はじめてのルベーグ積分
@Wakamatz
内容
リーマン積分とルベーグ積分の比較
可測関数と可積分関数
ルベーグ積分を使う動機
リーマン積分では計算できない関数を計算したい!
極限と積分の順序交換が可能か、簡単に判定したい!
微分と積分の順序交換、積分の順序交換が可能か、簡単
に判定したい!
積分とは
関数のグラフで囲まれる領域の面積を求めること。
リーマン積分もルベーグ積分も可算個の長方形で領域を
埋めて、長方形の面積の合計で積分を求めている。
リーマン積分の場合
長方形を細くしていくことで近似していくスタイル
ルベーグ積分の場合
長方形で隙間を埋めていくことで近似していくスタイル
※ この計算法の根拠は「ルベーグの単調収束定理」
ルベーグ積分の記法
ルベーグ積分強調したい場合は下記のような記法を用いる。
これは のときは下記に相当する
は測度(measure)のギリシア語の頭文字
fdμ∫
R
R = [a, b]
fdx∫
b
a
μ
ルベーグ積分で計算 その1
xdμ∫
[0,1]
=
=
=
=
+ 2 + ⋯ + + ⋯( )
1
2
2
( )
1
4
2
2
n−1
( )
1
2
n
2
∑
n=0
∞
2
n−1
( )
1
2
2n
=
1
2
∑
n=0
∞
( )
1
2
n
1
4
∑
n=0
∞
( )
1
2
n−1
=
1
4
1
1 −
1
2
1
2
積分できる関数を拡張する
ここまで正の関数しか扱ってこなかった。
ここからは負の値をとる関数も考える。
可測関数とは
の にセットできる関数のこと。
を計算できる可能性はあるが、計算できるとは限ら
ない。
∫ fdμ f
∫ fdμ
可測関数その1
可算個の長方形で埋め尽くせる関数は可測関数。
可測関数その2
可測関数の可算和も可測関数。
言い換えると
が可測関数のとき、 も可測関数。, , ⋯f1 f2 ∑
∞
n=0
fn
※  となるとは限らない。dμ = dμ∫
R
∑
∞
n=0
fn ∑
∞
n=0
∫
R
fn
可測関数その3
可測関数の差でかける関数も可測関数。
言い換えると
が可測関数のとき、 も可測関数。f, g f − g
※  だが、計算できるとは限らない。(f − g)dμ = fdμ − gdμ∫
R
∫
R
∫
R
可測関数とは
1. 可算個の長方形で埋め尽くせる関数
2. が可測関数のとき、
3. が可測関数のとき、
, , ⋯f1 f2 ∑
∞
n=0
fn
f, g f − g
※2,3の定義は再帰的
可測関数の積分値
に対して
として計算します。
(x)f+
(x)f−
:=
:=
{
f(x)
0
(f(x) >= 0)
(f(x) < 0)
{
−f(x)
0
(f(x) < 0)
(f(x) >= 0)
∫ fdμ := ∫ dμ − ∫ dμf+ f−
ルベーグ積分で計算 その2
有理数上0、無理数上1となる関数 の積分 を考える。f f(x)dμ∫
1
0
このままだと計算できないので、 (有理数上1、無理数上0)を考えると、
有理数は可算集合なので
1 − f
(1 − f)dμ∫
1
0
=
=
=
dμ∫
1
0
∑
a:rational
1{a}
dμ∑
a:rational
∫
1
0
1{a}
0 = 0∑
a:rational
従って
fdμ∫
1
0
=
=
(1 − (1 − f))dμ∫
1
0
1
は計算できない∞ − ∞
f(x) := {
−1
1
(x < 0)
(x >= 0)
について を考えるfdμ∫
∞
−∞
fdμ∫
a+b
−a
=
=
=
fdμ + fdμ∫
0
−a
∫
a+b
0
− dμ + dμ∫
0
−a
∫
a+b
0
− a + (a + b) = b
従って
fdμ∫
∞
−∞
= fdμ = blim
a→∞
∫
a+b
−a
は任意の値をとれるので値が確定しない。b
可積分関数
可測関数 は2つの正の可測関数 によって
と書ける
の積分値が有限のとき可積分関数と呼ぶ。
f ,f+ f−
−f+ f−
,f+ f−
dμ < ∞∫
R
f+
dμ < ∞∫
R
f−
これをひとつの式で表すと
|f|dμ < ∞∫
R
※ ルベーグ積分の主な対象はこの可積分関数がメインとなる。
次回予告
可積分関数はベクトル空間 をなすL1
LEBESGUE優収束定理
FUBINIの定理
WIERSTRASSの近似定理

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