リーダーシップ研究大学 研究ノート        企業の強みを生かした変革 アクション ラーニング技法を活用した B 社の試み      リ ー ダ ー シ ッ プ 研 究 大 学 出 版 2013 0 06         リーダーシップ研究...
目次1.アクション・ラーニング・セミナー導入の背景 ------------------------------------------------------------ 22.アクション・ラーニングの実践アプローチとしての「質問会議」 --...
本事例は、筆者がシニアコーチとして研修サービス専門のB社で6カ月のチーム・ビルディングプログラムを実践した時のものであり、その実践内容を一條和生の「チームワーク再考」および「組織の人間的側面」1により検証する。1.アクション・ラーニング・セミナ...
グループ           経営スタッフ                ベテラン契約講師                 パートナー講師                1回目      2回目     3回目     1回目     2回目 ...
6.の「自分の意見や感情を隠して言わないことがある」の数値が講師グループで6.0と4.0と高いことからも、経営者スタッフグループが思っているほど、勉強会スタート時には講師グループは、自由に発言出来る場とは感じておらず、このグループ内では自律的で...
著者略歴桃井 庸介       ももい つねゆき早稲田大学理工学部卒業。情報処理サービス会社にてシステム開発、マーケティング、経営企画など幅広い部門に従事。早稲田大学ビジネススクールに留学後、取締役企画室長として東証 2 部上場プロジェクトを統...
ISBN4-901798-18-9C2334 ¥600E定価(本体 600 円+税)リー ダ ー シッ プ 研 究大 学    博士 課 程       修士 課 程       行動科学アカデミー講座       実践と創造のリーダーシップ研...
Upcoming SlideShare
Loading in …5
×

企業の強みを生かした変革:アクションラーニング技法を活用したB社の試み 《立ち読み版》

697 views

Published on

《本文より抜粋》
1.アクション・ラーニング・セミナー導入の背景

筆者は前年にシニアコーチの資格取得の条件である質問会議実習をB社の社長に依頼し、4日間都合8回の質問会議セッションを実施した。社長はこの8回のセッションにより質問会議を気に入り、アクションラーニング(質問会議)を取り入れたチームビルディングと人材コンサルタントのスキルアップを目的としたトレーニング・プログラムの実施を決めた。

トレーニングは以下のねらいで毎月1日、計6回の予定で開始されることになった。

● メンバーのコンサルティング・スキルの向上とコンサルティング・チームの形成の実現を図る。
● プログラム参加者が、ALセッションで鍛えた質問力、抽象的概念化力、プロセスへの対応スキル、およびインプット学習で得た知識、スキルを活かしてクライアントの人材スキル、人材育成に関連した問題、組織風土改革などの問題解決に向けての提案ができるようになる。

社長は「クライアントとピンポイントビジネスで終わらないおつきあいのできる事業を展開していきたい」という思いを持ち、「教育コンサルティング事業」を拡大したいと考えていた。契約講師は社長の方針に理解を示していたが、コンサルタント業務への不安も大きく、チーム力は弱かった。

http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/225205

Published in: Business
0 Comments
0 Likes
Statistics
Notes
  • Be the first to comment

  • Be the first to like this

No Downloads
Views
Total views
697
On SlideShare
0
From Embeds
0
Number of Embeds
164
Actions
Shares
0
Downloads
0
Comments
0
Likes
0
Embeds 0
No embeds

No notes for slide

企業の強みを生かした変革:アクションラーニング技法を活用したB社の試み 《立ち読み版》

  1. 1. リーダーシップ研究大学 研究ノート 企業の強みを生かした変革 アクション ラーニング技法を活用した B 社の試み リ ー ダ ー シ ッ プ 研 究 大 学 出 版 2013 0 06 リーダーシップ研究大学修士課程 桃井庸介
  2. 2. 目次1.アクション・ラーニング・セミナー導入の背景 ------------------------------------------------------------ 22.アクション・ラーニングの実践アプローチとしての「質問会議」 ---------------------------------- 23.第 1 回「質問会議」からの学び ---------------------------------------------------------------------------------- 44.参加者からの振り返り ----------------------------------------------------------------------------------------------- 55.グループインベントリーによる分析 ---------------------------------------------------------------------------- 7 Copyright (C) 2013 Tsuneyuki Momoi, University of Leadership Studies リーダーシップ研究大学 1
  3. 3. 本事例は、筆者がシニアコーチとして研修サービス専門のB社で6カ月のチーム・ビルディングプログラムを実践した時のものであり、その実践内容を一條和生の「チームワーク再考」および「組織の人間的側面」1により検証する。1.アクション・ラーニング・セミナー導入の背景 筆者は前年にシニアコーチの資格取得の条件である質問会議実習をB社の社長に依頼し、4日間都合8回の質問会議セッションを実施した。社長はこの8回のセッションにより質問会議を気に入り、アクションラーニング(質問会議)を取り入れたチームビルディングと人材コンサルタントのスキルアップを目的としたトレーニング・プログラムの実施を決めた。トレーニングは以下のねらいで毎月1日、計6回の予定で開始されることになった。● メンバーのコンサルティング・スキルの向上とコンサルティング・チームの形成の実現 を図る。● プログラム参加者が、ALセッションで鍛えた質問力、抽象的概念化力、プロセスへの 対応スキル、およびインプット学習で得た知識、スキルを活かしてクライアントの人材 スキル、人材育成に関連した問題、組織風土改革などの問題解決に向けての提案ができ るようになる。 社長は「クライアントとピンポイントビジネスで終わらないおつきあいのできる事業を展開していきたい」という思いを持ち、「教育コンサルティング事業」を拡大したいと考えていた。契約講師は社長の方針に理解を示していたが、コンサルタント業務への不安も大きく、チーム力は弱かった。2.アクション・ラーニングの実践アプローチとしての「質問会議」 野中らは、その著書「知識創造企業」の中で「チームは、個々人が相互に作用し合いながら体験を共有する場を提供するのである。チームメンバーは、対話や議論をつうじて新しい視覚を創り出す。この対話では、意見の衝突や不一致がかなりあってもよい。なぜなら、そのような意見の衝突こそが、それまで当然視されてきた前提に疑問を抱き、体験を新しい角度から理解するきっかけとなるからである。このようなダイナミックな相互作用が、個人知から組織知への変換を促進するのである」と主張している2。一條によれば、チームワークはただ一緒にチームを組んで仕事をすればいいというものではない 3。自分の持っているユニークな経験や知識を出し、他のメンバーの持っている、自分にはないすばら1 「企業変革のプロフェッショナル」一條和生(著) P112~P1192 「知識創造企業」 野中郁次郎、竹内弘高(著)梅本勝博(訳) P173 前出「企業変革のプロフェッショナル」P112 Copyright (C) 2013 Tsuneyuki Momoi, University of Leadership Studies リーダーシップ研究大学 2
  4. 4. グループ 経営スタッフ ベテラン契約講師 パートナー講師 1回目 2回目 3回目 1回目 2回目 3回目 1回目 2回目 3回目 懸 平均 平均 平均 平均 平均 平均 平均 平均 平均 念 番号 1 2.33 2.00 2.00 4.00 3.00 2.50 2.00 1.33 1.33 5 1.33 1.00 2.33 5.50 3.50 3.00 2.00 2.00 1.67 受 9 3.67 4.00 3.00 6.00 5.00 3.50 3.00 2.67 2.33 13 1.67 2.67 2.67 2.50 3.00 2.50 3.33 2.33 2.00 容 17 3.00 3.33 1.67 2.00 2.00 2.00 3.00 2.00 1.33 平均 2.40 2.60 2.33 4.00 3.30 2.70 2.67 2.07 1.73 デ 2 3.00 1.67 2.33 2.50 2.50 2.50 4.67 2.33 2.00 ー 6 3.00 3.00 2.67 6.00 4.50 3.00 4.00 3.00 2.33 タ表ー 10 2.33 3.67 2.33 4.00 4.00 3.50 3.33 3.67 3.33出の 14 4.33 4.33 1.33 3.00 2.50 2.00 1.67 2.67 1.33 流 動 18 2.67 2.00 1.67 4.50 4.00 3.50 2.67 2.00 2.33 的 平均 3.07 2.93 2.07 4.00 3.50 2.90 3.27 2.73 2.26 4 1.67 1.33 1.33 1.50 1.50 2.00 1.67 1.67 1.33 目 8 2.67 2.33 2.00 2.50 2.00 3.00 1.67 1.67 1.33 標 12 2.33 3.67 2.67 3.00 2.50 3.00 3.67 2.00 2.33 形 16 2.33 2.67 1.33 4.50 3.00 3.00 5.00 2.67 1.67 成 20 1.33 1.33 1.00 2.00 3.00 3.00 2.33 2.00 1.67 平均 2.07 2.27 1.67 2.70 2.40 2.80 2.87 2.00 1.67 3 3.33 3.33 1.67 3.00 2.00 3.50 3.33 2.00 2.33 社 7 4.67 4.67 2.33 5.50 4.50 3.50 2.67 4.00 2.00 会 11 3.00 3.00 2.33 3.50 3.50 3.50 3.00 3.67 2.33 的 15 3.67 4.33 3.33 6.00 4.50 2.50 3.33 3.33 2.33 統 19 3.67 2.67 1.67 1.50 2.00 2.00 2.67 2.00 1.33 制 平均 3.67 3.60 2.27 3.90 3.30 3.00 3.00 3.00 2.06 ベテラン講師グループは4.5、パートナーグループの数値は5.0と20項目の中で2番目に高く、経営者とスタッフグループがチームに感じていることと講師グループとの間に乖離が見られた。恐らく、経営スタッフからの解決行動の要請に講師グループが迅速に対応していて、講師グループの行動が経営スタッフ側の期待に応えるものであったのだろう。そうしたことから経営者スタッフグループは、このチームを「何かが起こったときすぐ解決しようとするチーム」と見ていたと思われる。だが実際のところは、講師グループは経営スタッフから要請されたことはすぐに解決行動を起こすものの、自身では気づいているが、経営スタッフや他の講師が気づいていないことについては、自分から解決行動を起こすことに躊躇する気持ち、つまりそうした行動を起こしてよいのかという懸念があったと考えられる。 Copyright (C) 2013 Tsuneyuki Momoi, University of Leadership Studies リーダーシップ研究大学 9
  5. 5. 6.の「自分の意見や感情を隠して言わないことがある」の数値が講師グループで6.0と4.0と高いことからも、経営者スタッフグループが思っているほど、勉強会スタート時には講師グループは、自由に発言出来る場とは感じておらず、このグループ内では自律的でなかったと言える。 この16.の「すぐ解決しようとしないで手をこまねいて見ている」の懸念数値は、3回目(最終日)では全体平均で1.88となり、懸念解消度は2.0と20個の懸念の中で最も大きい結果となった。パートナー講師グループでは、5.0から1.67と最大の下げ幅で低下している。これは、ALセッションにおいて、チーム意識が形成された証と言ってよいだろう。問題の掘り下げ → 再定義 → GOAL → 行動計画 → サポート表明の繰り返しにより、チームメンバーの問題をチームで解決しようという意識が高まったものと解釈できる。●1回目の結果で全体平均の最も高い数値を示している懸念は社会的統制の懸念(3.48)である。特に7.の「特定の人の影響のみが強いと感じている」と15.の「規則・形式にこだわってしまっていることが多い」の二つの意識状態の数値は共に4.13で6.の「自分の意見や感情を隠して言わないことがある」とともに全体平均では最も高い数値を示している。グループ別に見ると、7.の「特定の人の影響のみが強いと感じている」については、経営者とスタッフグループおよびベテラン講師グループの数値が4.67と5.5と高い。一方パートナーグループは2.67と全体平均より低くなっていて、パートナー講師グループの一人は1をつけていることから、勉強会開始時では「特定の人の影響のみが強い」とはあまり感じていなかったようである。これは、影響力のあるメンバー(このチームでは経営者)との会議の回数がベテラン講師に比べて少ないことが関係していると思われる。 パートナー講師グループの「特定の人の影響のみが強いと感じている」の数値は2回目のインベントリー(1日目の夕方実施)では2.67から4.0と1.33ポイント懸念が上がっている。このことから、この仮説に関して、1日目の2回のALセッションを経験した中で、「特定の人の影響の強さ」を感じたと考えれば、影響力のあるメンバーとの会議の回数の多い少ないが関係していることが説明できそうである。数値が高かった懸念要素であるが、3回目には全体平均では2.5に下がり、懸念解消度は1.63と2番目となっている。この懸念については、経営者が最も感じていたものであり、解消したいと願っていたものであるが、ALセッションを重ねるごとにその懸念の解消が進んだことは、今回の勉強会の成果の一つとして挙げることができる。参考文献●「企業変革のプロフェッショナル」一條和生著 ダイヤモンド社、2004年●「知識創造企業」野中郁次郎・竹内弘高共著、梅本勝博訳、東洋経済新報社、1996年●「質問会議」清宮 普美代著、2008 年●「クリエイティブO.D. Vol.Ⅲ」 柳原光著、プレスタイム社、2003年 Copyright (C) 2013 Tsuneyuki Momoi, University of Leadership Studies リーダーシップ研究大学 10
  6. 6. 著者略歴桃井 庸介 ももい つねゆき早稲田大学理工学部卒業。情報処理サービス会社にてシステム開発、マーケティング、経営企画など幅広い部門に従事。早稲田大学ビジネススクールに留学後、取締役企画室長として東証 2 部上場プロジェクトを統括。取締役社長室長を経て 1993 年に独立し、(有)ティエムアール経営科学研究所設立。各種の企業研修を手がけている。企業の強みを生かした変革 アクション ラーニング技法を活用した B 社の試み2013 年 4 月 20 日発行著 者 桃井庸介発 行 リーダーシップ研究大学 ULS 出版 住所 8880 Rio San Diego Drive, 8 th Floor, San Diego, CA 92108 USA 電話: 619-209-6150 http://www.e-uls.org/ admin@e-uls.orgISBN4-901798-18-9 C2334 Copyright (C) 2013 Tsuneyuki Momoi, University of Leadership Studies リーダーシップ研究大学 11
  7. 7. ISBN4-901798-18-9C2334 ¥600E定価(本体 600 円+税)リー ダ ー シッ プ 研 究大 学 博士 課 程 修士 課 程 行動科学アカデミー講座 実践と創造のリーダーシップ研究会リー ダ ー シッ プ 研 究大 学出 版 リー ダ ー シッ プ 研 究大 学 研 究 ノー ト 、 事例 レポ ー ト CLS Japan 本部 状況対応リーダーシップ®小冊子シリーズ お問い合わせは日本語で リー ダ ー シッ プ研 究 大 学 CLS Japan 本部 〒248-0025 鎌倉市七里ガ浜東3-16-3 リーダーシップ研究大学事務局 TEL:0467-32-3523 FAX:0467-32-8600 Email:clsjapan@e-uls.org University of Leadership Studies Center for Leadership Studies, Japan 8880 Rio San Diego Drive, 8th Floor, San Diego , CA 92108 USA Copyright (C) 2013 Tsuneyuki Momoi, University of Leadership Studies リーダーシップ研究大学 12

×