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貯蓄から資産運用への新しい道筋

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2018年9月25日(火)に東京大学にて行われる【近未来金融システム創造プログラム】の第8回講義「貯蓄から資産運用への新しい道筋」のスライド資料になります。
https://todaifinanceinnovation.com/

Published in: Economy & Finance
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貯蓄から資産運用への新しい道筋

  1. 1. 貯蓄から資産運用への新しい道筋 ~ナッジの活用と資本主義のアップデート~ 近未来金融システム創造プログラム 安田洋祐 大阪大学 大学院経済学研究科 准教授 Eメール: yasuda@econ.osaka-u.ac.jp ウェブ: https://sites.google.com/site/yosukeyasuda/jp 2018年9月 1
  2. 2. 簡単な自己紹介 • 1980年 東京都生まれ • 2002年 東京大学経済学部卒業 (大内兵衛賞、経済学部卒業生総代) • 2007年 プリンストン大学Ph.D. • 2007年 政策研究大学院大学助教授 • 2014年 大阪大学経済学部准教授 • 研究領域 – 経済理論、ゲーム理論、マーケットデザイン • 学術研究の傍らマスメディアを通した一 般向けの情報発信や、政府等での委員 活動にも積極的に取り組んでいる。 2018年9月 2安田洋祐|大阪大学
  3. 3. 著作など 2018年9月 3安田洋祐|大阪大学
  4. 4. 資料の流れ 1. 「金融リテラシー研究会」の取り組み 別紙 2. 「ナッジ」を成功させる3つの要素 3. 「仕掛学」(by 松村真宏教授) 4. Wealth(富)からCapital(資本)へ 2018年9月 4安田洋祐|大阪大学
  5. 5. 「ナッジ」を成功させる3つの要素 2018年9月 安田洋祐|大阪大学 5
  6. 6. 3つの「S」・・・良いナッジの条件 • Simple [単純] – 選択アーキテクチャーはできるだけ単純に • Scientific [科学的] – 経済学や心理学の知見に立脚 (理論) – ナッジの効果を統計的に検証 (エビデンス) • Supposedly Irrelevant Factor [無関係要因] – 合理的経済人(ホモエコノミクス)には影響無し – Relevantな要因 → インセンティブ設計 2018年9月 安田洋祐|大阪大学 6
  7. 7. 3つのパターナリズム • パターナリズム(温情主義) – 本人の意思・選択を伴わない強制的な介入 • 非対称パターナリズム – 本人が非合理な場合にのみ効果のある介入 • リバタリアン・パターナリズム(ナッジ) – 選択の自由を制限せず結果を変え得る介入 2018年9月 安田洋祐|大阪大学 7
  8. 8. 3つの癖にナッジは効く! • 惰性 [Inertia] – 自分の行動を変えない/変えることができない – 持っている商品・銘柄を過大評価 → 保有効果 • 損失回避 [Loss Aversion] – 参照点からのプラスよりマイナスに強く反応する – プラス分の減少には鈍感 → ハウスマネー効果 • 現在バイアス [Present Bias] – 自制心が欠如し目の前の欲求に屈する – 時間非整合な意思決定に陥ってしまう… 2018年9月 安田洋祐|大阪大学 8
  9. 9. 時間非整合な意思決定 A) 今すぐに1万円もらえる B) 1週間後に1万500円もらえる ⇒ 現在バイアスが強い人はAを選ぶ C) 1年後に1万円もらえる D) 1年と1週間後に1万500円もらえる ⇒ Aを選んだ人も多くはDを選ぶ Dを選んだ人に1年経ってから最初の質問をすると… 2018年9月 安田洋祐|大阪大学 9
  10. 10. 現在バイアスを弱める工夫 A) 今すぐに1万円もらえる B) 1週間後に1万500円もらえる ⇒ この聞き方だとAを選ぶ人が多い C) 今すぐ1万円もらえるけど、1週間後は1円ももらえ ない D) 今すぐには1円ももらえないけど、1カ月後は1万 500円もらえる ⇒ 自制的なDを選ぶ人が増える! 2018年9月 安田洋祐|大阪大学 10
  11. 11. 2018年9月 安田洋祐|大阪大学 11 Nudge Database v1.2 (Univ. of Starling) より引用
  12. 12. 「仕掛学」(BY 松村真宏教授) 2018年9月 安田洋祐|大阪大学 12
  13. 13. 仕掛学というアプローチ • 「仕掛け」は魅力的な行 動の選択肢を増やすこ とで目的の行動に誘う アプローチをとります。 • 例) ゴミ箱の上にバス ケットゴールを付けると ゴミでシュートしたくなる ⇒ 結果的にゴミ捨て行 動が促進されます。 2018年9月 安田洋祐|大阪大学 13
  14. 14. ナッジとの違いは認識の有無? 2018年9月 安田洋祐|大阪大学 14 ナッジ ← 本人が知らないうちに行動が誘導される 仕掛け ← 新しく何かに気付いて行動が起こされる 大阪大学HP(「仕掛け」で問題解決へと人をいざなう)より引用
  15. 15. さまざまな仕掛けの例 • レジの前に人の足マーク – 自然と列(フォーク並び)ができる • 駐輪場に平行線を引いておく – 線に沿って駐輪してたくさん停められる • 音が出るゴミ箱/階段 – ゴミを捨てる/階段を歩く人が増える • 壁などに鳥居のマーク – ポイ捨て・立ち小便などの迷惑行為が減る 2018年9月 安田洋祐|大阪大学 15
  16. 16. ナッジ/仕掛け vs. インセンティブ • ナッジ(SIF)によって選択は大きく変わる – 慣れると効果が短期で終わってしまう場合も – 金銭的なインセンティブでナッジを補強できる – “望ましい”選択をどう決めるか? • 大きな金銭的インセンティブも効果が高い – 罰金・罰則は政治的、コスト的に難しい場合も – 報酬を与えるために財政的な負担がかかる 2018年9月 安田洋祐|大阪大学 16
  17. 17. おまけ・・・インセンティブ落とし穴 2018年9月 17安田洋祐|大阪大学 「マルチタスク問題」の罠にご用心!
  18. 18. WEALTHからCAPITALへ 2018年9月 安田洋祐|大阪大学 18
  19. 19. “資本”主義とは? Wealth (死蔵) Capital (再投資) 生産利益 2018年9月 19安田洋祐|大阪大学 生産利益 「資本主義」の定義(by ハラリ) → 利益は生産活動に(再)投資される“べき”
  20. 20. 富の格差問題 2018年9月 20安田洋祐|大阪大学 最上位1%の資産 >ほか99%の資産
  21. 21. 物欲無き“欲望”が支配する新たな時代? 経済学の大前提 人々は「トレードオフ」に直面している リンゴの消費 ⇔ みかんの消費 今日の消費 ⇔ 将来の消費(貯蓄) 経済学が見逃している(?)点 (物質的な)トレードオフに直面していない人もいる トップ1%の富裕層 --- お金はあっても使えない 彼らの富は世界の半分(以上)! モノが売れずに資産バブルが起こる理由? 富裕層の金融資産は 増え続けている…
  22. 22. 22 「資本主義」のアップデート • バッテンで決まる価格 – 資本市場 → 利子 – 労働市場 → 賃金  縦軸は常に“価格” • お金とは別の価格? – 待ち行列 → 時間 – 評価経済 → いいね! – ESG投資? – クラウドファンディング 2018年9月 “お金”以外で価格が決まる → 多次元評価 同じアイテムでも異なる価格 → マッチング 安田洋祐|大阪大学
  23. 23. 失われた20年の「負のスパイラル」 低賃金 (安い労働力) 資本投資減少 (機械より人) 労働の限界生産 性も減少 更なる賃下げ (徐々に人不足) 【需要面】 投資需要低迷 => 金利低下 【供給面】 技術革新低迷 => TFP低下 (日本版の) ルイスの転換点? 長時間労働 労働分配率低下 2018年9月 安田洋祐|大阪大学 23 消費需要 低迷?
  24. 24. 「正のスパイラル」へと逆転!? 高賃金 (高い労働力) 資本投資増加 (人より機械) 労働の限界生 産性も増加 更なる賃上げ (徐々に人余り) 【需要面】 投資需要増大 => 金利上昇 【供給面】 技術革新促進 => TFP増加 働き方改革 深刻な人手不足 定型化された仕事がAI・ロボット に徐々に置き換わっていく 雇用のミスマッチ解消が課題! 2018年9月 安田洋祐|大阪大学 24
  25. 25. AI・IoTの進展:国内での影響 AIの進展により、ロボットが人間を助け付加価値を生むような時代がくる! 人口減少、少子高齢化を他国に先駆けて迎える日本にとってチャンス!!  労働代替型のニーズが高い(日本は人手不足) 例: 農業従事者、建設・物流、介護、廃炉、熟練工の後継者、etc  ロボット工学が強い (研究者が多い)  ロボットに対する潜在意識が米国とは異なり、世代を超えた理解がある。  日本: 人とテクノロジーが共存する。(アトム、ドラエモンなど)  米国: 人とロボットが闘う (ターミネーターなど) 。 人工知能による「ものづくり」の復権へ 言語データから 行動データ 2018年9月 安田洋祐|大阪大学 25 利便性から 安全性 ヴァーチャル からリアル

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