり知らなさそう
● 忙しそうな人もいるけど稼働は安定している
メディアドゥでの紐解き方 ~課題・成り立ちを理解する~
● システムの目的は理解したけど全体感を把握する資料は?
○ 機能単位でのドキュメントはそろっている
○ テーブル定義の情報も不足はない
システム構成・機能間のつながりを説明する資料もあれば、
全体感を把握できるのではないか?
メディアドゥでの紐解き方 ~課題・成り立ちを理解する~
● 誰がどのタイミングで使うんだろう?
○ システムのユーザー権限を見たら登場人物はわかってきた
○ 登場人物の役割までは情報が断片的で把握しきれない
○ 社内のどの部門の人が該当するんだろう?
ユースケース図や業務フロー図のような、
ユーザーとシステムを紐づけるような資料があれば、
ステークホルダーが一目でわかるようになるのではないか?
メディアドゥでの紐解き方 ~課題・成り立ちを理解する~
● チーム外の人はこのシステムをあまり知らなさそう
○ 事業統合により、新システムへの統合を実施
○ 現在のチームは、長年開発を担当しているメンバーがほとんど
電子書籍取次システムと連携している別システムの担当者は、
電子書籍取次システムの仕様や使い方の詳細までを把握できる機会がない
メディアドゥでの紐解き方 ~課題・成り立ちを理解する~
● 忙しそうな人もいるけど稼働は安定している
有識者は多忙であるため
今以上のドキュメント化・詳細化に着手できない状況
メディアドゥでの紐解き方 ~課題・成り立ちを理解する~
見えてきた課題
● 電子書籍取次システムを一連の流れで理解する手段が少ない
○ 新規参画者へのオンボーディング手段は限定的なので有識者が増えにくい
電子書籍取次システムのオンボーディング資料を作ろう!
メディアドゥでの紐解き方 ~改善を行う~
1. 調べた結果をひたすらアウトプット(Qiita:Teamに公開)
a. 電子書籍取次システムの概要を説明する記事を作成
b. ユーザーの役割とシナリオを紐づけるユースケース図を作成
c. ユーザーのメイン業務を調べて業務フロー図を作成
システム規模が大きいので道半ば・・・
だが、あと1年で完成させる予定で地道に継続中!!
メディアドゥでの紐解き方 ~改善を行う~
2. 困ってそうな Slack を漁る
a. 電子書籍取次システムを利用している他システムの担当者のSlackを漁る
b. 疑問点などがありそうな場合に調べてお知らせする
c. 可能な限りQiita:Teamにアウトプットして残していく
気軽に聞いてもらえるような雰囲気は作れたのか質問されることが増えた!
知識不足で応えられないことも多いが有識者に繋ぐことができるので結果OK
メディアドゥでの向き合い方
● 今行っている改善も道半ばだが着実に進んでいる
● 改善活動をすることで新しい課題=改善の可能性が見えてきた
● まだまだ向き合うことが増えてきそうで楽しみ!
もくじ
1. メディアドゥ入社前までの経験
2. メディアドゥでの紐解き方
3. 最後に
最後に
もっと大変な状況にいる方もいるかもしれません。
けど、諦めずに向き合い続けてください。
きっと報われます。私は応援しています。
あなたの向き合い方も教えてください。
THANKS
Media Do
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