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LiBRA 11.2019 / DXビジネス・ガイド

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LiBRA 11.2019 / DXビジネス・ガイド

  1. 1. 1 ⾒える化 判 断 ⾏ 動 Digital Transformation SI事業者・ITベンダーのための デジタル・トランスフォーメーション ビジネス・ガイド 2019年10⽉24⽇ デジタル・テクノロジーを駆使した 変化に俊敏に対応できる企業⽂化や体質への変⾰ 何 を す れ ば い い の か ︖ 何から始めればいいのか︖ デジタル・トランスフォーメーションの本質と「共創」戦略
  2. 2. 2 デジタル・トランスフォーメーション・ビジネス・ガイド デジタル・テクノロジーを駆使した 変化に俊敏に対応できる企業⽂化や体質への変⾰ 「デジタル・トランスフォーメーション(Digital Transformation または DX)」 とは、新しいテクノロジーを駆使した情報システムを作ることでも、IoT や AI、 ネットを駆使した新しいビジネスを⽴ち上げることでもありません。もっと本 質的に、あるいは根本的に、ビジネスのやり⽅や組織の振る舞いを⾼速に変化さ せ続けることができるように企業の⽂化や体質を変⾰することです。 そんな DX 実現への取り組みは、お客様にとっても未知の領域です。意欲はあっ ても何をすればいいのか分かりません。そこで、私たちがお客様と⼀体となって 実現の⼿段を探り、お客様の DX 実現に貢献しなければなりません。「共創」と はそんなお客様との関係を築き、ビジネス機会を⽣みだしてゆくことです。 「DX」と「共創」を⾃社の競争戦略に結びつけるためには、それらの本質につ いて理解することから始めなくてはなりません。本ガイドは、その機会を提供す るものです。 「DX」と「共創」を通じて顧客価値の創造に貢献し、新たな事業機会の創出に つなげてゆくことが、IT に関わる私たちには求められています。 2019 年 10 ⽉ 斎藤昌義 ネットコマース株式会社 代表取締役
  3. 3. 3 ⽬次 第1章 「デジタル・トランスフォーメーション」と「共創」を理解する............................... 5 「デジタル・トランスフォーメーション」とは何か................................................................5 DX がいま注⽬される背景.....................................................................................................5 DX とは何をすることなのか ...............................................................................................10 DX を実現する段階とビジネス価値 ....................................................................................14 DX を実現するとはどういうことか ....................................................................................16 DX が⽣みだす2つの価値...................................................................................................18 競争環境の変化と DX ..........................................................................................................20 DX を⽀えるテクノロジーと実現のための⼿法..................................................................22 DX と ERP システムの関係 .................................................................................................23 DX ビジネスとは何か ..........................................................................................................27 「共創」とは何か.....................................................................................................................31 共創が必要な理由.................................................................................................................31 共創の 3 つのタイプ.............................................................................................................32 共創の原動⼒となる「オープン」と「イノベーション」 ..................................................33 DX と共創による顧客価値の創出........................................................................................34 「共創」とは何をすることなのか.......................................................................................35 第 2 章 「デジタル・トランスフォーメーション」と「共創」を実践する............................. 37 ⽬指すべきゴール.....................................................................................................................37 ⽬指すべき「あるべき姿」 ......................................................................................................37 なぜ、私たちが DX と共創に取り組まなければならないのか................................................38 第 3 章 DX 事業戦略 .................................................................................................................. 39 DX 事業の類型とその戦略 .......................................................................................................39 プライシング戦略.....................................................................................................................43 事業開発戦略 ............................................................................................................................45
  4. 4. 4 DX 事業実施の判断基準.......................................................................................................45 その他、DX 事業のために取り組むべきこと......................................................................47 ⼈材育成戦略 ............................................................................................................................48 エンジニア⼈材の育成 .........................................................................................................49 営業⼈材の育成 ....................................................................................................................53 最後に........................................................................................................................................... 61
  5. 5. 5 第1章 「デジタル・トランスフォーメーション」と「共創」を理解する 「デジタル・トランスフォーメーション」とは何か 「IT の浸透が、⼈々の⽣活をあらゆる⾯でより良い⽅向に変化させること」 そんな、「デジタル・トランスフォーメーション(Digital Transformation または DX)」とは、2004 年にスウェーデンのウメオ⼤学のエリック・ストルターマン 教授らが提唱した概念です。彼らはまた DX により、「情報技術と現実が徐々に 融合して結びついていく変化が起こる」とも述べています。 また、調査会社である IDC Japan は、次のように定義しています。 「DX とは、クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャ ル技術を利⽤し、新しい製品・サービス・ビジネスモデルを通して価値を創出し、 競争上の優位性を確⽴すること」 つまり、DX とはビジネス価値を提供する主体、つまり企業が取り組むべき変⾰ のことであるとしています。その変⾰を、クラウド、モビリティ、ビッグデータ /アナリティクス、ソーシャルといったデジタル技術を利⽤することによって、 進めとゆくことであるとも述べています。経済産業省が 2018 年 9 ⽉に発表した DX レポートの中でも、この IDC Japan の定義を採⽤しています。 このような考えを踏まえ、ビジネス⽤語としては、おおむね「デジタル・テクノ ロジーを駆使して、企業の⽂化や体質を変⾰し、ビジネスのやり⽅や組織の振る 舞いを抜本的に変化させること」という意味合いで⽤いられています。 DX がいま注⽬される背景 そんな DX が、いまなぜこのように注⽬されるようになったのでしょうか。そこ
  6. 6. 6 には、「IT 市場の成熟と飽和」と「IT と社会の融合」という 2 つの⼤きな時代 背景があります。 IT 市場の成熟と飽和 ここに1枚のチャートがあります。⽇本の IT 投資および IT サービス産業の推 移を表したものです。このチャートから読み取れることは、「IT 市場は既に飽 和・成熟している」ということであり、もはや従来の延⻑線上にある IT ビジネ スでは成⻑できなくなったという現実です。 グローバルに⾒ても、インターネットやスマートフォン、PC といった市場は、 新興国を除けば同様の傾向にあり、この分野におけるビジネス成⻑の余地は限 られています。⼀⽅で、IT 活⽤の重要性については、これまでにも増して関⼼ が⾼まっており、「デジタル・トランスフォーメーション」もまた、その⽂脈の 中で語られるようになりました。 IT
  7. 7. 7 ⼀⾒⽭盾するこの現実にこそ、DX に関⼼がむけられるようになった背景があり ます。 先般 Facebook が、⾃らが主導する仮想通貨「Libra」を発表し、⼤きな話題とな りました。ほかにもキャッシュレス決済や電⼦マネーなど、フィンテック/ネ オ・バンキング(デジタル・テクノロジーを使って⾦融サービスを提供する事業) などについては、ここ最近話題に事⽋きません。また、⾃動運転や MaaS(Mobility as a Service)、⼩売・流通・物流における⾃動化、製造業におけるインダストリ ー4.0、5G を使った遠隔医療や遠隔教育、ウエアラブルや DNA 解析を活⽤した 新しいヘルスケア産業の台頭など、様々な産業分野における”xTech”化が、いま すごい勢いで拡がっています。 つまり、「様々な産業とデジタル・テクノロジーの融合」という⼤きなトレンド が動き出しているのです。 GAFA と呼ばれる Google、Amazon、Facebook、Apple に加え、BAT と呼ばれ る Bidu、Alibaba、Tencent などは、もはや旧来の狭い範囲での IT 市場では、 IT
  8. 8. 8 将来の成⻑は⾒込めないとの認識に⽴ち、⾃らの持つ膨⼤なデータと資⾦を武 器に、この xTech 分野でビジネスを拡⼤しようとしています。それが、Facebook の Libra であり、Google の Waymo(⾃動運転の技術開発会社)であり、Apple の Apple Card(新⽅式のクレジットカード)であり、Alibaba の盒⾺鮮⽣[フー マー・フレッシュ](オンラインとオフラインを融合した新しいスタイルの⾷品 スーパー)などの動きとして現れています。 彼らは、様々な xTech に関わる事業開発に莫⼤な投資を⾏うだけではなく、同 様のベンチャー企業にも積極的に資⾦を投じています。ベンチャー・ファンドも また同様の投資を拡⼤しています。 この変化は、これまでの業界という枠組みを曖昧にし、「デジタル・テクノロジ ーによる産業構造の転換」を急速に推し進める原動⼒となっています。 もはや IT は、効率化やコスト削減の⼿段としてだけではなく、新たな競争⼒を ⽣みだす源泉であり、差別化の武器として位置付けられ、そのための取り組みや 投資を拡⼤し始めているのです。 そうなれば、IT に関わるスキルやノウハウはユーザー企業のコアコンピタンス であり、事業資産として蓄積するために内製化の範囲を拡⼤してゆきます。さら にはクラウド利⽤の拡⼤や⾃動化へのシフトを加速し、競合他社との差別化を ⽣みだすアプリケーションへと経営資源をシフトしてゆくことになります。そ うなるとこれまでとは、異なるかたちでの IT 需要を喚起するとともに、先に⽰ した統計とは違うカタチでの IT の需要⽣みだしてゆくと考えられます。 このような変化が、IT 市場の実態と IT への新たな期待との間にギャップを⽣ じさせ、⼀⾒すると⽭盾するような状況を⽣みだしているのです。 DX を理解するには、このような IT への期待の変化、ビジネスと IT の新しい関 係について、おさえておく必要があります。
  9. 9. 9 IT と社会の融合 現実世界の様々な「ものごと」や「できごと」は、モノに組み込まれたセンサー やモバイル、ソーシャル・メディアなどの現実世界とネットとの接点を介し、リ アルタイムにデジタル・データに変換されクラウドに送られます。 インターネットに接続されるモノの数は 2020 年の時点で 500 億個になるとさ れ、そこには数多くのセンサーが組み込まれており、私たちは、膨⼤なセンサー に囲まれた世界に⽣きてゆくことになります。こうして、「現実世界のデジタル・ コピー」、すなわち「デジタル・ツイン(双⼦)」が⽣みだされてゆきます。 「デジタル・ツイン」は膨⼤なデータ量、すなわち「ビッグデータ」ですが、集 めるだけでは意味がありません。そのデータから誰が何に興味を持っているの か、誰と誰がつながっていているのか、渋滞を解消するにはどうすればいいの か、製品の品質を⾼めるにはどうすればいいのかなどを⾒つけ出さなければな りません。そのために AI 技術のひとつである機械学習を使って分析し、ビジネ スを最適に動かすための予測や判断をおこないます。それを使って、アプリケー
  10. 10. 10 ションやサービスを動かして、機器を制御し、情報や指⽰を送れば、現実世界が 変化し、デジダル・データとして再びネットに送り出されます。 このような現実世界をデータで捉え、現実世界と IT が⼀体となって社会やビジ ネスを動かす仕組みを「サイバー・フィジカル・システム(Cyber-Physical System または CPS)」と呼んでいます。 インターネットにつながるモノの数は⽇々増加し、Web サービスやソーシャル・ メディアもまたその種類やユーザー数を増やしています。現実世界とネットの 世界をつなげるデジタルな接点は増加の⼀途です。データ量はますます増え、よ りきめ細かなデジタル・ツインが築かれてゆきます。そうなれば、さらに的確な 予測や判断ができるようになります。この仕組みが、継続的に機能することで、 社会やビジネスが、常に最適な状態に維持されることになります。 このような CPS というデジタル・テクノロジーに⽀えられた社会基盤の充実、 それを⽀える IT やネットワークの進化、すなわち「IT と社会との融合」が急速 に進んでいることが、DX への期待を⾼めています。 DX とは何をすることなのか 「IT 市場の成熟と飽和」と「IT と社会の融合」という 2 つのトレンドが、DX へと世の中を動かす原動⼒になっていると⾔えるでしょう。では、「DX の実現」 とは、何をすることなのでしょうか。 デジタル・テクノロジーを駆使してビジネス・プロセスを加速すること 業界に突如として現れる破壊者たち、予測不可能な市場環境、めまぐるしく変わ る顧客ニーズの変化など、ビジネス環境は、これまでになく不確実性が⾼まって います。このような時代にあっては、「⻑期計画的に PDCA サイクルを回す」と いったやり⽅では、成⻑はおろか、⽣き残ることさえできません。 ビジネス・チャンスは⻑居することはなく、激しく変化する時代にあってチャン スを掴むにはタイミングを逃さないスピードが必要です。顧客ニーズもどんど ん変わり、状況に応じ変化する顧客やニーズへの対応スピードが企業の価値を
  11. 11. 11 左右します。競合もまた⼊れ代わり⽴ち代わりやって来ます。決断と⾏動が遅れ ると致命的な結果を招きかねません。 こんな時代に事業を継続するには、その時々の最善を直ちに⾒極め迅速に意志 決定し、⾏動を変化させなくてはなりません。つまり「圧倒的なビジネス・スピ ード」を⼿に⼊れるしかないのです。 そのためには、IoT やインターネット、ビジネス・チャットを駆使して現場をリ アルタイムに「⾒える化」し、機械学習を使いデータに基づいて的確、迅速に「判 断」し、事業活動をダイナミックに変化させつつ「⾏動」しなくてはなりません。 加えて、意志決定のやり⽅を根本的に⾒直して現場への⼤幅な権限委譲をおこ なうこと、組織の役割や権限の与え⽅を変えること、働く場所や時間に縛られ、 会議や事務処理に多⼤な時間を使わなくてはならない働き⽅から社員を解放す ることで、働く⼈の能⼒を最⼤限に発揮できるようなワークスタイルを実現す ることも必要です。 さらに、ビジネス・プロセス個別の効率化や最適化に留まらず、全体最適の観点
  12. 12. 12 からプロセス間の相互連携を停滞させることなく、⽔が流れるように仕事が進 んでゆく、ビジネス・プロセスの流⽔化も必要となるでしょう。 このような仕組みをアナログな⼈間系に頼るビジネス・プロセスで実現するこ とはできません。デジタル・テクノロジーを駆使して変化に俊敏に対応できるビ ジネス・プロセスを実現しなくてはなりません。 「⼼理的安全性」に⽀えられた組織を実現すること もうひとつの⼤切な要件が、組織の「⼼理的安全性」です。「⼼理的安全性」と は、他者の反応に⾝構えたり、不安になったりすることがなく、⾃然体の⾃分を 曝け出すことのできる環境や雰囲気のことです。このような組織の状況があれ ばこそ、円滑なコミュニケーションができるようになり、圧倒的なビジネス・ス ピードを⽣みだすことができます。 ただ、その前提としておさえておくべきは、「対⼈関係においてリスクのある⾏ 動をしてもこのチームでは安全であるという、チームに共有された信念」がある
  13. 13. 13 ことです。つまり、チームのメンバーが、⾃律したプロフェッショナルであり、 そのチームへの⾼いコミットが求められる厳しい環境下での特性であるという ことです。 単なる仲良しクラブではなく、⾃分⾃⾝の確固たる主張や意⾒を持ち、それをお 互いにぶつけ合うことができる、プロフェッショナル同⼠の⾼い信頼関係が前 提であることを意味します。お互いに相⼿の多様性を認め、敬意を払い、信頼を 分かち合えることを前提に⾃由闊達な議論ができ、チャレンジができる組織の メンタリティが、「⼼理的安全性」なのです。 そんな組織で働く⼈たちは、⾃発的に⾃分の意⾒を述べ、忖度なく議論し、⾃律 的に改善してゆきます。その結果、より付加価値の⾼い仕事へと時間も意識もシ フトし、その⼈の持つパフォーマンスを最⼤限に引き出すことができる「働き⽅ 改⾰」が実現するでしょう。また、失敗を繰り返しながら⾼速で試⾏錯誤を繰り 返すことが許容される雰囲気や、建前ではなく本⾳で語り合える環境が、新規事 業やビジネス・モデルの転換を⾃然と促すことになるのです。 デジタル・テクノロジーを駆使した 変化に俊敏に対応できる企業⽂化や体質への変⾰
  14. 14. 14 「DX の実現」を別の⾔葉に置き換えるとすれば、このように表現できるかも知 れません。それは、「デジタル・テクノロジーで加速したビジネス・プロセス」と 「⼼理的安全性に⽀えられた組織」があって、はじめて実現できるのです。 DX を実現する段階とビジネス価値 DX の提唱者であるストルターマン教授らは、DX に⾄る段階を次の 3 つのフェ ーズに区分しています。 l 第 1 フェーズ:IT 利⽤による業務プロセスの強化 l 第 2 フェーズ:IT による業務の置き換え l 第 3 フェーズ:業務が IT へ IT が業務へとシームレスに変換される状態 *** 以下省略 *** 全 63 ページ 14

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