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研究とメディア活動を両立するための3つのコツ

9月11日(日)に早稲田大学で開催される「日本経済学会秋季大会」(2日目)のチュートリアル・セッションにおける報告用スライドです。詳しい学会情報などは以下の公式サイトをご参照ください:
http://www.jeameetings.org/2016f/index.html

研究とメディア活動を両立するための3つのコツ

  1. 1. 研究とメディア活動を 両立するための3つのコツ 安田洋祐 | 大阪大学 2016年9月1 日本経済学会@早稲田大学
  2. 2. 講演の流れ 2016年9月日本経済学会@早稲田大学2 } 経済学会と経済論壇を繋ごう } 研究しながらメディアに出る } 経済論壇のジレンマ<理論分析> } みなさんへのメッセージ
  3. 3. 安田のスケジュール(最近2週間) 2016年9月日本経済学会@早稲田大学3 } 8月29日(月):有斐閣にて教科書(共著)執筆 } 8月30日(火):とくダネ!出演、共同研究、オイコノミア打ち合 わせ、欲望の資本主義打ち合わせ } 9月3日(土):大学院入試面接 } 9月5日(月):週刊東洋経済インタビュー収録 } 9月6日(火):とくダネ!出演 } 9月8日(木):教授会 } 9月9日(金):研究会(報告)、研究会(委員) } 9月10〜11日:日本経済学会 } (9月13日:とくダネ!出演、オイコノミア打ち合わせ) } メディア関係ー6(+2)件、それ以外ー6件
  4. 4. 経済学会と経済論壇を繋ごう 2016年9月日本経済学会@早稲田大学4
  5. 5. 経済学研究者のよくある誤解 2016年9月日本経済学会@早稲田大学5 } 一般の方も誰がまともな研究者かくらい判断できる } できない! → 調べるコストが大きい } 「メディアに出ている経済学者がエラい先生」 } バランスを欠く見方が学問的知見として広まる危険性 } 研究系の経済学者を使わないのはメディア側の問題 } そうでもない! → きちんとした専門家へのニーズは大きい } 供給側の問題:「メディアに出るのは堕落・時間のムダ」 } 理系におけるサイエンス・ライターの不在 } メディア系学者の内部で仕事を紹介し合う悪循環
  6. 6. 情報の非対称性 → 解消できる?すべき? 2016年9月日本経済学会@早稲田大学6 } 一般の読者・視聴者 } 誰が研究実績のある経済学者か分からない } しかし、経済や経済学に関するニーズは強い } メディア・論壇系経済学者 } 最新学説や経済学の全体像をよく知らない } しかし、一般読者の関心やケンカ(論争)に強い } 研究系経済学者 } メディアでの情報発信への関心や手段に乏しい } しかし、最新学説や経済学の全体像には詳しい } なぜ役割分担が固定されてしまったのか? } 解決策を含めて<理論分析>で検討!
  7. 7. 研究しながらメディアに出る 2016年9月日本経済学会@早稲田大学7
  8. 8. 研究とメディア活動を両立する3つのコツ 2016年9月日本経済学会@早稲田大学8 1. 研究時間を作る 2. 研究グセをつける 3. 満足感・達成感を下げる
  9. 9. 1. 研究時間を作る 2016年9月日本経済学会@早稲田大学9 } 予定を立てる } 「空いている時間にまとめて やろう!」はNG } スケジュール管理の単純・ 短縮化 } Google Calendarを共有 } 増える依頼をきちんと断る } 依頼主は増える仕事が他の 活動に与える(負の)影響を 考慮せずに連絡してくる → 放っておくと過剰に } どのように取捨選択すれば良 いだろうか?
  10. 10. アリエリー教授のアドバイス 2016年9月日本経済学会@早稲田大学10 } 何か頼みごとをされるた びに、「来週だったらどう するか」を考える。 } 時間を作りたい→OK } 他の約束より優先できない →NG } 予定表を見てその日に動 かせない予定が入ってい た(例:出張だった)ことに 気づいたと想像。 } 残念に感じる→OK } ホッとする→NG
  11. 11. 2. 研究グセをつける 2016年9月日本経済学会@早稲田大学11 } 文献調査&検討 → 執筆・編集 } 頭を動かすことよりも手を動かすことが重要! } 共同研究 } 定期的に会合を入れる=コミットメント } セミナー・学会参加 } レフェリー
  12. 12. 3. 満足感・達成感を下げる 2016年9月日本経済学会@早稲田大学12 } 研究以外からの満足感は禁物! } 講義ノートの作成、メディア原稿の執筆、ゼミ生の活躍、etc (研究への渇望を阻害するリスク大) } 同世代で活躍する研究者のcvを見て凹む } いかに研究をサボっているかが客観視できる } とにかく投稿し続ける } レフェリーからのダメ出し → (適度に)自信を無くせる
  13. 13. 経済論壇のジレンマ<理論分析> 2016年9月日本経済学会@早稲田大学13
  14. 14. 経済論壇のジレンマ } あるメディア(出版社)が経済書の執筆者を探している } 2人の経済学者 ー 真の経済学者とダメな経済学者 ー が執筆者の候補に挙がった } 彼らはどちらが真の経済学者かを知っているが、出版社 は知らない } この時、出版社は真の経済学者に執筆を依頼すること ができるだろうか? Þ メカニズムデザイン(遂行理論)によって分析! 2016年9月14 日本経済学会@早稲田大学
  15. 15. 経済論壇のジレンマ:解題(1) } 実現可能な結果は以下の3つとする } a:経済学者Aに依頼する } b:経済学者Bに依頼する } c:第3者(素人/評論家)に依頼する } 社会の状態(私的情報)には2通りの可能性 } X:「Aが真の経済学者」 } Y:「Bが真の経済学者」 } 出版社(経済論壇)の目的 } 真の経済学者に依頼する:X → a, Y → b } この目的は果たして達成できるだろうか? 2016年9月15 日本経済学会@早稲田大学
  16. 16. 経済論壇のジレンマ:解題(2) } Aが真の経済学者の場合(X) } Aの選好:a > b > c } Bの選好:b > c > a } Bが真の経済学者の場合(Y) } Aの選好:a > c > b } Bの選好:b > a > c } 選好パターンの解釈 } 真の学者は素人よりもマシなダメな学者を好む } ダメな学者は専門家からの批評や糾弾を恐れる Þ 実は、出版社の目的は絶対に達成できない! (どんなメカニズムを使ってもナッシュ遂行できない) 2016年9月16 日本経済学会@早稲田大学
  17. 17. 経済論壇のジレンマ:解題(3) } Aが真の経済学者の場合(X) → aを実現したい } Aの選好:a > b > c } Bの選好:b > c > a } Bが真の経済学者の場合(Y) → aの望ましさは上昇 } Aの選好:a > c > b } Bの選好:b > a > c } マスキン単調性=ナッシュ遂行の必要条件 } Xでaが選ばれるなら、Yでもaが引き続き選ばれる } そうでない目的はナッシュ均衡によって遂行できない } (出版社の目的はマスキン単調性を満たさない) Þ しかし、出版社にはさらなる悲劇が… 2016年9月17 日本経済学会@早稲田大学
  18. 18. 現実的なメカニズム(ゲーム型式) B A 名乗り出る 相手に譲る 名乗り出る c a 相手に譲る b c 2016年9月18 日本経済学会@早稲田大学
  19. 19. Aが真の学者である場合(X)の利得表 B A 名乗り出る (支配戦略) 相手に譲る 名乗り出る 1 0 0 2 相手に譲る 2 1 1 0 2016年9月19 ナッシュ均衡 日本経済学会@早稲田大学
  20. 20. 経済論壇の悲劇 } 真の経済学者Aではなく、ダメな経済学者Bが選ばれる のが唯一のナッシュ均衡 } 真の経済学者がBの場合には、Aが選ばれてしまう } 現実的なメカニズムのもとでは、常にダメな経済学者が 仕事を依頼されてしまう! } 著者自身からの申し出に頼るようなナイーブな依頼方法 だとダメな経済学者の本ばかり出版する羽目になる!? } ダメな経済学者は「名乗り出る」のが支配戦略! } 現実的な解決策はあるか? 2016年9月20 日本経済学会@早稲田大学
  21. 21. 解決策!? 新たな結果(d)の導入 } Aが真の経済学者の場合 } Aの選好:a > d > b > c } Bの選好:b > c > a > d } Bが真の経済学者の場合 } Aの選好:a > c > b > d } Bの選好:b > d > a > c } 新たな結果 d の解釈 } ダメな学者批判で有名な辛辣な学者への執筆依頼 } 辛辣な学者への書評依頼を事前にコミット (その上でAとBどちらに依頼するかはランダムに決定) Þ マスキン単調性が満たされるように! 2016年9月21 日本経済学会@早稲田大学
  22. 22. 新たなメカニズム B A 名乗り出る 相手に譲る 名乗り出る d a 相手に譲る b d 2016年9月22 日本経済学会@早稲田大学
  23. 23. Aが真の学者の場合(X)の利得表 B A 名乗り出る 相手に譲る 名乗り出る (支配戦略) 0 2 1 3 相手に譲る 2 1 0 2 2016年9月23 ナッシュ均衡 日本経済学会@早稲田大学
  24. 24. 経済論壇の平和 } 真の経済学者Aが選ばれるのが唯一のナッシュ均衡に } 真の経済学者がBの場合も、きちんとBが選ばれる } 修正版メカニズムのもとでは、常にきちんと真の経済学 者が仕事を依頼される! } 研究業績や研究者としてのキャリアがあり、労を厭わず にダメな経済学(者)批判を行う人物がキーパーソン } 存在自体が鍵!(均衡経路においては何もしなくて良い) } ダメな経済書に批判の声を上げることで、ダメな経済学 者の影響が下がり、質の高い情報発信に繋がる? 2016年9月24 日本経済学会@早稲田大学
  25. 25. みなさんへのメッセージ 2016年9月日本経済学会@早稲田大学25
  26. 26. 「加藤陽子氏に聞く」(週刊東洋経済9月10日号) 2016年9月日本経済学会@早稲田大学26 } 歴史書は今、自虐史観や 「世間学問知」がお花畑 状態にあるようだ。 } 実証的に支持されないこ とを言っていれば職を失う 立場にある人間が、まじ めに書いているから安心 といわれながら、「学説 知」と「世間学問知」の間 を信頼感で埋める役割を 担えればいいと考えてい る。
  27. 27. 経済論壇では… 2016年9月日本経済学会@早稲田大学27 } 経済書も、極論や「オレ流経済学」でお花畑状態では? } 専門知と極論・オレ流の間を信頼感で埋めよう! } 今すぐできること } メディア発信する経済学者の間接的サポート (情報拡散、炎上回避の助け舟、建設的コメント) } ダメな経済書・議論をスルーせずにNo! (なぜダメなのか論拠を提示、「教科書嫁」は逆効果) } 中身の優れた非経済学者とのコラボ (経済学の方法論は敵対するための武器ではない)
  28. 28. 最後にお願い 2016年9月日本経済学会@早稲田大学28 }安田から 「執筆・登壇・出演」 などのお願いがあった 場合は、ぜひぜひお引 き受けください m(._.)m
  29. 29. 参考リンク集 2016年9月日本経済学会@早稲田大学29 } 研究者のメディア活動について } http://www.gaya.jp/media/what_is_science.htm } 東京大学の池谷裕二教授(薬学)によるサイト。 } 経済学者リスト(安田作成) } 国内: https://sites.google.com/site/economistsjapan/list2 } 海外: https://sites.google.com/site/economistsjapan/list } 注意書きを読みご参考ください。改訂情報順次募集中! } IDEAS:Top 25% Institutions and Economists in Japan } https://ideas.repec.org/top/top.japan.html

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