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スマートフォンを題材とした情報モラル授業プログラムの開発

  1. 1. 日本教育工学会 第28回全国大会(長崎大学) 一般研究3 ポスター P2a-SCS-42 スマートフォンを題材とした 情報モラル授業プログラムの開発 阿部学(千葉大学大学院人文社会科学研究科) 小池翔太(千葉大学大学院教育学研究科) 藤川大祐(千葉大学教育学部) 塩田真吾(静岡大学教育学部) 市野敬介(企業教育研究会) 八木真実子(ソフトバンクモバイル)
  2. 2. 1. はじめに • 近年、携帯電話が子どもたちに 急速に普及    小5 の 23%   中2 の 42% が所持 社団法人日本PTA協議会(2012)「子どもとメディアに関する意識調査」 • 様々な 問題 が指摘され、 携帯電話の適切な利用を促す 授業・教材づくりが行われるように たとえば 稲垣・林・中川(2007)、小島・村松・室岡・小松(2011)など
  3. 3. • 他方、世間では スマートフォン が流行 フィーチャーフォン スマートフォン ネット 携帯電話回線が基本 携帯電話回線でもWI-Fiでも アプリ 携帯電話会社ごと 限定的 世界規模で流通 多様 端末 日本独自で特殊に発展 世界規模で流通 小型PC →従来型のフィーチャーフォンとは 特徴が異なる • スマホ所持率は、 中学生 の 5%  高校生 の 7% 内閣府(2011)「青少年のインターネット利用環境実態調査」 →ただし、今後は急増か  本研究では、スマホ特有の課題を扱った授業の開発を行う
  4. 4. 2. 授業プログラムの開発 (1)ドラマ教材の活用 • 阿部ほか(2011)による先行研究(フィーチャーフォンを想定) 子どもたちが陥りがちな問題を描いたドラマ を視聴。登場人物の行動の問題点を指摘 さらに、登場人物へのアドバイスや、 自分であればどういう行動をとるかを考える →携帯電話利用を批判的に  考えさせることができる • この成果にならい、スマホ利用を描いたドラマ教材を制作 NHKエデュケーショナルに制作を依頼
  5. 5. (2)ドラマ教材で扱う内容 スマホ利用の問題として扱う内容を検討し、 以下の2点を中心とすることにした (1) アプリの利用 様々なアプリをインストールして機能 を拡張できるが、中には気をつけなけ ればならないアプリもある (2) SNS の利用 Wi-Fi機能などによりSNSを利用しや すい。SNS上での情報発信が課題にな る
  6. 6. (3)ドラマのあらすじ(約11分)  中学2年生の優花は、最近スマホを買って もらったばかり。  そんな優花、1人でいるときには中学生が 集まるSNSをよく見て楽しんでいる。その中 で、恋の悩みを相談する「スイ」という子に 優花は興味をもち、ふとしたきっかけでアド バイスのメッセージを送る。  その後、直接会ったことはない優花と「スイ」 のSNS上での交流が進んでゆく。優花のスマホを 利用する時間も増え、使うアプリも増えてゆく。  あるとき、優花は友人との写真をSNSにアップ ロード。すると、その写真を見た「スイ」から友 人のメールアドレスを教えてほしいというメッ セージが届く。優花は喜んでメールアドレスを教 えてしまうのだが…(結末は描かない)
  7. 7. (4)授業の流れ 時配 内容 導入。スマホについて学習することを知る。 8 スマホの特徴として、アプリの利用があることを知る。 ドラマを視聴する。主人公たちのスマホ利用の問題点 12 をメモする。 15 問題点をグループ、全体で共有する。 ドラマの最後には何が起こりうるのかを想像する。 10 また、問題が起こらないようにするためにはどうすれ ばよいか、主人公に対してのアドバイスを考える。 まとめ。今後自分はどういった点について気をつけて 5 スマホを使ってゆくかを考える。
  8. 8. 3. 授業プログラムの実施と結果 • 2012年6月、 公立高校普通科1年生(362人・一斉) を対象に授業を実施 • 事前アンケートによる 対象生徒の スマホ所持率は 59%    
  9. 9. とても まあまあ 事後アンケート(n=362) あまり 思わない 無回答 Q ドラマを見て、スマホを使うときの問題点が分かりましたか? 57.2% 40.9% 0.8% 1.1% 0% 20% 40% 60% 80% 100% Q まわりの人と話し合うことで、問題点に気づくことはありましたか? 35.6% 59.7% 3.0% 1.4% 0% 20% 40% 60% 80% 100% Q 今後スマホとうまく付き合ってゆけると思いましたか? 48.2% 45.7% 5.2% 0.8% 0% 20% 40% 60% 80% 100%
  10. 10. ๏ スマホは便利だが使い方を間違え 自由記述での感想 ると怖い ๏ ネットにむやみやたらになんでも かんでもアップしたりするのはだ めだと思った ๏ SNSで個人情報を公開させたり勝 手に人のアドレスを教えたりする ことがないように心がけたい ๏ 意見を普段言わない人でもSNS上 では言ってしまう。個人情報を流 さないようにしたい ๏ 友達のメールアドレスを勝手に教 えるなんてことにならないように 気を付けたい 具体的に気を付けたいことを 挙げる記述が多かった TRUSTIA 及び KH Corderを使用した
  11. 11. 頻度は少なかったが、示唆的な感想 「共感」に関する記述 ๏ 現実離れした話ではないのですが、私はケータイの使い方が完璧なので「ば かだな∼」と思ったし共感はできなかった ๏ ドラマの主人公と共通点が多く、共感できた →共感の仕方は様々だが、ドラマには興味を持っている 「アプリ」に関する記述 ๏ アプリを使うときはよく自分の中で考えてから使用するようにしていきたい ๏ スマホのアプリを使うといろいろな問題がおこることが分かった →「アプリ=すべて悪いもの」という誤解がないように  説明を補う必要がある
  12. 12. 4. 成果と課題 • 事後アンケートと自由記述からは、本プログラムの有効性が おおむね理解される • スマホの普及率は地域・学校ごとに異なることが想定される が、本発表はひとつの学校での試みであった。多様な場で実 践を重ね、考察してゆくことが必要である。 • 授業中の様子の質的な分析や、男女差の分析など、多様な分 析方法を用いる必要がある。
  13. 13. 付記 • 本授業は、NPO法人企業教育研究会とソフトバンクモバイル株 式会社が共同で開発した「考えよう、ケータイ・スマートフォ ン」という授業プログラムです。 • DVD付き指導案冊子を、学校関係者に無料配布しています。 説明用のスライド資料などは企業教育研究会ウェブサイトから ダウンロードできます。 http://ace-npo.org
  14. 14. 参考文献 • 阿部学、藤川大祐、塩田真吾、古谷成司、市野敬介、梅原みどり(2011)「携帯 電話の利用方法に関する情報モラル授業プログラムの開発」、CIEC研究会論文 誌、2、pp.80-83 • 稲垣忠、林向達、中川一史(2007)「GBSに基づく小学生向け携帯電話モラル教 材の開発」、電子情報通信学会技術研究報告、Vol.107、No.205、pp.29-32 • 小島一生、村松浩幸、室岡聡也、小松裕貴(2011) 「中学生にネットトラブルに 関する保護者への相談を意識させるためのシナリオゲーム教材の開発」、日本教育 工学会論文誌、35、pp.269-172

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