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Mr123 2631

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一般社団法人日本マーケティング・リサーチ協会の機関紙「マーケティング・リサーチャー 2014 No.123号」の特集「熱中するリサーチ」 セブンシーズ マーケティングリサーチ杉本

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  1. 1. 26 特集 インサイト・コミュニティ 参加者もリサーチャーも“熱中するリサーチ” ~ビジョン・クリティカルの事例より~ 事 例 〜 リ サ ー チ サ イ ド の 対 応 〜熱中するリサーチ 株式会社ビジョン・クリティカル・ジャパン※ 杉本 徹 ※現在はビジョン・クリティカル日本パートナーであるセブンシーズ マーケティングリサーチ株式会社に転籍 1.はじめに:インサイト・コミュニティにおける熱中   とは?    インサイト・コミュニティとは、リサーチ専用のオン ライン・コミュニティである。特定のブランドやサービ スに興味や関心の高い、あるいは利用経験のある顧 客をオンライン上のクローズドなコミュニティに集め、 ブランド調査、商品開発のための調査、ブランド・コ ミュニケーションに関する調査、生活実態調査など、 さまざまな定量および定性調査を行う。それに対して マーケティング・コミュニティは、キャンペーン情報や 新製品情報などの情報提供を目的としたコミュニティ で、参加者は不特定多数で誰でも参加できるオープン なものが多い。インサイト・コミュニティの場合は、特 定された顧客や関心の高い生活者からなる数千人か ら数万人規模のクローズドなコミュニティとなってい る。広義にはMROC(Marketing Research Online Community)といえると思うが、日本の MROC の場 合は、数百人規模で定性調査を中心とするもののケー スが多い。  通常のオンライン調査では、回収率が30%前後と されているが(注1)、インサイト・コミュニティで行われ る調査の平均回収率は 45%以上、コミュニティ・メン バーの継続率は 80%である。調査品質が高いほか、 さまざまな価値があるのだが、どうして参加者はこれ ほど熱中して参加してくれるのか?  カナダに本社があり、2013 年より日本に進出して きたインサイト・コミュニティ(コミュニティ・リサーチ) のパイオニア、ビジョン・クリティカル社(以下:VC 社) での事例やケーススタディをもとに、コミュニティ・メ ンバー(調査対象者)が調査に積極的に参加していく ノウハウを紹介していきたい。現在、VC 社では、全世 界で 650 以上ものインサイト・コミュニティの運用に プラットフォームを提供している。  インサイト・コミュニティのなかで行われるリサー チでは、ブランドやサービスの利用経験が豊富で、そ の経験について語れる、あるいは語りたいという顧客 や生活者をコミュニティに招待して、インサイトを引き 出していく。初対面同士のグループインタビューでは、 なかなか本音を語ってくれないが、長年のつき合いに よる信頼関係が構築できた顧客からは、普段なら聞け ない消費者の本音や苦言を導き出すことができる。生 活者や消費者のインサイトを導き出すための調査は VOC:Voice of Customer(顧客の声や要求)を傾 聴し、捉えていくということだ。インサイト・コミュニ ティの多くは基本的に顧客をコミュニティ化するので、 コミュニティ形式も特定のブランドやサービス名称を 明記した「Nestle Kitchen Conversation(ネスレ・ キッチンカンバセーション)」「VOGUE Insiders (ヴォーグインサイダーズ)」といったブランデッド・コ
  2. 2. 2014 No.123 27 ミュニティがほとんどである。しかし、ただ利用経験 者を集めてくるだけでは、インサイト・コミュニティの 運営は成り立たない。コミュニティ・メンバーとインサ イト・コミュニティ主催者との間にエンゲージメントの あることがよりよいインサイトをもたらし、ビジネスの 意思決定をもサポートできるのである(図1)。エンゲー ジメントという言葉は、企業のソーシャルメディア活用 の場面ではブランドのファン作りや共感度を上げると いう意味で使われるキーワードだが、インサイト・コ ミュニティにおけるエンゲージメントは、それとは少し 性質を異にする。「信頼関係がベースとなった継続的 な会話」がコミュニティ・メンバーと企業とのエンゲー ジメントを醸成し、コミュニティ内での「会話=リサー チ」を成立させていく。つまり、マーケティング・コミュ ニティとは異なって、コミュニティ運営を目的とするた めに顧客とのエンゲージメントを築くということでは なく、ここでのエンゲージメントは「継続的な会話」を 行なっていくための手段なのである。   ト属性とメンバー数を決める。VC 社のインサイト・コ ミュニティの調査ツールは掲示板によるオンライン定 性調査機能に加え、コミュニティ運営管理者が写真や アイコンなどを質問に加えることのできるビジュアル な調査票を自ら作成することで、定性調査と定量調査 をハイブリッドで運用することができるというもの だ。実質、インサイト・コミュニティでは、ビジュアル 調査票を活用した定量調査を月間1人当たり2 ~ 4 回実施し、定量データを深く解釈するために、定量調 査で特定の回答をしたメンバーに、定性調査でさらに インタビューしたり、定性調査を行なっている過程で ある特定の発見があった場合などでは、即、定量調査 を行なって妥当性を検証したりしている。このため、日 本型 MROC(短期間で数十人から数百名規模のもの が多い)よりも規模が大きく、1,000人~ 50,000人 規模でコミュニティ・メンバーを構築する。世界の 650コミュニティの平均メンバー数は、1コミュニティ 当たり約 7,000人である。このように、大規模にコ ミュニティ・メンバーをリクルートして「継続的な会話」 を行う。  リクルートのアプローチは、基本的に企業が保有し ているその企業ブランドやサービスの顧客リストを使 う。主にブランドやサービスの利用経験者に、その企 業名で招待メールを送付してアプローチする。リク ルートのメール内容には、どうしてこのコミュニティに 参加してもらうのか、どういった作業をしなければな らないのか、参加してもらうことでどんなフィードバッ クが得られるのか、コミュニティを通じて何を得るこ とができるのか、それらについての趣旨を明記する。 招待されたコミュニティ・メンバーには、リサーチ活 動を通して自発的に意見を述べてもらい、アンバサ ダー、インサイダーあるいはボードメンバーであるかの ように、企業の傾聴活動に参加してもらう。そのため、 招待者メールを受け取った全員がメンバーになれるの ではなく、ブランドやサービスへの関与度や生活実態 などによるコミュニティへの参加条件該当者かどうか を確認するための Profile Question:プロファイル・ クエスチョン(以下 PQ)というメンバー該当者を選定 するスクリーニング調査を必ず行う。この PQ には、 ブランドやサービスの関与度の質問、顧客セグメント 2.サンプリングフレーム(パネル化のプロセス):イ   ンサイト・コミュニティはどういうプロセスで構築   されるのか?    では、「継続的な会話」を実現するプラットフォーム として、このインサイト・コミュニティに参加するコミュ ニティ・メンバー(調査対象者)をどう集めるかのプロ セスを紹介したい。「誰と継続的に会話をしていきたい か?」ということが、コミュニティ・メンバーのターゲッ 図1  インサイト・コミュニティループ よ い エ ンゲージメント (絆)が、よりよいインサ イトを導き出し、さらにま た良質なエンゲージメント (絆)に変わっていく。そ の結果、よりよいビジネ スの意思決定ができる。
  3. 3. 28 特集 熱中するリサーチ 事 例 〜 リ サ ー チ サ イ ド の 対 応 〜 ケースもある。だが、インサイト・コミュニティの場合 は同一のパネルメンバーが常設されているため、一度、 聴取した質問内容は、パネルメンバーの状況に変化が ない限り、質問しなくてよいし、仮に質問内容が漏れ ていたとしても、いつでも追加質問をすることができ る。従って、1回あたりの調査内容は通常のアドホック リサーチに比べて少なく、定量調査は 5 ~10 問程度、 定性調査(MROC)は 3日~1週間程度で、1回当たり の拘束時間の負担が少ない。また、過去の調査結果と 現在、実施した調査結果を容易にクロス集計すること ができたり、定性調査(MROC)に招待する調査対象 者のニッチなプロファイル条件によるフィルター設計 も可能になる。このように、インサイト・コミュニティ では、適切な頻度で、対象者にとっての負担の少ない 「継続的な会話」のリサーチ・コミュニケーションが可 能になり、回答率が高められている。  そのほかにもエンゲージメントの向上に伴う回答率 を高めるテクニカルな手法としては、ビジュアルデザ インのテンプレートを活用した調査票(図 3)による定 量調査や、PC仕様で作成した調査票および定性調査 の掲示板にスマートフォンやタブレットからもアクセス できる機能がある。 の詳細属性や生活実態を確認する質問、自発的な参 加意思を確認するための質問などが含まれる。それと 同時に、数千名のコミュニティ・メンバーの割付条件 を設定し、メンバーの構成状態を維持するためのパネ ルリフレッシュの追加リクルートを行う。顧客リストの みによるリクルート活動ができない場合は、インター ネット広告や Facebookページなど、オンラインを通 じてのリクルート活動や、店頭や商品パッケージによ るリクルート活動も行なっている(図 2)。   3.実査:リサーチはコミュニケーションである    では、実際にインサイト・コミュニティを立ち上げて から、どのようなリサーチ運用がされているのかにつ いて、VC 社の事例で紹介したい。リサーチ頻度として は、定量調査が月間1人当たり2 ~ 4 回で、定性調査 は最頻で月1回程度である。インターネットのリサー チパネルで行う調査に比べると、1人当たりのリサー チ頻度が多いことがわかる。これは、インサイト・コ ミュニティへの参加モチベーションが自発的なもので あり、金銭的モチベーションを主としてはいないので、 実現できるリサーチ頻度となっている。また、一般的 なアドホックリサーチの場合では、調査プロジェクト ごとに集計や分析のための実態情報、背景情報や属 性情報などを収集しなければならない。このため、1 回当たりの質問数やインタビュー内容が多くなる。年 に1回の CS(顧客満足度)調査で300 問以上となる   4.リサーチ構造設計:どういう会話を、いつ、誰とす   るか?    エスノグラフィー調査のように、生活者の日々の振 る舞いや生活文脈や消費行動文脈の理解をベースと 図2 VC 社のインサイト・コミュニティの    リクルート・プロセス 図3 VC社のビジュアル調査票
  4. 4. 2014 No.123 29 定期的に、タイミングよくフィードバックすることで、 信頼関係やエンゲージメントを向上させ、よりよいリ サーチ・コミュニケーション=「継続的な会話」を築き あげていく。 したリサーチデザインができることは、インサイト・コ ミュニティ運営の価値でもある。  VC 社では「継続的な会話」を実現していくために、 インサイト・コミュニティの立ち上げ時に、企業のビジ ネス目的やマーケティングプランに合わせて、いつ、誰 に、どれくらいの頻度で、どのような会話をするのか というおおよそのプランを立てる。これをリサーチ・ ロードマップと呼んでいる。季節変動要因、プロダクト ライフサイクル、新商品開発のプロセス、マーケティン グプランに合わせたさまざまな調査計画を作成する。 このように、リサーチで生活者のコンテクストを引き 出しうるようなプランニングを行い、実行することで、 マーケティング・コミュニティでよく耳にするようなネ タ切れによる参加者離れといった状況がなくなる。   5.フィードバック:リサーチ・コミュニケーションで エンゲージメントを築く    質のよい「継続的な会話」をきちんと成立させてい くには、お買い得情報、クーポン、ポイント、謝礼と いった金銭的なモチベーションに依存するのではな く、顧客が企業のアンバサダー、インサイダーあるいは ボードメンバーであるかのように企業と対等な立場で いられることが必要だ。メンバーには調査依頼ごとに 金銭的なインセンティブを与えるのではなく、傾聴し た内容のフィードバックをするということがエンゲージ メントを築くのに、非常に重要なポイントとなる。例え ば、調査結果による改善結果やコミュニティ・メンバー にしか話さない裏話的なもの、採用された広告クリエ イティブの出稿予定など、心理的インセンティブの フィードバックを行うということである。  また、6 ヵ月に1回、コミュニティ・メンバーに対し てはリサーチの内容に関する満足度調査を行い、 フィードバックする。調査の数が多すぎないか、質問内 容にわかりにくいところはないか、フィードバックで不 足していることはないか、コミュニティ・メンバーであ ることに満足しているか、メンバーを継続したいかと いったことを調査し、コミュニティ運営の改善を行い、 コミュニティ・メンバーの居心地を確認していく(図 4)。  聴く姿勢としては、コミュニティ・パネルメンバーに    (ケーススタディ:キンバリー・クラーク)  クリネックスティシューで有名な米国のヘルスケア メーカーのキンバリー・クラークは、「Kimberly-Clark Ideas 4 Life(キンバリー・クラーク アイデアズ・ フォー・ライフ」という複数ブランドのインサイト・コ ミュニティを運営している(図 5)。このコミュニティ・ メンバーのうちの約 6,000人の赤ちゃんのいる母親 たちから成る、Huggies Online Panel(ハギーズ・オ ンラインパネル)という、おむつについての調査を行 図4 VC社のパネルヘルスチェックレポート 図5 キンバリー・クラークの    インサイト・コミュニティポータル画面 https://www.kcideas4life.com.au/
  5. 5. 30 特集 熱中するリサーチ 事 例 〜 リ サ ー チ サ イ ド の 対 応 〜 現できるのだ。   6.まとめ:エンゲージメントがインサイトを導き出す    インサイト・コミュニティのポイントを整理すると、 以下の5点があげられる(図 6)。  ①より深く:年間のアドホック調査の約 2 ~ 3 倍の 情報量  ②より正確に:熱中するコミュニティ・メンバーの 回答率は 45%以上  ③より長期に:コミュニティ・メンバーの継続率は 80%  ④より早く:レスポンスのリードタイムは 24 ~ 48 時間以内で約 8 割の回答  ⑤より効率よく:年間のリサーチ予算が 80%に 軽減 うインサイト・コミュニティを有している。質問の内容 としては、例えば赤ちゃんの部屋の様子、おむつの利 用状況、どんな色合いのおむつが好みなのかなど、 日々の状況を定期的に絶え間なく継続して調査してゆ き、子育てママたちの実態をフィードバックすること で、エンゲージメントを高めていった。  いくつかの調査事例の中でも、特にインサイト・コ ミュニティならではと思った調査の例としては、①母 親たちが赤ちゃん関連のニュースにどういった反応を しているか、コミュニティ・メンバーから直ちに数十人 のメンバーをリクルートし、チャットで反応を取る。② 先週末のベビー用品に関する買い物は、どんなプロセ スでブランドの指名買いをしたのか、キャンペーン情 報に影響されていたかなど、買い物動向を知る。③今 までの調査ではなかなかリクルートできなかった新生 児向けの調査で、おむつ交換のタイミングはいつなの かやどうやって交換しているのか、母乳やミルクの与 え方などはどうしているかについて、調査を一晩で実 施した。このようなリアルタイムな調査を繰り返してい くうちに、子育てママの赤ちゃんに関するインサイト をつかむことができ、ビジネスでの意思決定への貢献 のみならず、メンバーに対する心理的報酬にも効果が 得られている。定期的なニュースレターのフィードバッ クで、母親たちは「赤ちゃんの睡眠パターン」について も興味と関心を示しており、コミュニティへの参加意 識を高めている。このような調査とフィードバックのや り取りを繰り返している結果として、Huggies Online Panel の平均回答率は 46%となっており、コスト効 率の向上や、非常に価値のあるリサーチ活動がなされ てきていること等が証明されている。  このように、1回のグループインタビューやアドホッ クの定量調査などからでは得られない情報量や時間 の経過に従って変化する態度や意見などの良質な回 答結果を収集し、積み重ねていくことにより、生活者 の生活パターンのトレンドや商品ニーズの予測に役立 てている。データドリブンな世界にいながら、しばし ば顧客の声が結果論となるケースがあるが、インサイ ト・コミュニティでは、即座に大量サンプルの「正直な フィードバック」を得ることができる。スピードやコス トのみならず、敏感な反応に先回りしたリサーチが実    インサイト・コミュニティのなかでは、すでに述べ てきたようなリサーチ・コミュニケーションによる「継 続的な会話」に基づいた生活者インサイトを抽出する ことができる。このようなエスノグラフィー調査がで きるプラットフォームで、生活者の行動観察を把握した うえでのコミュニケーション評価調査、製品評価調査、 顧客経験調査などを行うことと、さらに顧客の CRM データや Web 行動履歴データなどの観測データを統 合して分析することで、調査内容の解釈レベルがアド ホックリサーチに比べて格段に高くなる。このことに 図6 インサイト・コミュニティの価値
  6. 6. 2014 No.123 31 杉本 徹(すぎもと とおる) セブンシーズ マーケティングリサーチ株式会社 アソシエイト・ディレクター 2013年までビジョン・クリティカル・ジャパン日本市場の立 ち上げに参画。2014年からビジョン・クリティカル日本パー トナーである同社で、ビジョン・クリティカル社のインサイ ト・コミュニティのセールスおよびマーケティングに従事。前 職はニールセン(Nielsen/NetRatings)。 注1 一般社団法人 日本マーケティング・リサーチ協会 調査技 術研究委員会(2013)「インターネット調査の運用実態に関す る調査研究報告書」の P35「14-2)自社パネルを使ったイン ターネット調査の1 週間の平均協力率」による。 (Chief Customer Officer)といったカスタマー・エ クスペリエンス向上の執行責任者を配置して、顧客と の「継続的な会話」を行い、CMO(Chief Marketing Officer)と同様に複数の部門に関与して、ビジネスの 意思決定をサポートしている。  今年は日本でもいくつかのインサイト・コミュニティ の立ち上げが決まっている。日本市場においても、企 業(リサーチャー)と顧客や生活者との間で熱中する リサーチが繰り広げられることにより、良質なインサ イトを生み出していけるようになるだろう。リサー チャーと参加者がともに熱中するリサーチを通してエ ンゲージメントを築きあげ、経営層やマーケターととも にエキサイティングなマーケティング・リサーチが普及 する「インサイト・コミュニティ元年」となることを願う。 より、商品開発、営業、顧客サービス、広報・PRなど、 企業内のあらゆるステーク・ホルダーが活動するため のインサイトを引き出す調査のデザインも可能となる (図7)。例えば、製品のコンセプトテスト調査をグルー プインタビューや会場テスト(CLT)で行う際には、あ らかじめスクリーニング調査で家族構成やある程度の 生活スタイルなどについての質問をしておき、実際の 製品コンセプトのアイデアについての反応を取るわけ だが、その背景情報を取得する量や内容には限界があ るかと思う。インサイト・コミュニティにおいては、数 週間の食生活や日用品の購買行動、メディアへの接触 状況など、同じユーザーに対して日々の生活状況やプ ロファイルの変化などを定期的に追跡する調査がで きているから、コンセプトテスト調査をする際に、わざ わざ多くの背景情報を質問しなくとも、どういう生活 実態や行動が取られているかがわかるため、大量サン プルで、かつ過去の膨大な良質データを用いることが できるから、ペルソナなどのシナリオを作成した分析 が実現できるようになる。    このように、インサイト・コミュニティは、「継続的 な会話」によってリサーチャーとコミュニティ・メンバー とのエンゲージメントを築いていきながら、熱中する リサーチ環境を作りあげていく。この熱中するリサー チ環境が、先に紹介した5つのポイントにもあるよう に、より良質なデータを長期的に蓄積し、ダイナミッ クなデータをもとにした良質なインサイトを早く、安 く導いていくプラットフォームとなる。欧米ではCCO 図7 VC 社による企業における    インサイト・コミュニティの位置づけ

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